おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

人口密度

2024-05-02 11:27:39 | 日記
 朝から習字をしていた。テレビをつけっぱなしにしていたので、ワイドショーの音だけ聞いていたら、「消滅可能性自治体」の話をしていた。子供を産むことができる若い女性の数がどんどん減っているので、いくら頑張ったってこの先日本の人口が増加に転じることはない、といった当たり前のことばかりだ。そんなことはわかっているよ、と思っていたら、途中でオヤッと思うような話になり、思わず手を止めてテレビ画面に目を向けた。

 それは、人口が減って大変だという議論ばかりしているが、それでも日本はまだまだ人口が多すぎるくらいだという話だった。特に人口密度ということで言えば、世界でも1、2を争う人口密度の高さである。

 どのくらい密度が高いのかと言えば、北海道の人口密度よりフランスの人口密度は低いということである。ドイツなんかも山形県くらいだ。スイスなんて国連のあるジュネーブでも20万人くらいだという。東京の1000万人がいかに異常な状況かということである。つまり、今議論になっている人口が少ないと自治体が消滅するということを言うなら、世界中の国はとっくに消滅しているというのである。

 では、何が問題なのか。なぜ日本はそれだけの人口を抱えて消滅すると騒ぐのか。これは日本人が持っている固定観念にあるという。世界はスカスカの住民でもやっていけるのに、日本は押し合いへし合いしてもまだ足りないという。今でも多すぎるということを自覚しなければ、手をこまねいているだけなのである。

 僕が考えるに、あまりに人口密度が高いために、日本人は自分で行動するということができなくなってしまっているのではないか。最初から人手が足りないと思って生活するなら、大抵のことは自分たちでやる。これがいつの間にか自治体にやってもらうという癖になってしまったのではないだろうか。日本はボランティアなどの社会貢献の意識が極端に低い国だと言われているが、誰かがやってくれるという習性が身についているに違いない。

 アメリカなんて隣の家が見えないくらい遠くにある。それでもインフラ整備がなくなるということはないだろう。アラスカでは住民は自家用飛行機で買い物に出かけたりする。それでも水道ガス電気といったインフラは、自分でなんとかしているだろう。そもそもアメリカのような広大な国では、サービスというものが当てにできない。エアコンが壊れたから電気屋に来てもらうとか、スマホの使い方がわからないからドコモに聞きに行くなんてことは簡単にできない。だから、アメリカの製品は自分でなんとかできるようになっている。

 そのため、使用説明書というは誰が読んでもわかるようにしていなければならない。使える用語も単語数も決まっている。そのためマニュアルライターは高額を得て仕事をしている。日本のように開発に携わった技術者がマニュアルまで執筆するなんてことはない。

 10万人を切ると自治体は機能できなくなるなんてことを言っているが、10万人いれば成立する町づくりをすることがこれからの日本には必要になるだろう。そう言った意味でも、古い日本を知る人には席を譲ってもらって、若い人たちに自分たちの町を作って行ってもらいたいと思う。どうもそれでしか、これからの日本を救う手はないように見える。
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