第26回はフレディ・ハバードの「ザ・ハブ・オブ・ハバード」です。
フレディ・ハバード(Frederick Dewayne "Freddie" Hubbard) 1938年4月7日 - 2008年12月29日
インディアナ州インディアナポリス生まれ
トランペッターのフレディ・ハバードは、少年時代に同郷のウェス・モンゴメリーと、その兄弟を含む数多くの音楽家たちと親交を結んでいますが、本格的なジャズへの活動は、1958年のニューヨーク進出以降となります。
1960年代には、ブルーノート・レーベルに8枚のリーダー・アルバムを残している他、ジャズ・ジャイアンツたちとの共演も数多くあります。
また1965年3月には、ハービー・ハンコックがリーダーとなったアルバム「処女航海」にも参加し、この流れは1970年代のVSOPへと繋がって行きます。
この時代、新主流派の一人と言われた彼は、驚異的なテクニックにより、ハード・バップからオーネット・コールマンらとのフリー・ミュージックまで、いかなるサウンドにも対応出来、人気、実力共にマイルス・デイビスに肉薄する存在でした。
一時フュージョンへの傾倒もあり、その後は健康を害した上に、深刻な唇の故障で長期療養を余儀なくされましたが、1992年カムバックを果たし、70歳で亡くなるまでに、およそ70枚ほどのリーダー・アルバムを残しました。
今回、取り上げたアルバムは、1969年の作品ですが、この年の暮に実施された大がかりな欧州ジャズ・ツアーの際にドイツで録音されたもので、この時のツアーには他に、サド=メル楽団、ケニー・バレル、ジェレミー・スタイグらも参加していました。
「THE HUB OF HUBBARD」 MPS 15 267 ST
1. WITH OUT A SONG
2. JUST ONE OF THOSE THINGS
3. BLUES FOR DUANE
4. THE THINGS WE DID LAST SUMMER
FREDDIE HUBBARD(tp) EDDIE DANIELS(ts) ROLAND HANNA(p)
RICHARD DAVIS(b) LOUIS HAYES(ds) 録音 1969年12月9日 MPS Studio ( Black Forest )
このクインテットは、フレディ以外はサド=メル楽団のピックアップ・メンバーで構成されています。
録音された4曲の内、ブルース・フォー・デュアンは、フレディの息子に捧げた彼のオリジナルですが、残り3曲はいずれも名の知れたスタンダードです。
演奏は洗練されたハード・バップと言った内容ですが、MPSでの録音ということもあり、ヨーロッパ的な音作りとなっているところも聴きどころの一つです。
中でもラストのバラード、邦題「過ぎし夏の日の想い出」は、多くのミュージシャンが取り上げていますが、このアルバムでは唯一カルテットで演奏されていて、彼のトランペットが堪能できます。
そして、ローランド・ハナのピアノ、それにリチャード・デイビスのベースも素晴らしいバッキングを付けていることもあり、この曲の名演の一つに挙げられると思います。
このレコード、当初は米国BASF盤、次に国内盤で聴いていましたが、米国盤はピアノの強いアタックで音割れがするし、国内盤は何度トライしてもノイズが出る箇所があったのですが、ドイツ盤の入手によりこれらのトラブルがやっと解決しました。
余談ですが、このツアー中に、イギリスとドイツの3か所で演奏されたフレディを中心としたカルテットのライブも残されています。
こちらは彼の火を噴くような、激しい演奏も聴くことができます。
メンバーはベースがロン・カーターに代わっている他は、上記と同じメンバーです。
上記はスタジオ録音、下記CDはライブですが、2曲がダブっています。
その中の1曲「過ぎし夏の日の想い出」は、しっかりアレンジされた上記アルバムのほうがいい出来だと思います。
フレディ・ハバード(Frederick Dewayne "Freddie" Hubbard) 1938年4月7日 - 2008年12月29日
インディアナ州インディアナポリス生まれ
トランペッターのフレディ・ハバードは、少年時代に同郷のウェス・モンゴメリーと、その兄弟を含む数多くの音楽家たちと親交を結んでいますが、本格的なジャズへの活動は、1958年のニューヨーク進出以降となります。
1960年代には、ブルーノート・レーベルに8枚のリーダー・アルバムを残している他、ジャズ・ジャイアンツたちとの共演も数多くあります。
また1965年3月には、ハービー・ハンコックがリーダーとなったアルバム「処女航海」にも参加し、この流れは1970年代のVSOPへと繋がって行きます。
この時代、新主流派の一人と言われた彼は、驚異的なテクニックにより、ハード・バップからオーネット・コールマンらとのフリー・ミュージックまで、いかなるサウンドにも対応出来、人気、実力共にマイルス・デイビスに肉薄する存在でした。
一時フュージョンへの傾倒もあり、その後は健康を害した上に、深刻な唇の故障で長期療養を余儀なくされましたが、1992年カムバックを果たし、70歳で亡くなるまでに、およそ70枚ほどのリーダー・アルバムを残しました。
今回、取り上げたアルバムは、1969年の作品ですが、この年の暮に実施された大がかりな欧州ジャズ・ツアーの際にドイツで録音されたもので、この時のツアーには他に、サド=メル楽団、ケニー・バレル、ジェレミー・スタイグらも参加していました。
「THE HUB OF HUBBARD」 MPS 15 267 ST
1. WITH OUT A SONG
2. JUST ONE OF THOSE THINGS
3. BLUES FOR DUANE
4. THE THINGS WE DID LAST SUMMER
FREDDIE HUBBARD(tp) EDDIE DANIELS(ts) ROLAND HANNA(p)
RICHARD DAVIS(b) LOUIS HAYES(ds) 録音 1969年12月9日 MPS Studio ( Black Forest )
このクインテットは、フレディ以外はサド=メル楽団のピックアップ・メンバーで構成されています。
録音された4曲の内、ブルース・フォー・デュアンは、フレディの息子に捧げた彼のオリジナルですが、残り3曲はいずれも名の知れたスタンダードです。
演奏は洗練されたハード・バップと言った内容ですが、MPSでの録音ということもあり、ヨーロッパ的な音作りとなっているところも聴きどころの一つです。
中でもラストのバラード、邦題「過ぎし夏の日の想い出」は、多くのミュージシャンが取り上げていますが、このアルバムでは唯一カルテットで演奏されていて、彼のトランペットが堪能できます。
そして、ローランド・ハナのピアノ、それにリチャード・デイビスのベースも素晴らしいバッキングを付けていることもあり、この曲の名演の一つに挙げられると思います。
このレコード、当初は米国BASF盤、次に国内盤で聴いていましたが、米国盤はピアノの強いアタックで音割れがするし、国内盤は何度トライしてもノイズが出る箇所があったのですが、ドイツ盤の入手によりこれらのトラブルがやっと解決しました。
余談ですが、このツアー中に、イギリスとドイツの3か所で演奏されたフレディを中心としたカルテットのライブも残されています。
こちらは彼の火を噴くような、激しい演奏も聴くことができます。
メンバーはベースがロン・カーターに代わっている他は、上記と同じメンバーです。
上記はスタジオ録音、下記CDはライブですが、2曲がダブっています。
その中の1曲「過ぎし夏の日の想い出」は、しっかりアレンジされた上記アルバムのほうがいい出来だと思います。