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「九条を世界遺産へ」の書評紹介      ネット虫

2007年01月31日 21時16分21秒 | Weblog
憲法第9条を棄てるとき、日本人は限りなく堕落していく!
 
「現行の憲法は、日本が占領されている時代に制定され、既に六〇年近くがたちました。新しい時代にふさわしい憲法の在り方についての議論が、積極的に行われています」――これは安倍首相の所信表明演説の一節である。私はこのような発言を聞くたびに、何か日本がとても小さなものになった気がする。それはこの文脈のなかの「憲法」を、「私の家」とか「この町の下水道」とか「村の公民館」と入れ替えても少しもおかしくないからだ。これを「倭小化(わいしょうか)」というのだろう。理想というものを古い、新しい、誰が作った、という次元に引きずり下ろしてしまう人々が、この世にはいるのである、日本の功利主義はここまで来た。そういう思いを抱きながら過ごしている目の前に、この本〔(『憲法第9条を世界遺産に』大田光・中沢新一著/集英社新書)〕が登場した。・・・・・・

 ・・・・・・本書には九条を表現するキーワードがいくつも出てくる。「奇蹟」「珍品」「無茶」「面白い」「常軌を逸している」「正気を失っている」「瞬間の輝きとともに世界に出たもの」「二度と取り消しがきかないもの」「先住民族の影響を受けたアメリカの建国精神と日本の合作」「人間の限界を超えようとする挑戦」「たった一つ日本に残された夢であり理想であり拠り所」「ドリームタイム(根源の場所)」等々。これらは今まで憲法九条について語られてきたものと異なっている。メツセージは「憲法九条はふつうでない」ということだ。ふつうの国になりたいような国にはもったいない憲法だと思える。
面白いと思ったのは中沢新一の次の言葉だ。「憲法九条は修道院みたいなものなんですね。……たとえ無茶な場所であっても、地上にそういう場所がある、ということを、いつも人々に知らせている……普通に考えたらありえないものが、村はずれの丘の上に建ってるというだけで、人の心は堕落しないでいられる」――私も常々、憲法九条問題は人間の堕落について考えさせる問題ではないか、と思っていた。時代の変化に従い、社会の実情に合わせて理想を改変しよう、という考えを「堕落」という。憲法九条問題は、人が堕落しないでいられるその仕組みを、社会が失ったところに立ち上がってきた。憲法九条の存在は唯一の俗を越えるものとして、私たちの生活の中に措定できるものなのかも知れない。だとするとこれすらも失ってしまったとき、日本人の精神はどうなるのだろうか?・・・・・・

(田中優子さんは法政大学教授)

毎日新聞10月掲載『憲法第9条を世界遺産に』書評


コメント (12)
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現代経済批判の常識  文科系  

2007年01月31日 14時23分54秒 | Weblog
書いてある内容はこういうことだ。
実質成長率2%台半ばで景気拡大6年というけれど、その実感は乏しい。一般消費が低迷しているからだ。その原因はハッキリしている。大企業が史上最高益を謳歌する一方で、賃金は昨年半ば以降低下しているし、雇用は増えていても非正規労働者がほとんどであるからだ。経済を強くしようというのであれば「今大事なのは需要サイドへのてこ入れなのだ。簡単な話、賃金を上げたり、正規雇用を増やしたりすることだ」。賃上げ抑制策ではなく、「節度ある範囲内で、一定水準以上にする逆所得政策がありうるかも知れない」。

僕は思う。資本主義は結局常に、供給だけ増やして、それに追いつくだけの需要は作れない。そこから恐慌や戦争が起こる。これはカール・マルクス以来の識者が指摘したところである。それをあまりにも激化はさせないという「管理」だけには現代の諸政府は長けてきたようで、これはまずめでたいことだ。が、それで頭に乗ったのか「株主資本主義」の野放し状態になってしまった。「株主資本主義」の世界制覇、このグローバリズムの元で、需要もないのに株価だけ上がる。こんな「好景気」って、一体何なんだろう?そして、いつまで続く?
また、需要などいくらでもあるではないか。金を普通の人々にとって真に有効に使おうとだけ考えるならば。アフリカの飢餓対策、エイズ対策、先進国にあふれる失業者対策、地球環境対策、アメリカでさえ医療行政不備から来る病人対策、などなど、などなど。ただし、武器輸出合戦には励んでも、これらはいっこうに「需要」にはなっていかない。「支払えないところ」には「株主資本主義」は洟もひっかけないというだけのことである。
コメント (3)
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