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私の愛聴盤 (第92回)

2016-07-31 | 私の愛聴盤
第92回は加古隆の「パラドックス」です。
「PARADOX」 JAPO 60029
  
1. PAREDOX
2. NIGHT MUSIC
3. DODEC
4. A LUA DE PORTUGAL
5. SEKITEI
6. WOBBLY WOLK PARADE
加古 隆(p) KENT CARTER(b) OLIVER JOHNSON(ds)
録音 1979年6月

フランスと日本を往来する加古隆の作品は、現代音楽からの影響を強く感じるものであり、「TOK」は、メンバー3人の頭文字からなるグループ名で、このアルバム以前に「TOK LIVE」と「TOK」の2作品、それに沖至(tp)とクロード・ベルナール(as)を加えたクインテットでの「巴里の日」があります。
ここでの演奏は、TOKの活動が3年を経過していることもあり、集大成的な完成度の高い内容となっており、JAPO(ECM)からのリリースであることも当時としては注目すべきものでした。
タイトル曲から始まるリズミックでダイナミックな演奏は、途中でフリー・リズムによる展開となりますが、3者の一体感が何とも言えず見事です。
2曲目の「ナイト・ミュージック」は、静寂で加古の内面的な一面をピアノ・ソロで披露し、ケント・カーターのベース・ソロから始まる3曲目の「ドデック」は、ピアノ・トリオに移ってからも終始ベースがリードしています。
4曲目の「ポルトガルの月」は、ピアノ演奏にベースのピチカット(途中からアルコ)と、オリバー・ジョンソンのブラシが絡む内容で、そのままの雰囲気を次の「石庭」に持ち込みますが、後半は山下洋輔トリオを連想させる激しいプレイを展開し、このアルバムのクライマックとなります。
最終曲の「ウォリー・ウォーク・パレード」では、混然としたサウンドの中でユーモラスな部分も顔を出し、ボイスの音も交えて続いて行きますが、突然曲が終わってしまします。

上記に先駆けて1年前に東京で録音された下記のアルバムは、当時流行ったダイレクト・カッティングでの1枚です。
澄んだ音は美しくそれがプレイの表現にも出ています。
{TOK」 TRIO RECORDS PAX-6003
  
1. 11 RUE TITON
2. DREAMS
3. YET
4. DRIPS
加古 隆(p) KENT CARTER(b) OLIVER JOHNSON(ds)
録音 1978年6月7日

2枚の録音を比較してみると、JAPO盤はピアノの芯が太く感じられるのに対し、TRIO盤は繊細であり、いずれを取るかは好みの分かれるところかもしれません。

加古隆は、映画音楽からTV関連の仕事まで、幅広く活躍されていますが、その模様は加古隆のオフィシャルサイトでご覧になれます。

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