OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ジャムセッションのジャズっぽい魅力

2009-03-09 12:13:34 | Jazz

Norman Granz' Jam Session #2 (Mercury  Verve)

最近の永田町の見苦しさ、汚泥の中でのもがきは情けないかぎり……。自民党も民主党も内部から汚れを除去しようとしない姿勢は、世界に恥を晒しているのと同じだと思います。

もちろん政治は綺麗事だけでは出来無いし、そういう世の中の汚れを引き受けるのが政治家という側面は認めています。しかし清廉な姿勢を貫き、目指すことをやめてしまったら、後はもう……。

あんなに堂々と居直ったり、信じてもいない身内を庇う猿芝居は哀しいですよ。

それを取り巻くマスコミも、知っていながら書かない事実を、さもありなんと後で言いつのるバカ丸出し!

こんな「なあなあ」のやり方には嫌気がさすばかりですから、おなじ混濁の中からリアルな熱気と創造性が楽しめるジャムセッション物を聴きたくなるのが、サイケおやじの正直な気持ちです。

そこで本日は、これを出してきました。

ご存じ、大物対決がお好みというプロデューサの名前を冠したノーマン・グランツのジャムは、実に美味しいですねぇ~♪ これは同タイトルのスタジオセッション第2集です。

録音とメンバーのデータは第1集と同じく、1952年の6月か7月のある日、スタジオにはチャーリー・シェイヴァース(tp)、ベニー・カーター(as)、ジョニー・ホッジス(as)、チャーリー・パーカー(as)、フリップ・フィリップス(ts)、ベン・ウェブスター(ts)、オスカー・ピーターソン(p)、バーニー・ケッセル(g)、レイ・ブラウン(b)、J.C.ハード(ds) というオールスタアズが集結しています。

A-1 What Is Thing Called Love
 ジャズでは定番のスタンダード曲ですから、各参加メンバーは手慣れた中にも得意技を出しまくった腕比べになっています。
 まずはイントロからテーマをフェイクしつつ、実に豪快なアドリブでペースを設定するオスカー・ピーターソンが最高! 湧き出るインスピレーションと動きすぎる指のコンビネーションが、早くも完璧なジャストミートの大ホームラン♪♪~♪
 続くベン・ウェブスターの力んだテナーサックスは、強靭なリズム隊に煽られながらもグイノリの心地良さですし、些か古めかしいチャーリー・シェイヴァースも、こういうアップテンポでは結果オーライでしょうねぇ~♪ 背後から襲いかかってくるホーン陣のリフも良い感じ♪♪~♪
 ですからジョニー・ホッジスがソフトな情感とハードな黒っぽさを両立させれば、バーニー・ケッセルがビバップギターの真髄を披露し、艶やかにして流麗なベニー・カーター、さらに私の大好きなフリップ・フィリップスと続く展開にはワクワクさせらればかりです。
 そしてついに登場するチャーリー・パーカーは痛快にドライヴしまくって、しかも演奏空間を自在に浮遊するという天才性を完全発揮! 安定的なその場の4ビートを尻目に、他のメンバーとは全くちがうウネリは、異様とも思える快感です。
 演奏はこの後、参加メンバーが丁々発止の腕比べというソロチェンジが展開されますが、ガチンコな雰囲気の中にも協調性があるという、些かの予定調和が、ちょいと惜しい気もしています。 

B-1 Funky Blues
 タイトルどおり、ミディアムテンポのドロドロしたブルースで、ここではまずジョニー・ホッジスがテーマをリードし、続けて素晴らしいアドリブを聞かせてくれます。繊細にして真っ黒な表現は、あぁ、ぶる~す、ですよ♪♪~♪
 と、くれば、チャーリー・パーカーも負けじとエグイ感性を全開させ、突き刺さるような感情の爆発から、耐えて忍んだ男泣きまで、実に巧みなアドリブ構成がニクイばかりです。
 しかしベニー・カーターも素晴らしいですよっ! まさにハードボイルドです。
 このあたりのアルトサックス王座決定戦は、本当に良い雰囲気ですが、バックのオスカー・ピーターソンの小技も秀逸ですし、満を持してのアドリブが、これまた最高の決定版! そしてバーニー・ケッセルのギターは、真空管アンプならではの歪みも巧みに利用したシビレ節♪♪~♪ もはやサイケおやじは感涙するばかりです。
 またA面では些かミソをつけたようなチャーリー・シェイヴァースも、こういう演奏ならば俺に任せろっ! バックのリフと上手く呼応するあたりは流石だと思います。
 さらにちょいと内気なブルースを堪能させてくれるフリップ・フィリップスに対し、逆にストレートな叫びのベン・ウェブスターという展開も、ミエミエな目論見が大正解でしょうねぇ~♪
 大団円に導いていくオスカー・ピーターソンの活躍もイヤミがありませんし、もっともっと聴いていたいところであっさりの終わるのも、結果オーライなのでした。

ということで、スタジオセッションならではの纏まりは予定調和かもしれませんが、しかしアドリブパートのガチンコな雰囲気は最高! 見事な緊張と緩和だと思います。正直言えば、バラードメドレーが入った第1集の方が良い感じのような気がします。しかし、こっちも捨て難い!

いずれもジャズが最高にヒップだった頃の勢いや和気藹々の丁々発止が楽しめますから、気持ちが良い方向へと盛り上がるのでした。

コメント
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