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私の愛聴盤(第136回)

2019-11-24 | 私の愛聴盤
第136回はジョー・ワイルダーの「N ワイルダー」です。
「❛N❜ WILDER」  MG 12063
  
1. CHEROKEE
2. PRELUDE TO A KISS
3. MY HEART STOOD STILL
4. SIX BIT BLUES
5. MAD ABOUT THE BOY
6. DARN THAT DREAM
JOE WILDER(tp) HANK JONES(p) WENDELL MARSHALL(b) KENNY CLARKE(ds)
録音 1956年1月19日
これまでに、多くの方が取り上げているアルバムですが、以前から時々ターンテーブルに乗せていることから、今回の掲載となりました。
リーダーのジョー・ワイルダー以下、強力なリズム陣を従えたカルテットの演奏は、いずれの曲も聴きごたえ十分の1枚です。
1曲目の「 CHEROKEE」は、原曲のメロディが最後まで出てこないので、クリフォード・ブラウンの名演を想像すると、いい意味で肩透かしを食らいますが、ワイルダーの流れるようなスムースなアドリブに続いての、ハンク・ジョーンズのシングル・トーンを生かした端正なソロが何とも美しいです。
そして、後半のテーマに戻る前は、ケニー・クラークのブラシを中心としたドラムスとトランペット、そして、ピアノとウエンディ・マーシャルのベースによる4小節交換において、ワイルダーは、ハイ・ノートやタンギングも取り入れて変化を付けており、10分を越える演奏をたっぷり味わうことができます。
2曲目の「PRELUDE TO A KISS」は、ビブラートをたっぷり利かせて、低音から高音へとマウスピースのコントロールだけで音を切らさず一気に吹き上げるテクニックが聴きどころです。
3曲目の「MY HEART STOOD STILL」は、ミデアム・テンポの軽快な演奏で、ケニー・クラークのブラシによるサポートが曲全体を引き立てています。
4曲目の「SIX BIT BLUES」は、ピアノとベースが導入部を担当し、その後リーダーが登場するという構成ですが、言うまでもなく、ハンクの弾くブルースは一級品であり、後半は、ワイルダーのダーティな音にワゥワゥを織り交ぜての展開や、マーシャルのスケールを生かしたソロもあり、変化にとんだブルースとなっています。
それに続く5曲目のバラード、及びミディアム・テンポの最終曲においては、低音から高音までをフルに使って哀愁たっぷりに吹く、ワイルダーのトランペットに脱帽です。

4人がそれぞれの実力を発揮する中で、ジョー・ワイルダーのあらゆるテクニックを駆使したソロの数々や、ハンク・ジョーンズの一級品のピアノ・プレイ等々、何度聴いても心温まる作品です。


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2 コメント

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モダン初期のトランぺッター (azumino)
2019-11-27 22:05:50
こんばんは

僕もこのアルバムは大好きで、拙ブログで取り上げたこともありました。柔らかく温かい音色で吹くバラードなどは最高です。スイング~モダン初期には、ジョー・ニューマン、サド・ジョーンズ、ハリー・エディソン、ロイ・エルドリッジなど、味わいのある奏者がいましたが、もうそういった人がいなくなりました。まあ、時代のせいもあるし仕方ないのですが。

細部にわたるワイルダーの演奏の紹介、ありがとうございます。
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ジョー・ワイルダー (ashita45th)
2019-11-28 21:36:57
azumino さん
こんばんは
ジョー・ワイルダーに関する貴兄のブログは、以前拝見したことがありました。
彼の演奏は、この1枚だけしか持っていませんが、LP、CD共に愛聴しています。
CDは車の中で聴いているのですが、別のテイクのものが入っていて、この部分については、違和感を感じることで聞き流しています。
コメントにも書きましたが、原曲が全く出てこない「CHEROKEE」を最初に聴いた時は耳を疑いましたし、ハンク・ジョーンズのここでの演奏にも好感を持っています。
このアルバムは、あまり大きな音が出せない夜間に小音量で聴いても良く、何時までも聴いていられる愛聴盤です。
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