OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

夏越様か、茅の輪でもくぐりたいですねぇ~

2017-06-30 16:24:04 | Weblog

早くも今年が半分終わるってのに、こんな所を這いずっている自分は、なんだっ!

ど~しても偉い人に面会するためには、これも必要なんでしょう、と自分に言い聞かせています。

北国より、今から帰りますので、本日の1枚は休載ご理解下さいませ(__)

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アンヌもゆり子も美しい

2017-06-29 19:39:44 | Movie

 

今年は「ウルトラセブン50周年」ということで、特定のファンならずとも、殊更ヒロインのアンヌを演じた菱見百合子=現・ひし美ゆり子の周辺があれやこれやと盛り上がっているのは、やはり嬉しいものがあります。

もちろん、サイケおやじが「やはり」と書いたのは、ひし美ゆり子が必ずしもアンヌの化身では無いと強く思っているからで、もっともっと女優としての幅広い魅力をひし美ゆり子から感じて欲しいと願っているからに他なりません。

しかし、それでも近々発売される所謂アンヌ本「アンヌ今昔物語 ウルトラセブンよ永遠に..」が気にならないはずもなく、しっかり予約しているサイケおやじは自己矛盾に身も縮む思い……。

残念ながら、今回もそれに伴う各種イベントには参加が叶わぬ身という言い訳を弄しつつ、虚心坦懐に新刊を耽読する所存であります。

あぁ……、今日は言葉も無いほどです。
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切なる願いを抱きつつ

2017-06-28 19:24:25 | Weblog

仕事でどうにか山を乗り越え、ホッとしております。

あぁ……、今夜だけはゆっくり、溶けるほど寝させて下さい。

明日っからは、好きなものに浸りきるぞぉ~~~!

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胸の振子と男の世界

2017-06-27 20:16:30 | Movie
胸の振子 / 石原裕次郎 (テイチク)

全く早いもので、今年は石原裕次郎没後30年……。

ですから、既に各方面で様々な追想企画が現在進行中ですので、拙ブログもそれに追従し、本日のご紹介は、サイケおやじが故人の数多い主演作品の中でも大好きな、昭和46(1971)年正月明けに公開された「男の世界(日活&石原プロ製作 / 長谷部安春監督)」の主題歌「胸の振子」を取り出しましたが、これは皆様ご存じのとおり、石原裕次郎のオリジナルヒットではなく、作詞:サトウハチロー&服部良一が昭和22(1947)年に提供した霧島昇の大ヒットであり、今では昭和歌謡曲というよりも、我が国の歌謡スタンダードとしても有名な傑作ですから、カバーバージョンも数多吹き込まれてきた中にあって、サイケおやじが石原裕次郎の歌唱が一番に好きなのは、この映画「男の世界」があっての事ですので、まずはその物語を簡単にご紹介させていただきます。

で、石原裕次郎が演じるのは、恋人を突然の出来事から殺害され、失意のうちに国外へ旅立った元クラブ経営者であり、またヨット連盟の会長でもあった粋な男とは、まさに石原裕次郎のイメージそのまんまであり、その主人公が5年ぶりに帰国するという発端も含めて、それは映画デビュー以来の日活で演じてきた劇中の人物とも重なる設定が、実はこの「男の世界」の主題に大きく関わっています。

なにしろ、良く知られているとおり、当時の石原裕次郎は既に昭和38(1963)年に自ら設立した石原プロモーションからの制作をメインにし、日活とは幾分距離を置いての活動になっており、それゆえに主演作品にしても、配給だけは日活という形態はもちろんの事、昭和44(1969)年からは、ついに他社の作品へも出演するという実質フリーな二足の草鞋とでも申しましょうか、そんなこんなも日本映画全体の不況と凋落、日活という会社そのものの低迷があった事は説明不要かと思います。

ですから、当時の石原裕次郎は日活の撮影所に入っても、周囲の冷たい目線を感じる事が常態化していたと云われていますし、また所属俳優の石原プロへの移籍、さらには同プロの資金繰りの悪化等々も相互作用していた時期の制作でしたから、結果的に故人が最後に主演した日活作品という歴史(?)を知ってみれば、劇中の演出や台詞にも、意味深な味わいが様々に散見されるんだなぁ~、とサイケおやじは、ますます愛着が強くなっているというわけです。

