OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

山口果林が歌う愛

2013-11-30 15:59:51 | 歌謡曲

誰のために愛するか c/w ぽかんとひとり日曜日 / 山口果林 (日本コロムビア)

女優が歌うのも当たり前の芸能活動であった時代とはいえ、まさか山口果林がレコードを出していたとは全く知らず、それゆえに最近、本日掲載のシングル盤に中古屋で遭遇した時は、ちょっぴ手が震えましたですねぇ~♪

と言うのも、最近では作家の安部公房の愛人であった過去を堂々と告白するほど、なにかふっ切れた生き様を見せる彼女ではありますが、これを出した昭和46(1971)年当時は一般に秘密の生活であり、ところがA面の曲タイトルが――

 誰のために愛するか

――、とキメられてしまっては、後追いで聴く者には、たまりませんよねぇ~~。

ところが、どうやら真相は曽野綾子の著作「誰のために愛するか」にインスパイアされた企画物であり、もちろん作詞には曽野綾子が関わり、阪田寛夫の補作が入ったところに作曲:都倉俊一&編曲:馬飼野俊一が参画しているとなれば、ソフトタッチのボサノバ歌謡は「お約束」以上の仕上がりですよ♪♪~♪

ただし、山口果林のボーカルスタイルというか、如何にも女優らしい発声が歌心に結びついていない怨みがありますので、十人十色の好き嫌いがあろうかと思います。

また、その意味ではB面収録の「ぽかんとひとり日曜日」が作詞:木崎武重&作曲:後藤忠紀、そして編曲:馬飼野俊一による正統派(?)ボサノバ歌謡のストレート仕様になっているのは高得点♪♪~♪

個人的には、むしろこちらを愛でるサイケおやじです。

ということで、如何にも秋の風情が満点のジャケ写共々、あれこれ知った後であっても、ちぃ~とも生臭みを感じないのは、女優の歌のレコードゆえの事かもしれません。

そして最後になりましたが、問題(?)の名著「誰のために愛するか」は、このシングル盤が出た同じ年に東宝で劇場用本篇が、またテレビ版は昭和49(1974)年にNET=現テレビ朝日で連続ドラマ化されているんですが、どうやら山口果林は、そのどちらにも出ている形跡が無いのは、なんだかなぁ……。

願わくば現在、もしも再映像化されるのであれば、ご出演していただきたいと思うばかりです。

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初期の庄野真代が気になるなぁ~

2013-11-29 15:41:51 | Singer Song Writer

ジョーの肖像 c/w エイトマン / 庄野真代 (日本コロムビア)

庄野真代と言えば、昭和53(1978)年に出した「飛んでイスタンブール」の特大ヒットにより、極めて歌謡曲寄りのニューミュージックシンガーという位置付けになるんでしょうが、基本的にはシンガーソングライターであったのが、初期の実相でありました。

本日掲載のシングル盤は、そんな彼女の昭和51(1976)年のデビュー作であり、まずはA面「ジョーの肖像」が、なかなかジャジーなシティソウル歌謡でありながら、それでいてどこかしらアカ抜けない雰囲気なのが、独得の持ち味と言ってしまえば、失礼でしょうか。

もちろん作詞作曲は彼女自身、上芝はじめが担当したアレンジもソツの無い仕上がりと思いますが、なんだかイマイチ感情移入が出来ないんですよねぇ……。

一方、B面収録の「エイトマン」も庄野真代の自作曲なんですが、八方美人の男をエイトマンと決めつける歌詞の中身は、笑っていいんですかねぇ~~?

A面と同じく、上芝はじめのアレンジによる演奏が力強いルーツロック風味であるがゆえに、聴いていてミョウチキリンな気分にさせられてしまいますよ。

結局、彼女は前述の「飛んでイスタンブール」が出るまでは、泣かず飛ばずで、それでもレコードを出し続けられたのは、持ち前の積極性でしょうか?

と書いたのも、実は学生時代に入れてもらっていたバンドの先輩から聞いた話なんですが、公式デビュー前に関西で活動していた彼女はアマチュアコンテストの常連で、しかも歌よりも自分の売り込みに力が入っていたとか!?

