土木技術者が撮った中南米の「光りと影」の写真 及び 他国風情

 約22年間の中南米赴任中に土木技術者の視点から撮った写真。開通前のパナマ運河に架かる第二アメリカ橋は圧巻 & 他国事情

天の水は命の水にて万民に平等であれと祈る

2008-12-30 00:06:36 | ペルー
 6,000m超級山々が連座するアンデス山脈。中南米の人々にとっても飲料水や灌漑用水等に使う貴重な天水の源です。


 人を寄せ付けない険しい切立った万年雪を冠した山脈の雪解け水は天=神が人類に与えた平等な恵みです。筆者(私)は標高約4,500m地点に立っています。通常、高山病に罹る標高境界は健康な成人で約3,000m(富士山の約8合目)と言われております。その日の健康が優れない状態や高齢者の方々は約2,500mだそうです。


 雪解け水は至る所から互いに合流し沢から小川になって行きます。


 気の遠くなるような等高線に沿って数10km先の最寄の都市まで導水されます。ここは某国の国際協力資金で素掘り(土のまま)の導水路が練石積みのコンクリートに改修されてきれいな雪解け水が絶え間なく流れていました。導水路の途中で一部灌漑用水としてゲート(水門)で堰られ利用されていました。

 
 同上。 何処までも何処までも延々と延々と延々と・・・・・・・・・続きます。

 
 中南米では導水路は浄水場に入る方式と貯水池に入る方式があります。ここで飲料水用と灌漑用水に仕分けされます。

 
 浄水場です。貯水池からの水は通常はばっき(空気にさらし酸素を取り入れ好気性細菌を繁殖させそれが汚水を食べきれいな水にします)され沈殿池で大きな破片はフルワレます=沈殿されます。それからろ過され塩素で殺菌し浄水池に貯水されます。浄水場に併設したものや下記のようにタンクに貯水する方式があります。


 これは浄水タンクです。殺菌された浄水を貯め送水します。通常重力を利用する為高い所に設置します。送水距離が長いと送水ポンプで強制(圧力)送水します。


 送水された浄水は一旦高架槽(タンク)に貯められ各家庭へ配水されます。ここでも塩素殺菌され配水する場合も有ります。

 
 高架タンクの下はキオスクになっていました。所謂これが憩いのオアシスでしょうか?

 
 色んなタイプのタンクがあり企業名を入れさせスポンサー料をメンテの一部に使うそうです。

 
 上のタンクと企業ロゴ等は一緒ですが構造形式が違います。中央の柱が上の写真は円筒ですがこちらは角柱で、外の柱は末広がりになっております。我々土木技術者はこれらの構造形式の違った同目的の建造物を見るたびに設計者の意図とするものを考えるのが楽しみの一つでもあります。


同上。設計者のサービス精神や思考の豊かさ感じます。極端な言い方ですが人間性の豊かさを感じます。

 
 同上。ここは街外れにあり、個人的には構造物の温もりがさほど感じ取れ無いような感じです。柱の構造は手間のかかる円筒形でスライドフォーム(自動的に下部よりコンクリート打設を休まず立ち上げて行く方法)で造ったようなタイプをしています。機能性を重視したのでしょう。人通りが少なくスポンサーもついていません。


 雪解け水は飲料水のみならず砂漠の中の灌漑用水にも併用されます。

 
 でも大半の砂漠や貧困地帯は水の恩恵を与かっていません。水さえあれば砂漠も貧困地帯も農業等の植栽が可能になり地球温暖化対策にもつながります。また何よりも周辺に暮らす人々の天から授かった命の水として貧困層の自給自足も可能になります。大国のエゴでの侵略合戦(戦争)を無くし早くこういう国際協力合戦に変えて行ってもらいたい思いです。


本年は今回で終了いたします。来年は赤道の国エクアドルから中米にいきます。
良いお年をお迎えください。


アマゾン河上流の都市イキトス市(No.2)

2008-12-23 00:42:53 | ペルー
 イキトス市で一番モダーンな場所です。失礼だけどここだけと言っても過言ではありません。そうです、アルマス広場のカテドラルの対面側です。積乱雲が立ち込めじきにスコールが来ます。雨季のこの時期は数回のスコールに見まわれました。

 
 夜は暑さをしのぎに多くの人がこのアルマス広場や海岸通りに集まってきます。広場では多くの物売りや大道芸人が徐々に現れ市民の憩いの場になっております。

 同上、中央の白のシャツ黒の短パンをきた者が大道芸人です。彼の周りに観客が集まり始めております。


 珍しくバスに遭遇しました。窓ガラスはありません。スコールの時は電車の日除けのような木製のカーテンが下りて来ます。中には破損しているのも有るので確認して乗っているそうです。多分バスは観光客用だと思いますが?この写真を見ながら気づいたのですが乗客には白人が多いし、車体にTOURSの文字が見えますので。信号待ちで停車すると物売りがよって(たかって)きます。

 
 バスの運転席側の窓はツッカイ棒で水平に保たれオープンになっていました。運転手も暑くて考えた末のアイデアなのでしょう。モトタクシー群の排気ガスはダイレクト(もろに)に入って来るのですが,キット暑さの方がそれの数10倍の厳しさなのでしょう。

 
 スコールが来そうだなーと思いながら住民の飲料水用の取り入れ口を川まで見に行きました。前方が見えず黒い雲が嵐のように去り小降りになった時にやっと撮りました。


 雨季と乾季の2シーズンで雨季には川沿いの家は浸水を受けます。前回記述したようにこの地域の家は高床式です。下の2枚の写真の住居がある場所は川から約300m位のところです。


 上記の写真の川に近い方です。ガードマンはこの先の川の中に取水口と揚水ポンプがあるから見張っています。雨季にはほぼ彼がいる渡り通路の高さまで水位が上がります。

 上記写真の乾季の時です。ほぼ上の写真と同じ場所を撮っています。

 
 雨季の時の取水口です。乾季の時はポンプ室(小屋)の下部の取水口の構造物は水面から約7~10mは見えるそうです。取水口はアマゾン河の支川で乾季にも水が確保できるようにちょうど蛇行したところに位置しています。


 イキトス国際空港の正面から市街地方向にあるゲートを撮っています。右端のポールの上から1/3の高さの所から左方向へと虹が架かっていました。この写真では見づらいので下記を参照ください。

 薄っすらとしか見えませんが架かっているのが見えるでしょうか。私のカメラ操作技術が下手な為チョットチョットですね。


 この模型はアメリカ南部のテキサス州、フロリダ州やコロンビアのカリブ海沿岸の主要港からアマゾン河経由にて貨物をイキトスまで運搬する大型船舶です。一応この会社の関係者に聞いた船舶の仕様は次の通りです。①船重量≒10,000ton(大きい,通常遠距離は2,000ton積荷があれば出航する)②全長≒140m ③全幅≒25m ④喫水≒12.5m と言っていました。水位により途中で台船に移し替えするそうです。





アマゾン河上流の都市イキトス市(No.1)

2008-12-18 00:13:31 | ペルー
 イキトスと聞いて反応するのは極一部の方々でしょう。そうです1997年12月に無惨にも早大の二人の学生が殺戮された場所だからです。私も更に気を引き締め直して行動する事を肝に命じました。
 先ずはさておきアルマス広場(中央広場)にそびえ建つカテドラルです。シャッターチャンスを待っていたのですがモトタクシーの列が絶え間なくこういう写真になりました。雲の位置は低く層状になって今にも降りそうな気配です。追伸:バイクも殆どが営業車です。


 ペルーやエクアドルのアンデス山脈東側やボリビアの北側の無数の川はアマゾン河水系です。この小さな支流が次第に合流しイキトスに近づくに従い大きな川となり合流しアマゾン河を形成します。周囲はセルバと呼ばれる熱帯雨林地帯です。ずーとこのような生態系を保ってきたのでしょうね。今後もこのままの姿であることを願って止みません。

 
 イキトス空港に到着すると同時に読書灯がある上の棚が開きました。地方へ行く飛行機は空のTAXI(=色んな所を経由してくる)ですからメンテが行き届かないのでしょうか?通常はこの棚は開かないで、その上の荷物を置く棚が時々開くので到着時は気をつけております。又は長くても2時間ですから窓際に座ります。

 
 イキトス空港です。ここの人達が着陸の際に胸の前で十字をきる意味が分かります。日本ではさながら合掌でしょう。雲は低く立ちこめ今にもスコールが来そうです。


 広場の角から最高の被写体 「カテドラル」と「モトタクシー」を撮りました。朝早いので人が居ませんが昼から夜は、大道芸をしたり散歩をしたり物を売ったりする人でにぎあいます。


