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九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

書評「新・日本の階級社会」(1)   文科系

2018年02月05日 09時06分12秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
書評「新・日本の階級社会」 結婚できず、子も作れぬ日本

 団塊以降世代から初老期に入られた方々に言いたい。子どもらが結婚できず、子も作れないような日本、世界を遺して、安んじて死んで行けるのかと。そんな事をひしひしと感じていた僕はそういう資料を望んで久しかったのだが、とうとうこれを教えてくれる本に出会った。「新、日本の階級社会」、著者は早大教授・橋本健二氏。ここには、こんなことが書いてある。

 まず、日本という「新、階級社会」の年収・職種など別に階級を分けるとこうなると語る。僕の問題意識は、それぞれの未婚率である

①資本家階級 254万人で4・1%
②管理職、専門職、上級事務職などの新中間階級が、1,285万人で、20・6%
③自営業、農業など旧中間階級、806万で12・9%
④正規職、2,192万で35・1%
⑤パート主婦、785万で、12・6%
⑥非正規職、929万で、14・9%

 さて、僕がずっと問題にしたかったのは、②~⑥(当然⑤は除く)それぞれの平均収入と男性未婚率。こんな数字が出たという。②は499万円の、男性未婚率18・0%。③が、303万円で12・9%。④が370万円、31・0%とあって、最大の問題が⑥186万円の14・9%で、この人々の男性未婚率が実に66・4%とあった。今どんどん増えているパート、アルバイト、派遣社員という方々なのである

 さて、今の60代以上の方々で、こんな時代を予想できた方がどれだけいらっしゃるだろう。ちなみに、人間世界の生産力はこの間どんどん増えて来たのだから、こんな事態は「何で?」と疑問になって当然なのである。④でさえ男性未婚率31・0%とあるのは、おそらくこんな理由もあるはすだ。専業主婦か、正規に近い共働き相手か迷っている男性も多いと。この収入だけだと、家賃10万として残りの月平均収入は20万。年功序列賃金体系も崩れた事だし、子どもを大学まで行かせられるかどうか分からない状況という他はないのだから。また、いまの30~40代が、親の世代と同じ生活水準を望むというのも人として自然な要求でもあろう。

 酷い社会になったものだ。団塊世代諸君、こんな日本を子孫に遺したかったのか? 何度でも言うが、この間に世界の生産力は飛躍的に伸びているのだ。それが普通の人々に行き届かないようになっているのである。何でこうなってしまったのか、今の時代の世界経済の仕組みをこそ根本的に問うてみる必要がある。今の生産力が十分に発揮されるなら、普通の人が8時間働けば子どもを大学になど楽に行かせることができるはずだ。社会に必要なものもちゃんと行き渡らず、生み出せず、お金もどこか遠くへ行ってしまっているのである。そういう経済の仕組みという根本的問題があるということだろう。その次第は、このブログの至るところに解説してあると自負している。

 マクロ経済原論で言うと、現世界が供給サイド経済学でやってきて、需要サイド(例えば、ベイシックインカム論などというものも、一時アメリカ政府内で検討されたこともある)には振り向きもしなかったからこうなってきた。そういう意味で、安倍になど投票すべきではないのである。丁度米国国民がトランプになど投票すべきではないように。知られているように、安倍、トランプでは、世界に不安定労働者が増えるばかり。さもなければ、南欧、アジア、南米のように失業者の大群。不安定労働者とか失業者の大群とか、こんな社会でない道もありえたのだが、1980年辺りから、今のような道を採ってきてしまった。英米を先頭とした先進国の為政者が先頭に立った弱肉強食社会の成れの果てである。
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マスコミ報道の歪み(5)2日、朝日のフェイクニュース  文科系

2018年02月03日 08時45分00秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 2日の朝日新聞4面にこんな記事があったが、これも完全なフェイクニュース。

 扱った事項は、北朝鮮選手団の韓国オリンピック村到着完了というもの。それを、こんな見出しで書いていた。
「市民ら複雑、『北に振り回されている』」

 さてそれで、記事内容はというと、こういうもの。付近の若者10人に感想を聞いてみたが、「ほぼ全員がこの到着を肯定的に捉えていた」と書き、それらの感想はこう。
「同じ民族なんだから、良い事だ」
「これを機会に関係が改善される事を望む」

 そして10人の内ただ一人が「北に振り回されている」と語ったとあった。


 さて、どうだろう。嘘ではないが作為があって、偽見出しという意味で偽報道と言いたい。フェイクとは嘘ではなく、見せかけだけとか偽物という意味だから、こういうのをフェイクニュースというのだろう。1日のここに書いた中日新聞のシリア記事とか、その前の北朝鮮記事等と同じような、偏った立場から創った偽報道ということ。もっとも、朝鮮関連についてはどの新聞にも圧倒的にフェイクニュースが多いのだが。

 しかも、以下のような意味でこの偽物性はちょっと酷い。現在の北はアメリカとほぼ戦争状態。その北と韓国との仲をわざわざ大きく見せて引き裂くような報道は、日本人を戦争に持っていこうというような、それもアメリカよりの立場でそうしようというような、そういう悪質な役割さえ伺われると見たがどうだろうか。

 朝鮮半島の北と南は、元々いきなり人工的に分け隔てられたもの。ジジババ、親兄弟親類が2国に入り乱れて存在するはずで、そういう2国が戦争を起こしたくないなんて当たり前、ごく自然な人の情。そんな発言が多かったのに、そちらを無視してごく少数の「市民ら複雑」を強調するのは、同じ人として許せない気持になったものだ。
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ハリルジャパン(152) スポーツ記事に文化香を  文科系

2018年01月16日 12時52分38秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 本日の中日新聞第24面には、目を見張った。「月刊サッカーストリート」という一面使った連載特集なのだが、日本のスポーツ記事には珍しく、スポーツへの目配りが広くって、文化の香りがしたのである。ここに載っている三つの記事が合わさって醸し出している「ある香り」を、僭越ながら拙筆でお伝えしてみたい。

 一つ目は、ハリルの対談で「(ロシア)W杯 何が必要か分かっている」。二つ目が「ユーロ望観」と題して、今回はサッカー大国イタリアの凋落がテーマになった。そして三つ目は小さい記事だが貴重な物で、ブラジルの監督でさえこう悩んでいるというもの。もっとも、三つ目のこんな内容は当たり前のものと知る人ぞ知っているのであって、ブラジル自国W杯大会の対ドイツ大敗を見れば明らか。日本スポーツ・マスコミがブラジルを崇拝しすぎている一種の病気の、その後遺症のようなもんだろう。

 さて、この記事三つで醸し出しているスポーツ文化の香り、である。

 一番目のインタビュー内容は、ハリルというこの人物のスケールの大きさがとてもよく分かる。チマチマした島国、日本人の、戦後世界の民主主義発展も分かっていないようなスポーツ論ならぬ「(文科省的)体育論」、「(マスコミ的)興業主義スポーツ談義」に対比させてみると。このハリル、人格は全く逆のように見えるが、日本人に評判が良かった人格者イビチャ・オシムと同郷の人物である。旧ユーゴのしかもボスニアの人間で、そこから欧州に出て行って大成功した所までが一緒なのである。オシムはドイツ、オーストリアへ、ハリルはフランスである。しかもその成功度合いが、オシムよりも大きい。以下のように。ただし、オシムの名誉のために、慌ててこう付け加えておきたい。オシムの成功という先例があったからこそ、ハリルの成功もあったに違いないと。年齢は15歳ほどハリルが若いと記憶する。ということは、ハリルはむしろ、同じユーゴのストイコビッチに近いということになる。ストイコビッチは旧ユーゴの中心セルビアの人間だったかな。

