土木技術者が撮った中南米の「光りと影」の写真 及び 他国風情

 約22年間の中南米赴任中に土木技術者の視点から撮った写真。開通前のパナマ運河に架かる第二アメリカ橋は圧巻 & 他国事情

エクアドル国最終編及び熱帯雨林地帯事情

2009-01-15 00:21:38 | エクアドル
 エクアドルの隣国で新車の最新式フル装備の消防車が入手できたと関係者が群がっておりました。活躍しないほうがBESTなのですが隊員達は自信に満ちあふれ笑みを浮かべながら写真を撮らせてくれました。明るいですねー。こういう気風いいですねー。


 鉄筋コンクリート製の主桁が老朽化し、たわんで来たので周囲にある木を加工し支柱にしています。この支柱も大豪雨で流され、その度に施されるのでしょうね。木材の残骸が残っていました。

 
 木製のトラス上路橋です。上の写真と同じアマゾンの密林に行く道路です。設計者の意気(粋?)を感じます。欄干は以前パラグアイ編で掲載しました様に注意勧告の為に壊れたままの状態にしてありました。???

 
 熱帯雨林の中に造られた道路です。雨降れば通行不可能です。延々と何100km or 何1,000km?続きます。


 時間短縮と行く途中のテロとの危険回避を考えるとアマゾン地帯へ行く術は軽飛行機にならざるを得ません。パイロットは数々の戦争で実経験を踏んでいますので約100mの直線の平地があれば離着陸します。以前ハリソンフォード主演で「今そこにある危機」と言う映画がありコロンビアのジャングルをヘリで飛ぶ場面があるのですがパイロットに生死をかけたその場面が毎回頭をよぎり、万一の場合は何所に飛び降りるか考えて乗っています。1980年初頭にはアフリカで道路の反対車線から中央分離帯を乗り越えて来た大型トラックにはねられ生死をさ迷いました。 土木技術者の使命は正に「Civil Engineer」です。その国の人々にとって不可欠と考えられるPJはアマゾンのジャングルや6,000m級の高地でも飛んで行く強固な使命感なくては勤まりません。多分に初めて遭遇する壮大な自然への興味と自然が好きだからできるのでしょう。弁解がましいのですが1/3は会社のことも考えていますし、1/3は自分の為、残り1/3はその地域の人のためでしょうか。写真の飛行機はアマゾンへ入る最寄の都市間をつなぐ定期便です。最寄の都市からは現場へは底板が抜けかけた軽飛行機 , 4WDのジープもしくわ最悪(良?)はロバになります。単独行動は絶対禁止で、場所により銃を持ったガードマンを連行します。絶対立ち入り禁止区域は「当該国の在日本国領事館の安全情報ホームページ」に掲載されております。し、パイロットや地元の人々が周知しております。

 
 南米的で親近感がある露店です。ここは海岸に近いのでブルーシートではなくパラソルが雨除けに咲いています。歩行者天国で多種の店が軒を並べ一日かけてみても飽きない(商い?)光景(好景)です。

 
 上記写真の町です。ノーコメント。

 
 クエンカ市に行く途中のアゾグエス市の丘に上に異様に大きな建物があります。 何なのでしょうか?

 
 同上。正面(裏?)からの全体写真です。サンフランシスコ教会といいます。


 昨日掲載しましたクエンカ市の「聖母大聖堂」を公園の対面から撮りました。下の写真が昨日掲載しましたものとほぼ同じです。

 
 昨日掲載しましたクエンカ市の聖母大聖堂です。多少カメラのアングルを変えています。


 
 今回をもちまして南米編を終了します。全75記事の内にコメントを頂いたのはOnly6でした。小生の独断的「考え」「思い」および「偏見」の記事も多々あると考えております。是非、読者諸賢のご教示を本ブログのコメント欄(匿名で結構です)もしくわ、小生のE-Mailアドレス: airportnarita@outlook.jp に送付頂ければと お願いを申し上げます。
 次週からは中米編で大都市メキシコを予定しております。

エクアドル国光りと影(No.3)

2009-01-14 00:06:52 | エクアドル
 南米の太平洋岸はフンボルト海流(寒流)で海水温度は冷たいのですが夏にはその冷たさにも負けず大勢の人々で「芋でを洗う」ような混みようです。チリ、ペルー及びエクアドルは特にそうです。他に南米で太平洋岸に接してるコロンビア国もありますがこちらにはカリブ海に面した海水浴場を兼ねた大リゾート地(楽園)がありますのでそちらの方に行きます。


 ここはエクアドル国の太平洋岸の地方都市です。左側が太平洋です。高層ビルも建ち並ぶ港町ですが対岸との交易は定期的なフェリーと海上TAXIです。写真右側の位置で対岸との距離(海峡幅)は目測で約500m位ですか。

 
 上記写真でカメラを右側に振りました。ここは瀬戸になっているのです。停泊している船舶は大半が帆船です。帆船の漁船は見たことがありませんし数も少ないので観光遊覧船だと思いますが。ガラパゴス行きの帆船もあると聞いたのでそうかもしれません。