 アルマス広場から約100m行けばアマゾン河です。アマゾン観光ツアーの船が出航を待っております。右側の昇降用の階段が長いのは水位差が約10m有るからです。河口から約3,700kmでこの幅です。河口付近はラプラタ河同様10数km有るのでしょう。


 水位差が大きいので川沿いの家は高床式です。でもこの地域の家は土台を「イカダ式」に組み水に浮くようにしているのです。すごい生活の知恵です。


アマゾン河の都市イキトスへの行き方②(ユリマグアス経由)

2008-12-17 00:14:48 | ペルー
 プカルパの北方約300km(イキトス方向)にあるユリマグアスの町の中央広場です。ここだけ見ると”何て素敵な町だろう”と思いますが、ここだけでこの裏は静かなor殺風景な村落風景です。プカルパまではバスでリマから約20時間ですが、ここもほぼ同じ時間で来ます。300km遠いのに不思議です。理由は太平洋岸を走るパンアメリカン高速道路経由で、インカ帝国の最後の皇帝アタワルパがスペイン人F・ピサロに捕われ、幽閉され、金銀を取られた後、処刑された場所カハマルカ市経由でアンデスを越えてタラポト市に出、そこから下記の写真のような断崖絶壁の未舗装の道路を通るルートだからです。前回掲載のタラポトに行く道路はアンデスの町で分岐しテロリストが居住しているだろう地域を通るので危険ですし、約30時間強は掛かります。人間だけなら空路でタラポトまで来て、そこからTAXIで来ると約3時間弱でリマから到着します。ここには再度来ることはないと考えますが。


 タラポト空港から途中にがけ崩れが見られるような山岳道路を走行します。TAXIの運転手にはタラポト市のホテル経由でユリマグアスまでの往復の代金を交渉して前金はガソリン代だけしか払っていませんので慎重に運転しております。中南米で飛行場にタクシーのデスクが無いこのような場合は自分で運転手と車を見つけます。呼び込みのTAXIで勝手に荷物を運ぶような輩は要注意です。年配の真面目そうな運転手を選びました。一般的には中南米人は心優しいのですが、こちらの対応の仕方で様子を見る場合がありますので油断禁物です。平たく言えば「貧困」なのです。カメラや時計を無造作に露出していると「カモ」です。私も17年間で何個かのカメラを盗られた経験者です。相手の手口が見事なので怒りが途中から笑いに変わっていきます。命でなくて良かったといつも思っております。


 ユリマグアスで荷を降ろしたトレーラートラックとすれ違います。道路事情を考えると大量の物は下記のENAPUの桟橋があるこちらになるのでしょうか? 


 「青の洞門」のようにノミで掘ったようなトンネルがあります。上記のトレーラートラックの幅と高さが、時代と共に大型化して来る度に、掘っていったので形が歪んでいるのでしょうね。


 プカルパよりも川幅が広く、ここにはENAPUと言う港湾管理会社があります。西語では[La Empresa Nacional de Puertos] で 英語では[National Harbor Company]で、元々は国営会社です。が 最後にS.A.と、つまり {ENAPU S.A.]と表示されていますので民営化されたのでしょう。S.A.は日本で言う株式会社です。


 「ENAPU S.A.]の桟橋です。この川は途中でマラニョン川に注ぎ込みイキトス市の手前でプカルパから来るウカヤリ川と合流しアマゾンの大河となります。

 同上。先ほどのトレーラートラックがセメントを下ろしたのでしょうか。


 他方、純然たる民間の船会社も存在します。前回掲載しましたプカルパと同様で、岸に横(縦)付けし足場板を敷き荷を積んでいます。ハンモック式客室を兼用した貨物船です。

 
 コンクリートを造る粗骨材(砂利や砕石)はイキトスにはありません。ジャングルで山が無いのと有ってもアマゾン河に流れ込む大きな川に阻まれ行けないのです。片方の台船にホイールローダー(タイヤ式積込み機=ここでは掘削に使っています。)とバックホー(掘削及び積込み機)で、どこかの採石場から砂利を運んで、別の台船に積替え、タグボート(曳き船)で約500km運搬するのです。



アマゾン河の都市イキトスへの行き方①(プカルパ経由)