 フランスリーグ得点王2回。フランス・サッカーの読売巨人軍、パリサンジェルマンの監督。こんな実績を経て、ブラジルW杯では、ブラジルに圧勝した優勝国ドイツを土壇場まで追い詰めた唯一のチームの大策士、監督。こんな人物が、以下のようなことを語る時、日本ファンはありきたりの常識的意味で理解してはならぬだろうとさえ、僕は言いたい。

『体脂肪率を測るのは、体が戦う準備をしているかを調べるため。けがも少なくなり、より走れる。そのためには生活習慣、食生活、トレーニングが重要になる。体脂肪率が12%より高ければ、その選手は戦う準備ができていない。少なくともW杯では戦えない』
 老骨の僕も、ランナーの端くれとして必要に迫られ、体脂肪率は11%台。年寄りの冷や水ゆえ脚を痛めることも多いからこそ、体重には拘るのだ。便秘気味だから、体重を落とすべく走る前に用を足すことも度々であって、これなど当たり前の注意と愚考している。一流サッカー選手なら不可欠な自己管理能力指標になるはずだ。

『(長谷部誠について)選手としても、人間としてもチームにとって重要な存在。大きな影響力を持っている。ただ、プレーができなければ、W杯に連れて行くことはない。・・・・長谷部を招集できなかったときのことを考えている。そのため昨年12月の東アジアE-1選手権に、ベテランの今野泰幸を呼んだ』
 代表監督として選手個人のことをその「人間」自身にも触れてここまで語るのは、異例なことのはず。組織第一であるサッカーのキャプテンはそれほど大事ということ。その都度の組織流動の指令まで出さねばならない立場なのである。そういう立場に関わってここまで言われたら、長谷部も今野も勇気百倍。選ばれた場合には、どんなプレッシャーにも立ち向かっていく決意を固めることだろう。

『(日本のサッカーは)島国に閉じこもっている印象を受ける。欧州を見れば違うサッカーをしている。日本人はテクニックがあるというが、プレッシャーをかけたら発揮できるのか
 「プレッシャーに負けない」、日本サッカーはこの10年ほど特にこれが発揮できなかったのである。ACLで持てる技術が出せずに長く負け続けてきた原因がここにあったと、見てきた。


 二番目の記事「イタリアサッカーの凋落」がまた色々考えさせられた。僕自身がこの国の歴史的凋落に非常な関心があったことも重なって。最も伝統のあるチームも含めて、何度も繰り返されてきた八百長。長年犯罪者を代表者に抱えてきたACミラン! [このブログでも、イタリアの凋落や、その広く社会的な原因とか、こんなエントリーさえも、何回も書いてきた。
「本田はこんなイタリアへ、ACミランへは行くな。行ってもいい事は何もない」
 この二番目の記事がサッカー、スポーツを扱う視野、領域が広いからこそ、僕はこんな問題なども対照させて、連想していたものだ。近ごろ世を騒がせている日本相撲界の長年打ち続いたやの頽廃とか、日本バスケットボール界の頽廃現象を日本サッカー発展の基礎を築き上げた人物が見事に治めて見せたこととか。

 そういう意味でもサッカー、スポーツ界は世の中の移り変わり、外の文化的(善悪両様の)影響などももろに受ける舞台なのだと思う。相撲界で言う有力なタニマチが、スポーツを汚す例などが、古今東西に渡って本質的に多いものなのだろう。 
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NHK・BSが、こんな番組!  文科系

2018年01月04日 01時06分30秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 3日の21~23時、こういう題名の放送があった。
『闇の力が目覚める時・・・成長無き時代を生きる世界の知性のシナリオ』
 この放送の結論は題名の通りで、資本主義自身が内部にこれを破壊する闇の力を育て、やがて自壊するだろうというもの。このことを、マルクスの思想でもあり、その後の経済学者シュンペーター、ケインズの言葉にもこうある通りにと再三にわたり紹介するという形で、解説していくというもの。
 もちろんこの結論を主として、現代世界の経済学者、哲学者らに、金融グローバリゼーションが現代の闇の力をここまで育ててきて、「この今の闇の力の行く末は、(新たな)創造か死か」という形でも語らせていく。
 最もよく出てきたのがフランスのダニエル・コーエン、そしてイギリスのスキディルスキー、ドイツのウルリケ・ヘルマン、さらにはアメリカのジョセフ・スティグリッツやチェコの二人に、加えてニューヨークのあるトレーダーまでが、それぞれ何度も何度も出てきたものだ。

 聞き終わって僕はこんなことを感じていた。僕がここに12年間展開してきた金融グローバリゼーション世界支配の現状批判論やその行く末論と、ほとんど同内容であると。この同内容は、言ってみれば必然なのだ。この番組の骨子となる歴史的経済理論が、マルクス、シュンペーター、ケインズらのそれであってみれば。なによりも、闇の力とその目覚めに関わる社会現象として、これらのことが上げられていたこと。

 金融によって雇用が奪われて給料、購買力がどんどん下がっていること。ポピュリズムというのは政治的(危機)用語であって、危機はむしろグローバリゼーションが作った格差、不平等にあること。1980年のちょっと前のレーガニズムとサッチャリズム政治以降、金融資本主義が「悪徳の栄え」のように育って来たこと。これを擁護すべくレーガンが唱えた「トリクルダウン」も、嘘だったこと。銀行と政府とが結託して全てを動かす「富が固定した」社会になったということ。
 ちなみに、最後の方でケインズのこういう予言をスキディルスキーに語らせていた所までが、ここで僕が述べてきたことと同じだった。いやそれ以上にキツイ表現とも言える。
「長期的に見れば、1930年代にケインズが予言したとおりに、週20~25時間労働にならざるをえないだろう」

 感想の最後である。金融資本主義の株売買を通じた世界企業支配の問題点について今のような隠蔽状態が続けられるわけが無く、やがては世界のマスコミが実態調査報道、報告などを次々と始めるに違いない。この支配の結果が、世界に溢れる失業者や不安定労働者の大群、大変な格差の問題などであってみれば、そうならないはずがないのである。NHK・BSのこの特集番組のような報道が、近く世界にどんどん増えていくはずだ。この点で同番組では、アメリカのお膝元、米大陸の大国ブラジルにおける世界有数の酷い格差が、大きく強調されていた。凄まじい格差とは、大金持ちも居るということであって、それと対照をなす超大規模なブラジルのあの貧民地域の酷さを思い浮かべられたい。
 その上で残る最後の問題、決戦の場は、その時にアメリカの国連「実質支配」もしくは「国連無視」が今のように持続できるかどうかだと、愚考していた。金融グローバリゼーションは各国では規制できないからである。むしろ、各国でこれを規制できないからこそ、世界金融による世界企業支配がここまで進んできたのではなかったか。国連でこの本格的規制論議が始まって、米英などがその金融専横を諦めてこれに従うしか、世界諸国民が普通に職業を確保していく道はないのだと思う。
 ちなみに、僕には、現在のアメリカ・トランプ体制は、こんな専横を世界に通してきた米国政治勢力による最後の抵抗のようにも見えたものである。


