土木技術者が撮った中南米の「光りと影」の写真 及び 他国風情

 約22年間の中南米赴任中に土木技術者の視点から撮った写真。開通前のパナマ運河に架かる第二アメリカ橋は圧巻 & 他国事情

ノートルダム→パレ・ロワイヤル→ルーブル

2011-07-14 07:31:28 | パリ(,France)
 本日7月14日は「フランス革命記念日」です。
 ブルボン朝期=ルイ14,15,16世およびマリー・アントワネットによる
失政と国費の浪費により、フランスは疲弊し、王はそのツケを国民に回そうと
したため、一般市民が1,789年の本日、決起した日であります。
その結果、王政および王による絶対君主制が崩壊したのです。
日本ではこの日を「パリ祭」と呼んでいますが正確ではありません。

 本日はフランス各地で盛大な催しが実施されます。
 「エトワール凱旋門」から「コンコルド広場」の2km間=シャンジェリゼ大通り では
陸海空 三軍により最も盛大な軍事パレードが催しされます。
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 さて、
 往時を偲び、街を歩いてみました。



 セーヌ川はここシテ島とサン・ルイ島にて遮られ分流し、
下流(西側)のポン・ヌフ(新しい橋の意味だがパリで一番古い橋(1607年完工))
で再び合流する。シテ島には右岸側(下流を見て右側)に4橋、左岸側に5橋あり
どれも目を見張る美しい容姿を放っている。
 この橋はノートルダム大聖堂に行くノートルダム橋です。



 下流側からノートルダム橋を望む。
 両端は石造のアーチで中央は鋼製のアーチ橋です。
 セーヌ川は生活河川であり、近年においては観光においても主要な役割を担っている。
 中央の鋼製アーチ橋は近年の大型船に対応するため再構築されたもので
以前は5径間の石造アーチ橋だったと推測されます。



 上記ポン・ヌフ橋です。石造7径間連続アーチ橋です。
 橋脚の上の半円形のでっぱりはベンチ(休憩場)になっています。
 美しい橋です。レンガや石造りの建造物は温もりを感じさせます。



 橋を渡ってすぐに改装中のビルがあり、その壁にかけられた仮設の足場は
建物が透けて見え、さも出来上がっているように見受けられますが
これはなんと竣工図(絵)なのです。  なんと粋な計らいなのでしょうか。



 横から見ると絵であることがわかります。



 上記改装中のビルを通り過ぎると左手に「威風堂々」とした
美しい建造物が聳え立っています。1,163年から約160年かけられ造られた
「ノートルダム大聖堂」です。幅は40m、高さは69mで奥行きは128mあります。
 正面の3つの門(ポルタイユ)、その中央の門の上部にあるステンドグラスの「バラ窓」には
3体の像が見受けられます。ゴシック建築の優雅な造りに感嘆させられます。



 3つの門、バラ窓および28体の像(ユダヤとイスラエルの諸王)の正面の大写しです。



 ステンドグラスの「バラ窓」の前に立つ3体の像があり、その中央には幼いキリストを抱く聖母マリア像がいます。
 ノートルダムは聖母マリアのために捧げられた聖堂とも言われています。



 左側の門は「聖母マリアのポルタイユ」と呼ばれ、聖母マリアが永遠の眠りにつく場面が描かれています。



 中央の門は「最後の審判のポルタイユ」と呼ばれ、その下段は、すべての死者がよみがえり、
中段には、それら死者が、天使ミカエルと悪魔によって天秤にかけられ、天国と地獄行きに分けられ、
上段には、キリスト と ひざまずいているのは聖母マリアとヨハネが描かれています。



 右側の門は「聖アンナのポルタイユ」と呼ばれ、
下段にマリアの母アンナと父ヨアキム
中段にキリスト降誕が描かれています。



 ここは回廊になっており、「ガルグイユ」と呼ばれる奇妙な怪物の像がパリの街を
見下ろしています。



 左岸側から大聖堂の南側(正面は西側)を撮っています。
 バラ窓、尖塔および内部中空断面の柱を支えるバットレス(控え梁もしくわ壁)の
コントラストが絶妙で美しい建造物をかもしだしています。このバットレスを設けることで
内部の中空断面を大きくすることができます。ゴシックの特徴です。



 左岸側から東南側の美しい容姿を撮っています。



 上記バットレスです。内部中空断面はこれにて支えられています。
 開口部(窓)も大きく取れます。



 同上。



 さらに東側に行くと小さな橋があり、その欄干に何かが無数にぶら下がっています。
 何だと思いますか?



 錠です。結ばれることへの願掛けでしょう。



 右岸側=北側を撮っています。崇高さを感じさせます。



 上記中央部に複数の怪獣が壁から飛び出しています。
 雨水の吐け口です。



 レンガを組み合わせて丁寧に造られた職人の技には「スゴーイ」と言う脅威すら感じます。



 大聖堂の内部です。ゴシック特有のなんと大きな丸天井の中空なんでしょうか。



 ステンドグラスの窓も大きく取れますので、荘厳な雰囲気に圧倒されます。



 「バラ窓」を内部から見ています。美しすぎて二の句が出ません。



 同上。



 大聖堂から外に出ると雨が降っていました。
 この季節(6月末)は、一日の内で天気が二転三転します。
 まだ小降りですので、傘をさしている人や合羽を着た人や何も身に着けない人等、様々です。



