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九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

ベルギー戦プレビュー②デブライネさん怒るw 1970

2017年11月13日 19時13分07秒 | Weblog
この前のベルギー、メキシコ戦見て、あ~こりゃベルギーのDFも酷いなと思った矢先、今をときめくプレミアの大スターデブライネさんが戦術に駄目出ししました 笑

要するに
「3ー5ー2のシステムで守る時は5バックライトなるのはいいけどさ~DFラインがズルズル下がりすぎて真ん中にポッカリ穴が開くんだよ。あんなんじゃボール獲ったって俺達前のプレーヤーと距離がありすぎて攻めが単調になるんだよ。守備メインじゃ勝てないんだよ。こんだけタレントが居るのに何考えてんだよ、監督何とかしろ」
と。
ま、早い話が
「ペップみたいにやってくれる?それだけのタレント揃ってるんだけど」
と、こういうことですね 笑

デブライネさん言う通り、怪我人続出でDFメンバー全員2軍のベルギーは、メキシコにボールを回され、左右に振られても付いていけずボールウォッチばかり。いいように3点失った。
前のプレーヤーのストレスが溜まるのはよく分かる。
しかし、替わりのDFも居ないのでシステムを変えようにも変えられないのも事実。

日本戦に向け何か変更するのか?ちょっと分からないが。

日本からすると今のベルギーはやりやすい相手にはなる。
おじいちゃんが堅守速攻を掲げるならば、少なくともあの程度のDF相手に攻撃が出来ないのならば戦術は変えなきゃ本番はとても戦えない。
前は超一流、後ろはザルなんだから。間違いなく嵌めやすい相手だよ。

仮にシステムをいじってきたとしても、急造のシステムでDFは同じだから戦いやすいことに変わりはない。

というわけで、メキシコ並に3点とは言わないが2点は獲りましょう。
おじいちゃんの腕のみせどころ。
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ハリルジャパン(130) ワールドカップ奮戦記①  文科系 

2017年11月13日 11時38分14秒 | スポーツ
 今回からここ3回のワールドカップの戦評、拙稿を再掲させていただきます。すべて、それぞれの当時にここに載せたものです。明日、ベルギー戦があったりするので、中断することになったりはしますが、ブラジル大会までを再掲していきます。


『 ワールドカップ奮戦記① 2006年ドイツワールドカップ  文科系 2006年06月28日

 まず三ゲームそれぞれの概括である。
 オーストラリア戦は完全な負け試合だった。最後九分間の三点を差し引いても、全ての数値がそれを示している。ボール保持率、シュート数(六対二十)、枠内シュート数(二対十一)、パス総数(二六九対三六〇)、ペナルティーエリア進入数(十対二九)などなど。これらは全て毎日新聞掲載の数字である。ただ、運良く取れた点を守って勝つという道はあったのかも知れない。それにしても、最後十五分間に日本があのように攻めに出るなら、前と後が意思一致して一緒に攻めねばならなかった。あのように前線と後陣が間延びして攻めては、ボールを奪われて逆襲にあいやすく、危ないこと甚だしい。
 クロアチア戦は先に見たような数字の上では勝ち試合だったが、枠内シュートが五対六と互角なのだから、勝ちきれなかったというところだろう。オーストラリア戦とは全く違って、攻守両方を繋ぐ役割を担う中田が前線に行けて、彼がマン・オブ・ザ・マッチになったのが勝勢の証拠だ。中田が、予選リーグ敗退の十六チームから大会役員選出ベストイレブンに日本人ではただ一人選ばれたのは、このマン・オブ・ザ・マッチが大きかったと、僕は思っている。その中田も「勝ちきれなかったゲームだった」と語った。
 ブラジル戦は二点差をつけねばならないのだから、あーなってもしかたない。普通なら一点取ったらちょっと守りに入る時点でも、攻めに出て行かねばならなかったのだ。精一杯攻めて負けたというところだろう。

 さて、このチームはゲームの好不調にムラがあり過ぎるとは、前からテストマッチで示されていたことだった。攻めるときに後陣が引き気味になると、日本の「走る長所」が「無駄走り」にされるということについて前後陣間で論争があって、最後まで意見が一致しなかった。不一致なままで下がり気味という事実は残されてしまった。これがムラの正体だ。引いていてロングボールで攻めるというチームにはこの欠点を突かれるのである。それについてジーコは最後まで、選手の自主的論争を微笑みつつ見守っていた。第一戦ではそれが裏目に出てしまい、第二戦でジーコが初めて監督強権を発動した。四バックにしてDFラインを上げさせたのである。それによって、中田の守備が第一戦より劇的に減って、ムラのある日本の「勝ちパターン」となったのだった。
 さて、強権発動を第一戦にやったら確かにこういう結果にはならなかったと思う。が、その方が良かったかというと僕はそうは思わない。監督抜きの選手間の自主的論争というのが、日本スポーツ界の歴史に最も欠けていたものだったのだから。選手二三人が本戦の一つまで犠牲にしてその事を学んだのだ。結果的にはジーコがそうさせたということになる。日本人監督だったら論争を黙って見ているなんてことは絶対にないし、とっくに強権発動もしていたはずだ。しかし強権で隠した弱点はゲーム中のちょっとした要素からずるずると露出させられる時が必ず来る。結局、ジーコがその日本全体の弱点を骨身にしみるように教えてくれたということになる。
 日本が目指すべきは「なるべく接触を避けるパスサッカー。そのための組織と、死ぬ気の走力」、「組織も死ぬ気の走力も選手の自主的判断からしか育たない」、こういうことなのだと思う。これらは中田が、日本サッカーの長所として言い続けてきたことである。

