土木技術者が撮った中南米の「光りと影」の写真 及び 他国風情

 約22年間の中南米赴任中に土木技術者の視点から撮った写真。開通前のパナマ運河に架かる第二アメリカ橋は圧巻 & 他国事情

アマゾン河の都市イキトスへの行き方②(ユリマグアス経由)

2008-12-17 00:14:48 | ペルー
 プカルパの北方約300km(イキトス方向)にあるユリマグアスの町の中央広場です。ここだけ見ると”何て素敵な町だろう”と思いますが、ここだけでこの裏は静かなor殺風景な村落風景です。プカルパまではバスでリマから約20時間ですが、ここもほぼ同じ時間で来ます。300km遠いのに不思議です。理由は太平洋岸を走るパンアメリカン高速道路経由で、インカ帝国の最後の皇帝アタワルパがスペイン人F・ピサロに捕われ、幽閉され、金銀を取られた後、処刑された場所カハマルカ市経由でアンデスを越えてタラポト市に出、そこから下記の写真のような断崖絶壁の未舗装の道路を通るルートだからです。前回掲載のタラポトに行く道路はアンデスの町で分岐しテロリストが居住しているだろう地域を通るので危険ですし、約30時間強は掛かります。人間だけなら空路でタラポトまで来て、そこからTAXIで来ると約3時間弱でリマから到着します。ここには再度来ることはないと考えますが。


 タラポト空港から途中にがけ崩れが見られるような山岳道路を走行します。TAXIの運転手にはタラポト市のホテル経由でユリマグアスまでの往復の代金を交渉して前金はガソリン代だけしか払っていませんので慎重に運転しております。中南米で飛行場にタクシーのデスクが無いこのような場合は自分で運転手と車を見つけます。呼び込みのTAXIで勝手に荷物を運ぶような輩は要注意です。年配の真面目そうな運転手を選びました。一般的には中南米人は心優しいのですが、こちらの対応の仕方で様子を見る場合がありますので油断禁物です。平たく言えば「貧困」なのです。カメラや時計を無造作に露出していると「カモ」です。私も17年間で何個かのカメラを盗られた経験者です。相手の手口が見事なので怒りが途中から笑いに変わっていきます。命でなくて良かったといつも思っております。


 ユリマグアスで荷を降ろしたトレーラートラックとすれ違います。道路事情を考えると大量の物は下記のENAPUの桟橋があるこちらになるのでしょうか? 


 「青の洞門」のようにノミで掘ったようなトンネルがあります。上記のトレーラートラックの幅と高さが、時代と共に大型化して来る度に、掘っていったので形が歪んでいるのでしょうね。


 プカルパよりも川幅が広く、ここにはENAPUと言う港湾管理会社があります。西語では[La Empresa Nacional de Puertos] で 英語では[National Harbor Company]で、元々は国営会社です。が 最後にS.A.と、つまり {ENAPU S.A.]と表示されていますので民営化されたのでしょう。S.A.は日本で言う株式会社です。


 「ENAPU S.A.]の桟橋です。この川は途中でマラニョン川に注ぎ込みイキトス市の手前でプカルパから来るウカヤリ川と合流しアマゾンの大河となります。

 同上。先ほどのトレーラートラックがセメントを下ろしたのでしょうか。


 他方、純然たる民間の船会社も存在します。前回掲載しましたプカルパと同様で、岸に横(縦)付けし足場板を敷き荷を積んでいます。ハンモック式客室を兼用した貨物船です。

 
 コンクリートを造る粗骨材(砂利や砕石)はイキトスにはありません。ジャングルで山が無いのと有ってもアマゾン河に流れ込む大きな川に阻まれ行けないのです。片方の台船にホイールローダー(タイヤ式積込み機=ここでは掘削に使っています。)とバックホー(掘削及び積込み機)で、どこかの採石場から砂利を運んで、別の台船に積替え、タグボート(曳き船)で約500km運搬するのです。


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