 このBS2時間番組は、普通なら再放送があるはずだ。ここの常連読者200名ほどの方々には、是非ご覧になることをお勧めしたい。ただし、どこかから待ったが掛かって、再放送が無くなるかも知れないなどとも、愚考していたものだ。
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僕が政治論以外も書くわけ   文科系

2018年01月03日 11時06分47秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
このブログは、去年末で発足12年になる。発足時に、学生時代からの友人である管理人さんに「参加してくれ」と頼まれて、僕が提案して飲んでもらった条件があった。それが、このブログの表題をこう謳った理由である。『九条バトル !!(憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)』。これが、ここがこれだけ続き、成功してきたやの原因になったと、僕は観て来た。
 昨年末12月最初の2日を含んだ週から4週のアクセスと閲覧数は、それぞれこうなっている。1,391、1,247、1,827、1,349と、8,614、9,508、9,759、9,333。こんな長い文章を1人10面近くも読んでいただけるというのが、ここの最大の特長だろう。単なる政治ブログは普通の人には面白いはずもないのだし、そんなものだけを毎日書けるというのも僕にはちょっと変人とも思える。
 さて、僕は「自分の投稿方針」を説明すべく、時々以下のような文章をここに載せてきた。改めて「こういう哲学」を再掲させていただくので、お読み願えれば幸いである。


 改めて「僕が政治論以外も書くわけ」  文科系 

 随筆、サッカー評論などなど一見関係ないようなことを僕はなぜここに書いてきたか。ここが始まった6年前からしばらくはかなり気にしていたことだが、最近はあまりこれを書いたことがなかったと思いついて。

 僕がまだ学生の頃から、こんなことが当時の大学で当たり前であった左翼の世界の常識のように広く語られていた。「外では『民主的な夫』、家での実質は関白亭主。そんなのがごろごろ」。そういう男たちの政治論に接する機会があると、正直どこか斜めに構えて聞いていたものだ。どんな偉い左翼人士に対しても。レーニンの著作にたびたび出てくるこういった内容の言葉も、そんなわけでなぜか身に染みて受け取れたものだった。
「どんな有力な反動政治家の気の利いた名演説や、そういう反動政治方針よりも、恐るべきものは人々の生活習慣である」
 こういう僕の身についた感覚から僕の左翼隣人、いや人間一般を観る目も、いつしかこうなっていた。その人の言葉を聞いていてもそれをそのままには信じず、実は、言葉をも参考にしつつその人の実生活がどうかといつも観察していた。誤解されては困るが、これは人間不信というのではなくって、自分をも含んだ以下のような人間認識と言ってよい。人は一般に自分自身を知っているわけではなくって、自分の行為と言葉が知らずに自分にとって重大な矛盾をはらんでいることなどはいっぱいあるものだ、と。こういう人間観は実は、哲学をちょっとでもまじめに学んだことがある者の宿命でもあろう。哲学史は、自覚が最も難しくって大切なことだと語ってきたのだから。ソクラテスの「汝自身を知れ」、近代以降でもデカルトの「私は、思う(疑う)。そういう私も含めてすべてを疑う私こそ、まず第一に存在すると言えるものだ」などは、みなこれと同じことを述べているものだと解してきた。

 さて、だとしたら政治論だけやっている人が何か広く本質的に実のあることを語っているなんてことはないだろう。そんなのはリアリティーに欠けるからナンセンスということもあるし、「非現実的話」、「(無自覚なそれも含めて)私利を公利と語る詭弁」もはなはだしいことさえあるわけである。それでこうなる。生活も語ってほしい。その人の最も生活らしい生活と言える、好きなこと、文化活動なんかも知りたい。どういう人がその論を語っているかということもなければ、説得力不十分なのではないか、などなどと。
 もちろん、何を書いてもそれが文章である限りは嘘も書けるのだけれど、その人の実際や自覚のにおいのしない政治論だけの話よりはまだはるかにましだろうし、随筆なんかでもリアリティーのない文章は結構馬脚が現れているものだと、などなど、そういうことである。
 やがて、こんな風にも考えるようになった。幸せな活動が自分自身に実質希薄な人が人を幸せにするなんて?とか、人の困難を除くことだけが幸せと語っているに等しい人の言葉なんて?とか。そういう人を見ると今の僕は、まずこう言いたくなる。人の困難を除くよりもまず、自分、人生にはこれだけ楽しいことがあると子孫、周囲に実際に示して見せてよ、と。人生が生きるに値すると自ら示せなくって、どんな政治が語れるというのか、と。

 なお、以上は政治論だけをやっているのだと、人生の一断面の話だけしているという自覚がある誠実な論じ方ならばそれはそれでよく、五月蠅いことは言わない。だが、当時の左翼政治論壇では、こんなことさえ語られたのである。「歴史進歩の方向に沿って進むのが、人間のあるべき道である」と。つまり、政治と哲学が結びついていたのだ。それどころか、戦前から政治が文学や哲学や政治学、そういう学者たちの上位に君臨していたと言える現象のなんと多かったことか。
 そんなわけで僕は、当時では当たり前であった大学学生自治会には近づいたことがなかった。そして、左翼になってからもこの「政治優位哲学」には常に距離を置いていたものだった。これはなぜか僕の宿痾のようなものになっていた。かと言って、一見文化を重視しているかに見えたいわゆる新左翼には、僕は近づいた事はない。

 なお、こういう「公的な場所」に「私的な文章」を載せるなんて?という感覚も日本には非常に多いはずだ。こういう「公私の峻別」がまた、日本の公的なもののリアリティーをなくし、おかしなムラ社会、化け物みたいな政治家などを生んできたのではなかったか。公的発言に私的な事を入れると、まるで何か邪な意図があるに違いないとでも言うような、そして、私的なことはどうでも良いとでも言うような。逆に日本ではもっともっとこんな事が必要なのだろう。政治をもっと私的な事に引きつけて、随筆風に語ること。正真正銘の公私混同はいけないが、私の実際に裏付けられないような公(の言葉)は日本という国においてはそのままでは、こういったものと同等扱いされることも多いはずだ。自分の子供をエリートにするためだけに超高給をもらっているに等しい文科省官僚の公的発言、「貴男が男女平等を語っているの?」と連れ合いに冷笑される亭主。

 ややこしい内容を、舌足らずに書いたなと、自分でも隔靴掻痒。最近のここをお読み頂いている皆様にはどうか、意のある所をお酌み取り頂きたい。なお僕の文章はブログも同人誌随筆も、ほぼすべて連れ合いや同居に等しい娘にもしょっちゅう読んでもらっている。例えば、ハーちゃん随筆などは、彼らとの対話、共同生活の場所にもなっている。』
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ちょっと古い「ここ最近の書評紹介」    文科系

2017年12月30日 13時26分41秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 標記のことをやってみました。古い「ここ最近の書評紹介」です。このブログは、05年開始以来の全てのエントリーが読めます。書くエントリーに行き着く方法も、以下に紹介してあります。ここでは5冊の本の概要を紹介しています。