 それにしても、あの第一戦、ムラがある日本チームにしても最悪のゲームぶり!あれは、一体どういうことなのか。ジーコにも全く意外だったようだ。「終盤の、あんなに疲れ切った選手たちを見たのは初めてだ」と語っていたのだから。このジーコの表現にこそ、あのゲームの「敗因」が潜んでいると思う。
 あのゲーム序盤のオーストラリア、体当たりが凄まじかった。それに対して通常のゲームのようには審判がファールを多く取ってくれなかった。特に中村と中田がちょっとパスの出し所を探していると、すぐにドカーンと来た。また、二人がボールを持ったときは、受け手全員にぴったりマークが付いて、蓋をされていた。二人があんなにパスの出し所を探していたのは見たことがないぐらいだ。強くて球離れが速い中田はなんとか耐えていたが、当たり弱く球を持ちがちの中村は恐がり、さらには自信を喪失し始めていたはずだ。こんなふうにして序盤から度々ボールをカット・逆襲されたからこそ、その結果として後陣が怖がってずるずる下がることになってしまったのだ。接触プレーに弱い日本への、敵将ヒディングの作戦でもあったと思うのだが、この「怪我も覚悟の肉弾戦」という点でもワールドカップは特別な闘いなのだ。オーストラリアはさらに、日本戦用の「ファールになりにくい体当たりの仕方」なども随分研究してきたようだった。例えば地面に置かれた足の甲を踏みに来るなどというのを、僕は少なくとも三、四回は見た。やられた日本選手は次の動作がもう完全に止まってしまう。ワン・ツーのワンを放った選手の足が踏まれると、その受け手はもうツーが放てないからドリブル、そこへまたガツンッだ。

 さて、こうして日本の弱点は世界に知れ渡った。どう対処したら良いのか。組織的パスカット、パス交換の精度を上げるという以外には無いだろう。走り回って敵ボールにプレスをかけあう、受け手が走り回って味方ボールを受けてあげあう。そういう組織的精度と走り続けることでは絶対にどこにも負けないこと。
 幸い次のオシム監督は「走るサッカー」の日本に、さらにその「走りの自主的組織化」を教えてくれた監督である。最適任者だと思う。あのボスニアのサラエボの出身。旧ユーゴ最後の黄金期の代表のような人。子飼いの選手たちが民族毎に分かれていった悲劇と平和の尊さとを誰よりも知っている人でもある。特に熱い拍手を送りたい!
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チョムスキー「イラク戦争の米世界戦略」  文科系

2017年11月13日 11時18分32秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 北朝鮮問題で、戦争一歩手前という雰囲気が醸成されつつある。そんな時は、同じアメリカが起こしたイラク戦争を思い出すべし。今振り返れば「大量破壊兵器」というでっち上げられた理由でアメリカのマスコミ、国民が開戦に向かって熱狂していたのである。今しか見えない「国民」とは、こんなにも恐ろしい怪物にもなり得るということ。
 因みにアメリカにとってイラクとは、「昨日の身方が今日の敵」という手の平返しをしてみせた、そんなお仲間だったのである。アメリカにとって中東最大の仇敵はイランであって、これを牽制するための身方こそ、フセインと彼が支配するイラクだった。このことを、今どれだけの日本人が覚えていることだろうか。以下のように・・・。

 さて、ノーム・チョムスキーをご存じの方も多いだろう。偉大な言語学者、哲学者にして、現代世界の全ての学者たちの論文で聖書、プラトンに次いで引用される著作が多い現存の人物である。この書を書いた当時87才のアメリカ人だが、米国政府の戦争政策の長年の研究者、告発者でもある。彼の著作に「覇権か生存か」という隠れた世界のベストセラーがあって、そこで問題にされているイラク戦争部分を抜粋してみる。2004年9月発行の集英社新書による全9章(新書版337ページ)のうち、主として『第5章 イラク・コネクション』50ページ余の部分から。なお、同書にはこんな壮大な副題が付いている。『アメリカの世界戦略と人類の未来』
 人が歴史の今ばかりを観て、以下のような過去を忘れるようになったことが、民主主義もなかなか正しく機能しない事態をもたらせていると愚考してきた。ちょっと長いが、お読み願えれば嬉しい。

(1)イラク戦争の経過

 1990年までは、アメリカはフセインをずーっと支え続けてきた。イラン・イラク戦争(80~88年)の時以降ずーっとイランこそがアメリカの標的だったし、89年10月にもフセイン政権に食糧、化学薬品、科学技術など多大な支援をしている。中東安保の柱として彼を活用して、その「巨悪」にも目をつぶってきた。大量破壊兵器もどんど支援してきた。ところが・・・。
1990何8月 フセインがクゥエート侵攻
1991年1月 湾岸戦争開始
1991年3月 全国で反フセイン暴動発生。アメリカは、フセインによるこれの鎮圧・大虐殺行動を黙認  
2001年9月 9/11テロ事件
2001年10月 アフガニスタン戦争
2002年1月 ブッシュ大統領「悪の枢軸」発言。イラク、イラン、北朝鮮を名指す。
2002年9月 アメリカ、国家安全保障戦略発表。予防戦争(先制攻撃)概念を世界に表明
2002年10月 米議会、対イラク武力行使容認を決議
2002年11月 国連が4年ぶりに、イラク大量破壊兵器を査察
2003年3月 イラク戦争始まる

(2)その「台本」

①国際版
『1980年代における「対テロ戦争」の二大中心地は、中米と、中東及び地中海地域だった』が、その中東を観ると、
『ワシントンにいる現職者が取り組んだ活動の一つは、よく知られるようになった。1980年代にCIAとその関係組織がイスラム過激派を募り、正規軍及びテロリスト部隊としての組織化に成功した事実だ。カーターの国家安全保障担当補佐官だったズビグニュー・ブレジンスキーによれば、その目的は「ロシア人をアフガンの罠におびき寄せること」であり、初めは秘密工作によってソ連をそそのかし、アフガニスタンを侵略させることだった』
『その直後の結果として起こった戦争のためにアフガニスタンは荒廃し、ソ連軍が撤退しレーガンのイスラム聖戦士に取って代わられると、更に悲惨な状況になった。それがもたらした長期的な結果は、20年に及ぶ恐怖政治と内戦だった』
『ソ連軍の撤退後、アメリカとその同盟者(その中にアルカイダを始めとするイスラム聖戦士が含まれる)によって徴募され、武装及び訓練されたテロ組織は矛先を他国に向け・・・・・(1993年には)関連グループが「CIAのマニュアルで教えられた手法」に従い、世界貿易センタービルを破壊する一歩手前までいった。計画を立てたのは、シェイク・オマル・アブドル・ラーマンの支持者だったことが判明している。ラーマンはCIAからアメリカ入国の便宜を図ってもらい、国内でも保護されていた人物だ』

