■花はどこへ行った c/w ほゝにかゝる涙 / 園まり (ポリドール)
夏向きレコードということで、自室のレコードラックから、それらしい1枚を物色していたら目に留まったのが本日の掲載盤でした。
これは園まりが昭和39(1964)年に出したシングル盤なんですが、ど~です、このジャケットスリーブのデザインと彼女のポートレートのイイ雰囲気は、正に夏向きだと思うですが、いかがなものでしょう (^^)
しかし、収録されているA&B面2曲共々は必ずしも夏向きじゃ~なくて、まずはA面収録の「花はどこへ行った」は聴けば一発、アメリカの有名フォーク歌手として日本でも良く知られているピート・シガーの代表曲「Where Have All The Flowers Gone」にT.オータと安井かずみが日本語の歌詞を附し、東海林修がアレンジを担当した、これがシンプルな歌謡フォーク仕立てになっているんですが、オリジナルの歌の持つ意味合いが反戦歌ですから、恣意的なトーシロっぽさを表出するギターをバックに歌う園まりのボーカルには、何時にない芯の強さが滲み出ている感じでしょうか。
まあ……、世界中で夥しいカバーバージョンが制作されている楽曲ですから、様々なスタイルやバリエーションは有って当然ではありますが、だからこそ、演じている歌手やグループの個性が如何様に発揮されるかが面白味の分かれ道だとすれば、園まりは「反戦歌」というよりも、デビュー当時から十八番にしていた洋楽の日本語カバーを歌っているという感覚だった様にも思えます。
ですから、その意味からしても、収録B面曲「ほゝにかゝる涙」は説明不要、我が国でもオンタイムでヒットしていたボビー・ソロのイタリアン・ポップス「Una lacrima sul viso」の日本語カバーバージョンであり、ここでの日本語詞は安井かずみ、そしてアレンジは東海林修という安心印の制作スタッフのバックアップを得た園まりが、堂々と胸キュンメロデイを節回すという快感こそは、今も不滅の素晴らしさと思うばかり (^^♪
ちなみに、このシングル盤を出して以降の園まりは、いよいよ本格的に歌謡曲へとシフトチェンジを加速させ、同年秋には「何も云わないで」を大ヒットさせるという、その節目に残してくれた掲載のシングル盤は、サイケおやじにとっては、妙に持っていたい1枚になっています (^^;
ということで、涼を求める手立ては数あれど、昔だったら冷凍倉庫みたいにクーラー全開の映画館で気になる作品拝観という策もあったんですが、今となっては観たい映画も無く、またウナギを喰う食欲もありませんで、結局はブラックなアイスコーヒーに冷凍バナナというシンプルな昼飯に梅干し舐めての午後というのが、サイケおやじの暑さ対策でしょうか (^^;
本日は仕事で幾分の冷や汗も体感しましたんで、空回りも納得というわけです。