荒れ模様

　どっどど　どどうど　どどうど　どどう
　青いくるみも吹きとばせ　すっぱいかりんも吹きとばせ
　どっどど　どどうど　どどうど　どどう（宮沢賢治「風の又三郎」より）

　台風が通り過ぎた今日は、全国的にさわやかな秋空が広がるでしょう、などと天気予報では言っていたが、どうやら福島は例外らしい。

　晴れたのは、ちょっとだけ。空には怪しげな雲の塊が、次から次へと飛んで行く。風が強いので、木の葉っぱが全部白い葉裏を見せて、大きく波を打っている。

　安達太良山を雲が覆い、大きな虹がかかっている。

　電線には、オタマジャクシのようなシルエットのエナガの群れが羽を休めている。なぜだか、この中にヤマガラが一羽混ざっていた。

　それにしても、さわやかな秋空なんてどこにあるんだい。今年の秋は、めまぐるしく天気が変わる。