 とまーこんな経過で、イスラム戦士が育成され、911からイラク戦争へと繋がっていったと、チョムスキーは説いている。
 
②国内版
『(2000年に大統領になった)ジョージ・ブッシュ二世のために、広報活動の専門家とスピーチライターは、天国へまっしぐらの実直な男というイメージを作り出した。「理屈抜きの本能」を信じ、自らの「展望」と「夢」を思い描きながら、「世界から悪人を追放」するために前進する男、要するに古代の叙事詩や子供のお伽噺に、カウボーイ小説を混ぜ合わせたごとき滑稽な人物像である』
『(ブッシュらが言うところの)テロとは何を指すのか?・・・・適切な答えが出れば意義あるものにもなろうが、こうした疑問は公開討論の場には決して持ち込まれない。代わりに、都合のいい定義が採用された。テロとは、我々の指導者がそう宣言するものなのだ』

 00年大統領選挙で、ブッシュは民主党候補ゴアと争って、有名な「疑惑の辛勝」を勝ち得た。選挙への無力感が過去最高レベルの50%以上に達した。04年の選挙を控えて、さらに落ちた人気への新戦略が必要だった。軍事費増、富裕層減税から社会保障費削減がさらに進んだからだ。
 そこから『先制攻撃による新しい過激な軍事戦略の提出』に国民の目を向けさせる事に励んでいった。この「冒険主義」には多くのリスクがあったが、以下の狙いに邁進したわけである。『米国社会の徹底的な改造に着手し、それによって1世紀にわたる進歩的な改革を押し返すことと、世界を恒久支配するための帝国の壮大な戦略を確立させることである。そうした目的に比べれば、それに伴うリスクは、些細なことと思えるのかも知れないのだ』(P183)

(3)イラク戦争で問われているもの

『02年9月には、国家安全保障戦略が発表された。でっち上げられた恐怖によって、イラク侵攻に向けて国民の間に充分な支持基盤ができ、意のままに侵略戦争を始める新たな規範が設けられた』
『イラクとの戦争は、それを実行すれば大量破壊兵器とテロが拡大するかもしれないという認識のもとに実行された。だが、それに伴うリスクは、イラクに対する支配権を強化し、予防戦争の規範をしっかりと築き、国内における政治力も高められるという見込みと比べれば些細なことと考えられた』

 こうして著者は「覇権か生存か」で前者を歴史的大局的に描きながらも、後者に希望を託するのである。その下りは、このようなものだ。
『現代史を通じて、人権状況は著しく改善され、生活の一部の面では民主的な管理が行き届くようになった。こうした展開が、啓発された指導者の贈り物であることは滅多にない。ほとんどの場合、一般の人々が戦い、国家やそれ以外の権力中枢に課してきた展開なのである』
『今日の歴史の中に、人は二本の軌道を見出すはずだ。一本は覇権に向かい、狂気の理論の枠内で合理的に行動し、生存を脅かす。もう一本は「世界は変えられる」ーー世界社会フォーラムを駆り立てる言葉ーーという信念に捧げられ、イデオロギー的な支配システムに異議を唱え、思考と行動と制度という建設的な代案を追求する。どちらの軌道が支配するかは、誰にもわからない。こうしたパターンは歴史全体によく見られるが、今日の決定的な違いは、懸けられているのが遙かに重大なものだということである』
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ハリルジャパン(129)ハリル理解の一助に   文科系

2017年11月12日 12時19分42秒 | スポーツ
 ハリル理解の一助に、旧稿を再掲してみることにしました。見られる通り、06年7月1日のドイツ・ワールドカップ、準々決勝のフランス・ブラジル戦、1対0で終わったゲームです。以下のように、世界一の個人技多士済々を誇るブラジルも、西欧勢にはよく負けるのです。14年ブラジルワールドカップ準決勝では、ドイツに1対7でやぶれましたし。この06大会はなお、フランスとイタリアの決勝戦となり、1対1の同点からPK戦でイタリアが勝ちました。
 なお、以下のゲームでブラジルが敗れた訳に関わって、ハリルの代表戦略を理解する一つの鍵が潜んでいると愚考しているからこそ、これの再掲を思い立ちました。言いたいことを言っていますが、組織的シガラミがなにもない個人が、お金を取って書く文章ではないだけに本当に思っていることを書けるという文章。最後までお読み願えれば嬉しいです。

 ただし、今回のチッチ監督になってからのブラジルは途方もなく強くなったと、これは是非強調しておきたいと思います。


『 サッカーの一観点──フランス・ブラジル戦総括から  文科系 2006年07月04日 | スポーツ

 日本はサッカー(観戦)文化、さらに言えばスポーツ(観戦)文化の程度が低いと思う。贔屓チームの勝ち負けしか見ない。それではサッカーフーリガンと同じで、勝ち負けで喧嘩して、賭けて楽しむだけでよいというようなものだ。勝ち負けしか観ないから、点とその周辺のことしか観ない。だからホームラン打者にばかり注目するように、ブラジルにばかり注目する。野球解説でもそうだが、サッカー解説はなおさらそういうように程度が低いと思う。

