OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

チラリズム歌謡の魅力

2014-06-30 14:20:39 | 歌謡曲

ちょっと色っぽいポーズ / 上田真弓 (日本コロムビア)

本日掲載のシングル盤は、例によって中古屋でジャケ買いさせられた1枚でして、そのサイケおやじのスケベ心云々は、今更言うまでもありません。

いゃ~、女性が全く瞬間的に見せてくれる、こうしたポーズの魅力は、モロろ見え(?)よりも、ずぅ~~っと素敵♪♪~♪

なぁ~んて思っているんですが、もちろんサイケおやじだって、若かりし頃はモロ見えに拘っていたわけでして、それが何時しか、こういう「ちょっと色っぽいポーズ」に惹かれるのは、それだけ自らの老成ってやつでしょうか?

いやはや、何んともお恥ずかしい話ではありますが、それにしも収録A面曲のタイトルがドンズバのジャケ写は、あらためて素晴らしいと思います。

しかし肝心の主役、上田真弓について、サイケおやじは知るところがありません。

このシングル盤が発売されたのは昭和55(1980)年ということで、つまりは昭和歌謡曲のアイドル全盛期に出されたのですから、一応はそっちを狙ったんでしょうが、実際に針を落してみれば、作詞:山上路夫&作曲:平尾昌晃による「ちょっと色っぽいポーズ」は、アイドル歌謡と言うよりも、なかなかグルーヴィな正統派歌謡曲!

そして上田真弓のボーカルスタイルが小柳ルミ子畑中葉子の系譜に属する、如何にも平尾昌晃が十八番のラインですから、その説得力は侮れません。

ただし、これはサイケおやじだけかもしれませんが、リアルタイムではテレビやラジオでも彼女に接した事がなく、このレコードにしても実は昨日、ゲットしてきたという、まさに後追いの奥の細道というわけです。

そしてますます、昭和歌謡曲の深みに囚われている自分を感じてるのでした。

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ソフトロックのトミー・ロウ

2014-06-29 16:31:22 | Pops

Dizzy / Tommy Roe (abc / キングレコード)

我国ではチャートマニアやオールディズファンから絶大(?)な支持を集めるトミー・ロウは、しかし一般の洋楽好きからはバブルガムのシンガーであり、決してロケンローラーと認められているわけではありません。

しかしトミー・ロウは偉大なロッカーとして歴史に名を刻するバディ・ホリーのボーカルスタイルに影響され、何よりもソングライターとしての才能も豊かでしたから、もう少しは日本で評価されても!?

というのが、サイケおやじの正直な気持ちです。

そこで本日掲載のシングル盤A面曲「Dizzy」は、1969年春に全米ヒットチャートのトップに輝いた本人自作のソフトロックで、共作したのは旧友のフレディ・ウェラーなんですが、もうひとつ特筆しておきたいのが、ハリウッド系ポップスの裏方としては、P.F.スローンと組んだ仕事やグラスルーツのプロジェクト等々で、殊更重要人物だったスティーヴ・バリの存在でしょう。

実はスティーヴ・バリは、トミー・ロウが1962年に放ったデビュー大ヒット「かわいいシェイラ / Sheila」以来のファンである事を公言していたらしく、この「Dizzy」のプロデュースにも相当の力が入っていたのでしょうか、ちょい聞きには、ど~って事の無いメロディをグッと濃密な印象に導くストリングの使い方は、なかなかにソウルフル♪♪~♪

ちなみにストリングのアレンジはご存じ、名匠のジミー・ハスケルなんですが、ここでの成功が例えばグラスルーツ等々、1969年末頃から黒っぽいサウンド作りに転進した所謂ダンヒルサウンドの分岐点だったのかもしれません。

ただし、スティーヴ・バリは最初っから、それを本命にしていたわけでは決してなく、同時期に作られたトミー・ロウ&スティーヴ・バリのコラボレコードを聴いてみれば、前述した「かわいいシェイラ / Sheila」の如き、先祖がえりのバディ・ホリー調の歌と演奏があったりしますから、試行錯誤は確かにあったはずです。

そして、以下はサイケおやじの独断と偏見による独り善がりな推察になりますが、おそらくはここで聞かれるスタイルで「Dizzy」を歌いたかったのは、トミー・ロウ本人の希望が強かったのでは?

