銀座のうぐいすから

幸せに暮らす為には、何をどうしたら良い?を追求するのがここの目的です。それも具体的な事実を通じ下世話な言葉を使って表し、

希望に満ちた、漁師を育てる(NHK・経済羅針盤から)

2009-01-25 11:17:07 | Weblog
 この文章は、今日09年1月25日の日曜日の午前中、番組を見たあとで、すぐ、書いていて、すぐ、アップロードをします。本日の午後5時10分から、NHK衛星第一放送(BS1)で、再放送があるので、それを、皆様にご覧頂きたくて・・・・・

 自分のために申し上げますが、昨日の深夜、更新した文章が下に、あります。それも、良心的なお店(小さいけれど経営者のセンスが優れているお店)ですので、よかったら、覗いてやっていただきたく。

 今日は、辺りに希望を振りまく、新しい感覚の経営者に出会いました。テレビ画面(NHKの経済羅針盤内)ですが、素晴しい生き様で、それは、日本国中の人に伝えたいほどの輝きを持っておりました。ので、このブログとしては、安易なテーマ設定ですが、伝聞をさせてくださいませ。

 佐々波鰤網(さざなみ、ぶりあみ・・・・・石川県)と言う会社を経営している勝木省司という社長さんの話です。オンデマンド放送を申し込んでいる方なら、それで、ご覧を頂きたいし、この文章の最初に書いてある、再放送もご覧を頂きたいほどの、よい内容でした。

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 この方は、「50歳になるまで、自分は勉強をしなかった」と仰います。昔の言葉で言えば網元の坊ちゃんとして、生まれて、小さいときから経済的には恵まれて育ち、就職活動などの苦労も知らずに育ってきた人なのでしょうが、社長職を父親から継いだ頃、ちょうど、会社は、危機状態にありました。

 会社に若い人が入社してこない。会社の内部が精神的に暗い。人手不足で、元からいる社員も、気がすさんでくる。・・・・・それに、この番組内では仰らなかったけれど、・・・・・世界経済のグローバル化で、農業と同じく、漁業(第一次産業)も単価の上で安い輸入食材に負けてしまうという上部構造もあったでしょう。

 しかし、この方は、丈夫な精神と身体を持っている人のようで、エネルギーをかけてその頃、勉強を始められた。まず、新聞やテレビのニュースを把握することなどから始められたのだと、私は考えます。私だって、10年前までは、『クイズに出たら、好成績を取れるわ。私は雑学の女王ですから』と、内心で嘯くほど、新聞の隅々まで読んだし、テレビもあれこれ、雑多に多分野を、視聴したものです。

 今はある信念があって、外部からのインプットを最小限にとどめておりますが、偶然接する記事や番組にすばらしいものを発見することが多く、これも、その一つです。

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 勝木社長のすばらしい点は、ご自分が獲得した部分を、社長訓示として、上から与えるのではなく、社員自らが学ぶ姿勢を、とることに腐心をなさった点です。それは、読書感想文の発表会とか、月に一度のテストなどに現れています。そのテストですが、内容が相当詳しい。しかも多分野です。設問がぎっしりとある。100点満点方式で成績表が個人名入りで、後日張り出されます。

 やわな日教組主導で、過剰な平等主義の導入時代があり、小学校の運動会でかけっこさえ、禁止された時代のある事を考えると雲泥の差です。

 しかし、ここで、大切なことは、これが、今流行の成果主義とは、異なる点があるところです。成果主義の失敗点は、それを、すぐ、給料の上下などに結びつけ、日本に昔からあった年功序列制度を破壊した点にあります。経営側のいじましい強欲が見え見えで、社風を暗くした点にあります。

 しかし、この佐々波(さざなみ)鰤(ぶり)網と言う会社のあっけらかんとした制度は、とても明るい感じを社員に与えております。成果主義導入で失敗した会社に現れる暗さは微塵も見られず、これが却って、若者たちの、この会社への定着を招きました。

 若者は鰤漁と言うものへの正しい知識を充分にはもっていなかったのですが、それを、上のものから教えてもらう機会も、こういう新制度導入以前は、なかったのです。

 上の人、つまり、古くからの漁師たちは、新人教育の方法を知らなかったし、伝統的な、『だまって、俺の背中を見ろ』と言うシステムで、教育すれば充分だと考えていたのです。しかし、このテストとか、読書感想文発表会制度が始まってからは、自発的に、下のものへ言葉や身振り、で、実際の道具を使って教えるように、なりました。

 鰤の定置網量と言うのは、相当大掛かりな、しかも知能の限りを尽くし、工夫をし抜かれた伝統的な漁法なのです。私は小学校時代、それを、自由研究で学んでいますが、CGで再現された最近の定置網は、もっと、複雑な形となっておりました。

 あっちこっちが、複雑に入り組んでいて、しかも立体的ですから、その全体が浜辺に上げられて、平面と化してしまうと、何がなにやら、どこがどこに当たるのかも判らないというほど、複雑なものなのです。が、それが、漁のたびごとに、一部分で、切れたり破損をしたりするので、それを、修理しなければなりません。その修理一つでも、教えられながら、習得するのと、手探りで習得するのでは、圧倒的に、知識や技術の獲得量が違うのです。結果として、常に叱られている状態が生まれるか、又は、気持ちよく、仕事に集中できるかの違いが生まれてしまいます。
 
 そして、一番よい結果が、社内が明るくなったことです。数年前に、西日本鉄道で、社員いじめと同意語とも思える、運転手訓練が行われていて、その結果、大事故を発生したニュースは、まだ、私たちの記憶の中から消えません。そういうところに勤務している人に比べて、この会社に勤務している人は、何と幸せでしょうか?

 この社長さんは、他にも優れたアイデアを、たくさん持っている立派な、人でした。

  では、2009年1月25日     川崎 千恵子(筆名 雨宮 舜)
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