おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

狂犬病の注射

2024-05-19 11:20:51 | 日記
 近くの集会所で狂犬病の注射を受けるために、時計とにらめっこで出かけてきた。というのも、注射を受ける時間はたった15分間しかなく、その時間を過ぎると、次の場所へと移動して行ってしまうのだ。

 テオは何かを感じたのか、注射の時間が近づくと落ち着かなくなった。早朝の散歩をしてきたばかりでも、出かけるとなるとちゃんと感じ取ることができるのだ。会場まで徒歩で5分。開始時間の5分前に出ると、すでに犬を連れた人たちが行き交っていた。まだ時間になっていないが、早めに始まったようだ。

 動物病院で注射を受ける犬を除いて、地区の犬が全部集まるので、友だちの多いテオは行く先々で挨拶に忙しい。犬の匂いに満ちているのか、少し歩いてはマーキングもしなければならない。そうこうしていたら5分遅れで会場に着いた。「しっかり押さえていてください」と言われ、震えるテオをがっしり抱える。注射はわずか5秒くらいで終了。

 受付では注射料金の2700円と、狂犬病が済みましたという札に550円の合計3,250円を払う。これで狂犬病の心配はないとはいえ、高いと言えば高いのだ。というのも、狂犬病は現在の日本では発症例がない。厚生労働省のホームページにも「現在、日本では、犬などを含めて狂犬病の発生はありません」と書いてある。それなのになぜ注射を受けなければならないのかと言うと、「しかし狂犬病は、日本の周辺国を含む世界のほとんどの地域で依然として発生しており、日本は常に侵入の脅威に晒されていることから、万一の侵入に備えた対策が重要となっています」という理由なのである。

 が、これには少し違和感がある。これまでにも何度かここで書いたことがあるが、「日本の周辺国を含む世界のほとんどの地域で依然として発生しており」ということから、一番危ないのは日本からの海外旅行者が海外で狂犬病に感染した犬に噛まれることである。「日本は常に侵入の脅威に晒されている」と言っても、犬が持ち込むわけではない。狂犬病に感染した人間が日本に入ってくることが脅威なのである。

 日本の犬が狂犬病に感染するには、海外旅行者が海外で狂犬病になり、帰国した後に日本の犬に噛まれた場合、はじめて噛んだ犬が狂犬病に感染するという順番になる。となると、まずは海外で狂犬病になった場合、発症する前に帰国し、空港や港で感染を見抜けず、その後日本で暮らす間に病気の症状が出る前にどこかの犬に噛まれる必要がある、というわけなのである。

 となると、何のための狂犬病の注射なのかということになると、穿った見方をすれば、狂犬病のワクチンを作っている製薬会社、仕事を回してもらっている獣医さん、金属製の鑑札を製造し550円で売っている業者ということになる。犬を飼っている人間からすると、万が一でもそういうことはないと願いたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする