各地で災害をもたらした台風10号だったが、我が家では庭のヒマワリが倒れたくらいで、近所の川も溢れず、この辺は大きな被害はなかったようだ。前もって大きさや進路がわかっている台風よりも、もしかしたら怖いのはゲリラ豪雨かもしれない。事実、数年前には阿武隈川や近くを流れる桜川が溢れ、かなりの家が浸水した。予測もなしに降られては、土嚢を積み上げるような余裕もないのである。
で、今日は一転、朝から青空が広がった。湿度も低く、台風の余波か風が吹いているので、クーラーをつけなくても窓さえ開けていれば涼しい。といっても、カフェに来るお客さんの中には暑がりもいるから、クーラーをつけるかどうか温度計を確認すると、正午の時点で室温は27度。クーラーの設定温度が26度にしてあるからなんとも難しい判断が求められる。
ただ、僕としては窓を閉める気にはならないんだなあ。時々風鈴がリンリン鳴ったり、すぐ近くでツクツクボウシが騒々しく鳴いたり、ザワザワと木の葉の擦れる音が聞こえたりする方が好きだ。
最近の家はなるべく窓を小さく作り、エアコンで室内環境をコントールするようにできている。僕にはそういう家は息が詰まって暮らせそうにない。東京で働いていた時も、できれば窓を開けて欲しいなあといつも思っていた。朝、オフィルビルに入り、夕方に帰る頃には外が暗くなっていたりして、1日の経過が時計の針でしか判断できなくなっているのに気づき愕然とした覚えがある。
窓の小さな家に暮らすというのは、なんとなくそこに住む人間までもが閉鎖的なんじゃないかと勘ぐってしまう。勝手な偏見だというくらいわかっているが、少なくとも開けっぴろげな人間にはならないような気がする。