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私の愛聴盤 (第40回)

2014-05-22 | 私の愛聴盤
第40回はヨアヒム・キューンの「ディス・ウエイ・アウト」です。

ヨアヒム・キューン(Joachim Kühn) 1944年3月15日 東独ライプツィヒ生まれ

幼少時代から天才ピアニストとしてクラシックの演奏活動を開始するも、兄(ロルフ・キューン)の影響もあり、1961年頃からはジャズへ傾注し、62年には兄のバンドにも参加しています。
(その兄は56年から61年まで渡米し本場のジャズを吸収しています)
当時のヨアヒム・キューンの演奏スタイルは、ビル・エバンスやポール・ブレイをミックスした上に、セシル・テイラーの奏法も取り入れたものでした。
66年に亡命し、ハンブルグ、パリ、カリフォルニアと移った後、80年代には再びパリに戻っています。
ドイツやフランスに滞在中は、リーダー・アルバムも数多く制作され、その一つの成果は、仏BYGに録音されたピアノ・トリオによる「パリ・イス・ワンダフル」(69.1.25録音)です。
彼の演奏スタイルは、今日までにフリー・ジャズ、ジャズ・ロック、フュージョン等、様々に変貌しましたが、現在ではソロ・ピアノやピアノ・トリオを中心とした活動となっています。

今回のアルバムは、70年前後にフリー・スタイルを追求していた時期に録音された中の1枚で、様々なスタイルが聴ける2枚組LPです。
「THIS WAY OUT」 MPS 2921752-3
 
    
JOACHIM KUHN(p,as) PETER WARREN(b,cel) DANIEL HUMAIR(ds,Perc) 
GERD DUDEC(ts,ss,fl) / Only Vol.2  録音 1973年1月18日
演奏曲目は上記ジャケットの中に記載されています。

そして内容ですが、ソロからサックス2本によるカルテットまで、バラエテイに富んだスタイルが堪能でき、当時はヨアヒムがピアノと共に演奏していたアルト・サックスを聴くことが出来る珍しさもあります。
そのサックスは、オーネット・コールマンのフレーズと、アンソニー・ブラックストンの音色のような吹奏です。
LP1面1曲目の「ブラザー・ロルフ」や、2面最後の「パリ’72」ではクラシカルなピアノ・ソロを展開し、2面1曲目のスタンダード曲(身も心も)は、同じソロでも装飾音を多用した演奏となっています。
ピアノ・トリオ演奏においても、美しいメロディや、しっかりした4ビートのものから、過激なフリー・スタイルまで様々です。
その中で、2面4曲目の「オール・ザ・シングス・ユー・アー」は軽やかなトリオ演奏となっています。
サックスが加わった演奏は5曲ほどありますが、全てフリー・スタイルのもので、これも面白い内容です。
LP2枚(4面)はそれぞれ変化があり、飽きずに聴き通せる内容のレコードです。
付け加えて・・・ このMPSレーベル、「音」も良いです。

なお、このおよそ1年前に、同じレーベルから「インターチェンジ」という優れたアルバムも録音されており、いつか改めて登場させたいと思います。

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