 バレーボールでこういうことがよく言われる。「素人はアタッカーばかり見る。ちょっと分かってくると良いアタッカーへのトスの出し手を見る。もっと分かった人はそのトッサーに良いパスを出している人を見る」と。何のことはない、アタッカーとは、敵の攻撃を上手く受け止め反撃に換える「名パッサー」から始まる一連の流れの「結果」だということだ。勝敗の原因はアタッカー以外の別の所を見ないと分からないということにもなる。良いアタッカーを揃えたブラジルがなぜ負けたのか。次の事実を見れば一目瞭然である。「ブラジルがゴール枠に飛ばしたシュートはたった1本」。これでは良いアタッカーを揃えても勝てるわけがないではないか。なぜこうなったか。アタッカーばかりを見る観戦法がいかに程度の低いものかということを示した絶好の例となるゲームとして、この試合の分析を試みたい。

 ブラジルのエース、ロナウジーニョが全く活躍できなかった。点取り屋のロナウドは「フランスの知性にやられた」と語った。これらはフランスの「組織的防御」がどれだけ凄かったかということを示している。なお、サッカーの防御というのには、敵の得点を阻むということ以上に大切なことがある。「敵のボールを奪う」ということだ。ブラジルが枠に飛ばしたシュートが1本というのには、フランスの最後の防御戦がシュートを自由に打たせなかったという以上に「シュート体制以前に敵ボールを潰し、奪ってもいた」ということがある。誰が奪ったか。11人の知的防御組織で奪ったわけだが、狭義で言えば4バックと「その前の2人」とが協力しあって奪ったのである。2人とは、ビエラ(イタリアのユベントス所属)とマケレレ(イギリスのチェルシー所属)、知る人ぞ知る世界最高のボランチ(日本で言えば福西、稲本の位置・役目)二人である。ブラジルがフランスに足をすくわれるかも知れないと僕がここに書いたのは、この二人の存在に目を付けたからだった。ボランチとは攻守両方を組織する攻守の繋ぎ役、先述のバレーボールの言葉で言えば、「敵の攻撃を上手く受け止めて味方の良い攻撃に換える『名レシーバー・パッサー』」なのである。

 これからサッカーを見るときは、味方が攻められているときの敵の球を奪う組織・機能やプレイヤーを見よう。サッカーとは敵の球を奪えなければ結局シュートまで持って行かれたり、味方の攻撃場面がなかなか来なかったりということになる。それではいくらアドリアーノがいても宝の持ち腐れである。現代サッカーではボランチこそ面白い。

 ビエラとは、今年欧州チャンピオンズリーグで2位になったアーセナル(イギリス)で育ち、ボランチとしてはかってないような値段でイタリア最強チームにほんの最近買われていった名選手である。あのベンゲルが育てた最高傑作の1人だ。ちなみに、もう1人のベンゲルの最高傑作が今回ブラジルから点を取ったアンリである。
 マケレレとは、世界最高チームと言われたレアルマドリッド(スペイン)のちょっと前の黄金時代を築き、現在の世界最高チームと言われるチェルシー(イギリス)に買われていった名選手。レアルからマケレレがいなくなってから、レアルが急に弱くなったと言われる、「無尽蔵の走りのエネルギー」、大事な大事な、まるで縁の下を一人で支えているような力持ち選手である。』
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掌編小説  「日本精神」エレジー   文科系

2017年11月12日 10時39分22秒 | 文芸作品
「貴方、またー? 伊都国から邪馬台国への道筋だとか、倭の五王だとか」
連れ合いのこんな苦情も聞き流して、定年退職後五年ほどの彼、大和朝廷の淵源調べに余念がない。目下の大変な趣味なのだ。梅の花びらが風に流れてくる、広縁の日だまりの中で、いっぱいに資料を広げている。
「そんな暇があったら、買い物ぐらいしてきてよ。外食ばっかりするくせにそんなことばっかりやってて」
「まぁそう言うな。俺やお前のルーツ探しなんだよ。農耕民族らしくもうちょっとおっとり構えて、和を持って尊しとなすというようにお願いしたいもんですな」

 この男性の趣味、一寸前まではもう少し下った時代が対象だった。源氏系統の家系図調べに血道を上げていたのだ。初老期に入った男などがよくやるいわゆる先祖調べというやつである。そんな頃のある時には、夫婦でこんな会話が交わされていたものだった。
 男「 源氏は質実剛健でいい。平氏はどうもなよなよしていて、いかん」
 対してつれあいさん、「質実剛健って、粗野とも言えるでしょう。なよなよしてるって、私たちと違って繊細で上品ということかも知れない。一郎のが貴方よりはるかに清潔だから、貴方も清潔にしてないと、孫に嫌われるわよ」
 こんな夫に業を煮やした奥さん、ある日、下調べを首尾良く終えて、一計を案じた。
「一郎の奥さんの家系を教えてもらったんだけど、どうも平氏らしいわよ」
 男「いやいやDNAは男で伝わるから、全く問題はない。『世界にも得難い天皇制』は男で繋がっとるんだ。何にも知らん奴だな」
 妻「どうせ先祖のあっちこっちで、源氏も平氏もごちゃごちゃに決まってるわよ。孫たちに男の一郎の方が大事だってことにも、昔みたいにはならないしさ」
 こんな日、一応の反論を男は試みてはみたものの、彼の『研究』がいつしか大和朝廷の誕生関連へと移って行ったという出来事があったのだった。