また、それを鋭く察したスティーヴ・バリのプロデュースも侮れないのが当然であり、そんなこんなも音楽産業の裏側を探索する楽しみのひとつかと思うばかりです。

ということで、今となってはあまり刺激的ではないトミー・ロウという歌手の存在、同じくバブルガムヒットにジャルン分けされてしまう「Dizzy」という名曲の軽い扱いは、それが当然と納得するしかない状況だとしても、もう一度、聴き返されるべき時期に来ているような気がしています。

幸いなことにトミー・ロウのキャリアを辿るのは、CDによる音源覆刻も含めて、それなりに充実していますし、近年はソフトロックの分野から再評価される良い状況もありますから、皆様もぜひ、どうぞ。

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あれは百蓮物語にすべきじゃ~ないか

2014-06-28 13:52:01 | Movie

負けない愛がきっとある / 仲間由紀恵 (Epic Sony)

恥ずかしながら、現在NHKで放送の朝ドラ「花子とアン」を視聴しています。

もちろんリアルタイムでは無理なんで、録画しておいての後追い鑑賞ではありますが、その理由は昔っから興味を抱き続けていた柳原百蓮の登場!

ご存じのとおり、柳原百蓮は妾腹ながら、大正天皇の従妹という血筋と家柄に恵まれた美貌の歌人であり、同時に数奇な運命とスキャンダラスな生き様は、常に世間の晒し者的な扱いもありましたが、本音と鋭い洞察力が滲む文学的な才能にはサイケおやじも大いに感服する女性でしたからねぇ~~。

その柳原百蓮がテレビドラマとはいえ、映像化されるというニュースは、サイケおやじを驚愕歓喜させたわけですが……。

現実的には件の朝ドラ「花子とアン」の主役は翻訳家の村岡花子であり、柳原百蓮は脇役という扱いが、現代に至っても、なかなか全てを披歴する事が出来ない事情を表わしているのでしょうか。

しかし劇中で柳原百蓮を演じる仲間由紀恵の演技は素晴らしく、主役であるはずの吉高由里子が演じる村岡花子の存在感を薄くしているのは、否定出来ない事実と思います。

というか、失礼を重々承知で書かせていただければ、「花子とアン」は脚本が全く宜しくありません。

物語展開に無駄な描写や人間関係のあれこれが多く、それゆえに不自然な演出が目立つのは、サイケおやじには耐えられないほどです。

正直、美輪明宏のナレーションと柳原百蓮の登場がなければ、見ていられない気持!

そりゃ~、村岡花子の子孫が書いた原作を得ている以上、劇中の花子が現実の世界でやらかした不倫騒動を綺麗事に描かねばならない事もあるでしょう。

しかし、それでも残念ながら、サイケおやじには吉高由里子が世評どおりの良い女優とは決して思えず、逆に言えば、イメージとしての柳原百蓮に近い仲間由紀恵を認めざるをえないわけです。

極言すれば、仲間由紀恵って、こんなに素晴らしい女優だったのか!?

なぁ~んていう不遜な思いすらあるんですよ。

そこで本日は、以上のような戯言を書くために、ど~して手元にあったのか分からないという仲間由紀恵のシングルCDを掲載しました。

肝心の楽曲「負けない愛がきっとある」は作詞:松井五郎&作曲:林 哲司、そして 編曲:田代隆廣による、個人的には全然魅力を感じないデジタル歌謡ポップスなんで、本日は一応聴きましたが、これからはそれも無いでしょう。

しかし曲タイトルと仲間由紀恵の名演に免じて、あえて掲載させていただいた次第です。

ということで、柳原百蓮や村岡花子については現在、ネットでも大凡の事は知れるのですから、確かに変名とはいえ、高視聴率のNHK朝ドラであればこそ、これからはいよいよ生臭くならざるをえない物語展開が、どのように改変され、視聴者を納得させるのか??

それが楽しみなサイケおやじであります。

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もしも伊東ゆかりがフォークの女王ならば

2014-06-27 14:55:20 | 歌謡曲

ちいさな恋 / 伊東ゆかり (キングレコード)

伊東ゆかりはデビュー当時からポップス歌手という位置付けが極めて高かったようで、それは幼少期からの進駐軍キャンプ巡りや公式レコードデビューが洋楽カパーであった事等々、芸能活動の初期から歌謡曲とはちょっぴり異なる領域で活動していた所為でしょうか、所属していた渡辺プロでは中尾ミエや園まりと抱き合わせのような売られ方をされながら、一般的な歌謡ヒットがイマイチ出せない時期がありました。

それを突破出来たのは、「シャボン玉ホリデー」等々へのテレビ出演から、ついに昭和42(1967)年の「小指の想い出」のウルトラメガヒットだったんですが、そこで本日掲載したのは、その直前!?

