米国の作曲家、ピアニストであるカーラ・ブレイが17日に87歳で逝去されたとのことで、彼女のリーダー・アルバムを聴きました。
カーラ・ブレイは大半が大きい編成のアルバムに参加していて、彼女の演奏を聴く機会は限られていますが、これは唯一スモール・コンボによるもので、随所で彼女のピアノ・プレイを聴くことが出来ます。
「JAZZ REALITIES」 FONTANA 881 010 (フォノグラム 195J-22)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/30/5d/00f27ac731eec127cdd7c8529facdbfd_s.jpg)
1. DOCTOR
2. ONI PULADI
3. J. S.
4. WALKING BATTERIE WOMAN
5. CLOSER
6. COMMUNICATIONS No. 7
CARLA BLEY (p) KENT CARTER (b) STEVE LACY (ss)
MIKE MANTLER (tp) ALDO ROMANO (ds)
録音 1966年1月11日
全6曲は、カーラ・ブレイの作曲と、ここで共演しているマイク・マントラーとの共作によるものですが、5人の奏者は何れも20代後半であることから、若い力によるエネルギッシュな演奏集で、その特徴が如実に表現されているのが1曲目の「DOCTOR」です。
大半の部分は譜面に書かれているように思われますが、外に向かっての激しいプレイの連続となっていて、その合間を縫ってカーラはパーカシヴなピアノ演奏を展開しています。
2曲目の「ONI PULADI」は美しいメロディの曲で、トランペットとソプラノ・サックスの合奏の他、ピアノを含めた各人がこのメロディをなぞる心温まる演奏です。
「CLOSER」は、ゆったりしたテンポの演奏で、スティーヴ・レイシーが先発でソロを取り、後半ではカーラがベースとドラムスを従えてロング・ソロを取っており、貴重な音源です。
なお、当初は夫婦であったポール・ブレイも自身のアルバムで何度もこの曲を演奏しています。
その中では、ソロ・アルバムである「Open to love」の演奏が良いです。
他に手持ちのアルバムの中から、ポール・ブレイがトリオで「CLOSER」を演奏しているアルバムのジャケットを掲載しましたが、この曲に限っては、いずれもピアノ・トリオでありながら、まるでソロのように静粛な演奏となっています。
1965年作品の「TOUCHING」と、1966年作品のその名も「CLOSER」です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/5b/1c/f9d2cffe3925f6750f15fddbee8885b8_s.jpg)
最後に収録されている「COMMUNICATIONS No. 7」も、1曲目と同様に激しい演奏ですが、ピアノとベースは倍テンポにより管楽器のプレイの隙間を埋めるかの如くトツトツとした音を発しながら参加しています。
このアルバムに参加しているメンバーは、ドラマーのアルド・ロマーノを除いて全て米国出身のミュージシャンですが、この時代、米国のジャズ界は苦境にあえいでいて、有名なジャズ・クラブ(バードランド)も1965年に閉鎖されてしまいましたが、このような演奏に寛容なヨーロッパ(オランダ)であったからこそ出来たアルバムだと思います。
また、カーラ・ブレイは上記のアルバムに先立って1964年~65年に掛けてニューヨークで録音された「COMMUNICATION」にも参加していますが、彼女の出番が余りないので、こちらはジャケットだけの掲載としました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/7f/10/4b0e8e504172ab1cf8353ab0b1339c91_s.jpg)
なお、下はマイク・マントラーが作曲、指揮を担当している「THE JAZZ COMPOSER´S ORCHESTRA」のレコードに入っているテキストからのものですが、ここに収録されている「COMMUNICATIONS #9」で共演しているカーラ・ブレイとラリー・コイエルのショットがあったので、ここに掲載しました。
彼女のご冥福をお祈りいたします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/1c/5a/dd3064996f4e496bfe5ebe2cf333b2fd_s.jpg)
カーラ・ブレイは大半が大きい編成のアルバムに参加していて、彼女の演奏を聴く機会は限られていますが、これは唯一スモール・コンボによるもので、随所で彼女のピアノ・プレイを聴くことが出来ます。
「JAZZ REALITIES」 FONTANA 881 010 (フォノグラム 195J-22)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/47/83/e4a0abc8a008d63f57e3951cefa80cce_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/62/18/63cd1c01e45c378b19fbf3bdcf9ebe24_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/30/5d/00f27ac731eec127cdd7c8529facdbfd_s.jpg)
