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書評「暴政」 ③  文科系

2017年10月20日 00時58分57秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 書評「暴政 20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン」の3回目である。著者はアメリカ・イエール大学のティモシー・スナイダー。「中東欧史、ホロコースト史、近代ナショナリズム研究」を専門とする歴史学者とあった。第1回目は目次を掲げたが、2回目以降は、20のレッスン題名と、その各冒頭に著者自身が付した概要説明を3回に分けてご紹介している。
 第1回目にも述べたことだが、2月に発行されたこの原著は、既に世界40か国語に翻訳されているという。

7 武器を携行するに際しては思慮深くあれ
仮にあなたが公務にあって武器を携行しなければならないとしたら、神のご加護がありますように! けれど次のことはわきまえておいてください。過去の悪には、とある日に不法な行為に手を染めてしまった警察官や軍人が関わっていたということを。「ノー」と言える心構えをしていてください。

8 自分の意志を貫け
誰かが自分の意志を貫く必要があります。誰かの後についていくのは簡単なことです。他の人間と違ったことを行ったり口にしたりすると、奇妙な感じを覚えるかもしれません。けれど、その居心地の悪さがなければ、自由もなくなるのです。ローザ・パークス婦人のことを思い出してください。あなた方が良い手本を示せば、すぐに現状の呪いは解け、他の人たちが後をついてくるようになります。

9 自分の言葉を大切にしよう
言い回しをほかのみんなと同じにするのはやめましょう。誰もが言っていることだと思うことを伝えるためだけだとしても自分なりの語り口を考えだすことです。努めてインターネットから離れて下さい。読書をすることです。

10 真実があるのを信ぜよ
真実である事実を放棄するのは自由を放棄することです。仮に何一つ真実たりうるものがなかったなら、誰一人権力を批判できないことになってしまいます。批判しようにも根拠がなくなるからです。仮に何一つ真実たりうるものがなかったなら、すべては見せ物になってしまいます。誰よりもふんだんに金を使った者が、誰よりもよく人々の目を眩ますことができるのです。

11 自分で調べよ
自分でものごとを解き明かしてください。長い記事や論説を読むのにもっと時間を割いてください。紙媒体のメディアを定期購読することで、調査するジャーナリズムを財政的に支えてください。インターネットに出てくることのいくらかは、あなた方に害をなすためにそこにあるのだということを理解することです。(中には国外からのものもある)プロパガンダ活動を検証するサイトについて、知っておくことです。他の人とやりとりする内容については、責任を持ちましょう。

12 アイコンタクトとちょっとした会話を怠るな 
礼儀というだけではありません。市民であり社会の責任ある成員であることの重要な部分なのです。周囲と接触を保ち、社会的なバリアを崩し、誰を信頼し誰を信頼してはならないかを理解するための方法でもあります。私たちが告発や公然たる非難が当たり前になる時代に入っていくころだとしたら、あなた方は、日常生活で心に映る光景がどのようなるかを知りたくなることでしょう。

13 「リアル」な世界で政治を実践しよう 
権力はあなた方が椅子にだらしなく座り、感情を画面に向けて発散することを望んでいます。外へ出ましょう。身体を見知らぬ人たちのいる見知らぬ場所に置くのです。新しい友人をつくり一緒に行進するのです。

(もう一回、続く)

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3 コメント

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どうでしょう? (文科系)
2017-10-20 13:09:34
 どうでしょう、みなさん!
 
 僕は安倍政権の今って、こういう暴政の特徴をどんどん強めていると思うのですが。
 そもそも「困難突破解散」という掛け声がおかしい、デマに近い。北朝鮮は、自らは攻めて来られないのだし、日本の将来を揺るがす少子化問題は自分らが作ったものではないか。
 また、アメリカだけが戦争を起こしているような世界において軍事強化って、アメリカの尖兵、補完軍事勢力としか考えられないのである。なんせ、イスラムテロでさえ、アメリカのアフガン戦争、イラク戦争と、シリア内乱工作が起こしたものなのだから。

 真実があると信じて、本、活字を読み、自分で調べて、自分の言葉を語ろうではないか!
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Unknown (sica)
2017-10-20 17:22:21
>また、アメリカだけが戦争を起こしているような世界において軍事強化って、

「アメリカだけ」って、本当に世界のニュースを読んでいるのか甚だ疑問を感じます

サウジによるイエメンへの武力介入
イエメンではサウジとイランの代理戦争となっています

ロシアによるシリアへの無差別空爆
さらにロシアによるウクライナ東部への侵略・ロシアによる武力によるクリミア併合なんて、まるで帝国主義時代に戻ったかのような領土拡大政策です
ロシアによる武力による領土拡大政策は、まさにパンドラの箱を開けたようなものです

というか、軍事強化って、安倍政権でも防衛費はGDP比で1%と、これまでと大差ないのですが
返信する
戦争の震源 (文科系)
2017-10-20 19:29:12
 サウジも、イスラエル共々、アメリカの傘下のようなもの。世界一の軍事大国が戦争政策を止めて、世界平和のために出来た国連法の先頭に立てば、属国などは大人しくなるだろうというのが、僕の主張です。それができれば、地上から戦争がより早くなくなると。
 かなり長い先を見た課題ですが、アメリカの力もどんどん落ちているからこその「内向き」、不可能とは考えません。アメリカの政治家や、知識人にも、そういう考え方の人々がどんどん増えています。今紹介中の「暴政」の著者も、ここで何度も紹介しているチョムスキーも、前回米大統領選挙民主党候補としてクリントンを脅かしたバーニー・サンダースも多分そうでしょう。

【ロシアによるシリアへの無差別空爆】
 これは駄目です。国連が認めた独立国の要請で、反乱軍を鎮圧するとしたら、日本安保条約でも合法でしょう。国連法で認められた集団的自衛権です。むしろ、アメリカのシリア軍基地へのミサイル攻撃とか、公然たる反乱軍支援こそ国際法違反と観るべきです。
 そういう国連法上の正論が日本マスコミにほとんど無いことこそ、僕には不思議です。
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