まあ、そのあたりの逸話は様々にあるらしいんですが、ようやくレコードデビューした時には既に結婚していたとか、ご亭主が橋本淳の事務所で働きながら、こんがりトーストというグループをやっていた作曲家の小泉正美だったことから、あの人気曲「飛んでイスタンブール」を貰えたに違いない!?

なぁ~んていう妬みの噂まで、当時はあったほどです。

つまり庄野真代は自分をアピールすることが非常に上手く、それゆえに芸能人として成功し、政治家になりそこねたりしたキャリアが、それはそれで立派だと思います。

ただし、だからこそサイケおやじは初期の掴みどころのなかった庄野真代が気になるわけでして、これからちょっくらレコードを集めてみようという決意表明が、本日のプログというわけです。

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こんな薄着で木枯らしのシンシア

2013-11-28 14:56:50 | 歌謡曲

木枯らしの精 / 南沙織 (CBSソニー)

春には春の、夏には夏の歌があるように、殊更多いのが秋の歌だとすれば、南沙織の定番は「色づく街」でありましょうが、しかし例によって天の邪鬼なサイケおやじは本日掲載のシングル盤A面曲「木枯らしの精」が好きです。

ただし、発売された昭和52(1977)年晩秋においても、決して大きなヒットにはならなかった印象で、しかも「木枯らし」という曲タイトルに応しいとは思えない、このジャケ写のイメージは????

厳しい事を書いてしまえば、当時の南沙織はアイドル歌手としての人気が凋落していた頃で、しかも芸能活動から本人の気持が離れていたと言われていますから、所謂迷っていたんじゃ~ないでしょうか。

後追いでチェックしてみても、シングル曲の提供が有馬三恵子&筒美京平の黄金ラインから逸れ、ニューミュージック畑のシンガーソングライター等々の起用が目立ち始めていたのですから、「アイドル」よりは「大人の歌手」へと転身を図っていたように感じます。

で、この「木枯らしの精」にしても、作詞作曲が歌謡フォーク&AOR歌謡の才人として、サイケおやじも大好きな丸山圭子♪♪~♪

そしてアレンジが萩田光雄とくれば、如何にも流行最前線のニューミュージック歌謡になるはずが……。

結果的に、どこかしら煮え切らない仕上がりは勿体無いかぎりです。

しかし、それでも確実に新しい「何か」が感じられるのも、ファンとしての贔屓の引き倒しでは無く、南沙織と言うよりも、シンシア特有の節回しの妙と感情の滲んだ声質の魅力は不滅と思います。

そして、これがあってこそ、翌年春に「春の予感 - I've been mellow」が久々の大ヒットになったような気がするのは、サイケおやじだけでしょうか。

ということで、南沙織の残したシングル曲の中では目立たない作品ではありますが、今こそ聴いていたいのが彼女の歌声♪♪~♪

ミスマッチ気味のジャケットが意外にファンの間では好評という噂が当時も今も、このレコードの価値のひとつかもしれません。

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生きているのは俺たちだっ!

2013-11-27 15:47:58 | 日本のロック

■国旗はためく下に / イエロー (London)

例の「秘密保護法案」の衆院通過を率先して騒ぐマスコミとは裏腹に、国民的にはちっとも盛り上がっていないのは、説明不要!

そんなこたぁ~、一般大衆には何の関係も無いし、だいたいそれで一番困るのは、自分等のメシのタネが制限されるマスコミに他ならないのですから、騒がないわけにはいかんのでしょう。

もちろん、そのあたりの事は国民にはお見通し!

そもそも「秘密」っていうものは国家だけでなく、会社や個人にだって必ずあるはずで、全てを詳らかにする事は決して良い結果にならない真実は、この世の理ですからねぇ~~。

しかし、だからと言って、国家の横暴や思想の統一を許してならない事も当然!

それでもマスコミでしか情報に手軽に接する事の出来ない我々は、結局、奴らが見せたがっているものしか見られず、伝えたがっているものしか、知る事が出来ないのですから、いやはやなんとも……。

さて、そこで思わず口ずさんでしまったのが、本日掲載のシングル盤A面曲「国旗はためく下に」で、オリジナルは自作自演による昭和48(1973)年の泉谷しげるバージョンなんですが、ここではあえて泉谷しげるのバックバンドも務めていたイエローの新録テイクをご紹介です。

というのも、泉谷しげるは歌謡フォークブームにデビューしたシンガーソングライターでありながら、その本質は極めてロック的な姿勢が常に強く、今となっては不条理な不満ばっかりタレている反動分子!

