1989年7月に、カナダのモントリオールで開催されたジャズ・フェスティバルでの、チャーリー・ヘイデンの演奏を取り上げました。
この年、モントリオール・ジャズ・フェスティバルは10周年という節目の年を迎え、同祭はチャーリー・ヘイデンに捧げたシリーズを企画し、6月30日から7月8日まで、1日の休みを挟んで連続8日間、ヘイデンのステージが実現しています。
この模様は当地の放送局により記録され、その中の4日分が2回に分けて発売されています。
ヘイデンの相手を務めた8日間の参加ミュージシャンは、以下の通りです。
6月 30日 ジョー・ヘンダーソン(ts) & アル・フォスター(ds)
7月 1日 ジュリ・アレン(p) & ポール・モチアン(ds)(第Ⅲ集)
7月 2日 ドン・チェリー & エド・ブラックェル(第Ⅰ集)
7月 3日 ゴンサロ・ルバルカバ(p) & ポール・モチアン(ds)(第Ⅳ集)
7月 5日 パット・メセニー(g) & ジャック・デジョネット(ds)
7月 6日 エグベルト・ジスモンチ(g)
7月 7日 ポール・ブレイ(p) & ポール・モチアン(ds) (第Ⅱ集)
7月 8日 リベレイション・ミュージック・オーケストラ
そこで、発売されている4枚を改めて聴きなおしてみました。
第Ⅰ集
オーネット・コールマンのグループからリーダーが抜けてはいますが、サウンドはそのグループそのもので、お互い強烈な個性のぶつかり合いです。
トン・チェリーのトランペットは、オープンとミュートを使い分け、自然発生的で生のままの素材を引き出しています。
第Ⅱ集
地元、モントリオール出身のポール・ブレイのピアノが活躍するアルバムで、ここでは不協和音、フリー、バラード、全てが聴けます。
先のデニー・ザイトリンやキース・ジャレットのトリオとも異なり、オリジナリティを発揮しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/58/1f/5be3336f7651d858f757d417a5f24f82_s.jpg)
第Ⅲ集
前2作とはうって変わって、まだ新人であった女性ピアニストのジュリ・アレンを起用しています。
当時の彼女はM-BASE派の才女と言われたり、バド・パウエルにも挑戦していた時期で、同じトリオで4枚の作品を残しています。
話は逸れますが、彼女は57年6月12日、ミシガン州ポンティアックで生まれデトロイトで育ち、モータウン・サウンドと、ジェームス・ブラウンの音楽を愛し、当時はチャーリー・パーカー等の音楽には反感を持っていたそうです。
その後、あるきっかけでエリントンやサド・ジョーンズの音楽に惹かれるようになり、向学心に燃え、ハワード大学のジャズ・コースを修了し、エリック・ドルフィーの研究論文で博士号も得ています。
ここで聴かれる音楽は、既に5枚目となる同トリオの演奏で、イニシアチブはヘイデンですが、3者が対等な位置として展開されています。
そして、論理的でエネルギッシュな彼女の演奏もまた聴きどころとなっています。
第Ⅳ集
当時、無名であった63年生まれのキューバのピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバを迎えての演奏です。
そのゴンサロは、地元では早くからグループを結成し、演奏活動を行っていましたが、85年にディジー・ガレスピーに認められ、国際舞台に出てきています。
日本への来日も数回あり、東芝系のサムシン・エルスから多くのアルバムが出されています。
モントリオールでの演奏は、現在のそれとは異なり、バップからフリー迄が入り交じり、未だ未完成の域を脱していませんが、ヘイデンがゴンサロを高く評価し、期待していたからこそ、
この舞台に呼んだものと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/0a/c4/24682294f44c8a46ce34ee59570e4b50_s.jpg)
そして最後に主役のチャーリー・ヘイデン、今では珍しいガット弦を使用していて、温かくて太く特徴的なトーンで、いずれの演奏もレギュラー・グループの様に全体を束ねています。
この年、モントリオール・ジャズ・フェスティバルは10周年という節目の年を迎え、同祭はチャーリー・ヘイデンに捧げたシリーズを企画し、6月30日から7月8日まで、1日の休みを挟んで連続8日間、ヘイデンのステージが実現しています。
この模様は当地の放送局により記録され、その中の4日分が2回に分けて発売されています。
ヘイデンの相手を務めた8日間の参加ミュージシャンは、以下の通りです。
6月 30日 ジョー・ヘンダーソン(ts) & アル・フォスター(ds)
7月 1日 ジュリ・アレン(p) & ポール・モチアン(ds)(第Ⅲ集)