昭和41(1966)年秋に発売されたシングル盤は、とにかくジャケ写の雰囲気がモロにカレッジフォークのど真ん中!

殊更A面曲「ちいさな恋」が作詞:水島哲&作曲:平尾昌章=現・平尾昌晃、そして編曲:井上忠夫というクレジットを確認しても、おそらくは12弦であろうギターの響きやドライなリズムの用い方等々、なかなか良く出来た歌謡フォークだと思います。

ところが伊東ゆかりの歌い回しが、どこからしら湿っぽくて、せっかくの愛らしい曲メロが逆にしっくりとこない感じ……。

告白すれば、サイケおやじは全くリアルタイムではノーマークで、昭和40年代中頃になって、ようやく中古でゲットした1枚なもんですから、既に述べたとおりのジャケ写のイメージ、そしてその頃の流行であった歌謡フォークの大ブームからして、過大な期待が裏目になったんですよ。

しかも当時の伊東ゆかりは歌謡ポップスに邁進の大ヒットを多数放っていましたからねぇ~~、ますます縁遠いのが、この「ちいさな恋」という感じでしょうか。

欲を言えば、だからこそ伊東ゆかりには、王道(?)歌謡フォークでヒットを狙って欲しかったと思うばかりでした。

ということで、しかし決して伊東ゆかりは間違えた道を歩んでいたわけじゃ~無くて、あくまでもサイケおやじの独断と偏見に満ちた希望からすれば、例えば森山良子タイプの歌謡フォークの世界でも、堂々の勝ち組になれたはず!?

そんな確信があるんですが、いかがなものでしょう。

しかし歴史には伊東ゆかりが、この直後に「小指の想い出」や「恋のしずく」等々を歌っていったことで、しっかりと歌謡界をリードしていた真相が刻まれています。

その意味で、こうした早すぎた歌謡フォークとでも決めつけたいレコードが残されたのは、ファンやマニアにとっての幸せな「お宝」かと思います。

そしてもしも、「伊東ゆかりフォークを歌う」なぁ~んていうアルバムが作られていたとしたら、ぜひとも聴いてみたいと願っているのでした。

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永遠の渚の誓い

2014-06-26 14:37:15 | Soul

なぎさの誓い / The Tymes (Parkway / 日本ビクター)

所謂オールディズの定義のひとつに、古くても良い歌、良いメロディーという条件があるとすれば、サイケおやじにとってのオールディズの中には必ずや常備されるのが、本日掲載シングル盤A面曲「なぎさの誓い / So Much In Love」です。

今となっては、この1963年に大ヒットしたタイムズのオリジナルバージョンよりも、1982年に某映画のサントラ扱いでリバイバルヒットした、元ポコ~イーグルスのティモシー・シュミットのカパーバージョンが良く知られるところかもしれませんが、それも「なぎさの誓い / So Much In Love」が基本的に持っている、胸キュンにしてハートウォームなメロディがあればこそっ!

本当に何時聴いても、琴線に触れまくりの泣きメロが素敵なんですよねぇ~♪

ちなみに件のタイムズは、アメリカのフィラデルフィア周辺で活動していた黒人コーラスグループなんですが、黒っぽさよりは黒人芸能ならではの粋な甘さを得意技にしていたようで、マニア用語では「甘茶」に属する魅力と白人にも自然に馴染めるポップスフィーリングがウケた要因かと思います。

メンバーはリードを歌うジョージ・ウィリアムス、アルバート・ベリー、ジョージ・ヒリアード、ノーマン・バーネット、ドナルド・バンクスを当時のレギューとする5人組なんですが、この「なぎさの誓い / So Much In Love」を作曲したのはジョージ・ウィリアムスということで、自作自演の気持が入ったボーカル&コーラスにも納得されるものがありました。

そして同時に特筆するべきは、レコード化されたシングルバージョンには波の音がSEとして用いられている事で、邦題「なぎさの誓い」はそこからの連想と思わざるを得ません♪♪~♪