物語は、そうした石原裕次郎が空港で出迎える仲間から逃れるようにして、以前自分が経営していたナイトクラブにやってくれば、待っているのは、前述した事件を担当した刑事の宍戸錠という展開が、いきなりのハードボイルドです。

それは問題の事件の首謀者として服役しているヤクザの内田良平が折しも釈放されるという事から、石原裕次郎が帰国したのは、恋人の復讐なのか? という懸念による、なんとも友情と仕事の間にあっての自意識過剰とも思える行動なんですが、そこのところを決して石原裕次郎は曖昧にしたまま、旧友が世話してくれた仕事に就くのですが、当然ながら今は解散している内田良平の組の子分達は穏やかではありません。

そして、様々な登場人物が、各々ハードボイルドな事情を抱えつつ、重なり合うドラマの流れが長谷部安春監督ならではの憎らしいほどカッコイイ演出と映像美学で撮られているのですから、たまりません♪♪~♪

特に主人公が、自分がここに帰ってきたのは間違いだったのか? 自分が帰ってきた事により、それまで穏やかだった仲間の生活や人間関係が縺れてしまったのではないか? 等々と苦悩するあたりは、まさに日活を離れながらも、そこから断ち切れない「縁」と「絆」を感じざるを得なかった石原裕次郎の立場が否が応でも劇中から伝わってくると、サイケおやじは痛切に思いますし、登場人物の各場面における台詞の様々な箇所に、それと思わせる気持ちが滲み出ているところが相当にあるのですから!?

それは共演者が玉川伊佐男、川地民夫、武藤章生、鳥居恵子等々の、所謂石原組のメンバーに顕著ですし、中でも件のナイトクラブでマネージャーを務めている玉川伊佐男が「また、紺野(石原裕次郎)さんの下で働きたいと思っています」云々と語る場面は、過言ではなく劇中劇でしょう。

また、映像構成においても、石原裕次郎の過去の名作のワンシーンを思わせるカットや演出が頻発しているのもニクイばかりですし、往年の傑作テーマ曲「赤いハンカチ」や「夜霧よ今夜も有難う」が再び歌われるのも、また然り♪♪~♪

さて、そこでこの主題歌「胸の振子」は、現在と過去のしがらみに迷いを感じる石原裕次郎が、自分が経営していた時代から今もナイトクラブに入っている黒人ピアニストのジョニーに、そんな独白をするところで歌われるんですが、ここは作品のハイライトともいうべき名場面!

些かネタバレになりますが、この「胸の振子」は亡くなる前にこの店専属の歌手だった恋人の十八番であり、その頃から変わらぬ雰囲気でピアノを弾き続けているジョニーには、落ち込んでいる石原裕次郎が、あまりに悄然と……。

そこでピアノ伴奏だけで、所縁の「胸の振子」を石原裕次郎に歌うように勧めるという展開から、その甘くせつない歌唱は本当に胸に迫ってきますよ♪♪~♪

しかも、この場面、終盤で何時の間にか店に来ていた因縁の内田良平と石原裕次郎のクールで熱い言葉の対決があり、これまた唐突に、同時に自然に二人の間に割って入る宍戸錠が、グラスを渡し、無言で一緒に酒を飲むという演出のバックには、粋なピアノのメロディが流れているという、本当に泣いてしまうハードボイルドが、ここでご覧になれます。

いゃ~、サイケおやじは、本当にここがあるから、この「男の世界」という映画が大好きなのですっ!

そして肝心の掲載盤に収録された「胸の振子」は所謂バンドバージョンなんですが、こっちの映画サントラバージョンは、ピアノだけを伴奏にした、個人的にはその悄然としてハートウォームな歌と演奏に心底、シビレが抑えられないというのが本音ですので、これは皆様にも、ぜひとも鑑賞していただきたいところであります。

幸いなことに、先日はCS放送もあったんですが、いよいよ7月13日に発売がスタートする「石原裕次郎シアターDVDコレクション」で、しっかりと復刻されますので、存分にお楽しみ下さいませ。

ということで、物語はこの後、事件の真相から予定調和とは上手い具合にズレた結末があって、登場人物の個性も活かされた結末になっています。

まあ、今となっては甘いと思われる皆様もいらっしゃるでしょうが、それもまた往年の日本映画の面白さであるとすれば、流石は石原裕次郎の主演作は良く仕上がっていると再認識しているのでした。
 
石原裕次郎、永遠なれっ!
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痛みがツカツカっとやって来る

2017-06-26 19:18:31 | Weblog

持病の神経痛が右頭部から顎につきまとい、苦しんでおります。

実際、口腔内にも痛みがあって、メシ食うのも辛いです……。

どうやらに三叉神経ってのが、イタズラしているというのが医師の以前の診断だったんですが、まさかもっと悪い病気だったら怖いですよ。

とりあえず出してもらった痛み止め服用して、これから仕事絡みの会食に出てきます。

本日の1枚は、またまた休載、ご理解お願い致します(__)

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余話

2017-06-25 20:16:18 | Weblog

今日は亡き叔父の四十九日法要でした。

で、納骨終了後、某割烹料理屋に席を設けてあったのは予定どおりだったんですが……。

なんとっ!

その店で数年前から行方不明が伝えられていた知人とばったり遭遇!?

最初は人違いかと思ったんですが、相手のバツの悪そうな表情から、本人と知れました。

実はもちろん、ここに書く事を憚られる諸事情があったのは言わずもがな、しかし若い頃は苦楽を共にした盟友であればこそ、サイケおやじは何も尋ねる事は出来ず、その場でちょっぴり固まってしまったですよ……。

でも、サイケおやじは、ど~しても、もう一度会いたいと、長い間念じていましてからねぇ~~、これも故人が引き合わせてくれた時間と思い、さっきまであれやこれやと積話をしていました。

う~ん、人の世は……。

 

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ウェス、ケリー、マクルーア&コブのハードバップ天国

2017-06-24 20:47:32 | Jazz
Smokin' In Seattle / Winton Kelly Trio, Wes Montgomery (Resonance = CD)
 
 01 There Is No Greater Love / Winton Kelly Trio
 02 Not a Tear / Winton Kelly Trio
 03 Jingles  / Wes Montgomery with Winton Kelly Trio
 04 What's New?  / Wes Montgomery with Winton Kelly Trio
 05 Blues in F  / Wes Montgomery with Winton Kelly Trio (fade-out)
 06 Sir John / Winton Kelly Trio
 07 If You Could See Me Now / Winton Kelly Trio
 08 West Coast Blues  / Wes Montgomery with Winton Kelly Trio
 09 O Morro Nao Tem Vez / Wes Montgomery with Winton Kelly Trio
 10 Oleo / Wes Montgomery with Winton Kelly Trio (fade-out)
 
ジャズは即興演奏という個人技が大きな魅力ですから、それがバンド形態であれば、必然的に参加メンバーの顔触れが気になるは必定であり、それがあってこその魅力が、逆もまた真なり!?

そこには決定的な名演を記録したレコードが残されている事は言わずもがな、それゆえに、このメンツならばっ、絶対!

なぁ~んていう期待と思い込みがあるもんですから、ひとつでもそ~した新規音源に接する事はジャズ者にとっての無常の喜びと思います。

本日ご紹介のCDも、まさにそんなストライクゾーンのド真ん中という最近の発掘音源であり、なにしろメンバーがウイントン・ケリー(p)、ロン・マクルーア(b)、ジミー・コブ(ds) のレギュラートリオにウェス・モンゴメリー(g) が加わったラジオ放送用のライブレコーディングなんですから、たまりません。

しかも記載データによれば、録音されたのが1966年4月14&21日!

という事は、あの大名盤「スモーキン・アット・ザ・ハーフ・ノート」のA面収録日から約半年後ですら、聴く前から期待はどこまでも膨らみ、しかもハードバップ愛好者ならば、思わず腰が浮くという瞬間はお約束以上と、サイケおやじは痛切に感じる快演ですよっ!