 これなんだと思われますか。
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 これがパリの道路起点=0.000kmの基準鋲です。
 大聖堂の正面前の広場にあります。



 雨足が強くなりました。
 この正面の重厚な建物は警視庁です。
 上記の改装中のビルです。 



 雨足が更に強くなってきました。
 カフェテリアで一休みします。
 ここのデミカップのエスプレッソ本当に美味しい。
 


 この建物は宮殿ではありません。
 最高裁判所です。
 左側の大きな丸柱の建物はサント・シャペル教会。
 バットレスがない分、柱が太くなっています。
 これもゴシック建築です。
 警視庁の裏手でカフェテリアの斜向かいに位置します。



 とんがり屋根3つの塔を持つこの建物は「コンシェルジュリー」と言い
以前は王室管理府がおかれていました。多くの貴族や革命家たちがここで
最後の夜を過ごし断頭台へて引かれて行ったのです。
 1789年7月14日のフランス革命の後、1793年10月16日には
あのベルバラ、ルイ16世の王妃、マリー・アントワネットも
38歳の若さでここからコンコルド広場の断頭台へ引かれ
露と消えたのです。
 ここも改装中で上記同様の美しい絵で囲われた仮設足場がありました。



 対岸から「コンシェルジュリー」を撮る。
 この石造アーチ橋の手前の部分のアーチは
芸術的な「かまぼこ型」になっています。素晴らしい職人技です。
 


 上記を北側から撮っています。



 後記市庁舎の角から一際目立つ建造物があります。
 サン・ジャック塔です。
 以前はサン・ジャック・ド・ラ・ブッシュリー教会の鐘楼だったのです。
 教会本体はフランス革命時に破壊されました。
 この塔上でパスカルが気圧の実験を行ったことでも有名です。
 通りの名はリヴォリで西に行けばルーブルの横を通り
 コンコルド広場でシャンジェリゼ大通りとつながります。
 


 市庁舎と反対側から撮っています。
 下方にはパスカルの像があり、上方には気象観測台が設けられています。



 このルネッサンス様式の重厚な建造物はなんだと思われますか?
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 パリ市庁舎です。前の広場は冬季にはスケート場になりますが
 現在改装中でした。
 リヴァリ通りから見ています。ここが地下鉄1号線オテル・ド・ヴィル駅です。 



 同上。



 リヴォり通りを西(シャンゼリゼ方向)に行き、ルーブルの角を右に入り2筋めの右側に
 立つゴシック様式の「サントウスタッシュ教会」です。
 バラ窓のステンドグラスが美しいファサードです。
 工事中で立ち入り禁止でした。
 この教会の中には7,000本のパイプを持つオルガンがあり
 演奏会が催しされます。 



 上記「サントウスタッシュ教会」を西に進むと王宮パレ・ロワイヤルに出ます。
 その通りの教会寄りに美しいアーチを描いた建物がありました。



 リヴァリ通りを挟み南がルーブル美術館(王宮)で、北側にこの
 パレ・ロワイヤル王宮があります。
 ルイ13世の王妃アンヌ・ドートリッシュが幼いルイ14世を連れて、
 ルーブル宮からここに移り住みました。このルイ14世こそ
 あの贅の限りをつくしベルサイユ宮殿を建造した王です。
 この建物は南側で中庭には黒いストライブのついた円柱形の無数のオブジェがあります。
 7月14日の革命記念日に合わせ、ここも改装中でした。
 


 パレ・ロワイヤル王宮の中にあるマロニエの並木が美しい「パレ・ロワイヤル庭園」です。



 同上。この独特の刈り方を「角刈り」と言うそうです。



 同上。



 パレ・ロワイアルからリヴォリ通りに出る交差点に車両が通り抜けできる
 建物があります。ここをぬけるとリヴォリ通りでその向こうに広大な
 「ルーブル美術館」があります。



 リヴォリ通りを渡ってルーブル美術館へ来ました。王宮でしたがルイ14世は
 ここを離れベルサイユ宮殿に宮廷を移したため、次第次第に美術館になっていきました。
 一般公開はフランス革命後の1,793年です。それ以来、その出展の質や量とも
 世界最大です。出展量は30万点超です。
 「マルリーの馬」「クロトーナのミロン」「ミロのヴィーナス」や「モナ・リザ」等
 数々の有名な作品が展示されています。
 以前は中央のピラミッドはありませんでした。最近に建てられたものです。
 少し・・・・・・・・。
 


 「ルーブル美術館」の西側にあるこの門は「カルーゼル凱旋門」です。
 ナポレオンの勝利を記念してエトーワ-ルの凱旋門(通常呼ばれる凱旋門)同様
 1,808年に建造されました。 



「カルーゼル門」の上方は馬車を御す女神像です。当初はナポレオンが御す4頭立てのものでしたが
彼の没後、このコピーに置き換えられました。



 ルーブルの前庭から「カルーゼル凱旋門」、コンコルド広場の「オベリスク」と「エトワール凱旋門」は
一直線に配置されています。



 「カルーゼル凱旋門」から「オベリスク」と「エトワール凱旋門」を撮る。
 凱旋門からコンコルド広場までは7月14日の革命記念日に備え、仮設の舞台や座席が
クレーンを用いて作られていました。シャンジェリゼ大通りはいつも車で渋滞しています。