『 最近のここ、書評エントリー紹介 文科系 2015年09月29日

 このブログには読んできた本の要約、書評があります。最近のこれの紹介をしてみますね。

・チョムスキーが説く「イラク戦争」 2015年08月11日 
 集英社新書 ノーム・チョムスキー著「覇権か生存か アメリカの世界戦略と人類の未来」
・「プーチン 人間的考察」 2015年07月3日~10日に全6回
 藤原書店 木村汎著「プーチン 人間的考察」
・「暴露 スノーデンが私に託したファイル」  2014年06月4~5日に2回
 新潮社 グレン・グリーンウォルド著「暴露」
・「アジア力の世紀」の要約と書評  2014年05月08日
 岩波新書 進藤榮一著「」アジア力の世紀」
・水野和夫「資本主義は死期に突入」 2014年04月29日
 集英社新書 水野和夫著「資本主義の終焉と歴史の危機」

 上のものそれぞれの出し方はこうです。まず、右欄外のカレンダーの日にちから入る方法。カレンダー下の「バックナンバー」と書いた年月欄を、スクロール・クリックします。「14年4月」とか。すると、すぐ上のカレンダーが14年4月分に替わりますから、その29日をクリックして下さい。エントリー欄がその当日のエントリーだけに替わりますので、お求めの水野和夫「資本主義は死期に突入」をお読みいただけます。

 なお、書評などだけをエントリー画面に出すやり方もあります。右欄外の「カテゴリー」と書いた欄の9番目、「書評・番組・映画・演劇・美術展・講演など(75)」をクリックして下さい。やはり、エントリー本欄がこのカテゴリーの記事だけに替わります。そこからお求めのものをお読み願えます。
 そこに書いてある「75」という数字は、このカテゴリーの記事がこの10年で75本にのぼるということです。』
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書評 講談社「原発ホワイトアウト」    文科系

2017年12月29日 12時08分52秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 題名と話題性とに釣られて買ってみたこの本、当世こういう本が出るのかと、驚いた。いや、少々呆れたという驚きである。もっとも、売れれば良いという狙いからすれば、大当たりと言えよう。なんせ、時宜にかなっているし、本屋さんもホクホクと言っていた。作者はペンネームで「東京大学法学部卒、国家公務員1種試験合格、現在霞ヶ関の省庁に勤務」と説明があるのみ。内容はまーなんというか、劇画というのか漫画というか、これが最も適切な表現だろう。語り口など体裁から言って小説なのだが、構成と言い、人物設定と言い、なによりも筋書きや語り口が類型的過ぎて、稚拙。「内部告発小説」を売り物にして話題を呼んでいる本なのだが、原発事故をめぐる政治周辺は皆がもう知っていること。それに付け足したのが行政事務方などの仕組なのであるが、これも例えば政治記者などであれば既知の事実に毛の生えた程度のものだと思われるのである。

 粗筋はこういうもの。「保守党」政権が、選挙で負けた「民自党」に入れ替わり、原発再稼働が始まっていく様子、仕組を電力業界政治担当幹部、資源エネルギー庁次長、保守党幹事長の3人などを配して描いていくというのがこの作品の第一の側面だ。いわゆる原子力村がフクシマを乗り越えて復活していく「裏事情」描写と言える。もう一方の筋書きとして、これに抵抗する4人ほどの行動が描かれていく。一人は完全に山本太郎をモデルにした人物で、その名も山下次郎。今一人が「新崎県知事」とあり、彼を巡る出来事は現新潟県知事と佐藤栄佐久元福島県知事の冤罪事件逮捕との合成である(このブログには、佐藤栄佐久氏の著作「知事抹殺」の紹介拙稿があるから参照されたい。11年9月9,10,11,12,13と15日の6回連載になっている)。後の二人がまー主人公と見ても良いのだが、一人は元TV局アナウンサーで「再生可能エネルギー研究財団主任研究員」・玉川京子。30ちょっとの妖艶・魅惑の姿態という設定だ。今一人が「原子力規制庁総務課課長補佐」・西岡進。東大法学部卒体育会系で、貴族的な容姿の持ち主という作りになっている。この4人が、原子力ムラの復活もしくはその不条理部分に対してそれぞれの抵抗を試みるのだが、4人の内あとの3人の「抵抗」を細かく描き、彼等が逮捕されて終わるという筋書きになっている。金曜デモも経産省前テント村も出てくるし、玉川と西岡が逮捕されることになる事件も規制庁文書が電力業界へ事前漏洩されるという実際にあった事件を題材にしている。この二人の性的関係を通じてことが世間に公表されていく下りは、毎日新聞の西山記者の事件と同じで、このことはこの本自身の中にも書かれている。村木厚子事件も実名で出てくるのである。

 さて、二カ所だけ小説らしい箇所があり、ここの描写には力が入っていると感じた。不思議なことにこれが、最初のプロローグ5頁余と全19章の「終章」にだけ出てくる。それも最終章34頁のうちのたった3頁に。この8頁余は内容的には全ての結末になるのだが、他との関連が全くない言わば独立した部分とも言える。たった一人だけ上記登場人物と関連があることは以下に示すが、この8頁は小説作りに良くある「終わり方を後で『より劇的になるように』とってつけた」というやり方だと、愚考した次第だ。
 この8頁のプロローグの方では、大晦日の豪雪山の送電線鉄塔目指して二人の男が登っていく下りが描かれている。以降その意味は最終章になるまでさっぱり分からない。ただ、上記登場人物の内、電力業界政治担当幹部の昔の所業に恨みがある「関東電力」の元社員が雪山の二人の一方であって、会社に復讐しようとしているということだけは示されている。そして、終章。この二人は「新崎原発」の電気を送る二系統の50万ボルト高圧電線鉄塔を、二つながら破壊するという密命を帯びた二組のテロリストのうち一方なのである。この二人のうち元関東電力社員でない方は「大陸の共産党の国家保安部で訓練され、日本の同朋組織に潜入した工作員」であり、任務が終了した時に元関電社員を殺して自殺に見せかけ、「共和国は永遠なり!」と叫ぶという設定になっている。そして、フクシマと同じく新崎原発メルトスルー、新崎県と日本国の大混乱、その様子。これがこの小説の最終結末である。

 最初に少々呆れたというのはこういうことだ。実際の事件や背景らしきものに基づいて描いていくのだが、全てが類型的に過ぎて描写にリアリティーがないのである。小説としては構成以外はほぼ書き下しのやっつけ仕事と言っても良いと読んだ。その構成ですらが、原子力村の政官財と報道の誰でもが知っているような繋がり方を順に持ってきて、具体的場面にして描いただけのことである。電力料金から政治献金が行く。それが官僚を動かし、マスコミをも常時、厳しくチェックする。おまけに国民は何も知らぬげな「大衆」(この言葉が本書中に何回出てくるだろう)で、マスコミには「訳知り顔」形容を連発。
 結論として、フクシマと保守回帰を機会に原発事故を題材にしていち早く安易に金を儲けようとした著作としか思えなかった。まー近ごろ、こういう本もあるとは勉強になったことだった。ハードカバーの金1600円也。


(以上、13年11月13日当ブログ・拙エントリーの再掲です)
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書評「暴政」⑥ アメリカの暴政を憂う②  文科系

2017年12月13日 16時24分05秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 これは、この10月18~21日の4回に分けて内容紹介、書評を書いた、その6回目に当たるものだ。著者がトランプ誕生、支配のアメリカをどのような内容で憂えているか、これを昨日の5回目に続く今回のテーマとする。今回も、著者がポピュリスト・トランプに抱いている懸念に関わるいくつかの言動をこの本から挙げてみたい。20世紀のファシズム台頭史を念頭に置きつつ、トランプに抱く懸念である。