それはまずピアノトリオで演じられる冒頭の2曲からしてウキウキ気分は留まらず、アップテンポで演じられる歌物スタンダード「There Is No Greater Love」ではウイントン・ケリーが十八番の「節」を全開させれば、ジミー・コブはザクザクしたブラシからクールなリズムキープを貫くドラミングの相性もバッチリですし、ロン・マクルーアの堅実な助演も良い感じ♪♪~♪

ですから最初はミディアムスローで始める「Not a Tear」が中盤からスインギーなビートを伴ってグルーヴィに演じられるのも説得力があって、しかも歌心が大切にされているところは、如何にもウイントン・ケリー・トリオの「らしさ」だと思います。

あぁ~、ジミー・コブのビシっと入るキメ打ちも心地良いですねぇ~~♪

そしてお待たせしましたっ!

いよいよ登場したウェス・モンゴメリーが豪快なノリで一気呵成に弾きまくりの「Jingles」には息苦しくさせられるほどの迫力が満ち溢れ、このスピードで、このフレーズ、このコードワーク!? 本当に親指だけで弦を弾いているのか、ミステリアスな領域の怖ささえも、痛快ですよっ!

また、これまたお馴染みの歌物スタンダード曲「What's New?」は、もちろんじっくりじんわりのスローな展開ですから、十八番のオクターヴ奏法を駆使したウェス・モンゴメリーの秘儀は無論の事、リズム隊の味わい深い妙技も聴き逃せないと思います。

うむ、さりげなくテンポアップしてからのメンバー間の意思の疎通と意地の張り合い(?)もニクイですねぇ~~♪

こうしてライブは前半の終了というか、残念ながらフェードアウトしてしまう「Blues in F」は、それでもウェス・モンゴメリーのアドリブが強烈至極! 耳に馴染んだフレーズとキメが乱れ打ちされれば、それはハードパップ天国という他はありませんっ!

ちなみに、おそらくはここまでは4月14日の演奏と思われますので、以下の後半も同じ構成というか、まずはピアノトリオで軽快なゴスペル系ハードバップ曲「Sir John」が始まれば、ジャズ者が素直に酔わされてしまう得心もナチュラルな衝動でありましょう。

当然ながらケリー&コブのコンビネーションは言わずもがな、新参のロン・マクルーアも健闘していますから、思わせぶりを狙ったスローバラード「If You Could See Me Now」にしても、歌心を支える強いビートがハードバップの存在証明と思うばかりです。

そしてここから再登場のウェス・モンゴメリーが自作の「West Coast Blues」を弾き始めれば、ワルツタイムのハードバップグルーヴを瞬時に提供するリズム隊のジャズ性感度も最高で、幾分ガサツなジミー・コブのドラミングが意想外にジャストミートしているあたりは、サイケおやじが大いに好むところです。

その意味でボサノバのハードバップ的展開に終始する「O Morro Nao Tem Vez」は、お馴染アントニオ・カルロス・ジョビンの有名曲ですから、本当はもう少しジェントルな雰囲気があって正解なのかもしれませんが、ここまでイケイケの演奏が提示されるのであれば、素直に浮かれるのがジャズ者の喜びのひとつでしょう。

いゃ~~、ウェス・モンゴメリーは本当に凄いギタリストですねぇ~~~♪

そう想えば、さらにノリノリの「Oleo」が、これまたフェードアウトしてしまうのは残念至極であり、また、日常的にここで聴かれるような演奏が行われていた当時の幸せがお裾分けされた事は、まさに僥倖と感謝しなければなりません。

ということで、気になる音質はモノラルミックスではありますが、なかなか良好で、各楽器のバランスも整合性がありますので、どうぞ皆様もお楽しみ下さいませ。
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筋をとおす事の後味の悪さ

2017-06-23 20:10:47 | Weblog

――を今日は痛感しております。 

相手は誰もが知っている金融機関、その下っ端支店長が部下のデタラメを指摘され、居直ったというんじゃ~、サイケおやじも黙っちゃ~いられないですよ。

ついつい、ビシビシに凹ませるような物言いがあった事は否定しませんけどねぇ~、それにしても相手は態度が悪すぎるって思うばかり!

あ~~ぁ、こちらに非が無い事は天下万民明白なれど、今頃奴らは高笑いかと思えば、こんな戯言を綴っている自分かねぇ……。

明日は、ど~やって決着をですねぇ~、プレイガールが助けてくれないかなぁ~~。

あぁ、夢想。

失礼致しました。

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回想の夏木ミミ

2017-06-22 17:44:43 | 歌謡曲
キッスで告白 c/w 天国への階段 / 夏木ミミ (日本コロムビア)

ちょっと見、歌謡界の大御所・川中美幸の若い頃!?