みたいな印象ばかりが先んじていますが、だからこそ、本物のロックを作れていたんじゃ~ないでしょうか。

この「国旗はためく下に」は、曲タイトルどおりに国家へ隷属するのが当然の国民だって、「融通の利かぬ自由に乾杯」するエネルギーは常に皆が持っているんですよっ!

そんな大衆的思想と目線に立ち位置を決めた、これが泉谷しげるの真骨頂ならば、歌って演じるイエローは、これが世に出た昭和50(1975)年の日本では屈指の実力派バンドでありました。

メンバーは垂水孝道(vo)、中村純作(g)、川崎雅文(key)、垂水良道(b)、吉長信樹=ジョニー吉長(ds)、上田信一(per) の6人組ながら、特にライプの現場におけるスケールの大きな存在感は、当時のニッポンのロックを体現していたと思います。

ということで、ここまでアジったロックが、昭和元禄爛熟期にも作られていたという、そこが凄いわけです。

どうか、皆様には、どっちのバージョンでも、とにかく「国旗はためく下に」を全篇聴いていただきたく、サイケおやじは不埒なひとりの国民ではありますが、お願い申し上げる次第です。

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ついにPCが断末魔?

2013-11-26 15:36:18 | Weblog

私用のPCからデータが引き出せず、どうやら拙い事になっているみたいです。

とりあえずソフトの入れ替え&書き換え中なんで、本日の1枚は休載させていただきますが、バックアップ用のハードディスクは無事なんで、今夜中の結着を目指します。

訪れて下さった皆様には、心からお詫び申し上げます。

失礼致しました。

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私のビートルズへの不束な想い

2013-11-25 15:44:47 | 日本のロック

私のビートルズ / 常田富士男 (日本コロムビア)

先日の来日公演では既に70歳を越えて、それでも長丁場のステージをやってしまったポール・マッカートニーに脱帽するしかないサイケおやじではありますが、それもこれも「ビートルズ」という神話を我々に伝え得る最良の人物なればこそっ!

心底、尊敬に値するのがポール・マッカートニーの現在進行形でしょう。

そして同じ時代の空の下に生きて、多かれ少なかれ、ビートルズに何らかの影響を受けた者ではあれば、其々に私的な想いが募るはずです。

そこで本日ご紹介するのは、昭和45(1975)年にアングラヒットした和製サイケデリックロック「私のビートルズ」であります。

演じている常田富士男は「まんが日本昔ばなし」の語り&ナレーションで超有名な俳優であり、また実写の世界の個性的な名わき役としても、映画やテレビドラマ、バラエティ番組等々で幅広く活躍している実績は説明不要と思います。

ですから、掲載のシングル盤を出してしまったのも、リアルタイムの昭和元禄を体現した虚無と偏向した熱情による演技が時代にアクセスしていた証であり、実際にサイケおやじは、ラジオから流れた「私のビートルズ」を最初に聴いた瞬間の戸惑いと衝撃が、あまりにも大きすぎて、放心させられましたですよ。

まずは、なにしろ歌詞が意味不明!

 ハゲ山の ハゲタカが
 私を少し齧ったから
 ハッシッシ ハッシッシ ハッシッシをあげたのさぁ~
 夢見る旅ぃ~~~

 薔薇の花をベッドに敷き詰めて
 ジョンとポールが愛し合っている

 羽の生えたトイレに跨って
 空を ヨーコが 
 一人飛んでいる

なぁ~んて調子が徹頭徹尾なんですからねぇ~~~!?

繰り返しますが、昭和元禄爛熟期のリアルタイムでさえ、アブナイ感じとトリップ当然みたいな歌詞の中身は、極北でありましたから、現代のお若い皆様にはラリルレロどころの話じゃ~ないかもしれません。

しかも演奏パートがドロドロのハードロックと疑似プログレで煮詰められ、その濁ったキメが当たり前のファズギター!?

