土木技術者が撮った中南米の「光りと影」の写真 及び 他国風情

 約22年間の中南米赴任中に土木技術者の視点から撮った写真。開通前のパナマ運河に架かる第二アメリカ橋は圧巻 & 他国事情

ケンジントン・ガーデンズ付近

2010-02-26 16:34:58 | U.K(London)
 オックスフォード街とリージェンント街の交差点が地下鉄オックスフォードサーカス駅です。ここも長ーいエスカレーターがあります。この駅は3路線が交差し、東西を結ぶLineと南北に走りテムズ河を潜る2本のLineがあります。ロンドン地下鉄は1863年開業で世界最初のものです。この駅は1900年開業の約30m位の深さがあると考えます。通常、地下鉄は主要道路の下に開削工法(地上から掘って地下に鉄道を造る工法)で造られます。ロンドン都心も開業当時は開削工法でしたが、①蒸気機関車だったので石炭を燃やした排煙の処理の問題。②ロンドン市に集中する車の渋滞をさらに膨張させた。理由でシールド工法が必要となりました。(一か所だけ立坑=シールドマシーンの搬入出口で通常は駅舎部分)でモグラのように地下に居てトンネルを造って行きます。)当時のシールドマシーンは切羽での掘削は人力で炭鉱の坑内を掘進するように実施したのです。ただし炭鉱と違い、断面が大きいのでマシーンから切羽に向かい1~2段位の作業床(デッキ)を出し、また深くなれば地下水圧がかかり切羽や坑内の崩落防止に、その水圧に見合う分だけの圧縮空気が送られての工事だと考えます。ちなみに日本の地下鉄は1927年ロンドンから約60年後の、銀座線の上野~浅草間2.2kmです。地上鉄道は1872年(明治5年)汽笛一声 新橋~横浜間です。ロンドン地下鉄開業の9年後になります。



 トンネルの断面と車両との隙間が狭く、空調設備が取り付けられず、駅構内も暑く、多分にこの冬の寒い時期に、このような空調設備等の維持管理が行われているものと推察します。



 オックスフォード・サーカス駅です。駅ですからプラットフォームがありますが、トンネルの大きさは電車の大きさから推測しますと約4m位です。郊外に出ると日本同様に地下鉄も地上に出てきます。また路線によってはこの列車より一回り大きな電車も走っております。



 以前に掲載したロンドン地下鉄の4本のレールです。動力源(電力)はトンネル断面が小さいために天井に架線は設置できず、走行レールの間に1本と壁側に1本設置してあります。軌間(ゲージ)は標準軌(1,435mm)です。ちなみに日本の新幹線も標準軌1,435mmで(以前は在来線の狭軌に対して広軌と称していました。)その他JR在来線や私鉄は1,067mm(狭軌)です。軌間はレールの内幅です。レールの形は左右対称にできています。車輪はレールの内側に跨りますので内側角が摩耗しますし、レール面は光っております。年数が経てば逆にします。蛇足を言いますと、東京では京王線とそれに繋がる都営新宿線、や都電は1,372mmですのでJR在来線よりも乗り心地が良いように感じます。



 前記オックスフォード・サーカス駅から西へ2駅の場所にある「マーブル・アーチ」です。ロンドン市民の憩いの場所である「ハイドパーク」の北東端に位置しております。ハイドパークの広さは約110haで皇居115haとほぼ同じ広さです。この公園に隣接して「ケンジントン・ガーデンズ」140haがあります。両公園はほぼ中央の「ザ・ロング・ウオーター」及び「サーペンタイン湖」と言う接続した人工の池で区別されているだけで出入りは自由です。さて「マーブル・アーチ」はその名のとおり大理石でできた門です。当初はバッキンガム宮殿の正門に建てる計画でしたが、御覧のように幅が狭く、ここに移されたと言います。バッキンガム宮殿のあるバッキンガム・パレス・ガーデンズはここからハイドパークの約1km南東端に位置します。英国では公園(パーク)と庭園(ガーデン)を使い分け、庭園には草木、花が豊富にあるように感じます。