てな印象のジャケ写ではありますが、本日掲載したのはサイケおやじと同世代の皆様には懐かしくも胸キュンな元祖グラビアアイドルのひとりでもある夏木ミミが、昭和45(1970)年春に出した唯一のシングル盤であります。

そしてもちろんというか、彼女は日米ハーフであり、最初の目立った活動としてはテレビ洋楽番組「ビートポップス(フジテレビ)」のゴーゴーガールとしての存在であり、個人的な記憶と印象では同番組出演者中、あの有名な小山ルミよりも人気を集めていたように思いますし、実際、雑誌グラビアへの登場も多かったわけですが、小山ルミの様な歌手としてのブレイクは無かったという残念な結果は、失礼ながら歌唱力が……。

で、作詞:山口あかり&作曲:小田啓義、そして編曲:小谷充が制作スタッフとして顔を揃えた「キッスで告白」にしても、それゆえに普通っぽい歌謡曲になっている感が強く、素直に聴けば勿体無いと思うばかりなんですが、ところが何度か繰り返して針を落としてみれば、そこに滲む密かな恥じらいと持ち前のフェロモンが融合した、その化学変化的な魅力が漂ってくると思うのは、サイケおやじの天邪鬼と変態性の発露でしょうか。

どうやら今般、復刻オムニバス盤に収録されてのCD化が成されたようなので、機会があれば皆様にもこの微妙な倒錯感を味わっていただきたいと思うばかりです。

ちなみにB面収録曲「天国への階段」は、レッド・ツェッペリンの有名曲のカバーではもちろんなくて、A面と同じ製作スタッフによる、今となっては過剰に大袈裟なカルト歌謡曲として、マニア御用達の怪曲・迷唱という評価も定まっており、既にCD化されていますので、こちらも、ぜひっ!

ということで、結局彼女がこれっきりでレコードを出さなくなったのは、ある意味では正解であり、同時に残念という気持ちがサイケおやじにはあります。

そして無理は承知と知りつつも、この彼女の歌唱フィーリングは案外と1980年代のテクノ系アイドルソングには向いているかも……?

なぁ~んていう妄想を抱いてしまうのでした。
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これだから、クリムゾン信仰は…

2017-06-21 17:07:07 | Rock Jazz
Live At The Marquee August 10, 1971 / King Crimson (King Crimson Collector Club = CD)
 
★Disc One
 01 Pictures Of A City
 02 Formentera Lady
 03 The Sailors Tale
 04 Cirkus
 05 The Letters
 06 Cadence And Cascade
★Disc Two
 01 Improv
 02 Ladies Of The Road
 03 RF Announcement
 04 21st Century Schizoid Man

所謂アーカイヴ物の発売は嬉しい事にはちがいありませんが、問題はそこにミュージシャン側の意向がどの程度反映されているのか?

という事かもしれません。

実際、輝かしい偉業を達成したミュージシャンが、それによって商売優先主義の犠牲になった例も少なくない事は、皆様ご存じのとおりです。

しかし、逆にミュージシャン側が主導した場合は、例え玉石混交という誹りがあろうとも、アッと驚く超絶の「お宝」がプレゼントされる事があるもんですから、ファンやマニアにとっては、アーカイヴ物に手を出す危険な遊戯が止められないわけでして、そ~ゆ~ところに逸早く先鞭をつけたひとりが、バンド結成以来のオリジナルメンバーである、キング・クリムゾンの御大ロバート・フリップでした。

それは過去の放送用ライブ音源を発掘&集成し、普通の店でも買えるように商品化したに留まらず、個人所有していたサウンドボード音源やアウトテイク等々、さらにはこれまで違法流通していたブートまでも集めてリマスターした音源等々も含め、それらを新規に設立した「キング・クリムゾン・コレクターズ・クラブ」という会員組織を通じて販売し、それも会員資格が当初は欧米在住に限定するという、なかなかの信心を求められる手法は如何にも御大の「らしさ」でした。

ところが、世界的にもクリムゾン信者が多い我が国では、特別に一般のレコード会社からの配給を承認された音源もあり、また前述「キング・クリムゾン・コレクターズ・クラブ」から出たCDを輸入盤という形で販売する店もあった事は周知の事実!