『候補者であった頃には、現大統領は、私設保安部隊に対し政治集会から反対者を排除するように命じましたし、そればかりか出席者たちにも、異論を唱える者たちは追い出せと促したものでした。よく見られた光景ですが、抗議の声を挙げる者は、はじめはブーイングに、それから「USA!」という血迷った叫びに曝され、そのあげく集会から力ずくで追い出されたものです。選挙戦のある集会では、現在大統領となっている候補者は、「くずがまだ残っている。追いだしたらどうかね。追い出しちまえよ」と煽りました。それを合図に聴衆は、反対者と思われる者たちの退治にかかりました。その間ずっと「USA!」と叫びながらでした。候補者はふいと言葉を挟みました。「この方がいつもの退屈な集会より、もっと面白いんじゃないかね? 私には面白いがね」。この種の暴徒化した聴衆による暴行は政治的な雰囲気を変えようとして行われたのですが、何と実際に雰囲気を変えることができたのでした
(第6レッスン「準軍事組織に警戒せよ」から)

『現大統領は選挙運動中、ロシアのプロパガンダ・メディアのインタビューを受けて、アメリカの「メディアはこれまで信じられないほど不正直だった」と主張しました。彼は選挙戦の集会からたくさんのレポーターを締め出しましたし、定期的に一般の人間たちからジャーナリストへの憎悪を引き出しました。権威主義体制の指導者たちと同じで、彼は批判を封じ込める法律を導入することで言論の自由を抑圧してやると公約しました。ヒトラーと同じで、現大統領は「嘘」という語を、自分の好みに合わない事実が述べられることを指すのに用いましたし、ジャーナリズムのことは、自分に反対するキャンペーンとして描いたのです。現大統領は、膨大な人数に彼が伝える誤った情報のソースとなっているインターネットとの相性の方が、メディアとの相性よりも良いのです』
(第11レッスン「自分で調べよ」から)

『ロシアにアメリカの大統領選挙に介入するよう訴えるのは、愛国心に悖ります。選挙戦の集会でロシアのプロパガンダを引用するのは、愛国心に悖ります。ロシアのきなくさい新興財閥と同じコンサルタントを使うのは、愛国心に悖ります。ロシアのエネルギー会社に出資している者に外交政策の助言を求めるのは、愛国心に悖ります。ロシアのエネルギー会社に雇われている者によって書かれた外交政策のスピーチを読み上げるのは、愛国心に悖ります。ロシアのプロパガンダ機関から金を受け取っていた者を国家安全保障担当補佐官に任命するのは、、愛国心に悖ります。ロシア=アメリカ合弁のエネルギー会社の長であり、プーチンから「友好勲章」を受け、ロシアの金融筋ともつながっている巨大石油会社のCEOを国務長官に任命するのは、愛国心に悖ります。』
(第19レッスン「愛国者たれ」から)
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書評「暴政」⑤ アメリカの暴政を憂う  文科系

2017年12月12日 06時02分00秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 これは、この10月18~21日の4回に分けて内容紹介、書評を書いた、その5回目に当たるものだ。著者がトランプ誕生、支配のアメリカをどのような内容で憂えているか、これを今回のテーマとする。
 ただし、この本の輪郭をもう一度書いておく。10月18日第一回の記述と重複するが。

 今日から4回に分けて標記の本の内容紹介と書評をする。米イエール大学のティモシー・スナイダー教授の著作で、副題として「20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン」とあった。なおこの著者は1969年生まれの歴史学者で、「中東欧史、ホロコースト史、近代ナショナリズム研究」が専門と紹介されてあった。この著作はこの2月に発行されて以降すでに世界40か国に翻訳されている世界的なベストセラーで、慶應義塾大学出版会発行の訳による。

 書名副題の通り20のレッスンがあるが、20それぞれの表題に添えて初めに、その内容の著者自身による要約がなされている。よって、その要約を原文のまま紹介していくというやり方を取るが、第1回目の今回は「20のレッスン」の題名全部、つまり目次を書き揃えておく。
『 プロローグ 歴史と暴政
1 忖度による服従はするな
2 組織や制度を守れ
3 一党独裁国家に気をつけよ
4 シンボルに責任を持て
5 職業倫理を忘れるな
6 準軍事組織には警戒せよ
7 武器を携行するに際しては思慮深くあれ
8 自分の意志を貫け
9 自分の言葉を大切にしよう
10 真実があるのを信ぜよ
11 自分で調べよ
12 アイコンタクトとちょっとした会話を怠るな 
13 「リアル」な世界で政治を実践しよう 
14 きちんとした私生活を持とう
15 大義名分には寄付せよ
16 他の国の仲間から学べ
17 危険な言葉には耳をそばだてよ
18 想定外のことが起きても平静さを保て
19 愛国者たれ
20 勇気を振りしぼれ
エピローグ 歴史と自由 』

 さて、この著者はトランプ大統領治世をどう描いているか。これが、この本を書く動機となった恐ろしい危機感なのである。それも、以下のように「20世紀の歴史から学んでトランプを見ると・・」というものだ。

『20世紀のヨーロッパ史が私たちに教えてくれるものは何かと言えば、社会が破綻するのも、民主制が崩壊するのも、道義が地に墜ちるのも、普通の男たちが銃を構えて死の穴の縁に立つのも、何もかもありうるのだということです』

『こんにちのアメリカ人は、20世紀に民主主義がファシズム、ナチズム、共産主義に屈するのを眺めていたヨーロッパ人よりも聡明なわけではありません。私たちにとって一つ有利な点を挙げれば、私たちがそうした二〇世紀のヨーロッパ人の経験から学べるだろうということです』
(以上、「プロローグ」より)

真実は四つのやり方で消滅します。そのどれをも、今回のアメリカの大統領選挙で私たちは目撃したばかりなのです
 最初のやり方。実証できる事実に対し公然と敵意を剥き出しにし、作り事と嘘とをあたかも事実であるかの如く提示するという形をとります。現大統領はこれを、並外れた比率とペースとで行っています。2016年の選挙運動中に彼の発言の追跡が行われましたが、彼が事実と主張するものの七八パーセントは虚偽であることがわかりました。・・・・現実の世界を貶めることは、「異世界」を生み出す端緒となるのです』

『二番目のやり方 。シャーマニズム的な「呪文」です。・・・現大統領が「嘘つきテッド」とか「不正直ヒラリー」とかの渾名を几帳面に使うのは現大統領自身に添えるのがさらに適当なはずの人格的特性をどこかに消し去ってしまう効果がありました』

『三番目のやり方。因果関係が正当化できない物事に原因を求める思考方法である「マジカルシンキング」、つまり、矛盾をてらいもなく一緒くたにすることです。現大統領の選挙運動は、誰にとっても減税となり、国の債務を無くし、社会福祉にも国防にもどちらにも支出を増やすと言った公約を盛り込んでいました。こうした公約は互いに矛盾したものです』

『四番目の最後のやり方。筋の通らぬ、信仰と言ってもよい信頼です。これには、現大統領が「私だけがそれを解決できる」とか「君らを代弁するのは私だ」と言った場合の自己神格化した主張の類も含まれています。信仰と言っても良い信頼がこんな風に天から地に降りてきてしまったら、私たちの個人的な洞察力や経験というささやかな真実の入る余地もなくなってしまいます』
(以上は、第10レッスン「真実があるのを信ぜよ」より)