7月 2日 ドン・チェリー & エド・ブラックェル(第Ⅰ集)
7月 3日 ゴンサロ・ルバルカバ(p) & ポール・モチアン(ds)(第Ⅳ集)
7月 5日 パット・メセニー(g) & ジャック・デジョネット(ds)
7月 6日 エグベルト・ジスモンチ(g)
7月 7日 ポール・ブレイ(p) & ポール・モチアン(ds) (第Ⅱ集)
7月 8日 リベレイション・ミュージック・オーケストラ
そこで、発売されている4枚を改めて聴きなおしてみました。
第Ⅰ集
オーネット・コールマンのグループからリーダーが抜けてはいますが、サウンドはそのグループそのもので、お互い強烈な個性のぶつかり合いです。
トン・チェリーのトランペットは、オープンとミュートを使い分け、自然発生的で生のままの素材を引き出しています。
第Ⅱ集
地元、モントリオール出身のポール・ブレイのピアノが活躍するアルバムで、ここでは不協和音、フリー、バラード、全てが聴けます。
先のデニー・ザイトリンやキース・ジャレットのトリオとも異なり、オリジナリティを発揮しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/22/aa/8b71503f1089d96059cea320cbf0f69f_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/79/4c/f29b15e0b44362be8885c29821f88712_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/22/e8/037f62207ed53b0b3b5979479e02e640_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/58/1f/5be3336f7651d858f757d417a5f24f82_s.jpg)
第Ⅲ集
前2作とはうって変わって、まだ新人であった女性ピアニストのジュリ・アレンを起用しています。
当時の彼女はM-BASE派の才女と言われたり、バド・パウエルにも挑戦していた時期で、同じトリオで4枚の作品を残しています。
話は逸れますが、彼女は57年6月12日、ミシガン州ポンティアックで生まれデトロイトで育ち、モータウン・サウンドと、ジェームス・ブラウンの音楽を愛し、当時はチャーリー・パーカー等の音楽には反感を持っていたそうです。
その後、あるきっかけでエリントンやサド・ジョーンズの音楽に惹かれるようになり、向学心に燃え、ハワード大学のジャズ・コースを修了し、エリック・ドルフィーの研究論文で博士号も得ています。
ここで聴かれる音楽は、既に5枚目となる同トリオの演奏で、イニシアチブはヘイデンですが、3者が対等な位置として展開されています。
そして、論理的でエネルギッシュな彼女の演奏もまた聴きどころとなっています。
第Ⅳ集
当時、無名であった63年生まれのキューバのピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバを迎えての演奏です。
そのゴンサロは、地元では早くからグループを結成し、演奏活動を行っていましたが、85年にディジー・ガレスピーに認められ、国際舞台に出てきています。
日本への来日も数回あり、東芝系のサムシン・エルスから多くのアルバムが出されています。
モントリオールでの演奏は、現在のそれとは異なり、バップからフリー迄が入り交じり、未だ未完成の域を脱していませんが、ヘイデンがゴンサロを高く評価し、期待していたからこそ、
この舞台に呼んだものと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/32/1c/a0043a3d5a4695e454864ccb37ffe7c8_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/68/99/1010ddadd226564cb90c70ff385b3459_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/7d/9c/93776f73a59ba5c74000f278fec9eeaa_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/0a/c4/24682294f44c8a46ce34ee59570e4b50_s.jpg)
そして最後に主役のチャーリー・ヘイデン、今では珍しいガット弦を使用していて、温かくて太く特徴的なトーンで、いずれの演奏もレギュラー・グループの様に全体を束ねています。