これはレコーディングプロデューサーのビリー・ジャクソン、そしてアレンジャーのロイ・ストレイジスの合作アイディアらしく、楽曲クレジットも彼等3人の名義になっているのは、如何にも音楽産業の舞台裏が興味深いところですし、アメリカのヒットチャートでは堂々のトップに輝いたのもムペなるかな、今日ではスタンダードの人気曲になっているのは言わずもがなです。

ただし、タイムズにとっては、実はこれが特大のヒットになり過ぎたわけでして、一応は1964年までに2~3曲ほどをチャートインさせたものの、後は泣かず飛ばず……。

ところがタイムズは冒頭に述べたとおり、フィラデルフィアで活動していた人脈を活かし、そうした暗黒時代(?)に自らのレーベルを立ち上げ、そこで地道に制作していた諸々のレコードには、後に世界を席巻する「フィリーソウル」の礎的な感触が記録されているのですから、侮れません。

特に1974年の「You Litlle Trustmaker」の大ヒットによる復活は、件の「フィリーソウル」の世界的なブームと重なったことで、実は既にRCAに移籍していたとはいえ、タイムズの魅力を再認識させた実力は流石と思います。

ということで、そのあたりの「フィリーソウル」のあれこれについてを追々に書いていきたいと目論んでおりまして、その端緒のひとつとして本日はタイムズを取り上げてみました。

素敵な音楽は時を超えて、リスナーの心を揺さぶる真実を痛感している次第ですが、この「なぎさの誓い / So Much In Love」は黒人R&Bやソウルミュージックに分類するのがバカらしくなるほどの普遍的な存在として、大衆音楽の典型なのかもしれません。

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下を向くより、前を見る

2014-06-25 15:05:04 | Weblog

病院で定期健診のため、本日の1枚は休載させていただきます。

W杯では日本が惨敗……。

東京は昨日、梅雨時に雹が積もったんで、奇蹟でも!?

という思い込みも甘かったですねぇ~~。

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大好きな小松みどり

2014-06-24 15:17:13 | 歌謡曲

ポチャポチャ小唄 / 小松みどり (東芝)

小松みどりはご存じ、五月みどりの実妹で、その男好きのするルックスは姉妹甲乙つけがたいところですから、例によってサイケおやじは少年時代から大好きなお姉様のひとりでありましたが、どちらかと言えば、小松みどり派をこの機会に告白させていただきす。

もちろんご存じのとおり、小松みどりも五月みどりに負けじと(?)ロマンポルノ「好きぼくろ(昭和60年・山本普也監督)」に出演したり、高級クラブを経営したり等々、なかなか「色の道」の趣も深いわけですが、しかし同時に姉・五月みどりとは似て非なる「可愛らしさ」が憎めないところで、それは姉妹共に積み重ねた年齢とは無関係の魅力になって、今日も続く真実なんですよねぇ~♪

それは掲載した彼女のデビューシングル盤のジャケ写からも、既に明確に表れていると思うのは、サイケおやじの思い込みでしょうか。

発売は42(1967)年初夏と言われていますが、この時の小松みどりは確か17歳だったんですよっ!

いゃ~、このジャケ写を眺めているだけで、サイケおやじは大満足で、実はこのレコードは先週、長年の夢が叶って入手出来たという、ホヤホヤの個人的お宝というわけです。

そして肝心のA面曲「ぽちゃぽちゃ小唄」は作詞:岩崎なみ&作編曲:高木勇次が提供した、当時の芸能界恒例のセクシームードが思わせぶりな歌謡曲なんですが、特筆しておきたいのは花柳啓之の振り付け指導が裏ジャケに掲載されている事でしょう。

つまり、お座敷とか宴会場で「ぽちゃぽちゃ小唄」を歌って踊る狙いまでも企図されたわけで、しかも小松みどりの持ち味である、ハートウォームな(?)お色気が滲む声質による節回しが、辛抱たまらんの世界♪♪~♪

う~ん、既にセブンティーンで、この境地!?

と書けば、それは贔屓の引き倒しであって、小松みどりの真骨頂はデビュー当時から、しっかりとファンを惹きつけていたというわけです。

ということで、実は小松みどりの音源覆刻状況は全く良くないです。

正直、お茶の間で流れるには小松みどりの歌は艶っぽ過ぎる声質ではありますが、だからこそ、居場所の無い中高年の紳士諸氏には必要とされるのが、小松みどりの歌の世界!