 なお、この著作については今後も、折に触れて部分抜粋などしていきたいと考えています。
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書評 金融グローバリゼーションということ ②  文科系  

2017年11月01日 11時30分46秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 中公新書、ロナルド・ドーア著「金融が乗っ取る世界経済 21世紀の憂鬱」(2011年10月初版)の要約を行っている。同書が以下の3部に別れているのに合わせて。「金融化現象とは何か」、「これにより、社会、政治、教育などがどう変わるか」、「各国、国際機関による、これの弊害是正、金融改革の試み」である。今回はその第一部の要約とする。

 ただこの本、非常に難解である。最大の特長が21世紀日本経済(ある過渡期)の最新・最大テーマということなのだが、なんせ、日本語の達人と言っても外国人が書いた日本語。やはりどこか違うと言わざるを得ない。時に省略、時に冗長と、言葉の選択が普通の日本語とは違う。これに研究対象の難しさも加わったこの難物を、順不同、勝手に要約していく。

 第一部の目次はこうなっている。①金融化ということ、②資本市場の規模拡大、③実体経済の付加価値の配分、④証券文化の勃興、と。

 金融化について、ある人の要約が紹介される。『国際国内経済で、金融業者、企業の役割や、一般人の金融志向が増していく過程』。この「増していく」の中身は、こういうもの。社会の総所得における金融業者の取り分が増えたこと。貯蓄と企業との関係で金融業者の仲介活動が急増したこと。株主資本主義。政府がこの動向を国際競争力強化の観点から促進してきたこと

 米企業利益のうち金融利益の割合が、1950年代までは9・5%であったものが急増して、02年には41%と示される。その後非金融業の巻き返しがあってやや減少期があったものの、2010年度第一四半期はまた36%まで来たとあった。サブプライムバブルの膨張・破裂なんのそのということだろう。

 次は、こうなった仕組みとして、金融派生商品の膨張のこと。
 著者は先ず、シカゴ豚肉赤味の先物市場投資額を、急増例として示す。初めの投資総額はその豚肉生産総費用にもみたぬものであったが、これが、生産費用とは無関係に爆発的急増を示すことになる。1966年の先物契約数が8000だったものが、2005年に200万を超えるようになったと。そして、これも含んだ金融派生商品全体のその後の急増ぶりがこう説明される。2004年に197兆ドルだった国際決済銀行残高調査による派生商品店頭売り総額が、2007年には516兆ドルになっていると。この期間こそ、08年に弾けることになったサブプライム・バブルの急膨張期なのである。同じ時期の現物経済世界取引総額とのこんな比較もあった。同じ2007年4月の1日平均金融派生商品契約総額が3・2兆ドルだが、これは世界のこの月の1日実体経済貿易総額(320億ドル)の実に100倍であると。

 これほど多額の金融派生商品の売買は、証券化という技術が生み出したものだ。
 証券化の走りは売買可能な社債だが、『住宅ローンや、消費者金融の証券化、様々な方法で負債を束ね「パッケージ」にして、低リスク・高リスクのトラッシュ(薄片)に多様に切り分けて売る証券や・・』というように進化していった。リスクが大きいほど儲かるときの見返りが大きいという形容が付いた例えばサブプライム債券組込み証券(の暴落)こそ、リーマン破綻の原因になった当の「パッケージ」の一つである。
 そんな金融派生商品の典型、別の一つに、これに掛ける保険、クレディット・デフォルト・スワップ(CDS)という代物がある。この性格について、有名な投資家ジョージ・ソロスが「大量破壊兵器」と語っているとして、こう紹介される。
『ゼネラル・モータースなどの倒産を考えよ。その社債の持ち主の多くにとって、GMの再編より、倒産した場合の儲けの方が大きかった。人の生命がかかった保険の持ち主に、同時にその人を打ちのめす免許を持たせるようなものだ』
 まさに「(会社再建よりも)打ちのめした方が儲かる」というCDSの実際が、投資銀行リーマン・ブラザースの倒産でも、見事に示された。倒産時のリーマン社債発行残高は1,559億ドルだったにもかかわらず、その社債へのCDS発行銀行の債務総額は4,000億ドルだったのである。社債を実際に持っている者の保険と言うよりも、単なるギャンブルとしての約束事だけの保険のほうが2・5も大きかったということになる。約束事だけへの保険ならば、競輪競馬に賭けるようなもので、無限に広がっていく理屈になる。

 こうして、こういうギャンブル市場がどんどん膨張していった。政府も国際競争力強化と銘打って証券文化を大いに奨励した事も預かって。各国年金基金の自由参入、確定拠出年金・・・。これらにともなって、機関投資家の上場企業株式所有シェアがどんどん増えていく。1960年アメリカで12%であったこのシェアが、90年には45%、05年61%と。そして、彼らの発言力、利益こそ企業の全てとなっていった。
「経営者資本主義から投資家資本主義へ」
そういう、大転換英米圏で起こり、日本はこれを後追いしていると語られる。

 この大転換の目に見えた中身は語るまでもないだろう。企業から「金融市場への支払い」が、その「利益+減価償却」費用とされたキャッシュ・フロー全体に占める割合の急増。アメリカを例に取ると、1960年代前半がこの平均20%、70年代は30%、1984年以降は特に加速して1990年には75%に至ったとあった。
 彼らの忠実な番犬になりえた社長は彼らの「仲間」として莫大なボーナスをもらうが、「企業の社会的責任。特に従業員とその家族、地域への・・」などという考えの持ち主は、遺物になったのである。こうして、米(番犬)経営者の年収は、一般社員の何倍になったか。1980年には20~30倍であったものが、最近では彼の年金掛け金分を含んで475倍平均になっている。その内訳で最も多いのは、年当初の経営者契約の達成に関わるボーナス分である。全米の企業経営者がこうして、番犬ならぬ馬車馬と化したわけだ。

「証券文化」という表現には、以上全てが含意されてあるということだ。企業文化、社長論・労働者論、その「社会的責任」論、「地域貢献」論、「政治家とは」、「政府とは・・?」 「教育、大学とは、学者とは・・?」、そして、マスコミの風潮・・・。


(二部、三部に続く。ただし、ぱらぱらと。つまり、それぞれの間がかなり空くと思います)
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書評「暴政」 ④  文科系

2017年10月21日 09時30分50秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
米イエール大学のティモシー・スナイダー教授の著作、副題「20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン」の要約最終回である。なおこの著者は1969年生まれの歴史学者で、「中東欧史、ホロコースト史、近代ナショナジズム研究」が専門と紹介されてあった。この2月に発行されて以降すでに世界40か国に翻訳されている著作だ。世界的なベストセラーということだろう。
書名副題の通り20のレッスンがあるが、20それぞれの表題に添えて初めに、その内容の著者自身による要約がなされている。よって、その要約を原文のまま紹介していくというやり方を取る。

14 きちんとした私生活を持とう
卑劣な支配者たちは、あなた方についての情報を、あなた方を好き勝手にするために用いるものです。定期的に悪意のあるソフトウエア、略して「マルウェア」をあなた方のコンピューターから取り除きましょう。Eメールは、空中に文字を描くようなものだということを忘れてはいけません。インターネットを違った形で使うこと、あるいは単純にもっと使用頻度を少なくすることを考えてみることです。じかに個人的な交流を持つことです。同じ理由から、法的なトラブルはどんなものでも解決しておくこと。暴君は、あなた方を鉤に吊してがんじがらめにしようとします。そんな鉤とは無縁でいることです。