 広縁に桜の花びらが流れてくるころのある日曜日、この夫婦の会話はこんな風に変わった。
「馬鹿ねー、南方系でも、北方系でも、どうせ先祖は同じだわよ」
「お前こそ、馬鹿言え。ポリネシアとモンゴルは全く違うぞ。小錦と朝青龍のようなもんだ。小錦のがおっとりしとるかな。朝青龍はやっぱり騎馬民族だな。ちょっと猛々しい所がある。やっぱり、伝統と習慣というやつなんだなー」
「おっとりしたモンゴルさんも、ポリネシアさんで猛々しい方もいらっしゃるでしょう。猛々しいとか、おっとりしたとかが何を指すのかも難しいし、きちんと定義してもそれと違う面も一緒に持ってるという人もいっぱいいるわよ。二重人格なんてのもあるしさ」
 ところでこの日は仲裁者がいた。長男の一郎である。読んでいた新聞を脇にずらして、おだやかに口を挟む。
 一郎「母さんが正しいと思うな。そもそもなんで、南方、北方と分けた時点から始めるの」
 男「自分にどんな『伝統や習慣』が植え付けられてるかはやっぱり大事だろう。自分探しというやつだ」
 一郎「世界の現世人類すべての先祖は、同じアフリカの一人の女性だという学説が有力みたいだよ。ミトコンドリアDNAの分析なんだけど、仮にルーシーという名前がつけられてる。二十万年から十二万年ほど前にサハラ以南の東アフリカで生まれた人らしい。まーアダムのお相手イヴとかイザナギの奥さんイザナミみたいなもんかな。自分探しやるなら、そこぐらいから初めて欲しいな」
 男「えーっつ、たった一人の女? そのルーシー、さんって、一体どんな人だったのかね?」
 一郎「二本脚で歩いて、手を使ってみんなで一緒に働いてて、そこから言語を持つことができて、ちょっと心のようなものがあったと、まぁそんなところかな」
 男、「心のようなもんってどんなもんよ?」
 一郎「昔のことをちょっと思い出して、ぼんやりとかも知れないけどそれを振り返ることができて、それを将来に生かすのね。ネアンデルタール人とは別種だけど、生きていた時代が重なっているネアンデルタール人のように、仲間が死んだら悲しくって、葬式もやったかも知れない。家族愛もあっただろうね。右手が子ども以下に萎縮したままで四十歳まで生きたネアンデルタール人の化石もイラクから出たからね。こういう人が当時の平均年齢より長く生きられた。家族愛があったという証拠になるんだってさ」
 妻「源氏だとか平氏だとか、農耕民族対狩猟民族だとか、南方系と北方系だとか、男はホントに自分の敵を探し出してきてはケンカさせるのが好きなんだから。一体何を勉強してるのやら? ルーシーさんがこんなの見たら、泣くわよねーホントに!」
 男「そんな話は女が世間を知らんから言うことだ。『一歩家を出れば、男には七人の敵』、この厳しい国際情勢じゃ、誰が味方で誰が敵かをきちんと見極めんと、孫たちが生き残ってはいけんのだ。そもそも俺はなー、遺言を残すつもりで勉強しとるのに、女が横からごちゃごちゃ言うな。親心も分からん奴だ!」

 それから一ヶ月ほどたったある日曜日、一郎がふらりと訪ねてきた。いそいそと出された茶などを三人で啜りながら、意を決した感じで話を切り出す。二人っきりの兄妹のもう一方の話を始めた。
「ハナコに頼まれたんだけどさー、付き合ってる男性がいてさー、結婚したいんだって。大学時代の同級生なんだけど、ブラジルからの留学生だった人。どう思う?」
 男「ブ、ブラジルっ!! 二世か三世かっ!?!」
 一郎「いや、日系じゃないみたい」
 男「そ、そんなのっつ、まったーくだめだ、許せるはずがない!」
一郎「やっぱりねー。ハナコは諦めないと言ってたよ。絶縁ってことになるのかな」
 妻「そんなこと言わずに、一度会ってみましょうよ。あちらの人にもいい人も多いにちがいないし」
 男「アメリカから独立しとるとも言えんようなあんな国民、負け犬根性に決まっとる。留学生ならアメリカかぶれかも知れん。美意識も倫理観もこっちと合うわけがないっ!!」
 妻「あっちは黒人とかインディオ系とかメスティーソとかいろいろいらっしゃるでしょう?どういう方?」
一郎「全くポルトガル系みたいだよ。すると父さんの嫌いな、白人、狩猟民族ということだし。やっぱり、まぁ難しいのかなぁ」
 妻「私は本人さえ良い人なら、気にしないようにできると思うけど」
 一郎「難しいもんだねぇ。二本脚で歩く人類は皆兄弟とは行かんもんかな。日本精神なんて、二本脚精神に宗旨替えすればいいんだよ。言いたくはないけど、天皇大好きもどうかと思ってたんだ」
 男「馬鹿もんっ!!日本に生まれた恩恵だけ受けといて、勝手なことを言うな。天皇制否定もおかしい。神道への冒涜にもなるはずだ。マホメットを冒涜したデンマークの新聞は悪いに決まっとる!」
 一郎「ドイツのウェルト紙だったかな『西洋では風刺が許されていて、冒涜する権利もある』と言った新聞。これは犯罪とはいえない道徳の問題と言ってるということね。ましてや税金使った一つの制度としての天皇制を否定するのは、誰にでも言えなきゃおかしいよ。国権の主権者が政治思想を表明するという自由の問題ね」
 妻「私はその方にお会いしたいわ。今日の所はハナコにそう言っといて。会いもしないなんて、やっぱりルーシーさんが泣くわよねぇ」 
 男「お前がそいつに会うことも、全く許さーん! 全くどいつもこいつも、世界を知らんわ、親心が分からんわ、世の中一体どうなっとるんだ!!」
 と、男は一升瓶を持ち出してコップになみなみと注ぐと、ぐいっと一杯一気に飲み干すのだった。
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ハリルジャパン(128) ブラジル戦の評価  文科系

2017年11月11日 11時19分59秒 | スポーツ
 ブラジル戦も僕はいつものように、時間の経過を追った観戦メモを取りながら観た。そして、大事なゲームの後ではいつもやるように、新聞の評価記事と僕の評価とを照らし合わせてみた。今回は、総合紙二つと、スポーツ紙二つとの計4紙である。

