酒と畑に戯れるオヤジな私

酒を飲み、土を耕し、人と語り、日々に感動しながら楽しく生きるブログ

四十九歳の抵抗?

2010年06月04日 | 自己紹介
石川達三原作の「四十八歳の抵抗」

山村聡・若尾文子主演の大映映画が公開されたのは昭和31年でした

まだ十代の華やかなニキビ顔の高校生にとっての四十八歳・・・

これは とんでもないオジさんの年齢でしたね

四十八歳がなんの抵抗をするんだろ?  映画の内容はまるで記憶にありません

もちろん 小説も読んでません

ただ 映画の題名が新鮮で 当時の流行言葉になったようです

会社では 上司への抵抗 家庭では夫・姑への抵抗 生徒は先生への抵抗

どれもたいした「抵抗」ではなかったのですが なにか溜飲を下げてた世相だったようです

* ちなみにこの時代 50歳は初老と称されていました *


ところで表題の「四十九歳の抵抗?」ですが いい映画を観てきました



中井貴一主演のRAILWAIS

主人公は 一流企業のリストラ担当室長 将来を嘱望されたエリート社員です

彼は 家庭より仕事優先 ひとり娘から 冷ややかな視線を浴びてる49歳のオヤジです

このままいけば 間違いなく重役の席が待っていたでしょう

"突然変異”が生じました  四十九歳の抵抗?

リストラによる工場の閉鎖を 快く応じてくれた同期の親友(工場長)が交通事故での突然死!

追い討ちをかけるように 故郷の母が倒れました

見舞いに駆けつけた彼の内面に 変化の兆しが生まれます

目の前を走る「一畑電鉄」(バタ電)の旧型二輌連結オレンジ色の電車でした

彼の少年時代からの夢は このデハニ50型の運転手になることだったのです

驚く上司に辞表を提出した主人公は 運転手採用試験に合格します

若者たちに混じっての研修 実技訓練の毎日が続きます

そして 晴れて一畑電鉄の運転手になりました


映画は 彼の妻 娘 母親 母を介護する女性介護士 電鉄会社の人々 乗客たち そして郷里の幼馴染 ・・・

様々な人間模様を織り交ぜながら ゆったりと語られていきました

昭和3年生まれ ”82歳”のバタ電を背景に どのエピソードも微笑ましく ときにはハラハラさせられましたが 終わったあとの心地よい余韻・・・

活劇ものの多い映画界ですが ときにはこのように時間がゆっくり流れる映画もいいですね

電車好きには バイブルのごとき映画でした


* 電車運転手募集20歳以上・・ 実際に50歳で運転手になった人物がいるそうです

  さすがに 古希では無理でしょうね   枯葉マークつけて古希の抵抗・・  主人公を羨むオヤジな私でした *