 
 更に上記写真の右側です。瀬戸内の海岸を周遊する道路はなく南側に迂回しなければならないので車で約4時間は掛かるそうです。この写真では見えませんが右側(南東部)の奥はまだまだあります。


 対岸との交通手段フェリーは満載で、これ以上積んだら沈みそうな感じです。船べりは人の群れで今にも落ちそうな状態です。


 白鷺が群がっているところは栄養豊富な肥料が存在しているのでしょう。その他についてはコメントを控えます。


 近くの町にかかるトラスの下路橋です。清流とマッチして風情があります。さながらエクアドルにおける温泉地風です?橋の中央が少し垂れ下がっている感じがちょっと気になります。


 橋の床版は木材張りでしたが何だか表面が波を打っている様子です。


 床版の板はめくれ、また穴が開き車の車輪間隔に応急的に板材で補強されています。鉄骨の塗り直しもした気配はなくさびて断面は減少しそのうちに落ちるのは必然ですが予算が無いためこの状態なのです。やはり補修の順番を待っているのです。

 
 写真の最後は 神の恩恵を授かるようにと願いをこめて 教会の写真です。この大聖堂はエクアドルはもとより南米においてはつと有名です。西語での名前は「Catedral de la Inmaculada Concepcion」と言います。和訳では「聖母大聖堂」です。第三の都市クエンカ市の中央広場=アブドン・カルデロン広場に聳え建っています。ドーム状の屋根は青い色をしており幻想的な姿形です。写真は広場からではなくの背面の公園から撮っております。



エクアドル国光りと影(No.2)

2009-01-09 00:06:39 | エクアドル
 エクアドル国第一の大都市は太平洋沿岸にあるグアヤキル市です。首都キト市は第二の大都市です。数100枚の写真を撮ったのですがまた盗られてしまいました。今回は今までと違う手口でした。よくまー手を替え品を替え知恵を捻出しますよね。中南米の情報として恥を凌んで報告します。市の中央部の河川寄りに陸イグアナが数10匹歩いたり木に登って寝たりしている観光スポットの公園があります(50m*50m位の広さ)。周りには観光客らしき人々20人位おり安心して巨大なイグアナを初めて見て驚きながら写真を撮っていました。(陸イグアナの写真は後日コスタリカ編で掲載します。)シャッターチャンスを待っていたら一人の12,13歳位?の少年が背後から不意に近づき手に持っていたカメラを抜き取り一目散に逃げ去りました。泥棒と叫んで追いかけましたが近くにいた観光客は知らぬ顔で、一人の青年が追い駆けてくれましたが戻ってきませんでした。観光客風の人々の何人かはグルで青年は様子見の役だったと思っています。少年は私の手首からストラップが外れる僅かな一瞬を狙っていたのです。プロです。その手際の良さに後でいつも感心してます。ということでグアヤキルの写真は再度来訪した時に掲載します。グアヤキルはエクアドルにおける最大の港です。港は河口から約50km上流にあります。所謂ここも河川港です。第二の港がこの写真の太平洋に面した海岸港です。桟橋沿いに海水浴場があり、海水はやはりフンボルト海流で寒流ですが晴れ間のひと時を多くの人達が楽しんでおりました。


 港です。5,000~10,000トン級の大きな貨物船が接岸し、コンテナにて荷揚げをしていました。ここから約1,000km太平洋を西へ航海すればチャールズ・ダーウインの進化論で世界的に有名なガラパゴス諸島があります。赤道にもかかわらずフンボルト寒流のためペンギンやアザラシも見受けられるそうです。エクアドルには約15ヶ月赴任しておりましたが行きそびれました。いつでも行けると思うと行かないものです。ペルーのマチュピチュも自分の意志ではなく家族や友人が來秘の折に行く機会ができました。ペルーも約7年間赴任していたのですがナスカ遺跡は行っていません。もったいない話ですねー。


 前記したように最大港のグアヤキル港は河川港で土砂が堆積しますので一定期間で浚渫を施さなければ大型船舶の航行・接岸はできなくなります。よってここの港の桟橋が将来はエクアドル国の最大の港になると考えられます。桟橋の拡張工事が進行中でした。現在の船舶は3m~6m位の喫水と考えます。これを沖に延伸・拡張すれば10万トンクラスの超大型船舶も可能です。そうなれば投資金に見まう利益の確保は充分可能になります。またここまで来るまでの道路のインフラが優先しますので時間と莫大な費用がかかるでしょうけど頑張ってもらいたいですね。


 ここは前回記載しました峠を下りてきた町の近くに位置します。いかにも100年は経過したようなコンクリートの橋台や橋脚でできた芸術的な建造物です。建設当初は橋桁や床版もコンクリート造りでしたのでしょう。

 
 が、ある日大洪水が来て流されたと想像します。現在は丸太を主桁材(大引き)にし四角い木材(角端太と言います)を横桁(根太)にし木製の板材を敷いて車両が通行しています。中央部が欠落しているのは誰かが持っていったのでしょうか?


