土木技術者が撮った中南米の「光りと影」の写真 及び 他国風情

 約22年間の中南米赴任中に土木技術者の視点から撮った写真。開通前のパナマ運河に架かる第二アメリカ橋は圧巻 & 他国事情

えぇ こんなところ!!K市街風景

2013-05-26 18:15:42 | スーダン
 ハルツームを後にして東部のK市に向かいます。直線距離にして約400kmですが

 そこへ行く道路が未舗装で迂回します。所要時間約8時間(内ドライブインにて約0.5時間休憩)。

 日本では考えられないドライブ時間ですが、他の交通手段がないためにこれが唯一の方法です。

 
 K市のランドマーク「面白山」です。期待に胸を膨らませて出発します。

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 窓外に見える風景はほとんどが土漠で時に砂嵐や竜巻が吹き荒れています。(前回記載)

 対向車線の交通量も約60台/時間で渋滞もありません。時折首都へ戻る長距離バスも見られます。

 砂嵐ではありません。今は乾季の為、未舗装道路区間の状況です。

 やっと前の車が見えてきました。 

 ハルツーム行きの長距離バスです。
 フロントガラスには沢山の「ぬいぐるみ」が飾ってあります。
 運転し難いと考えますが、全てのバスがこのようです。
 交通安全のお守りと考えますが、それにしても無謀運転です。何の為のお守りでしょうか?
 事故の時に助かるようなお守りではないかと勘繰りたくなります。

 同上。フロントガラスの視界が狭い「覆面バス」(←私が命名しました)は
 「イスラム」の風習からくるのでしょうか? 次の写真から連想しました。

 ↓ これです。↓


 途中、昼食にドライブインに立ち寄ります。

 車から降りた途端に熱風が襲い掛かります。砂漠のオアシスを期待していたのですが・・・・・、

 ・・・・・入ってビックリしました。クーラーがなくオープンエアーなのです。

 停電がしょっちゅうあり高価な発電機は到底手が出ないのでしょうね。

 否、それは違います。ここの人は室内温度約40℃は日常感覚なのです。

 そして店頭に吊り下げられた肉列を見て食欲も失せてきます。

 その横でマサカリを持って、何のためらいもなく、店員が淡々とした顔付きで肉を捌いています。

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 食事は止めにして外にでました。


 この青い筒は無料の飲み水です。ドライブインはもちろんのこと
 街の角や街道沿いには旅人や牛馬やロバの為に設けられています。通常は土瓶です。

 ハムが吊り下げているのは中南米ではよく見かけられます。が、
 これはちょっと、・・・・露骨すぎます。 


 ドライブインの前に茅葺の粗末な小屋があります。   何でしょうか?
 壁と屋根を葦で覆いハーブティを売っています。これはアゼルバイジャンで飲んだものとほぼ同じで
 中にハーブが入っており味は行けます。お腹の足しに二杯飲みました。     ここは喫茶店です。

 ハーブティー。兎に角熱くてカップが持てません。
 アゼルバイジャンやトルコのそれは、カップの中央が窪んでいて、上部を持てば熱くはありません。

 アゼルバイジャンのティーグラス。雰囲気があります。


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 K市のランドマークである「面白山」が見えると、安堵感と共に、窓外にみる街風景に

 別世界(かつて知っている、または想像していた街の様子と全然違っています)にきたようです。

 ハルツームはナイル川の流域にあるため、川の水が熱気を緩和してくれます。が、

 K市は、大きな川が干しあがっていて、とても生身の人間が住めるような所では無いように感じます。

 と言っても約30万人の人口です。     下車すると熱風で頭がふらふらしてきます。

 世界中の貧困社会を数多く見てきましたが、ここは「貧困+灼熱」で・・・・キビシ過ぎる。


 「面白山」です。全山岩石山です。

 この干上がった川を渡ると市街地です。

 同上、砂嵐の時に撮りました。「面白山」が見えません。

 晴れた時の「面白山」です。


 ・・・・・・・・・

 彼らにとっては他所に住むところがなく「生きる」為に、ここに住み着かざるを得なかったのでしょう。

 人々は家の中ではなく、軒下や木陰に大勢がタムロしています。

 オーブン?の中の様な家の中より過ごしやすいのでしょう。(砂嵐対策の為、家の窓は密閉している)

 (蛇足ですが、上記のように大勢の人々が戸外にたむろしているため、私の唯一の気分転換と

 健康維持の為の街歩きができません。と言うのも野球帽子、サングラスを被った色白の(ここでは)
 
 外国人は目立っているのです。

 いきなり大勢の視線がこの「変な外国人」に集中して注がれるため、

 自由が束縛されているように感じます。彼らに監視されているようで退散せざるをえません。

 それにも増して熱風すさぶ戸外での街歩きは無理だと納得したのです。)