また、ネットの普及により、音源だけの配信=ダウンロード版の販売もスタートしたのは、さらにコアな「お宝」が流通するマニア泣かせの状況であります。

で、本日ご紹介の2枚組CDは、まさにその点において白眉の傑作!

録音は1971年8月10日、ロンドンのマーキークラブにおけるライブレコーディングで、メンバーはロバート・フリップ(g,mellotron) 以下、メル・コリンズ(sax,fl,mellotron)、ボズ・バレル(vo,b)、イアン・ウォーレス(ds,vo) の他に当時のバンドのブレーンのひとりでもあったピート・シンフィールドが音響効果と照明担当としてクレジットされており、時期的には4作目の公式LP「アイランズ / Isllands」や暴虐のライブ盤「アース・バウンド / Earthbound」と同じ線上にある演奏が、良好な音質で存分に堪能出来る優れ物ですよっ!

なにしろ当初は前述した「ネット配信」だけの音源でありながら、こ~してCD化されたという事実だけでも、フリップ翁のお墨付きは絶対の証でしょうし、繰り返しますが、実際に聴けば納得のライブ音源としか言えません。

それはザクザクにギザギザなクリムゾン流儀のヘヴィロック「Pictures Of A City」が、しかしこれはハードロックというよりも、極めてジャズっぽい、そのアドリブパート等はメル・コリンズを筆頭にフリージャズに接近した演奏になっていますし、続く「Formentera Lady」はジェントルなスロー曲の中にロバート・フリップのギターはモロにジャズ!?

しかも中盤からグループとしてのノリが発生すると、そのブリディッシュフォーク系の曲メロを徹頭徹尾ジャズで解釈せんとするメル・コリンズのテナー or アルトサックスが実に心地良く、そのまんまの流れで「The Sailors Tale」に入っていけば、今度は陰鬱なベースのリフも印象的なシンプルな構成の中、フルートが実に心地良いという、いゃ~、これはやっぱりロックジャズだなぁ~~~♪

もちろん深淵な企みが滲むロバート・フリップのギターや終盤でスピーディーな展開を聞かせるバンドアンサンブルも良い感じ♪♪~♪

というか、かなり自由奔放な演奏ではありますが、メンバー間には、きっちりと暗黙の了解があるにちがいありません。

ですから、スローなパートとへヴィロックが交錯する「Cirkus」における中間部のオトボケジャズも憎めませんし、暗い哀愁の美メロ曲「The Letters」でのアドリブパートがどこまでもフリージャズに傾こうとも、今、どこが演じられているのかが分かるのは、なかなか楽しいところでしょう。

当然ながら、サウンド作りというか、諸楽器担当各人の責任の所在もはっきりしていますので、特にノイジーなギターの響きが実にたまりませんし、最後の最後でちらりと聴かせてくれるジャズ的なコードの魅力には、ハッとさせられますよ♪♪~♪

そこで最初の締め括りとなる「Cadence And Cascade」こそは、皆が大好きなクリムゾンAORとでも申しましょうか、ソフト&メローな曲メロやコード進行の妙が、ここではさらにジャズっぽく、当然ながら、メル・コリンズのフルートも気持ち良過ぎますねぇ~~~♪

ちなみに全曲を通してのボズ・バレルのリードボーカルは、ど~してもグレッグ・レイクと比較されてしまう宿命があるんですが、なかなかどうして、その歌唱表現は素晴らしいと思います。

ただし、ベース奏者としてはグループ加入時にロバート・フリップから特訓されたという、決して熟練の名手ではなかった所為もあり、またここでの録音状況も、幾分ベースに関しては不明瞭な印象なので、失礼ながら、正直に言わせていただければ、後任のジョン・ウェットンだったらなぁ……、という思いが捨てきれません。

それを殊更強く感じるのが、27分近い強烈なジャズインスト「Improv」で、テーマは完全な4ビートによるロバート・フリップのギターリフから始まり、そこにロックビートを交えながら展開される演奏の中で、メル・コリンズの激しいアドリブは完全なモロジャズですし、イアン・ウォーレスの「間」を活かしたドラミングが大車輪ドラムソロへと発展していく様も痛快ということは、つまり……、ど~してもここでボズ・バレルのベースにツッコミが不足している感が拭いきれないのです……。

しかし、それでもここでの演奏は緊張感に溢れ、まさにこの時期だけのキング・クリムゾンが、これぞっ!