 前記「ザ・ロング・ウオーター」と「サーペンタイン湖」の中間点に橋が架かっており、マーブルアーチ駅=ハイドパークの北側出入口と次のランカスターゲート駅=ケンジントン・ガーデンズの北側出入口 の間にハイドパークを貫いて橋への道路があり、この写真がその出入口である「ヴィクトリア・ゲート」です。



 地下鉄のマーブルアーチ駅のにひとつ西側のランカスターゲート駅を降り「ケンジントン・ガーデンズ」に入ったすぐにある案内看板です。このゲートの名はマールボローゲートです。筆者はこの看板の赤丸印のYOU ARE HEREにいます。後ろがイタリア庭園です。庭園はザ・ロング・ウオーターの北端で右側(東側)が「ハイドパーク」です。



 上記看板の下側(南側)からイタリア庭園の4つの噴水を見ております。中央の建物は休憩所になっております。



 上記写真の大写しです。右側のカーブを描いた壁面が木製の建物は何でしょうか?



 案内看板には「Queen Anne's Alcove」と記されています。映画「ローマの休日」に出てくるアン王女ではありません。Queenですから1702年即位のアン女王と考えます。即位後この敷地の西側端の宮殿に居住され1714年にこの宮殿で逝去されました。お茶が大好きでこのあずまやにてアフターヌーン・ティーを飲まれ休息なされたと推測します。チャールズ王太子と故ダイアナ妃もここの宮殿に居住し、故ダイアナ妃は離婚後もこの宮殿に居住しておりました。
 ちなみに1953年製作の「ローマの休日」のアン王女は、現エリザベス二世女王の長女アン王女と勘違いしがちですが、1950年生まれなので違います。映画のアン王女はエリザベス二世女王の実妹、故マーガレット王女がモデルと伝えられています。1930年生まれで映画製作の時期的にも符合します。



 上記案内看板の位置から南側を望んでいます。まだ2:00PMですが、冬の時期は陽は短かく、このように低く覆われた雲に隠れています。あと約1時間で降雨の模様です。



 噴水のあるイタリア公園内から東側ハイドパークを望んでいます。



 同上、南側ザ・ロング・ウオーター(池)を望んでいます。



 同上、西側ケンジントンガーデンズの北側を望んでいます。ここから約1kmあります。上記したようにハイドパークとケンジントン・ガーデンズで約250haありますので東西約2km強、南北約1km強あります。ちなみに東京で一番広い立川の昭和記念公園で180haです。代々木公園と上野恩賜公園は約54haです。



 ザ・ロング・ウオーターとサーペンタイン湖の畔はこの様に遊歩道が整備されております。女性には失礼ですけど写真を撮りました。



 遊歩道の途中に何かの彫像があります。



 近寄ってみます。この笛を吹いてる子供は誰だとお思いでしょうか?このケンジントン・ガーデンズで乳母車から落ちて迷子になり永遠の少年であり、子供の象徴の「ピーター・パン」です。



 ピーター・パン像上部の大写し。ディズニーランドにいますが、こういう端正な顔をしていました?



 ピーター・パン像を過ぎて、北側(来た道の方向)を見ております。



 ピーター・パン像の前のザ・ロング・ウオーターには多くの野鳥や水鳥が生息しています。チェーンがついた木杭が等間隔に水中にあり、鳥たちの休息場になっていました。



 上記写真の対岸はハイドパークです。多分に以前はここに通路が有ったと思われます。人工池なので水位の変化は見られませんが、ボリビア編にて掲載しました潜水橋でチェーンの付いた木杭は欄干だったと考えます。



 この写真を撮った位置の横側に、下記に掲載された鳥の名前の看板があり、何の鳥かすぐに分かるようになっています。この鳥はCommon Gullと記されています。(一般的な) かもめ です。