その照らし合わせ結果をはっきり言うと、スポーツ紙の一つが僕の見解と同じ。他は僕とは異なって「完敗」のニュアンスを表面に出していた。僕に近かったのは報知スポーツなのだが、そこの鈴木隆行と北沢豪の長文観戦記が、ほぼ僕と同じ見解と読めた。日本の組織的潰しの強化に着目しているのである。サッカーゲームの評価はこのように、専門記者、評論家でも異なったものになることが多いのである。一般スポーツ記者は特に、サッカー日本代表には厳しいように思われる。これには、野球との関係、アメリカスポーツマスコミとの提携関係が関わっているのではないか。例えば、このブログの記事を書く編集欄に「スポーツ記事の分類用語箇所」があるのだが、そこに30のスポーツ名が書いてあって、筆頭は野球、サッカーは24番目である。何故なんだろうといつも不思議に思っている。マスコミって、野球との伝統的結びつきや、広告などの利害関係があったりして、「やるスポーツ」の人数通りには、ニュースを作らないということだろう。「観るスポーツ」と「やるスポーツ」との利害関係が対立することも多くて、前者を増やしたいだけなのかも知れない。

 さて因みに、僕は前日のプレビューではこう書いている。

『こうして僕は「激しい潰しから素速い攻撃転化へ」という見所をこのゲームでいくつ作ってくれるかをこそ、期待している。そんな見所から僕が期待する選手は、原口、大迫、そして長沢である。
 結果については、その内容にもよるが、1対3ならコンセプト成功でそれ以上開けば失敗と、あわよくば1対2ならハリルの狙い通りと、そんな見通しを持っている。』

 この見通しに関わって評価などを語るならば、こんな結論になるだろう。
「その内容にもよるが」と書いた方も、このように評価できる。ゲーム時間の半分以上は、日本の押し上げコンパクト・プレスが効いていた。失点しなかった後半全体がそうだったが、前半も30分過ぎまでの20分ほどは特に。最初の吉田がもたらしたPK失点はイングランドなら先ずなかったものだったり、2点目は井手口のクリアミスからだったりと、この押し上げに確信が持てるまでに2得点されたのが残念というゲームだった。
 なお、コーナーキックの数も、シュートの数もほとんど差はなかった。「激しい潰しから素速い攻撃転化へという見所をこのゲームでいくつ作ってくれるかをこそ」と期待した点も、結構上手く行っていたということだ。

 ハリル・ジャパンの組織的潰し能力向上によって、やはり強くなっていると確信が持てた。特に強豪相手には、これは意味のあることだ。今日の後半のゲーム力なら、世界25位という所だろう。
 なお、「後半などのブラジルはメンバーも代えたし、本当の力を出していなかった」という批評によくお目にかかるが、これは以下のような意味でお話にならない。日本に置き換えて考えてみればよい。代表新人らはいつも呼ばれるように、先発外の選手はレギュラーになれるようにと、それぞれ必死のはずだ。代表安泰に思われる選手でも、今回の日本3人組のように、いつ外されるか分からないと考えている人が多いはずだ。

 次戦は、力で来るベルギー。これとはもっと良いゲームが期待できよう。
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ベルギー戦プレビュー 1970

2017年11月11日 00時29分45秒 | Weblog
今日のゲームは当然ベルギーのスタッフも見ているので、ブラジル同様前半フルメンバーで後半入れ替えか、その逆か。
まあ向こうはホームだから前半はフルで来るかな?

日本はスタメンで乾、原口を使いなさい。
攻撃にならないから。
デブライネ、ルカク、アザールにズタボロにされてもその方がいい。
今日のように守備から入ろうとしたってあの程度の守備じゃお呼びでない。
それよりマイボールでどの位繋げるか、それを試せるスタメンにしろ。

相手との勝負を逃げ横パスやバックパスで誤魔化す久保のようなFWは要らない。
岡崎呼んどきゃ良かったんだよ 笑
浅野は良かったがFWとは思えない位シュートが下手だよな。
右から来るボールを右足で打ちにいくって相当無理があるぞ。あれじゃドイツ2部でも得点出来ないのはよく分かる。レベルが低すぎる。

まあとにかく今日のように前半で終わらないように。

それと、おじいちゃんの戦術の引き出しがどの位あるのか?
次のベルギー戦で決まる。
今日は本当にガッカリしたよ。
今度はヨロシク。
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フルボッコブラジル戦 笑 1970

2017年11月10日 22時04分01秒 | Weblog
いや~何をやりたいのかハリルおじいちゃん、さっぱり分からないよ。

あれだけブラジルにキープされてやっとボールが回ってきても横パスとバックパスのオンパレードでは、いつまで経ってもゴールは遠い。

まあ予想通りの試合だが、ブラジルと戦うレベルじゃないわな。

攻めなきゃゴールは入らないよ。久保君。
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「アベノミクスによろしく」、爆発的に売れてるそうです。 らくせき

2017年11月10日 09時18分09秒 | Weblog
16年に安倍政権はGDPの算出方法を変更したという。
経済政策の成功を偽装するためであれば、粉飾決算と同じです。
目立たぬようにとんでもないことが起きている疑いが。

株価の高騰も・・・怪しい。
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米中対立を観る判断基準  文科系

2017年11月10日 09時06分21秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 米中会談の最大問題、北朝鮮への対処では、中国の方が完全に正しかったということを述べてみたい。南シナ海問題では中国が誤っていたという、それと同じ国際基準が存在している。日本人はこの事をもっと明確に意識すべきだと主張したい。