もしも彼女の音源が復刻集成されるのであれば、そのCDはサイケおやじの車の中ではマストになるにちがいありません。

ど~か、レコード会社の英断を切に願うものであります。

もちろん、これまでのブロマイドやスチールカット、さらにはグラビアショットを纏めた写真集も、ねっ!

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桂木文のせつなさは…

2014-06-23 14:50:51 | 歌謡曲

短篇小説 / 桂木文 (ワーナーパイオニア)

さてさて、東京都議会における女性議員への蔑視的ヤジが世界的にも報道される事態となり、いやはやなんとも、情けない話と思うばかりですが、例えなんであろうとも、殊更女性としての尊厳を貶めるような言動は時と場所を選ぶ必要性がある、なぁ~んて常識は、サイケおやじにも幾分はあるわけですよ。

で、そんなこんなから、思い出してしまったのが桂木文(かつらぎあや)……。

今でも、彼女を思うと、せつない気分に陥ってしまうのはサイケおやじばかりでは無いでしょう。

それは落語家の林家しん平との昭和60(1985)年の電撃結婚から、アッという間の離婚が発表され、しかもその記者会見の席上で、彼女に対する精神と肉体の性的欠陥を露骨に指摘暴露する発言が林家一門側からなされ、桂木文は、ただただ泣いているだけという、いくら芸能活動の一環とはいえ、あそこまで酷いやり方は、もしも現代であれば、忽ちネットを含む各方面で林家一門は社会的な制裁を受けても不思議ではない状況でありました。

詳しい事は今回、ここまでと致しますが、興味の抱かれた皆様であれば、そんな事態はネットでいくらでも知る事が出来るはずで、それほど苦しい立場に追い込まれた桂木文は、テレビドラマ「ムー一族(TBS)」で郷ひろみの恋人役(?)としてラッキーなデビューを果たした美少女アイドルというイメージが無残に崩れ……。

サイケおやじにとっては、件のデビュー当時から感じていた、どこかしら儚げな印象が、そのまんま現実になったような気もしていますが、そこで本日ご紹介するのは、昭和53(1978)年に発売された桂木文の歌手デビュー曲「短編小説」でありまして、彼女が聞かせてくれるこの歌も、なかなか儚げな魅力に胸キュン♪♪~♪

ご存じのとおり、「短編小説」はシンガーソングライターのさだまさしが作詞作曲した事から、例によって秘めやかな恋情の穏やかな歌謡フォークではありますが、なによりも桂木文の「ささやき歌唱」があってこその完成度は抜群で、しかも全然ジャズっぽく無いところが高得点なんですよ♪♪~♪

ちなみに、さださましがアイドルに提供した楽曲では、山口百恵の「秋桜」と双璧の傑作と、サイケおやじは強く思っています。

しかも前述した離婚記者会見があって以降、失礼ながら急速に輝きが失せてしまった桂木文を思う時、この「短編小説」が、ますます魅力を強くしていると感じるのは、サイケおやじの思い込みでしょうか……。

もともとが「短編小説」は、せつない歌です。

それでも桂木文が最初にレコーディングした時、ここまで相反的に魅力を増大させるなぁ~んて事は、全く意想外であったはずで、まあ、それもサイケおやじの独断と偏見でありますが、個人的には非常に愛おしい名曲名唱というわけです。

ということで、ジャケ写の涼しげなイメージも眩しかった桂木文♪♪~♪

だからこそ、あれこれ悪い噂を聞くのは辛いですし、そっとしておきたいのが彼女への一方的な印象です。

そして、だからこそ、サイケおやじはレコードの中で「短編小説」を歌ってくれる桂木文を大切にしているのでした。

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お願い、じゅん&ネネ

2014-06-22 14:27:16 | 歌謡曲

プリーズ・プリーズ・プリーズ c/w 忘れた歌 / じゅん&ネネ (キングレコード)

じゅん&ネネはデビュー当時から歌謡曲の中でも絶妙の洋楽フィーリングを隠し味にしていた感があり、それゆえにソフトロック歌謡という観点からすれば、昭和47(1972)年に発売された本日ご紹介のシングル盤は、それほどのヒットにはなりませんでしたが、収録両面曲共に、なかなかの傑作と思います。