2008-12-16 00:06:16 | ペルー
 イキトス市はアマゾン河河口から約3,700kmのペルー側の終点都市で熱帯雨林の中にあり陸の孤島です。その行き方は①空路及び②航路です。陸路はありません。この写真は①空路の拠点リマ国際空港ホルヘ・チャベス空港です。国内線は主として写真の左側の1階部分です。その他の1階部分はイミグレーション、税関、到着ロビー、近隣国国際線出発ロビー及び航空会社のカウンターです。2階が主として国際線用に供用されています。出発便、到着便やそれに伴う時刻や搭乗口が変更するのはここ中南米では日常茶飯事です。理由は限られた機材(飛行機)を有効利用しているからです。


 他方、②航路はアマゾン河支川の港湾都市経由で行けます。その一つのリマから空路で約1時間、及びこの写真の様な陸路をバスにて、途中に5,000m超級のアンデス山脈を越えて約20時間でプカルパ市まで行き、そこから航路になります。


 空港には3輪車のモトタクシーが客待ちをしています。この写真が目抜き通りです。殆どが3輪車で、車やバイクはあまり見当たりません。熱帯雨林地帯なのでスコールの時は屋根に巻き付けたビニールを垂らし雨避けにします。普段は暑いので開放的なこの状態です。


 このような種類の鳥はペルーの至る所に見かけられます。リマの野鳥専門店では色とりどりの小鳥のインコは無数に売られております。

 
 「ふくろう」とは熱帯雨林の鳥類なのでしょうか。リマの野鳥専門店では決してお目にかかれません。熱帯ではなく降雨がある森林地帯には時々見かけられます。イキトスではお目に掛れませんでした。


 アマゾン河の支川でマチュピチュ遺跡の前を流れているウルバンバ川もこのウカヤリ川に注ぎこんでいます。桟橋等の昇降・係留施設は一切無く船を岸に横(縦?)付けし足場板を渡し荷物の積卸作業をします。貨物と客室兼用です。客室は大半がハンモック式寝床でイキトスまで約3泊4日の旅です。旅行会社には船内の環境が良くなくお薦めできないと言われました。

 重量物はクレーンにて積込みます。

 
 イキトスから約800kmと聞きました。東京から広島位の距離でしょうか。ここでも川幅が約100mあり、現在陸に横付けしている船舶は満潮=増水時にイキトスへ出向します。



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光りとサッカーと・・

2008-12-12 00:13:36 | ペルー
 太平洋に陽が沈む幻想的な景色です。ハングライダーや観客も自然の造物にはその崇高さに圧倒させられます。パラグライダーもここでは演出です。

 
 飲料水のない場所ではタンクローリーが活躍するのです。貧困だけど彼らには次の写真の楽しみがあるので「貧困なんかそんなの関係ない」なのです。


 どこの町や村でも子供たちは手製のボールを作り一日中サッカーに明け暮れます。ゴールポストは石を両方に置いてます。彼らは、夢や憧れであるマラドーナやロナウニージョ等の世界のスーパースターを目指しているのです。リマの競技場でブラジルとアルゼンチンやその他南米各国のスーパースターのプレイが見れます。当然ですが・・。


 試合開始前のセレモニーは厳粛に且つ盛大に行われ試合を盛り上げます。本日はペルーの民族衣装を装った男女のフォルクローレ(フォークダンス)でした。


 この日は強豪ブラジルとの試合です。スタンドは観客で埋めつくされ、競技場に入れない人々は外で臨場感を味わいながらラジオを聴き応援しています。このような国際試合は国を挙げた一大イベントなのです。


 これはワールドカップの予選です。私が居る中央部の見晴らしの良い席で約 30 US$です。日本ではこの何倍もするのでしょうね。一番安い立ち見席?は試合後半にただで入れます。寛大ですね。多分理由は入り口の警備の警察官もハングリー(貧困)だからこの好機を見逃せないのだと考えます・・。


 対戦相手はエクアドルです。ペルーはホームで勝てないと言われています。いいところを見せようと緊張するのでしょうか?この日も負けました。ボール回しやドリブル等、自由自在にボールをコントロールをしていましたが相手のほうのハングリー精神が上回っている様に感じ取りました。他方、ペルーには黒人は一握りしか見かけられませんが、エクアドルの海岸の街は黒人が沢山いるし、ブラジルも然りです。一般的に彼らは先天的に身体運動能力が優れている上に毎日長時間のトレーニングで鍛えているのだから強いのは仕方ないことかも知れません。この試合のエクアドルの選手の大半は黒人でした。


