土木技術者が撮った中南米の「光りと影」の写真 及び 他国風情

 約22年間の中南米赴任中に土木技術者の視点から撮った写真。開通前のパナマ運河に架かる第二アメリカ橋は圧巻 & 他国事情

花の街コスタリカ国サンホセ市

2009-02-26 00:52:39 | コスタリカ
 コスタリカ桜「ロブレサバナ」が咲く前にこの花が咲きます。「ボロ」とか「ボロヒガンテ」と土地の人は呼んでいます。カリブ海の島国ドミニカ共和国でも見ました。そこでは「フランボヤン」と呼んでいました。桜同様に国=民族により呼び方が違うのでしょうね or 日本人の感覚で桜と決められ基本的に種類が違うのかもしれません。検索サイトで「ボロヒガンテ」は見つかりませんでしたが「フランボヤン」はありました。日本語では「鳳凰木」と言い「火炎樹」に似ておりますが同類科ではないそうです。赤い花が咲いた後で花弁の色が赤茶なのでしょうか。唯一、紫の花はどの国でもハカランダ(ジャカランダ)でした。


 サンホセ市の旧市街の番地は分かりやすく大きな通りは「アヴェニーダ=Avenida」でそれと交差する小さな通りを「カージェ=Calle」と呼びます。更に分かり易いのは中央広場(公園)を境にCalle番号は偶奇数に区分され、Avenidaは中央公園の一つ北側のAv.Centralを境に偶奇数に区別されています。ここはAv.Central と Calle3とCalle5 の間の文化広場にいます。米国のアベニューとストリートと同様です。


 Av.Central と Calle3の角にピンク色の古めかしいホテルがあり(但し中の内装はきれいでした)その前が文化広場になっています。記憶が正しければ文化広場は右側の木立の奥になります。


 文化広場の南側にコスタリカのオペラ座と称する「国立劇場」があります。ロブレサバナで隠れていますが上品な造りの建物です。


 国立劇場の正面です。観光ブックには屋根には3体の彫刻があり、それぞれ、舞踊、音楽、名声を表現しているし、内部には大理石の階段、各部屋の豪華なシャンデリアや燭台は品があり、休憩ロビーの金とベネチアミラーをあしらった内装や天井のフレスコ画が美しいと書かれています。私が宿泊したホテルは旧市街地の外れのサバナ公園というとてつもない大きな公園の近くにあり街歩きはいつもの野球帽と運動靴なので中へは入れませんでしたので残念です。次回機会があれば掲載いたします。 この様に風光明媚で綺麗な街並みですが、軍隊を持たず警察力も弱いコスタリカ国におけるここサンホセ市も近年凶悪犯罪や一般犯罪が増加しています。その一因は中米各地からの難民の増加と聞いております。旧市街で一筋本通りを離れるとやはりその類の人々がおる様に感じ取れます。注意が必要です。


 訪問したとある会社の建物は緑豊かなパティオ(建物の中央にある広場で吹き抜けになっています。)を廊下が囲み落ち着いた雰囲気をかもし出しておりました。このパティオのある建物の様式が一般的です。


 訪問時期がセマナサンタ(イースター)の期間で事務所の玄関にはイエス生誕時の馬小屋に東方の三賢人が訪れる飾りつけが置かれていました。クリスマスの日ではなく復活祭の時にも飾るのでしょうか or 来客用に通年飾っているのでしょうかは不明です。


 訪問後ホテルに戻ると窓越しに今にも大雨が来そうな黒雲の中に大きくきれいな虹が架かっておりました。イエス生誕の飾りを見た後で特別に印象に残っております。 


 サンホセ市が首都になったのは1,823年で最初の首都及び最古の町はサンホセ市から約22km南東部のイラス火山の裾野に広がる1,563年に建設されたカルタゴ市です。1,814年と1,910年の大地震でコロニアル様式の建物は壊滅的な被害を受けました。この写真のロス・アンヘレス教会(=カルタゴ大聖堂)はコスタリカでは有名で1,926年に再建されたものです。この教会の祭壇に祀られている肉眼では見ずらい「黒いマリア像」は約15cmの大きさで1,824年にコスタリカの守護聖母として指定され8月2日の聖母ロス・アンヘレスの日は祭日になっており、この日に徒歩にて教会まで行くと願い事が叶うと信じられ全国から願をかけに信者が集まり賑わいます。