1. DOCTOR
2. ONI PULADI
3. J. S.
4. WALKING BATTERIE WOMAN
5. CLOSER
6. COMMUNICATIONS No. 7
CARLA BLEY (p) KENT CARTER (b) STEVE LACY (ss)
MIKE MANTLER (tp) ALDO ROMANO (ds)
録音 1966年1月11日
全6曲は、カーラ・ブレイの作曲と、ここで共演しているマイク・マントラーとの共作によるものですが、5人の奏者は何れも20代後半であることから、若い力によるエネルギッシュな演奏集で、その特徴が如実に表現されているのが1曲目の「DOCTOR」です。
大半の部分は譜面に書かれているように思われますが、外に向かっての激しいプレイの連続となっていて、その合間を縫ってカーラはパーカシヴなピアノ演奏を展開しています。
2曲目の「ONI PULADI」は美しいメロディの曲で、トランペットとソプラノ・サックスの合奏の他、ピアノを含めた各人がこのメロディをなぞる心温まる演奏です。
「CLOSER」は、ゆったりしたテンポの演奏で、スティーヴ・レイシーが先発でソロを取り、後半ではカーラがベースとドラムスを従えてロング・ソロを取っており、貴重な音源です。
なお、当初は夫婦であったポール・ブレイも自身のアルバムで何度もこの曲を演奏しています。
その中では、ソロ・アルバムである「Open to love」の演奏が良いです。
他に手持ちのアルバムの中から、ポール・ブレイがトリオで「CLOSER」を演奏しているアルバムのジャケットを掲載しましたが、この曲に限っては、いずれもピアノ・トリオでありながら、まるでソロのように静粛な演奏となっています。
1965年作品の「TOUCHING」と、1966年作品のその名も「CLOSER」です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/63/92/857ff3322adcb6e39ffbb8ac0e46b33a_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/5b/1c/f9d2cffe3925f6750f15fddbee8885b8_s.jpg)
最後に収録されている「COMMUNICATIONS No. 7」も、1曲目と同様に激しい演奏ですが、ピアノとベースは倍テンポにより管楽器のプレイの隙間を埋めるかの如くトツトツとした音を発しながら参加しています。
このアルバムに参加しているメンバーは、ドラマーのアルド・ロマーノを除いて全て米国出身のミュージシャンですが、この時代、米国のジャズ界は苦境にあえいでいて、有名なジャズ・クラブ(バードランド)も1965年に閉鎖されてしまいましたが、このような演奏に寛容なヨーロッパ(オランダ)であったからこそ出来たアルバムだと思います。
また、カーラ・ブレイは上記のアルバムに先立って1964年~65年に掛けてニューヨークで録音された「COMMUNICATION」にも参加していますが、彼女の出番が余りないので、こちらはジャケットだけの掲載としました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/68/af/066d135e0e5ca65043913a4a2b35b8e5_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/6d/59/02987917e0d116a9d301ba5248059fed_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/7f/10/4b0e8e504172ab1cf8353ab0b1339c91_s.jpg)
なお、下はマイク・マントラーが作曲、指揮を担当している「THE JAZZ COMPOSER´S ORCHESTRA」のレコードに入っているテキストからのものですが、ここに収録されている「COMMUNICATIONS #9」で共演しているカーラ・ブレイとラリー・コイエルのショットがあったので、ここに掲載しました。
彼女のご冥福をお祈りいたします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/78/6c/d42f0768c25d227e9541683a26b6c0b3_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/1c/5a/dd3064996f4e496bfe5ebe2cf333b2fd_s.jpg)
日本フォノグラムの「Fontana シリーズ」ジャケットデザインが良いですよね。最後に紹介された「COMMUNICATION」以外のレコードを自分も持っていて少しビックリ。特に Paul Bley のレコード良く聴きました。年代によって人相が変わり演奏スタイルも変わり魅力たっぷり、「Open To Love」も好きですけど「CLOSER」も購入時の思い出も有り愛着あります。
これらは何れも内容が良いので、その後、蘭(英)のオリジナル盤も何枚か購入し、今でも大切にしています。
Paul Blayも好きなピアニストで、その昔、地元の有志で構成していたジャズクラブで、藤井郷子との2ピアノ・コンサートを企画した思い出があります。