 この鳥はGreylag Goose 灰色雁です。この鳥と姿は同一で頭の部分が青いのはCanada Goose カナダ雁 と記されています。



 上記、鳥の名前の看板です。





 更に南下しています。ちょうどここまでが大きな木々があり、この先は芝生になっており所々に木々があります。



 この遊歩道を 故ダイアナ妃をしのぶ記念歩道 と言います。



 木々の間にはセント・ジェームズ公園同様に自然のウサギが生息しています。餌は与えてはいけませんので鑑賞するだけですがその方が自然で癒されます。この公園には彼らが生きていく上の食料があるからでしょうね。そして水も。



 同上。


 同上。


 この歩道の他にも故ダイアナ妃をしのぶ記念碑、噴水や子供たちの遊び場等あります。向こうに見える橋がザ・ロング・ウオーター(池)とサーペンタイン湖を区切るサーペンタイン橋です。



 上記写真の西側の芝生からサーペンタイン橋を見ております。



 サーペンタイン橋を望む木々の上空に雲がたちこめて来ました。もうこぬか雨が来ていますがロンドンの人々は泰然としております。霧の街ですから慣れっこなのでしょう。



 大体、年間を通して雨の日が多いロンドンですが(降雨量はそんなに多くはありません。約750mm/年間=日本の約半分)それでも降雨量が大きい冬の時期は3:00PM頃から空が曇り雨になります。4:00PMには雨の為、うす暗くなってきます。夏は8:30PM頃まで明るく白夜?です。写真中央の左側の雲の下の飛行機はヒースロー国際空港に着陸しようとしております。


ロンドンの中心地ピカデリー・サーカス

2010-02-02 00:35:20 | U.K(London)
 トラファルガー広場の周りはダブルデッカーの発着地点となっております。し、夜行バスの発着地点でもあります。故に、週末は若者であふれます。(現在の事実は確認していません)この写真の右上が広場です。今からこの大通りをロンドンの中心地へと北西に約500m歩きます。



 ダブルデッカーが居たCockspur St.(THE MALLの北側の通り)を過ぎてHaymarket St.に入ってきました。この建物はTheatre Royal Haymarketです。この斜め前にオペラ座の怪人で有名なるHer Majesty's Theatreがあります。このファサードはヨルダン国のペトラ遺跡のエル・ハズネと同じコリント式の円柱の上に三角形のアーキトレーブとペディメントを持った美しい造りでした。このTheatre Royal Haymarketのファサードに気を取られ、写真を撮っているすぐ横のHer Majesty's Theatreの写真は失念してしまいました。



 Haymarket St.の突当りがこのHollywood Coventry St.です。と言っても分からないのでしょうが、この左側に東京で言う渋谷の「忠犬ハチ公」的な待ち合わせ場所があり、北側はSOHOと言う新宿の「歌舞伎町」的な歓楽街があります。SOHOの現在もどのように変化しているかは確認しておりません。



 上記を大写ししました。クリスマスの飾りがあり、その向こう側の通りは建物も曲線を描いて、以前と変わらない目を奪われる美しい街並風景が残っておりました。



 SOHO側のShaftesbury Ave.から突当たりのPiccadilly大通りを撮っています。バスに隠れて曲線の美しい通りがあります。いつから2輌編成のバスが運行されるようになったのでしょうか。アムステルダムは30年以上前から環境に配慮したこういう路面電車があったと記憶しております。都心にはバスやTAXI等は乗り入れてもらいたくはありませんが・・・。折角の景観や環境を汚しています。チリ編で掲載しましたが、サンチャアゴ同様に都市化が進み、「霧」のロンドンではなく「スモッグ」のロンドンにならないように願っております。



 これらの道路の交差点にある建造物(モニュメント)です。この交差点を「ピカデリー・サーカス」Piccadily Circusと言います。Circusとは円形の広場の意味です。このモニュメントを「エロスの像」と言います。エロスはギリシャ神話では美の女神の子供で恋愛の神です。ローマ神話ではキューピットなのですが、ここではキリスト教的慈愛を表す「天使」だそうです。その由来は、一生をロンドンの貧民救済に捧げた博愛の人で上記アベニューのシャフツベリー7代目のアンソニー・アシュレイ・クーパー伯爵を追悼して建てられたモニュメントであり、ここを「Shaftesbury Memorial Fountain」といいます。故に像の下方は小さな噴水になっております。



