おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

「だらし内閣」に思う

2024-10-09 11:42:19 | 日記
 10月1日に発足した石破内閣の記念写真があまりにもひどいと話題になった。石破さんのズボンはずり落ち、裾はダルダル。写真によっては上着の間からお腹の地肌が見えてしまっているようなものまであり、「だらし内閣」と揶揄さていた。

 政治家に見かけは関係ない、仕事ができればそれでいいと言う人もいるだろうが、実際にはそう簡単ではない。かつてアメリカ大統領選で、ニクソンとケネディがテレビに映し出された時、ニクソンは顔色が悪くケネディは若々しさを演出して、国民はケネディに熱狂したのである。

 オシャレかどうかが問題なのではなく、人からどう見られているかを自覚しているというのは、それだけ他人が何を考えているかに敏感であるということから、政治家にとっては見かけを気にしないというのは、世間に関心がないとも受け取られてしまうのである。

 Yahoo!ニュースを見ていたら、そのことを話題にしている記事があり、批評家の福田恆存さんの文章が紹介されていた。「個人の魅力について多くのひとが誤解しやすい点は、人間の外形と内面とは別物だと考えたがることです」。

 「外面はいいけど内面がダメだ」とか「内面の輝き」といった言葉はよく聞く。が、同じ人間に外面も内面もない。何度もここで紹介しているが、本居宣長さんは「内面は似せやすいが外見は似せにくい」と言っている。普通は「外見を似せることができるが内面を似せるのは大変」と考えがちだが、そうではない。僕がドジャースのユニフォームを着て、自分を大谷くんだという気分に浸ることはできても、大谷くんにはまるっきり似ていないというのが本当のところなのだ。

 石破さんがいくら「見かけはだらしなく見えたかもしれないが、中身はピシッとしていたよ」と言い訳しても、その姿を見た国民にはそうは思えない。内面なんてものは本人の考え方ひとつでどうとでもなるかもしれないが、外見はそう簡単には行かないのが現実である。
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