15 大義名分には寄付せよ
政治的なものとそうでないものとを問わず、あなた自身の人生観を表している組織においては積極的であってください。慈善活動を一つか二つ選んで、自動引き落としを始めることです。そうすれば、あなた方は、シビルソサイエティ(政府、企業、血縁関係以外のさまざまな団体や組織。また、そうした民間組織が公共を担う領域)を支援し、他の者が善をなす手助けをするという、自発的な選択を行ったことになるのですから。

16 他の国の仲間から学べ
国外の友人との友情を保ちましょう。また外国に新しい友人もつくりましょう。アメリカ合衆国の現在の窮状は大きな潮流の一部に過ぎません。そしてどんな国であれ自国だけで解決法を見出せはしないのです。あなた方も家族も、必ずパスポートを持っていてください。

17 危険な言葉には耳をそばだてよ
「過激主義」とか「テロリズム」といった言葉が使われるのには警戒してください。「非常時」とか「例外」といった由々しい観念には敏感でいてください。愛国的な語彙の、実際には祖国への背信につながる使い方には憤ってください。

18 想定外のことが起きても平静さを保て
現代の暴君は「テロの操作」を行います。テロリストの攻撃があったときには、権威主義的支配者は権力を強固にするためにそうした出来事を利用しようとすることを忘れてはいけません。思いがけない大惨事により「チェックアンドバランスの終焉、野党の解体、表現の自由や公正な裁判を受ける権利などの停止」といったものが要求されるとしたら、それはヒトラーの書物にもあって、策略としてははなはだ古いものです。そんなものには引っかからないこと!

19 愛国者たれ
来るべき世代のために、アメリカが持つ意味について良き手本となってください。彼ら彼女らにはそうした手本が必要となりますから。

20 勇気を振りしぼれ
仮に私たちのうちの誰一人自由のために死ぬ気概がなければ、私たち全員が暴政のもと死すべきさだめとなるのです。

 なお、この著作のプロローグとエピローグそれぞれの題名をもう一度掲げておくと、「歴史と暴政」、「歴史と自由」となっている。


 最後に書評を少少。
 アメリカの心ある人々の中でこういう論議が始まったと知ることができたのは、勇気づけられることだった。また、日本以上に戦争政策やファッショ的傾向が著しいと、そんな切迫感がアメリカの心ある人には抱かれているのだろうとも感じられた所である。確かに、日本に伝えられるアメリカは、嘘の理由を創りだして国民を熱狂させて開戦したイラク戦争、今尚アフガン、シリアから手を引かぬ姿勢などであって、それらへの日本参加を要請するばかりである。折りしも、独善丸出しの偏狭ナショナリズムに凝り固まったような大統領の誕生! これはその後に書かれた著作である。トランプは今こう叫んでいる。
「北朝鮮は完全に破壊する」。
この声自身が国連法違反なのではないか。核開発が国連の約束に反しているにしても、あの首領がどれだけ酷い奴で、これを倒すべきだというのは、各国の内部問題である。国連法ではそういうことにしかならないものである。
 この国連法を無視して、他国が内部問題に武力干渉する「革命の輸出」こそ、戦争を世界に広げる愚行と言うべきである。関連死含めて50万を越える死者と膨大な難民とを出したイラク戦争の愚行を忘れてはならない。
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書評「暴政」 ③  文科系

2017年10月20日 00時58分57秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 書評「暴政 20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン」の3回目である。著者はアメリカ・イエール大学のティモシー・スナイダー。「中東欧史、ホロコースト史、近代ナショナリズム研究」を専門とする歴史学者とあった。第1回目は目次を掲げたが、2回目以降は、20のレッスン題名と、その各冒頭に著者自身が付した概要説明を3回に分けてご紹介している。
 第1回目にも述べたことだが、2月に発行されたこの原著は、既に世界40か国語に翻訳されているという。

7 武器を携行するに際しては思慮深くあれ
仮にあなたが公務にあって武器を携行しなければならないとしたら、神のご加護がありますように! けれど次のことはわきまえておいてください。過去の悪には、とある日に不法な行為に手を染めてしまった警察官や軍人が関わっていたということを。「ノー」と言える心構えをしていてください。

8 自分の意志を貫け
誰かが自分の意志を貫く必要があります。誰かの後についていくのは簡単なことです。他の人間と違ったことを行ったり口にしたりすると、奇妙な感じを覚えるかもしれません。けれど、その居心地の悪さがなければ、自由もなくなるのです。ローザ・パークス婦人のことを思い出してください。あなた方が良い手本を示せば、すぐに現状の呪いは解け、他の人たちが後をついてくるようになります。

9 自分の言葉を大切にしよう
言い回しをほかのみんなと同じにするのはやめましょう。誰もが言っていることだと思うことを伝えるためだけだとしても自分なりの語り口を考えだすことです。努めてインターネットから離れて下さい。読書をすることです。

10 真実があるのを信ぜよ
真実である事実を放棄するのは自由を放棄することです。仮に何一つ真実たりうるものがなかったなら、誰一人権力を批判できないことになってしまいます。批判しようにも根拠がなくなるからです。仮に何一つ真実たりうるものがなかったなら、すべては見せ物になってしまいます。誰よりもふんだんに金を使った者が、誰よりもよく人々の目を眩ますことができるのです。

11 自分で調べよ
自分でものごとを解き明かしてください。長い記事や論説を読むのにもっと時間を割いてください。紙媒体のメディアを定期購読することで、調査するジャーナリズムを財政的に支えてください。インターネットに出てくることのいくらかは、あなた方に害をなすためにそこにあるのだということを理解することです。(中には国外からのものもある)プロパガンダ活動を検証するサイトについて、知っておくことです。他の人とやりとりする内容については、責任を持ちましょう。

12 アイコンタクトとちょっとした会話を怠るな 
礼儀というだけではありません。市民であり社会の責任ある成員であることの重要な部分なのです。周囲と接触を保ち、社会的なバリアを崩し、誰を信頼し誰を信頼してはならないかを理解するための方法でもあります。私たちが告発や公然たる非難が当たり前になる時代に入っていくころだとしたら、あなた方は、日常生活で心に映る光景がどのようなるかを知りたくなることでしょう。

13 「リアル」な世界で政治を実践しよう 
権力はあなた方が椅子にだらしなく座り、感情を画面に向けて発散することを望んでいます。外へ出ましょう。身体を見知らぬ人たちのいる見知らぬ場所に置くのです。新しい友人をつくり一緒に行進するのです。

(もう一回、続く)
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書評「暴政」 ②   文科系

2017年10月19日 12時20分42秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 書評「暴政 20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン」の2回目である。著者はアメリカ・イエール大学のティモシー・スナイダー。「中東欧史、ホロコースト史、近代ナショナリズム研究」を専門とする歴史学者とあった。第1回目は目次を掲げたが、2回目以降は20のレッスンの各冒頭に著者自身が付した概要説明を3回に分けてご紹介したい。
 第1回目にも述べたことだが、2月に発行されたこの原著は、既に世界40か国語に翻訳されているという。