 牛や馬の通行量が一番多いので上記の橋は補修されないのでしょうか?否、これより優先される橋が多数あるので気が長くなる程の順番を待っているのです。当然、牛や馬は農民にとっては宝ですから川の浅瀬を通行せざるを得ません。

 
 やっぱり影の部分は=「貧困」からきます。少しでも神の恵みを授かるように 「教会」の写真を掲載いたします。ここはエクアドル第三の都市クエンカ市に行く途中に立ち寄ったアゾグエスと言う町の中央広場前です。中南米では中央公園にあるカテドラルは「厳粛な憩いの場」です。だから土地の人々は日曜日には着飾って教会に行くのです。



エクアドル国光りと影(No.1)

2009-01-07 00:07:02 | エクアドル
 エクアドル国の首都キト市からコトパクシ山を撮っています。両側を山で囲まれた縦に長い街で飛行場が北側の街外れに有る為、空路は市南側のコトパクシ山の右側から写真の中央右よりの青色のビルの上を通過してきます。以前には飛行機がビルに激突したこともあったそうです。確かに街の約100m上空を大きな飛行機が轟音をたてて飛んで来てます。観光客等外国人は身構えをし出来るだけ飛行ルートには入らないようにしていますが、キテーニョ(キトの人々)は日常の習性で泰然としておりました。この付近は新市街で南西部に中南米特有のスペイン風建築の旧市街があります。

 
 同上大写し。説明を付けなければ「富士山」といってもうなづかれる人は結構な割合でおられると思います。
 この写真は前回掲載しました通称「エクアドル富士」と呼ばれるコトパクシ山5,896mです。

 
 コトパクシ山が余りにも富士山と見間違う程のカメラアングルでしたので逆光でシルエット写真になりました。 正真正銘のコトパクシ山です。飛行機内からの写真でお見苦しい物は機材の窓の掃除が成されて無いのもが多少あると考えますが?(腕も多分にありますが)


 一方、ここは陸路のペルーとの国境の入り口で太平洋側にあります。イミグレ・税関が国境付近に一切無く日帰りなら出入国手続きの必要を感じません。但し、宿泊するならばかなり遠くの町外れにあるイミグレ・税関での手続きは当然必要です。国境周辺の人々は自由勝手に往来しておりました。つい最近まで国境問題で戦争していた両国なのですが一般市民は平和で友好的です。コロンビア国との国境はコロンビアのテロ組織FARCが入って来ているのでもっと厳重でしょう。ペルーもSLやMRTAと言ったテロ組織はありますがアンデス山脈地帯が活動の本拠地でここ太平洋岸の国境までは来ていません。国境を自由に出入りが出来る安全な治安なのでしょう?否、キト市のビルの上を通過する飛行機と同感覚で日常に入り込んでいると考えます。国境警備兵もいないこういう光景は初めて見ました。

 
 こちらはペルー側です。エクアドル側の方が活気があるように感じますが、どっちもどっちです?ただ歩道で物売り台を出しているので通れませんし、橋の上で飲食しゴミを捨てるのだけは頂けません。雨季には一掃されるとは思いますが終着地は太平洋です。これでも徐々に改善しているとのことですが次写真みる限りでは??です。彼らは貧しくて生活が大変でその様に教えられなかったのです。逆に汚いものは川に捨てなさいと教わってきたと思います。教育の格差が大きく影響していると考えます。

 
 この橋が国境の「友好の橋」です。長さにして約30mくらいです。橋の両端に上記の看板があります。この橋はブラジルとパラグアイの広大なパラナ川に架かる「友好の橋」とは比較の対照にはなりませんし比重が全く違います。が往来に関してに言えば超友好的と言うか秩序が無いというか他国の国境風景とは異なり緊張感は全くありません。大国の介入により国際間の格差が貧富の差を生み国際間の摩擦を生じさせております。それ故に仕切り(国境)が必要になりました。このように自由に往来ができる国境なしが早くくればなあーと感じます。


 キト市から車で西部の太平洋に出るルートや南部のリオバンバ市やクエンカ市に行くルートはアンデスの3,000m超級(ほぼ富士山と同じ高さ)の山岳道路を通行する為、朝晩は霧や雲が立ちこめます。因みにエクアドル国で最高峰はリオバンバ市の北側に聳えるチンボラソ山6,310mです。

 同上

 同上。視界は約50mくらいでしょうか。スピードを出さないので事故が無いことと木々や植物の自然の生育には多少のメリットはあるように感じます。周囲の緑が活き活きしております。でも車は低速で走るのでCO2排出量は多いと思いますがお日様が顔出すと雲散霧消するのでしょうか?多分、周りの緑が吸収していると考えます。

 
 山を下った最初の町です。川の両岸からパイプやコンクリート管が突き出し川に流出しております。地方行政のインフラ整備は未ーだ未ーだです。都市部と地方部での貧富の格差は歴然です。

 
 こちらはキト市から南部の町です。コトパクシ山の麓にあります。100年確率の噴火の時期は過ぎましたのでいつ爆発しても不思議ではありません。それでもこのように住まざるを得ない現状だと考えます。