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ある「新自由主義経済批判」  文科系

2021年04月07日 15時00分06秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 朝日新聞6日の『オピニオン&フォーラム 株高「冷たいバブル」』で良い記事を読んだから、拡散したい。この書き手は大阪のタクシー、バス会社の社長さんで坂本篤紀さん(大阪の日本城タクシー社長)という方。その文章に付けられた題名は、『日本の実態は「貧しい国」』というものだった。この30年、日本はこれほど貧しくなったという実感をきちんとまとめられている。

 
『 いまがバブルか、つて? お金を持ってる人の話やないですか。言っとる人がバブルなだけで、実態とはずいぶんかけ離れてると思います。
 僕が大阪でドライバーとしてこの業界に入ったのは、バブルまっただ中の1989年です。あの頃はほんまに忙しかった。夜11時になると、繁華街ではタクシー待ちの大行列ができてました。裏道で仮眠を取ってても、「乗せて」とたたき起こされたもんです。いまできるのは、客待ちタクシーの行列ばかりです。
  利用客も今とは、だいぶちがいました。フツーの人が「忙しいから」「楽だから」というだけの理由で、タクシーを使っていました。庶民の足やったんです。ドライバーの仕事も「稼げるうえに時間が自由」が魅力で、空き時間でばくちをする人も多かった。初乗り500円そこらの時代でしたが、それでも年収800万円は稼げました。
  明らかに様子が変わった、と感じたのは90年代後半ごろです。バブルがはじけた後、消費税は5%になった。若い客から減っていき、徐々に「富裕層の乗り物」になっていきました。ドライバーも、いまでは必要最低限のお金を稼ぐのに精いっぱいです。

(中略)

 じつはコロナの前から、日本の経済は終わっていると感じていました。海外のお客さんが口をそろえて言うのは日本は物価が安い」。日本は円安とデフレで「貧しい国」だから、海外から観光客が来てただけなんですよ。
 少しでも客をとろうと、割引をしている事業者もたくさんいます。でも、僕は逆やと思うんです。労働を安く売ったら、日本はますます貧しくなるだけでしょ。公務員たたきや生活保護バッシング、何よりもそれらをあおる政治にももううんざりです。
 お金がないと優しくなれないのは当たり前。けど、それで、他人の足を引っ張ったところで、みんなで貧しくなるだけやないですか。「あいつらがいるから悪い」じゃなくて、「俺にもくれ」と言わなあかん。給料が増えれば、みんなお金をつかって、税金も払いますよ。
 こんな簡単なことがなぜ政治家には分からないのか、不思議です。いまこそ「所得倍増計画」でしょう。     (聞き手・田中聡子)』

 

 今の新自由主義経済は供給サイド経済学に基づくものとされてきたが、上記のようなこの考え方はケインズのような需要サイド経済学ということになる。ベイシックインカム論とか、ヘリコプターマネーまでが言われ始めた現在世界では、世界金融主体の「金転がし」、株主資本主義は結局もはや金融暴力、その野放しでしかないということなのだ。そのことを、アメリカの経営者団体でさえ言葉では認め始めている。最近野村や三菱UFJまでがまた大損したが、世界の金が米金融に吸い取られていくから、普通の人々の普通の職が世界からどんどん無くなっていくのだ。ちなみに、野村やUFJでさえやられるというのなら、中小国の銀行、為替などは今までどれだけやられ尽くしてきたかという話だと、想像していただきたい。そして、そのたびにその国の職業、国際的需要も消えていくわけである。日本政府にしても、GPIFや日銀(投資資金)など今後大丈夫なのか?

 世界経済を、戦後に続いてもう一度組み直す時期なのだと思う。米中闘争というのも結局、この問題が背景に横たわっているはずだ。米金融が中国「実業」やこれが稼いだ金に手を出せないという問題として。

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