 貧困でもお陽様だけは平等に降り注ぎます。


 次週からはペルーのアマゾン流域の町を訪ねる予定でおります。あまり光りの部分はありそうではないと思います。



リマの光りと影

2008-12-11 01:01:57 | ペルー
 昨日の写真の赤いパラグライダーの下に何かのオブジェが見えます。


 ここは「恋人達の公園」と呼ばれ恋人が抱擁しているオブジェがあります。リマ観光では必ず訪れるスポットです。その巨大さに度肝を抜かれると言うのが最初の印象です。ここには花が植えられ週末はまさに恋人達であふれます。

 大写し。日本では「公然わいせつ物建造罪」案件で撤収でしょうね。


 パラグライダーが今飛び立とうとしています。必ず後ろ向きで帆に風を張り、充分に張られた時に体を回転させ崖へ向かい海方向へと滑空します。彼らも正面の断崖が怖いのでしょうか? or 力学的な要因でそうするのでしょうか?。時々、前に抱かれて乗せた二人乗りのものも見かけられます。風任せですから怖くて乗る気がor乗り気がしません。


 海岸線の位置関係南側から北へ説明しますと①ホテルやショッピングセンター地区 ②「恋人達の公園」 ③「パラグライダー広場」 ④リマック川と国際空港側方面 となり、本写真は ④国際空港側方面から海岸線を撮っています。断崖の下に道路があり、法面防護や落石防護柵等の安全処置は取られていません。落石に巻き込まれた方の運が悪かったで済むんでしょうか?行政の考え方の違いなのでしょうか?それとも他に問題があるのでしょうか?撮影場所は、多少土砂が滑って緩やかな勾配になったところでしたが技術者的感覚が働き速やかに立ち去りました。


 が、市街地から約10km離れれば、都会に仕事を探しにくる地方からの人々で人口が増加し始めております。ここでの交通手段は日本では随分昔に見られた3輪車のTAXIです。MOTOR TAXI をもじってモトタクシーと呼ばれています。ペルー国内の地方に行けば主要な交通手段です。

 
 また、平地はだけではなく山肌にも住居が見られます。違法占拠です。土木技術者の好奇心で無線TAXIで行って見ました。ここでは誰でも乗用車があればTAXIに早代わりします。(違法ですが平気で走っています。フロントガラスにTAXIと書かれたワッパンを貼るだけですから。)電話で呼ぶ無線TAXIはかなり安全が確保できます。絶対に中南米では流しのTAXIに乗ってはいけません。以前に記述しましたが空港にはこういう輩が殆どですので税関を出たら必ずハイヤーの券売り場がありますのでそれを利用するのが安全です。蛇足(老婆心)ですがメーターのないTAXIは乗る前には値段を交渉しないと100%吹っかけてきます。露店の買い物も中南米は交渉です。こちらは駆け引きが楽しいのですが、TAXIは命を託して(TAXIして)いますので慎重な対応が必要(不可欠)です。




リマもう一方の顔、新市街

2008-12-10 00:38:50 | ペルー
 旧市街から約10km足らずで太平洋に出ます。この海岸線はホテル、マンション、ショッピングセンター、デパートや数々の新しい商店が建ち並ぶ大都会です。海岸は断崖絶壁でその真下に道路があります。降雨が殆ど無いので崖崩れも無いのです。寒流(フンボルト)で冷たい水にもかかわらず年中サーファーやパラグライダー等で賑わっております。


 少し近づいて見ました。サボテンと人工の緑で茂った崖の向こうに公園が見えます。その向こうでパラグライダーが舞っています。パラグライダーは崖を駆け上る上昇の風に向かい崖の上から海に向かって滑空を開始します。


 上記2枚の写真の反対側の風景です。中央のツインビルはホテルです。その真下の崖に張り付いて大きなショッピングセンターがあります。(円筒柱が2本ある所です)


 上記の地区に隣接する高級住宅街、大きなスーパー等がある地区です。ドーム屋根はサンタ・マリア・デラ・レイナ教会と言います。中南米の大きな交差点は信号がなく、このようにロータリー方式(西語ではOvaloオバロ=長円形)で交通をコントロールします。所謂、先に入った方が勝ち式です。さながらローマ帝国時代にベンハー(古すぎ・・)が馬車で競技した様な形です。そうです英語でOvalは長円形の他、競技場の意味もあります。この形式の由来はローマ帝国からだと想像します。無秩序の秩序?があり、意外と事故が起きません。よしんば起きても低速走行ですから大事故にはならないのです。