ですから「Ladies Of The Road」から尚更にリラックスしたムードが発散されるのもムベなるかな、しかし絶対にダラけない厳しさは素晴しく、これまた皆様には説明不要かとは思いますが、全くジョン・レノンっぽいビートルズ風の曲メロやサウンドは揺るぎない魅力として、あぁ~、キング・クリムゾンはやっぱ真・英国バンドなんだなぁ~~、と認識を新たにするところです。

こうしてステージライプは、いよいよの大団円!

おまけに直前には如何にも英国っぽいメンバー紹介がロバート・フリップによって行われ、最後に本人以外のメンバーが如何にものオチをやらかすのは、本当に微笑ましいので、思わず笑ってしまいますが、それがあっての「21st Century Schizoid Man」ですから、その場の観客が羨ましいですよぉぉぉぉぉぉ~、本当にっ!

ということで、既に述べたとおり、音質的にも例えば「アースバウンド / Earthbound」あたりと比較しても、各段に聴き易いはずですし、個人的には幾分低音域が物足りないという感じではありますが、それは贅沢というものでしょう。

実はこの「マーキークラブ音源」は当日を挟んで3日分がクリムゾン側から公開されているようですが、音質的にはこれがダントツです。

そして、だからこそ、当初から曖昧な存在感であったライブギグにおけるピート・シンフィールドの役割が解明されたというか、演奏の各所に附されたエコーや音響効果は、それじゃ~ないかと推察するところで、特に「Improv」でのドラムソロに被せられたシンセの如きサウンドエフェクトやギターのアドリブソロがステレオでは左右に激しく移動を繰り返すというケレンは、今となっては古い遣り口かもしれませんが、それも当時ならではの仕掛けでありましたですねぇ~~♪

また、バンドそのものの発展性については、デビューアルバム「クリムゾン・キングの宮殿 / In The Court Of The Crimson King」から永遠の代表曲「21st Century Schizoid Man」は言わずもがな、2ndアルバム「ポセイドンのめざめ / In The Wake Of Poseidon」からの「Pictures Of A City」と「Cadence And Cascade」、3rdアルバム「リザード / Lizard」からの「Cirkus」、そして未だ発売前であったと思われる4thアルバム「アイランズ / Islands」から、だとすれば新曲であった「Formentera Lady」「The Sailors Tale」「The Letters」「Ladies Of The Road」という演目を鑑みれば、所謂「静」と「動」のバンスも鮮やかなチョイスは流石だと思いますし、逆に言えば、その半分近くを占める新曲を活かすべく仕組んだプログラムの妙でありましょう。

また、聴き逃せないというか、思わず「うっ」と唸らせられるのが、殊更ロバート・プリップが弾いてしまうフレーズの中には既に次作「太陽と旋律 / Larks' Tongues In Aspic」以降のキメやリツクがきっちり浮かび上がっている事で、そのあたりが混濁しつつも、思いっきりジャズってしまった「Improv」の正体なのかもしれません。

ところが、これは歴史的現実になってしまいましたが、このメンバーからピート・シンフィールドが抜けて敢行された翌年のアメリカ巡業では、例えば「アースバウンド」でも聴けるように、野放図とも思えるロックジャズ~ソウルジャズが展開されていたギグもあったのですから、ここでの整合性を優先させたが如きライブ演奏は、なかなか個人的には好感が持てます。

ただし、「21st Century Schizoid Man」に関しては、ちょっぴり予定調和的とでも申しましょうか、「アースバウンド / Earthbound /」で聴かれたような大暴れと激しいリフの迫力が足りない気がするので、これまた贅沢は敵だっ!

という思いで自戒しております。

そしてクリムゾン中毒はますます進行し、アーカイヴ物への危険な遊戯へも深入りしていくのでした。
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