(写真はPanoramioから引用)

電力等インフラ整備中のコスタリカ国

2009-02-25 00:25:32 | コスタリカ
 環境保護によるエコツアーは年々増加し、年間約150万人の外国人観光客が訪れます。それに伴い経済も成長し緑豊かな山々も電力の供給源にならざるを得ない状況です。人口集中するサンホセ都市圏は顕著で人口増加に伴う上下水道、特に下水処理率は約4%台となっておりこの整備も急務で、本邦ODAの円借款にて電力及び下水道整備の供与が2001年と2006年度に調印され前者のプロジェクトは進行中です。(2006年6月時点)


 他の中南米都市と同様にスペイン風の建築様式がある旧市街と新興市街の新市街があります。ここは旧市街の銀座通りで中央通り(Av.Central)です。大勢の観光客で賑わっております。


 1枚目の写真のある建設される場所の上流側から撮りました。上流でスコールがあり水は赤茶色しています。


 上記下流から撮りました。山肌が削られた所に今後の経済成長に伴う電力の安定的供給を図る施設が建設進行中です。


 銀座通りのとある公園の前にはグアテマラで見かけたコスタリカ桜のロブレサバナがあります。グアテマラの桜はマキリスグアと言いましたが、国=民族により呼び方が違うと考えます。この桜は4月の初旬に見ました。日本の桜の時期とほぼ同じですが咲いてる期間が約1ヶ月あるそうです。雲行きは次第に雨模様になりました。5月からが本格的な雨季にはいります。


 セメント工場です。セメント1ton作るのに主原料の石灰石1,200kg,粘土250kg,けい石、鉄等を約100kg必要とします。原料を微粉砕し約1,500℃の高温で半溶融焼成した後、急冷して「クリンカー」を作り、それにせっこう加え粉砕してセメントが1tonが出来ます。この工場は年間750,000ton=1日2,400ton≒8,000m3のコンクリートを作ると聞きました。例えて言うならば後楽園ドーム球場の外野フェンスは約4mでグランド面積は13,000m2ですから52,000m3となります。従って約1週間で4mのフェンスまで埋まるコンクリートの一成分(1m3絶対容積の約10%分)であるセメントを作っております。(コンクリートの1m3当たりの単位セメント量は一般土木構造物仕様です。)


 工場で作られたセメントは下の写真のようなタンクローリー車でセメント粉のまま又は50kg/袋を普通の平トラックに積み込まれプロジェクトサイトや市中のコンクリートミキシング会社に運ばれます。小売もし街の商店もピックアップ車にて購入しております。


 構造物の重量や仕様によりコンクリート配合の強度は決定されます。決定された強度のコンクリートは下図のように通常、直径15cmX高さ30cmの円柱形の供試体(強度を試験するための試料)を21℃±3℃の水中の中で28日間寝かせます。これを標準養生と言います。


 標準養生された供試体はこの100ton圧縮試験機にて潰され強度を計ります。これが決められた設計基準強度以上であればOKです。無ければ配合のやり直しとなります。面倒なので一度で3種類の配合した供試体を作成しその中から設計基準強度をクリアーするものを示方配合と決定しプロジェクトの気象条件による現場配合の目安とします。


 プロジェクトサイトを見学して帰る頃には雲が降りてきていました。こういう気温の差がある所でのコンクリートの管理は大変ですが、一方ではこの気温の差が美味しいコーヒーの実を育みます。