 トランプが、日米で一致している「さらなる圧力強化を」と要求したことに対して、中国側はこう応えたと報道された。
『中国は安保理決議を真剣に履行し、既に国際的な責任を果たしている』
『われわれは一貫して安保理の枠外で一方的な制裁を行うことに反対している』
 中国のこの態度こそ正しいと思う。アメリカは国連決議以上の制裁を中国に申し入れたのに対して、中国が国連に従うと応えたのだから。
 国連決議以上の制裁を課するとは、旧イラク・フセイン政権に対する有志国連合戦争のようなものを意味する。シリア内乱(への国際的干渉)を巡っても示されたように、「国際的な経済制裁などの強化」とは、戦争と同じような意味を持つ場合も多いようなものだ。歴史的一例を挙げれば、日本が太平洋戦争を開戦した理由が、アメリカによる石油や鉄鋼の輸出禁止にあったという事実がある。

 トランプはつまり、イラクやシリアに対したのと同様に、国連法の枠外で北への制裁を強化しようと関係諸国に提案しているのである。端的に言えばこれは、国連無視の提案に他ならない。
 日本現政権は、こんなアメリカに追随して、そういう国連無視の態度をイラク戦争と同様に取ったということなのだ。日本国民は、日本政府がこんなアメリカに従って国連無視の挙に出たということを、ほとんど意識していない。とても、悲しいことである。

 以上のことは、今後の国際行動で意見対立があった場合にも判断基準にできることだろう。国連決定に従うという方が正しく、それ以外の戦争、制裁を叫ぶのは国際的無法行為の提案そのものであると。現代ではこういう場合常に、国連を無視する方が誤っているのだ、とも。
 ただし、世界最大の強国が国連を無視できる時代も間もなく終わるはずだ。国連に結集する諸国がそうさせずにはおかないはずだ。また、そうして初めて、この地上から戦争がなくせる方向が見えたことになるはずなのだ。
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ハリルジャパン(127) 楽しみ極まりないブラジル戦  文科系

2017年11月09日 12時18分17秒 | スポーツ
 明日はいよいよ、僕も待ちに待ったブラジル戦。何せブラジルは日本が世界一苦手としてきた国なのだし、その相手と「このハリルジャパンが闘う」のだから、楽しみなのである。

 まず、世界一苦手としてきたというのは、こういうこと。そもそもいつも大差で敗れる。W杯に出るようになってからのフル代表同士の戦跡だけ観ても、日本の0勝5敗2引き分けで、得失点は3対19である。ブラジルを負かすことがあるヨーロッパ強豪国相手でも、日本がこれほど分が悪い国は他には先ず無いのだから、長谷部キャプテンがこう語るのは無理もないのだ。
『代表で100試合以上出場してきた中で一番かなわないというか、差を感じる国』
 何故なのかは、はっきりしている。長谷部がいつも言う「1対1で負けていては、まず話にならない」というその点、つまり個人技で負けてきたのである。特に当たり合いで敗れたきたし、こちらは逆に1対1の相手を潰せないというゲームばかりと、僕の目には見えた。

 さて、だからこそ僕は「このハリルジャパンが闘う」という点が楽しみなのである。前回も述べたように、ハリルになってから明らかに、日本全体が当たり強く、潰しと潰されとに強くなってきたからである。加えるに、代表チームコンセプト、メンバー選考もこの点に焦点を合わせていて、繋ぎを続ける技術を多少犠牲にしているという点でさえも以下のように、僕は注目しているのだ。
・ 潰しに強くなったから、先ず失点は減る。
・ かと言って得点を犠牲にしているかというとそうではなく、「組織的ボール奪取、潰しからの素速い攻撃転化」という「モダーン得点方」(ハリルの言葉)を最も重視したチームだとも、僕は観てきた。
 
 さて、この戦法、特に攻撃法が少しでも効を奏して行き、ブラジルに対して特別に抱いてきた「恐怖心」を取り除けるかどうか、そこがこのゲーム最大の課題だと観ることが出来る。この点について、今代表25人のメンバーを観るとこんな構成になっているから、心強い。
 まず、ドイツなど当たりの激しい国の経験者が、14人。残り11人のほとんどがまた、こんな選手である。最近のACLで、韓国勢、豪勢、そして最近はさらにブラジル人強力助っ人と当たり慣れてきた選手ばかりだ。コオロギ、倉田、昌子、遠藤、車屋などがそうである。浦和、ガンバ勢が多いというのは、ハリルのそういう狙いなのだと愚考した。

 こうして僕は「激しい潰しから素速い攻撃転化へ」という見所をこのゲームでいくつ作ってくれるかをこそ、期待している。そんな見所から僕が期待する選手は、原口、大迫、そして長沢である。
 結果については、その内容にもよるが、1対3ならコンセプト成功でそれ以上開けば失敗と、あわよくば1対2ならハリルの狙い通りと、そんな見通しを持っている。

 因みに、ハリルは「勝ちに行く」と語っているが、これが本心であると確信もしている。そうでなければ、「恐怖心が先立つゲーム」になってしまうのである。原口、大迫、長沢、吉田、槙野、乾、久保、長友、酒井宏樹らもそんなハリルの精神、ゲームプラン通りにプレーできる選手だと確信している。
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ネトウヨの本質は

2017年11月08日 13時17分51秒 | Weblog
嫌韓・嫌中であり、ナショナリズムとは関係ありません。
安倍首相がトランプ大統領にへつらったら賞賛。
ポイントは、ナショナリズムではなくレイシズムです。
という意見、納得!  らくせき