もはやサイケおやじの稚拙な筆など無用の長物であり、これは実際に聴いていただくのが最良ではありますが、驚くなかれ、制作スタップを確認してみれば作詞:吉岡オサム、作曲:神津善行、そして編曲:佐々永治のクレジットには目を疑うほどです。

そして当然ながら、常田富士男ならではの、素っトボケた語り口による節回しは不滅でしょう。

全くジャケ写のイメージどおりに放浪しては、その日暮らしにトリップすることが許されていた時代という事なんでしょうかねぇ~~??

何れにしても、これほどヒットしたカルトな楽曲もないほどで、その頃のラジオ深夜放送では、爆発的な人気を集めていたと記憶しています。

ということで、ビートルズは何時だって素敵だと思いますが、どうにも今の季節にはシンドイ気分も隠せません。

もちろん、あの悲劇を現実として受け止めることこそが、ファンの本当の務めなのでしょう。

でもねぇ……、無理してしまうのも、性分には合いません。

気が向けば、ビートルズを想う、そんなところが、私のビートルズかと。

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フォーク演歌な夜明けの停車場

2013-11-24 15:29:00 | 歌謡曲

夜明けの停車場 / 石橋正次 (クラウン)

昨夜は一期一会、おやじバンドのライプに参加させていただきましたが、実はそのメイン演目が「懐かしの歌謡フォーク」だったんで、過日のプログに書いたような状況もあって、立って演奏するのが普通のギターやベースのメンバーも含め、全員が横並びに着席!?

まさに往年のフォークコンサート、あるいはアンプラグドなセッティングに近い、集まって下さった観衆の皆様共々に、和み優先のギグでありました。

しかもやったのが「歌謡フォーク」ですから、如何にもおやじバンド的な解釈による「昭和歌謡曲」になったのは言わずもがな、本日掲載のシングル盤A面曲「夜明けの停車場」は今年ロクマルのボーカル氏が十八番の演目とあって、とにかく良い雰囲気だけは出せたんじゃ~ないかなぁ~?

と、少なくとも自画自賛のジコチュウ反省会ではありますが、それもこれも、やっぱり作詞:丹古晴巳&作曲:叶弦大、そして編曲:小山恭弘の良い仕事があればこそと思います。

それはズバリ! 発売されるや大ヒットになった昭和47(1972)年当時流行の歌謡フォーク調が入った歌謡演歌節という、今も昔の日本人の琴線に必ずや触れまくりという、「泣きの世界」が魅力なんですねぇ~~♪

そして当然ながら、歌っている石橋正次の胸に迫る説得力の歌唱は抜群!

説明不要とは思いますが、石橋正次はリアルタイムでの青春スタアであり、例えば熱血の不良少年、ちょっぴり屈折した反主流派警察官、さらには貧しくとも明日に希望を持ち続ける勤労青年、そして自分勝手(?)な特撮ヒーロー!?!?

とにかく石橋正次が演じる「熱血」は、森田健作のそれとは異なり、スマートなカッコ良さよりも、コブシの効いた人情の濃さが魅力だったんじゃ~ないでしょうか。

それはデビュー以来、夥しく出演してきた映画やテレビドラマ、そして舞台での活動も含め、演技する事と石橋正次の存在そのものが重なって思えるほど、昭和に生まれ育った我々の心に強い印象を!

ですから、歌の世界でも、グッと凝縮された情景心象描写を程好い熱情で聴かせてくれるのは得意技で、この「夜明けの停車場」以外にも、素晴らしい音源を沢山残していますよ♪♪~♪

ということで、歌謡フォークというよりもフォーク歌謡だって、現代で立派に通用してしまうところに、「昭和」の魅力と底力があるわけです。

拙ブログは、どちらかといえばサイケおやじのスケベ心の所為もあって、そのジャンルでは女性歌手のご紹介が多いんですが、今後は地味ながらも、男性歌手の好きな歌を掲載していく所存です。

最後になりましたが、何か椅子に座ってギターを弾いていると、自分の未熟は棚に上げ、スタジオプレイヤーになったが如き優越感に浸ってしまう瞬間があた事を告白させていただきます。

あぁ~、お恥ずかしいぃ~、失礼致しました。

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やれる時にはやっておこう

2013-11-23 16:21:00 | 歌謡曲

ちょっぴり凹んでいるサイケおやじではありますが……

実は本日、入れてもらっている、おやじバンドのライブがあるんです。

気分的にエレキの重さを感じているのは、やっぱり体調がイマイチなのかなぁ~~。

でも、気楽にやりますよ。

ということで、本当は掲載予定だった本日の1枚が、リモートアプリの作動不良なのか、PCからデータが引き出せず、悪戦苦闘の末にタイムアップ!?