 上記教会と同地区にある高級マンション群です。右側は超高級会員制ゴルフ場です。特定の限られた地位の方々しかプレイできないと言われております。高級住宅街の真ん中に位置していますので当然でしょうね。芝は人工的に散水され年中緑が絶えないそうです。垣根の高さは約2.5m位で木が所々に立っています。マンションには防弾ガラスは嵌められていませんのでよっぽど上手なプレイヤー達なのでしょう。


 が一方リマック川に目をやるとご覧の通りです。海岸のホテル街から約16kmのホルヘ・チャヴェス国際空港もこの川を渡ったすぐのところにあります。(場所はもっと下流の海側で、線路は河川敷の中ではなく上の段の青いシャツ着た人の高さになります。)

 し、リマック川を越えれば別な世界です。



南米への玄関口ペルーの首都リマ市

2008-12-09 00:33:51 | ペルー
 北アメリカから南米のチリ、アルゼンチン、ボリビアへ行く人達はここリマで一旦給油の為待機させられ最終目的地に向かいます。最終目的地到着を朝に設定してますのでリマは深夜到着便です。ペルーの国土は日本の約3.4倍で中南米では4番目の広さを持ちます。ここからクスコへも約1時間のフライトです。リマ到着後、最初に訪れるのがこの場所=アルマス広場=旧市街の中央広場です。写真はカテドラル(大聖堂)です。インカ帝国の征服者フランシスコ・ピサロの遺体が正面から入って右側に納められています。通常の感情なら征服者の棺は置かないと思いますがラテン民族の寛容性でしょうね。


 カメラを左方向に90°振りました。ここにあるのが大統領府です。信号のない場所では車優先社会ですので道路横断時は運動神経がないと戸惑います。

 大統領府の大写し。毎日正午には衛兵交替式が行われます。観光の際はその時間に合わせ行くのがよいでしょう。 VIPが訪問するときは正面入り口から門まで赤い絨毯が敷かれるそうです。先月開催されたAPECの首脳達もきっとそのようにしたと思います。


 更にカメラを左に振りました。大統領府の裏はリマ市約800万人の上水を供給するリマック川が流れております。


 上の写真の左側部分の黄色の建物を撮りました。出窓が雰囲気を醸し出しております。


 更にカメラを左側を振りカテドラル前からの写真です。黄色の壁に黒色の出窓が目立ちます。我々の業界では黄色と黒色のまだら模様(警戒色)のテープ(orロープ)をトラ(虎)テープ(ロープ)と呼び、立ち入り禁止用にわざと目立つように張ります。工事現場では良く目にしますので次回ご覧下さい。


 大統領府裏のリマ市の水源リマック川です。浄水場は約10km上流にあります。この先は太平洋です。旧市街も一人歩きは危険です。この橋の対岸は更に危険ですので立ち入らない方が良いでしょう。




叡智を尽くしたPJ(No.6)

2008-11-14 00:07:18 | ペルー
 太平洋沿いの国道・・ペルーの湘南道路からプラントへのアクセス道路です。芝は完全に根つき、潅木も整然と植栽され、さながらここだけが砂漠のオアシスのようです。


 プラントの遠景です。この海岸道路は起伏が多く高い位置に来ると煙突と太平洋に突き出た異様な構造物がその都度見えます。今ではこのプラントは南部地域のランドマークです。


 ピラミッド形した採光屋根のある管理棟の背後からプラント心臓部を撮っております。煙突からは白く透明に近い排煙が見られます。CDM(クリーン開発メカニズム)締結前ですがプラント技術者の叡智により「地球環境に優しい」を目指し完成させられたプロジェクトです。各国の国益はあるでしょうが、土木のみならず技術者の使命である「地球に優しい環境を創造する」が優先されております。本プロジェクトは、多種多様な技術者達の真摯な努力が自然の造物主にも通じそして守られ、限られた資源にて記録的な速さで成就させたプロジェクトとしてペルー国のみならず関係各国で語り継がれております。

 
 桟橋建設も幾度も荒波の手痛い挑戦をうけながらも楊炭プラットフォームまで到着しました。


 注目の構造物も桟橋の高さまで無事に建造され太平洋の波も驚いて白い泡を吹いております。

 
 次週からは「世界遺産マチュピチュ遺跡」内の建造物を掲載の予定でおります。