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小説紹介  最先端    文科系

2017年11月07日 07時44分35秒 | Weblog
  最 先 端  S・Yさんの作品です


 役所から敬老通知が届いて驚いた。いつのまにか高齢者となっていたトミさん。
 歳を取るとは、はたから言われないと自分では意外と気づかないもんだ。

 高齢者になったのだから、車を買い換えるならこれが最後になるかも。そう考えたトミさん夫婦は新車を購入した。至れり尽くせりの最先端の機能が付いた車だ。やたらと危険をキャッチして警告音が鳴る。そのたびに心臓がドキンと大きく波打つ。真面目で小心のトミさんにはストレスになる。車間距離をちょっと空けただけで「空いたよ、進みなさいよ」と忠告してくる車。大きなお世話だ。私は安全運転をしているのだ。第一、今、信号は赤になった。最先端の車のくせに信号の色はわからないのか? トミさんは運転しながら車に文句を言う。
 ある日のこと。トミさんは畑で実った大きなスイカを友達に届けることにした。
 走りだすとブザーが鳴った。「ん?」車を止めると音は止んだ。変だな? と思いつつ発進するとまたピィピィーとうるさい。しかたがないので路肩に車を寄せて、トミさんはシートベルトを確認した。きちんと締めている。きっと電気系統の故障だろう。新車だというのについてないな。スイカを届けたら、その足で車のディラーに行かなくては。
友達にスイカを手渡すと、急いで車を発進させた。
「あれ!」あんなにピィピィーうるさかったのに何にも言わない。えっ、どうして?
 ひょとしてスイカ? まさか! スイカにもシートベルトしなきゃいけなかったの?
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「よたよたランナーの手記」(207)もー無理かな、キロ6分半?   文科系

2017年11月06日 14時40分48秒 | スポーツ
 やはり、老いが進んでいると思われる。中4日などと置いて走ると、心拍数は上がるし、筋肉も落ちるようになった。筋肉が落ちているというのは、後で疲れが多く残ったり、骨も含めてどこかにごく軽い痛みが残ったりするからだ。かといって、間を少なくすれば走る日に疲労が残るような強度では走れない。ちょっと難しい局面に差しかかったように思われる。
 それで、こんな試行錯誤をやってみた。心拍数130以下で済む階段上りを間に入れて、11月1日に40往復、2日110往復、3日は休んで、4日に130往復。

 その上で、今日6日、いつもの吹上公園6周7キロちょっとをやってみた。ウオームアップ込みの、29日以来のランだが、キロ7分22秒で回って来られた。ちょっとほっとした所だ。中7日置いた走りだったが、ほとんど疲労が残っていないのは、階段上りの成果だと思われる。スタミナはまだ増やすことが出来ると分かったわけだ。ただし、スピードが上向きになる方向もまだ諦めたわけではない。いつものように、そのための道がないかと模索中ということ。

「不可逆的な老い」と決め込むのは、まだまだ先延ばしということである。ほんのちょっとした体調不良とか、今必要な部分の鍛錬不足ということなど、いつも何か不調の理由や対策があると考えてみることにしてきた。ウオームアップを抜けば、キロ7分は十分に切れるはずだから、なんとか1時間10キロに近づいてみたいと、今でも目論んでいる。
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随筆紹介 「哀悼 山ガール」   文科系 

2017年11月06日 09時26分38秒 | 文芸作品
 哀悼 山ガール   H・Sさんの作品です

 山ガールが死んだ。八十歳だった。偶然にも山の日の八月十一日の事だ。娘さんから私に訃報が届いたのは九月十日だった。山ガールは看護学校の友人だ。私とは気が合うので、姫路と名古屋に住みながら二人で「同窓会」の世話をしていた。あれこれ相談の上意見がまとまり、温泉つき宿泊施設の下見に行く事がお互いの楽しみになっていた。同窓会で集まる嬉しさも大きいのだが、気の合った者同士の小旅行もお互いが本音を語れるよい機会だと私は思っていた。三年前、級友が亡くなった時、知らせを聞いて一番近くに住む人が葬式に参列した。近くと言っても姫路から奈良までの移動だ。高齢になっている。会員は山梨から九州まで散らばっている。知らせが入れば聞き流すわけにはいかないのだろう。だから、私は、お互い元気で会えるその時間を大事にして身罷った時は知らせない。一月後家族に連絡してもらう〈あの子もいなくなったか、そう思ってもらえばよい〉と、自分の思いを、滋賀の山里に下見に行った時、山ガールに話した。
「似た者同士だね。同じことを私も考えていたよ」と笑いながら山ガールが返してきた。
これが私と山ガールの決め事だった。こんなに早く実行に移すなんて私は想像だにしていなかった。先を越されたような気持になった。

 山ガールは一年まえ肝炎を患った。肝臓にがんも見つかり手術で取り去った。手術は成功したから安心していてねと、連絡が入った。元気になれば二人でまた出かけようねと電話を切った。
 山ガールは面白い人だった。学生時代から山登りを始め、助産師の免状を取り、私と同じ病院の産科病棟に勤めていた。三年みっちり働き、貯金も出来た。北極に行きたいと宣言。日曜、祭日、年休をまとめて一度に取得させてほしいと、病院に申し出た。六十日の長期休暇だ。病院にとっては前例のないことだった。山ガールの申し入れは病院を揺るがせた。個人に与えられた権利はどう使おうと勝手だが、今まで病院にこんな要求をした看護師も助産師もいなかった。病院長も総婦長も困った。が、この要求を押し込めて不満たらたらで山ガールを勤務させたら、命を預かる職場でよいことはないと最終的に総婦長が判断、病院長を説得した。山ガールは北極へと飛んだ。昭和三十五年当時の事だ。聖路加病院で一カ月の研修を志願すれば推薦状付きですぐ許可が下りるようになった。これは病院が、旧来のドイツ医療を、アメリカ医療に切り替えることを急いだからだ。
 世の中がアメリカ一辺倒になっても、看護師が病院を不在にすることに変わりはないはずだし、遊ぶために長期休暇を取ることはもってのほかだと言う考え方が人びとを支配していた。

 山ガールの帰院後の勤務状況を密かに観察していた総婦長は どうしてもこれをやりたいと言う部下の要求を止めるとよい結果に結びつかないと悟ったのだろう。一月ぐらいの外国旅行には、看護部門四百人に、「来月、一カ月、〇〇が蒸発しますから、穴埋めしっかりしてね」と、総婦長が告知するようになった。山ガールが作った蒸発の前例を、病院が認める方向に口添えするようになったのである。






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