自然豊かなコスタリカ国の動物園

2009-02-24 00:14:51 | コスタリカ
 国土は九州と四国を合わせた位の小さな国ですが憲法に「常設の軍隊は保持しない」と1949年に制定され国民皆兵制度を放棄し代わりに全ての国民に対し教育志向を施し中南米一の教育熱心な国と言われています。国土の約1/4が国立公園や自然保護区域であり中央台地には最高峰のチリボ山(3,820m)をはじめバルバ、イラス、ポアス等の火山脈がある火山国で日本と共通点が多々あります。国を挙げて環境を保護しながらエコツアーと言う観光を企画し推進しております。この国には世界の全動物種類の約5%、鳥の種類は約10%が生息していると言われています。
 ここは中央の高原都市の首都サンホセ市です。周囲は3,000m超級の上記火山に囲まれた標高約1,200mに位置し年間を通して平均気温は約22℃と過し易く、とても美味しいコーヒーの産地です。


 サンホセ市から車で約1時間の所にこの国の数種の動物が見られる「Zoo Ave」と言う動物園があります。入り口で入場券を買い順路に従って最初に目にするのは歩道を堂々と歩いている孔雀です。完全に放し飼いされており観光客を無視しています。ゆえに羽を広げるサービスはありませんでした。


 こちらはインコでも大きなコンゴウインコと言う種です。こちらは「おり」の中に住まされていました。


 二重に張られた厳重なる鉄網の中にここに来る全ての観光客のお目当ての鳥がいました。
 この鳥は「幻の鳥=世界で最も美しい鳥」と言われメキシコ南部からパナマにかけての山岳森林地域に生息する、顔、背、胸、尾は緑色で腹が赤色の体長は約30cmで尾長は体長の倍の約60cmで、中米アステカ帝国時代は神様同様に特別に崇められた鳥です。尾は見づらいのですが緑色で長ーく垂れています。
 前置きが長くなりましたがこの鳥の名は「ケツアール」と呼ばれます。
 下記グアテマラ国の通貨になっており紙幣の左上にはこの鳥が描かれております。


 グアテマラの通貨の内の5ケツアール紙幣です。左サイドの上側に描かれています。全ての紙幣のこの位置に「ケツアール」が描かれています。


 上記ケツアールの少し大写し。くちばしも尖形でインコの鍵形とは明らかに違います。


 見ての通り「フクロウ」ですが、他検索サイトを調べたのですが、どういう種類のフクロウか分かりません。


 毛色の違った「フクロウ」です。多分「シロクロヒメフクロウ」と思います。他検索サイトにて見つけました。


 エクアドル国のグアヤキル編で紹介できなかった「陸イグアナ」です。ここは柵の中に住んでいましたが、グアヤキル市の公園の中は前記した孔雀の様にそこらじゅうをうろついていました。グアヤキル市から太平洋を約1,000km行った所にダーウインの進化論で世界的に知られるガラパゴス諸島があります。そこには海に潜って餌をとる「海イグアナ」もいます。陸イグアナの体長は1.3m前後です。

 前記同様「陸イグアナ」はグアヤキル市の公園同様に木の枝に群れをなし張り付いておりました。


 この鳥の名は「ツカン」と言います。中米・南米の熱帯/亜熱帯地方で見かけますが目の前で見たのは初めてです。写真で見たり、またイグアスの滝の売店やイキトスの土産店にも木彫りや布で作ったツカンが売っていました。

 同上。長いくちばしを伸ばした状態です。


 えー何でここ中米にダチョウがるのでしょうか。と言うのは今から約30年前にアフリカで業務の休暇中に友人達数人でケニアの自然国立公園内の野生動物見学ツアーに参加しました。乾季で水がなく観光用の天井が開くジープで野生動物を探しに行った記憶があります。自然にそこら中にいるのではなく乾季なので居そうな所を目掛けていくのです。その時にダチョウの群れを見つけジープがそこに向かって行きダチョウは一目散に駆けて行ったのを覚えております。ので、ここで見てすこし驚いたというのが第一印象です。