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戦争に代えて「人権」革命輸出  文科系

2019年10月31日 08時20分33秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 2011年に始まった「アラブの春」以来、「『人権』を求める内乱」が世界中の国々に巻き起こっている。その全部とは言わないが、西欧諸国、特にアメリカが様々な工作などを通じて引き起こしている内乱も多いのではないか。つまり、昔なら戦争を仕掛けるところを、内乱工作という革命の輸出を通じて何らかの要求を通していくやり方。アラブの春以降でも、リビア、シリア、トルコ、ベネズエラ、イラン、イエメンなどなどだ。
 中国をめぐる香港、チベット、ウイグルなどにも、そんな動向が見える。香港騒乱では、その指導者の一部が米CIAと繋がっていることが写真付きで明らかにされたし、ウイグル問題では中東イスラム国との人員往来が実証されてきた(このブログ2018年12月2日「中国におけるウイグル問題」参照)。イスラム国の歴史的温床であり続けたアルカイダやタリバンと米CIAとの歴史的繋がりが、ウイグル騒乱の背景としても存在すると考えるのは極めて自然なことだろう。
 
 さて、1国の人権問題は本来、国連を中心とした多国間主義外交においてはその国の内政問題とされてきた。その人権問題が内乱に発展してさえ、これを他国はもちろん、国連でさえその一方に肩入れして何らか裁定を加えたり、まして武力介入をするなどは、そういう国連の法の範囲でしか出来ないはずのものであった。なのにアメリカは常に、こういう内乱側に強力に加担して、時には「この政府に対しては、近く武力介入もあり得る」という声明までを出す。この武力介入の前段階がいわゆる「制裁」である。ちなみに、その国への輸出禁止などの厳しい制裁は、戦前日本の中国侵略に対するアメリカの石油、鉄鋼輸出禁止のように、戦争と同じような意味を持つものだ。こうしてアメリカは、現在の国際法体系では国連を通してしか出来ないことを、勝手にどんどん実行しているのである。つまり、この世界に私刑を横行させている。そして、ある国への私刑が戦争という死刑にまで発展すると、アフガンやイラクのようにその国は地獄になる。

 近頃アメリカによるこうした「戦争に準ずる私刑」が多すぎるせいか、国連を尊重した「多国間主義外交」を無視する論議が多すぎるのではないか。右翼ポピュリズムなどは特に、国連を語らないから、なおさらのことだ。

「多国間で論じなければならぬ問題」、つまり国連規模の問題には、そういう特有の性格規定と手続きとがある。「単なる一国の人権問題」は基本的に内政問題なのだ。よってアメリカがよくやる「人権問題国」は要らんお節介、国連に諮らぬアメリカだけ独断の、自分勝手な「人権問題」とも言える。こういう「人権問題」を理由にある国にアメリカが課す「制裁」とはこうして、国連を無視した私刑と言うしかないものだ。つまり、裁判にかけずある権力者が勝手に「死刑」その他の刑罰をかすようなものである。
 親米サウジのあの酷すぎる人権問題でさえ国連では扱われていないのだから、アメリカが認める「人権問題国」をアメリカが制裁するということ自身が不当なことなのである。

 つまり、アメリカが言う人権問題はほとんど、国連規模の人権問題ではないわけだ。逆に、「アメリカのいちゃもん、武力介入、革命の輸出を裁くために国連があえて『人権問題』にする」ということは、例えばイラク戦争、ニカラグア内乱のように多く起こったものだ。

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アメリカの「お節介団体」など (文科系)
2019-10-31 09:01:26
 アメリカには「全米民主主義基金」などという、他国へのお節介団体がある。他にも例えば、いかがわしく思えて仕方ない名前の団体? 「シリア人権監視団」。そもそも「ヒューマンライツウオッチ」というのも、名前からして怪しげ・そう思えるのは僕だけではないだろう。
 ウィキペディアから、以下を抜粋してみた。

『全米民主主義基金(ぜんべいみんしゅしゅぎききん、National Endowment for Democracy, NED 「民主主義のための全国基金」)は、レーガン政権時代の1983年に「他国の民主化を支援する」名目で、公式には「民間非営利」として設立された基金。実際の出資者はアメリカ議会であり、これは基金の年次報告書に掲載される会計報告で確認出来る。またオリバー・ノース中佐の活動時など「民主主義プロジェクト」という名を好んで用いる場合もあった。 』
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