 「エロスの像」の大写しです。最新のファッションを身につけた人々や、宗教や文化の異なる多種多様な人々がここを待ち合わせの場所としています。



 エロスの像の一段と高くなった所からTHE MALL通りの「Duke of York」の記念柱と国会議事堂南側のヴィクトリア・タワーを望んでいます。ヴィクトリア・タワーまでの距離は約1.5km位あります。



 美しい曲線の通りです。その名前は「リージェント通り」と言います。この通りの終点はロンドンのデパートや各種の商店が立ち並ぶ延長約2.5kmある一大ショッピング街オックスフォード通りの、オックスフォード・サーカスです。ピカデリー・サーカスから約300mカーブしたこの街路をクアドラントQuadrant(四分円形)と呼称されています。



 同上



 REGENT STREETのクアドラントはこの有名な服飾店のある通りまでです。その後は直線で約700mオックスフォード・サーカズで続きます。



 上記写真の右側がREGENT STREETで、通りを越えて、つまり西側の通りに入ります。約100mのVigo St.それに続く約150mのBurlington Gardensとの突当りがこのロンドンでも特に有名なボンド通り(Bond Street)です。蛇足ですがVigo通りとBurlington Gdns通りの間に北に行くSavile Rowという高級洋服店が集中する通りがあります。 サヴィル・ロウと発音します。   気付かれたでしょうか?   「背広」の語源になっております。 
 閑話休題、駐車している車の位置がBurlington Gdnsとの三叉路です。ここより北側(上方)がNew Bond St.で、南側(撮影方向)をOld Bond St.と呼びます。



 同上で南側を撮っております。突当りがピカデリー大通りです。もうお解りだと思いますが、このボンド通りは世界中の超高級 服飾及び装飾工芸品のブランド通りです。ボンド通りではなくブランド通りにした方がよい様に感じますがー。



 ちょうど三叉路の突当りから北側対面を撮っております。携帯電話の世の中で「公衆電話BOX」があるのはきっと、ここを訪れる世界中からの観光客用でしょうか?ロンドン市内では所々に赤いBOXがあります。が形骸化されているように感じます。BOX内は張り紙やチラシが散在し使っている人はあまりみかけません。また同様に「ポスト」もそうでしょうか? 黒塗りのロンドン・キャブは飾りでない事を確認しました。



 「公衆電話BOX」側から撮っています。土木技術者とはちょっと or 随分無縁ですので店の中味には全く興味はありませんが、店の玄関や建物の造形は気になります。色々趣向を凝らして目を楽しませてくれます。or 客の目に付き易いように工夫されているのでしょうか。



 多分、その道の「通」の方々には旗の色やマークで店の名や品物が分かるのでしょうね。



 正面のアーチの模様が目を引きます。



 英国では老舗の店です。筆者でも知っています。ユニオン・ジャックの国旗だけで「英国王室御用達」を誇示しているのでしょうか? 否、紳士の国ですから質素をわざと表現しているだけだと思います。でも、それを裏付ける格があるからでしょうね。風格では無く品格の違いでしょうか。



 上記「英国王室御用達」の北側の角は十字路になっており、NEW BOND St.の道幅が約倍になります。この店は十字路を渡ってから撮っています。道幅が広くなっております。この広い通りが約500mあり、前述オックスフォード通りにでます。



 リージェント通りに戻ってきました。リージェント通りのオックスフォード・サーカスの地下鉄の入り口から南側を撮っております。突当りがピカデリー・サーカス方向です。ダブルデッカーだらけで喧騒と感じるのは超高級ブランド通りを歩いた後だからでしょうか。



 上記とは反対方向=オックスフォード・サーカスを見ております。赤丸で横線入ったマークが地下鉄駅です。