1 忖度による服従はするな
権威主義の持つ権力のほとんどは、労せずして与えられるものです。現在のような時世においては、個人は予め、より抑圧的になるだろう政府が何を望むようになるかを忖度し、頼まれもしないのに身を献げるものです。このようにして適応しようとする市民は、権力に対して、権力にどんなことが可能かを教えてしまうのです。

2 組織や制度を守れ
私たちが品位を保つ助けとなっているのは組織や制度なのです。また、組織や制度の方でも私たちの助けを必要としています。組織や制度のために活動することでその組織や制度をあなた方のものとするのではないかぎり、「自分の組織」とか「自分の制度」などとみだりに口にしてはいけません。組織や制度は自分の身を自分では守れません。あなた方と組織や制度とが最初から守り合うのでなければ、お互いは駄目になっていくのです。だから、気にかける組織や制度を一つ選んでください。法廷、新聞、法律、労働組合──何でもよいですからそれの味方になることです。

3 一党独裁国家に気をつけよ
国家を改造し、ライバルを抑圧した政党も、出発時点から強大な権力を有していたわけではありません。そうした政党は、敵対者たちの政治活動を不可能にするために、歴史的瞬間とやらを巧みに利用したのです。よって、複数政党制を支持し、民主的な選挙のルールを守ることです。投票ができているあいだは、地方選挙でも国政選挙でも投票することです。公職に立候補することも考えて欲しいですね。

4 シンボルに責任を持て
こんにちシンボルに過ぎないものが、明日には、現実をもたらしうるのです。スワスチカ(ハーケンクロイツとも鉤十字とも呼ばれますね)をはじめヘイトの徴(しるし)に気をつけましょう。視線をそらしてはいけないし、それらに慣れてもいけません。あなた自身でそれらを片づけ、他の者が見習うような手本となってください。

5 職業倫理を忘れるな
政治指導者が良くない例しか示さないときには、専門職が正しい業務を果たすことがより重要になってきます。法曹家ぬきでは法の支配に則った国家を転覆させることはそうそうできませんし、刑事抜きで見せしめの裁判を開廷するわけにはゆかないのですから。権威主義的支配者は従順な公務員を必要としますし、強制収容所長たちは安価な労働力に関心を持つ実業家を探し求めるものです。

6 準軍事組織には警戒せよ
これまでずっと体制には反対だと主張してきた銃を持った人間たちが、制服を着用し、松明(たいまつ)や指導者の写真を掲げて行進し始めると、終わりは近いのです。指導者を崇める準軍事組織と警察と軍隊がないまぜになると、すでに終わりがきています。

(続く)
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書評「暴政」①  文科系

2017年10月18日 18時49分46秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 今日から4回に分けて標記の本の紹介と書評をする。米イエール大学のティモシー・スナイダー教授の著作で、副題として「20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン」とあった。なおこの著者は1969年生まれの歴史学者で、「中東欧史、ホロコースト史、近代ナショナジズム研究」が専門と紹介されてあった。

 この著作はこの2月に発行されて以降すでに世界40か国に翻訳されているという。世界的なベストセラーということだろう。以下は慶應義塾大学出版会発行の訳によるものだ。

 書名副題の通り20のレッスンがあるが、20それぞれの表題に添えて初めに、その内容の著者自身による要約がなされている。よって、その要約を原文のまま紹介していくというやり方を取るが、第1回目の今回は「20のレッスン」の題名全部、つまり目次を書き揃えておくことにする。

プロローグ 歴史と暴政
1 忖度による服従はするな
2 組織や制度を守れ
3 一党独裁国家に気をつけよ
4 シンボルに責任を持て
5 職業倫理を忘れるな
6 準軍事組織には警戒せよ
7 武器を携行するに際しては思慮深くあれ
8 自分の意志を貫け
9 自分の言葉を大切にしよう
10 真実があるのを信ぜよ
11 自分で調べよ
12 アイコンタクトとちょっとした会話を怠るな 
13 「リアル」な世界で政治を実践しよう 
14 きちんとした私生活を持とう
15 大義名分には寄付せよ
16 他の国の仲間から学べ
17 危険な言葉には耳をそばだてよ
18 想定外のことが起きても平静さを保て
19 愛国者たれ
20 勇気を振りしぼれ
エピローグ 歴史と自由

(続く)
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「新聞の責任かみしめる」???  文科系

2017年08月28日 14時07分01秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 28日の中日新聞に表記「 」の社説があった。「責任」?? というのはちょっと偉そうな言葉に聞こえる。自分で「公器」と語る場合と同じような、ある抵抗感を僕は覚えたのである。日頃感じてきた「それら」を、公憤という形で、ちょっと辛口の現代新聞批評を書いてみよう。

① まず、スポーツ欄が野球ばかり。野球が2面に対して、他のスポーツをまとめて1面という感じさえ存在する。これは言わば、こういう利権絡みとさえ言えないか。読売、中日、毎日など、現在、過去の新聞社が野球球団運営に携わってきた歴史は誰でも知っている。そういう野球だけを特別扱いをするのでは、「公器」と言えるのか? ちなみに、この野球界をば、放映料金など読売が牛耳っているやに見えるのも、僕の公憤に火を付けるのである。ちょうど、スペインのサッカー界が、バルサ、レアルにだけ放映権料が多く入り、他を圧しているような。

② 宗教欄もおかしい。宗教欄に無宗教つまり無神論も載せてしかるべきだろう。でなければ、進化論を教えず聖書の創世記だけを教えるアメリカのかなりの州の現行教育を笑えないはずだと、僕などは思うのである。
 以下の④芸能欄の偏りとともに、宗教や芸能など文化面の記者を大胆に若手に替えるべきなのだろう。年寄りは自分が学んで来たことにどうしても固執するものだから。

③ 芸能欄もおかしい。歌舞伎や能など古典芸能に割くページが非常に多いと感じる。あんなものをかなりの分量で今時定期的に読ませるって、一体どういう読者を想定しているのか。まるで、「そういう記者」の延命策か自己満足かと、そう語ったらどう返すのだろう。ご自分が若い頃に仕入れた専門知識をば、時代が変わった今もご披露し続けたい? 因みに僕は「世襲文化」というものが大嫌いである。友人の尺八吹きが語っていた。
「あの師匠が死んだら、僕よりもはるかに下手なあの息子が俺の先生になるのかナー?」 

④ 地球がとても小さくなった国際化の時代である。にしては、外信ニュースが非常に少なく、いつもたった1面分。南米、アフリカにはそもそも、特派員が居るのかさえ疑わしいのである。他方で、金融が跋扈する新自由主義と結びついたナショナリズムが蔓延しているやの世界に対してわが国は狭い島国。これでは今必要な世界史的抵抗力を育てられず、国の発展も国連の発展などにも、世界への民主的貢献もおぼつかないというもの。つまり「新時代の公器失格」である。

⑤ そして最後に最近目に余るのが「新聞の自己宣伝記事」の多さ。「新聞を公教育に使え」という自己主張記事とも言えるから、これは公器をはみ出している。屁理屈付けて強引挿入している自己宣伝広告記事とさえ思うこともある。
 斜陽の活字文化の生き残り策の一つなのだろうが、この消費不況で営業はどこも非常に厳しい。そういう読者を尻目に、己の上記①~④の狭さを外って置いてこんな自己宣伝紙面を読者に買わせるのでは、随分身勝手も良い所だと叫びたい。
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