 市街地の目抜き通り。露店が目立ちます。

 同上。

 露店風景。

 同上。

 これはキオスク(売店)です。日本で言う駅の売店です。

 中央市場。肉から野菜、歯ブラシからタオルまで何でもあります。
 肉は鶏と山羊で牛や羊は見かけられません。豚は禁食です。

 市場の内部。

 市場の周辺。

 通り沿いの果物屋。

 同上。

 近距離バスターミナル。

 同上。

 市場に近接したタクシーの溜り場。


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 彼らは、女性は頭に布きれを巻いています。男性はターバンや小さな縁なしキャップを被っています。

 砂漠気候は初めて経験しますが、前記したように、吹き付ける熱風で健康優良児?の私でも

 外に3分いれば頭がボートして眩暈がしてきます。現地人の半数は裸頭です。

 頭を露出している禿頭の人が居ました。

 その禿頭部の肌の色は 地肌か日焼けか 見分けがつきません。



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 車中から街の乗り物を見ています。
 
 その中でも一番に多い乗り物はマイクロバスと小型のTAXIブルーキャブです。

 乗用自動車の内の80%を占有しています。殆ど日本製と韓国製の20年以上落ち?の中古車です。

 車内にはクーラーなんかありませんので窓は開けっ放しか外して?(なかった?)あります。

 ブルーキャブ?とマイクロバスと乗合バス。

 TAXIは荷物車にもなります。

 乗合バス。

 乗合トラック。

 乗合バスも荷物車になります。

 窓ガラスは外してあります。
 と言うより、改造車ですので、取り付けなかったのです。

 庶民の足、マイクロバス。

 マイクロバスの後部。故意にガラスは取ったのでしょう。多分・・・

 積載高さと幅違反の(日本では)の貨物車。

 この予備タイヤ付の小型スクーターも時々見ます。

 同上。

 でも、これがあるだけで十分です。

 同上。

 同上。

 同上。この人は肉を運んでいました。

 この乗合もたまに見ます。



 そして、何と言っても、乗用の動物が目立ちます。ロバと馬です。

 ロバは一生懸命ひたむきに働いています。なぜだか白毛や芦毛のロバが大半です。

 馬はロバの半数位でしょうか。芦毛馬はその数の半分位でしょうか。

 馬はロバよりは「馬力」がありますので大きな荷物を運びます。

 馬の毛色は多い順に鹿毛→栗→黒鹿→芦→栃栗→青で 白は稀です。   が、

 ロバは白毛が居ます。初めて見ました。

 また、山羊や羊は群れを成して町中到る所を散歩?しています。牛やラクダも時々見ます。


 ロバの耳は長ーいです。

 これが馬の耳です。ロバの1/3位でしょうか。

 働きものです。馬同様に優しい目をしています。

 同上。

 給水タンクを引っ張っています。 1m3ドラム缶ですから 1ton(1,000kg)です。

 日よけ・砂よけの御簾を ゆっくりゆっくりと・・・

 空荷だから颯爽としています・・・

 今日の仕事は終わった。良かったぁ・・・

 ちょっと疲れたよ。足がもつれてきたよー・・・

 帰りは空荷だから元気だーい・・・

 船頭は一人にしてくれない・・・

 ちょっと疲れたので、荷物をワザと落としたんだよ一。

 暑いよー・・・

 大将は11時のお祈りの時間だよ、だから一休みしているんだ・・・

 道路の端は凸凹して歩き難いよ。車道の真ん中の舗装道路を通りたいよー。

 大将は交渉中だよ・・・

 今日の仕事は終わり・・・

 仲良しBAKUチャンと二人三脚。

 同上。

 同上。

 さぁ、これが終われば夕食だぁ。飼葉がごちそうだーい。



 僕は馬ですのでロバよりも馬力があります。でも後ろのロバ君にも少しは担がせてよ。

 荷物は「炭」だから、そんなに重くはないんだ・・・

 こちらは飼葉だからもっと軽いよ。

 大将はまたお祈り。5回/日お祈りします。ちょっと休憩。

 ムチよりもニンジンをください・・・



 お次は街を我が物顔に歩く山羊です。
 異常に耳が垂れて長いです。

 同上。

 同上。


 同じく街を我が物顔に歩く牛です。



 砂漠の主は私です。ここでは動物以外は通行禁止です。

 ニームの葉っぱを食べるラクダ。虫下し?

 やっぱり土の道が歩き易い。

 信号がない所では動物優先。知ってた。



 最後に、「面白山」の真下から撮った写真。見る程に面白い形です。