これから、とりあえずのサウンドチェックやリハ、ありますので、ご容赦下さいませ。

トーカイとはいえ、レスポール抱えて、椅子に座ってのプレイは、クリムゾンのあの人を意識してしまいます♪

ジコマン、失礼致しました、

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準備も覚悟も無く…

2013-11-22 14:57:32 | Weblog

ついに今日は、恐れていた連絡が入りました。

それは病院からで……。

来月中に心臓の再検査を実施したいって!?!?

う~ん、ほとんど有無を言わさぬ命令では、既にほとんど空きが無いスケジュールの遣り繰りも捨て鉢ですよ。

ということで、一期一会でこれからは過ごしていくのがベストでしょうが、サイケおやじは、なんの覚悟も出来ていません。

とりあえず、週明けには答えを出さないとなぁ~~。

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中原美樹のシビレる語り

2013-11-21 15:56:21 | 歌謡曲

花嫁の手紙 / 中原美樹 (TRIO)

所謂「語り入り」の楽曲がサイケおやじは好きです。

しかも一番好きなのは、どうにもワケアリな美女の独白みたいな歌謡曲で、つまり言葉の意味がストレートに伝わってくる作品には、目がありません。

例えば本日掲載のシングル盤A面収録「花嫁の手紙」は、昭和48(1973)年晩秋に発売された時よりも、後々の廃盤ブームで注目が集まった、歌謡曲マニア御用達の人気曲で、作詞&作編曲が藤本卓也というだけでも、心が揺れてしまうファンが多いと言われています。

また、このジャケ写の素晴らしさ♪♪~♪

主役たる中原美樹については、ほとんど知らないんですが、こういう通称「さそりファッション」がジャストミートしてしまう雰囲気の良さは、彼女自らの佇まいと信じて、裏切られることは無いでしょう。

そして肝心の「語り入り」、「花嫁の手紙」なんですが、曲の始まりが駅から列車が出発して行くSEと哀切のハミングコーラスで構成され、次いで重々しく、哀しい中にも一抹の希望を求めてしまう、そんな表現を幾分大袈裟に歌う中原美樹の声質は、ちょっぴり、あべ静江なんですから、たまりません♪♪~♪

しかも、いよいよ中間部では――

 お父さま お母さま
 どうか私のわがままを許して下さい
 私はどうしても 生きた月日の証しがほしいのです
 これから二人でそれを捜しに行きます

――ですからねぇ~~~♪

その落ち着いた語り口が、本当にせつなくて、グッと惹きつけられますよ♪♪~♪

そうです、これは皆様ご推察のとおり、駆け落ちソングってやつで、実は冒頭から――

 全てに許されて 花嫁衣装が着たい

――というキメが用いられてしまえば、後は自ずと聴き入ってしまうわけで、そこへ前述の「語り」が入るんですから、サイケおやじはジャケ写を眺めてゾクゾク、レコードに針を落してヒクヒクという歓喜悶絶の有様が、今も昔も変わらぬ真相です。

もちろん曲最終盤には、もう一回、「語り」が入ってくるわけでして、もう最高なんですが、それは聴いてのお楽しみ!

あぁ、この歌と中原美樹に出会えた幸せは、永劫と思うばかりです。

ということで、これからも「語り入り」の楽曲については、追々にレコード紹介させていただく所存ですが、CD時代の今日、それもんばっかり集めたオムニバス盤でも出ていないかなぁ~~。

そんなふうに希望しているんですが、何故にCDに拘るかと言えば、結局「語り入り」の歌や演奏ってのは、相当に「脂っ濃いクセ」があるんですよ……。

だから、簡単にトラックをスキップ出来るCDじゃ~ないとねぇ~~、身が持ちません、実際。

そのあたりは、皆様が十人十色の好き嫌いであることは百も承知、それでもサイケおやじは「語り入りの歌」が好きなのでした。

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