とにかく、まずはA面曲「プリーズ・プリーズ・プリーズ」が、もう最高~~♪

それは松田晃の作詞作曲はもちろんの事、特筆すべきは東海林修のアレンジの「ビートの効いた爽やかさ」とでも申しましょうか、リズムアレンジやホーンセクションの使い方が黒っぽいのとは逆にエレピを用いた曲展開の彩りが、たまらないんですねぇ~~♪

しかもそこに、じゅん&ネネならではの幾分生臭いと言っては失礼かもしれませんが、濃いめのコーラス&ハーモニーワークが乗っかるんですから、確信犯的な狙いはドンズバに昭和歌謡曲ファンを捕らえて離さないんじゃ~ないでしょうか。

そして個人的には尚更に好きというのがB面収録の「忘れた歌」でありまして、こちらは作詞:安井かずみ&作曲:かまやつひろし、加えて編曲:竜崎孝路が提供するのは、ちょっぴりジャズっぽくてカーペンターズ風味も仄かな、これまたソフトロック歌謡の決定版なんですよっ!

あぁ~、ピアノの響きに彩られたじゅん&ネネの余韻の残る節回しが、実に素敵♪♪~♪

しかし冒頭に述べたとおり、ここまで完成度の高いレコードを作りながら、時代は既にじゅん&ネネを必要としなくなったのは、厳しい現実……。

おそらく彼女達のキャリアでも、最後に近い1枚と思われますが、ご存じのとおり、じゅん&ネネは今世紀に入って再び活動しているとなれば、サイケおやじはそのライプには接した事はありませんが、この「プリーズ・プリーズ・プリーズ」や「忘れた歌」を演じていて欲しいと願うばかりです。

最後になりましたが、このジャケ写の雰囲気も、全く今頃の時期にはジャストミートでしょう。

如何にも当時の普段着っぽいファッションが、現代のお若い皆様にも通じるのであれば、このレコードも存在意義が高くなるわけでして、そんなこんなも例によってサイケおやじの独断と偏見かもしれませんが、ひとつよろしくであります。

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ドレミファン変化

2014-06-21 14:34:16 | 歌謡曲

私半人前 c/w ノックは無用 / ドレミファン (CBSソニー)

少年時代から綺麗なお姉様が大好きだったサイケおやじが、今もって気になっているのが、本日掲載のシングル盤を昭和49(1974)年に出したドレミファンというグループです。

それは残念ながら、サイケおやじは彼女達の生のお姿はもちろん、テレビ等々でも接したことが無く、このレコードの存在すらも、発売から数年を経ての中古屋での邂逅でしたからねぇ~~。

でも、ジャケ写に登場しているキャスパー=丸尾美津子、ハニー=稲見美智子、ダラ=石井薫子、レオ=柴田真知子のメンバーは各々、なかなか男好きのするルックスですし、実際にレコードに針を落してみれば、歌の実力もなかなかではありますが……。

これまた残念ながら、前述したメンバーの名前等々が載っている裏ジャケの写真が大減点で、全く色気の無いジーンズ姿というのも、まあ、当時のファッションの典型でありますから、何も言えませんが、それにしても、とにかく作詞作曲:浜口庫之助&編曲:高田弘が提供したA面曲「私半人前」における、仄かなセクシーフィーリングは良く出来た着エロイメージ映像の如き、素敵な妄想を喚起させられる仕上がりなんですよ♪♪~♪

そして、それが更に良く出たのが作詞:阿久悠&作編曲:鈴木邦彦による、ご存じ、大信田礼子のヒット曲カバー「ノックは無用」なんですから、たまりません♪♪~♪

あぁ……、ドレミファンの動くお姿を見たかったなぁ~~。

もちろん、当時の事ですから、水着姿なら、尚良しってなもんですよ。

しかし、それでもサイケおやじが、このレコードに救いを見い出すのは、未だに顔と名前が一致しないメンバーのインディビジュアルを配置したジャケットデザインでありまして、告白すれば既に壁に飾っている1枚でありながら、その日、その時の気分によって、天地左右を90度回転させての鑑賞が実に楽しいんですよ♪♪~♪

ということで、ドレミファンのように、こういうお姉様達が挙って登場し、活躍出来ていた昭和の歌謡界は、まさに奥の細道でもあり、それを辿るのがサイケおやじの余生の過ごし方に出来るのであれば、齢を重ねる悲観も軽くなるのでは?

なぁ~んて、自分に言い聞かせているのでした。

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