OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

トランペットの詩人

2007-09-30 15:53:09 | Weblog

もう9月が終わってしまう……。

それにしても今月は地獄のような忙しさでした。サイトの更新も儘ならず、これから先のスケジュールもビッシリですからねぇ。

いったい何のために働いているのか、物欲のためもありますが、そこに仕事があるから働いていると、ひとり納得するほかはない現状です。

ということで、本日は――

Tony Fruscella (Atrantic)

ジャズ喫茶の楽しみのひとつが、知らないアルバムに出会う事です。それはまた、知らないミュージシャンとの出会いでもあるわけですが、そうして狭い入口を潜りぬけ、底なし沼に足を取られて彷徨うのが、ジャズ者の本懐なのでしょう。

で、その頃のジャズ喫茶に集う諸先輩が、挙って「良い」と教えてくれたのが、このアルバムでした。

う~ん、ジャケットもシブイですが、トニー・フラッセラというトランペッターは、当時のジャズマスコミには全く登場しない人でしたから、なんだかそれだけで、奥の細道に踏み込んだ気がしたものです。ズバリ、幻の名盤扱い!

ところが聴いてみても、当時の私には全然ピンっとこないんですねぇ……。

録音は1955年3月と4月、メンバーはトニー・フラッセラ(tp)、アレン・イーガー(ts)、ビル・トリグリア(p)、ビル・アンソニー(b)、ジュニア・ブラッドレイ(ds) に加えて、3月のセッションにはダニー・バンク(bs) とチェルシー・ウェルシュ(tb) が入っています。またアレンジャーとしてフィル・サンケルがクレジットされているのも興味深いところでしょう――

A-1 I'll Be Seeing You (1955年4月1日録音)
A-2 Muy (1955年3月29日録音)
A-3 Metropolitan Blues (1955年4月1日録音)
A-4 Raintree County (1955年4月1日録音)
B-1 Salt (1955年3月29日録音)
B-2 His Master's Voice (1955年4月1日録音)
B-3 Old Hat (1955年4月1日録音)
B-4 Blue Serenade (1955年4月1日録音)
B-5 Let's Play The Blues (1955年4月1日録音)

――という演目の中では、A面ド頭の「I'll Be Seeing You」が畢生の名演として、今日では広く認知されているところです。いゃ~あ、実に素晴らしい演奏なんですが、これが最初、私には全く分かりませんでした。

というのも、結論から言うと、ここでのトニー・フラッセラは、いきなりアドリブから始めて、テーマメロディを端折っていたんですねぇ~。ちなみに曲はビリー・ホリディの名唱が決定的なスタンダードなんですが、その時の私はオリジナルのメロディを知りませんでしたから、せっかくトニー・フラッセラが演じてくれた妙技を心底楽しむことが出来なかったというわけです。

しかし、そこに目覚めてみると、これほどの名演は滅多にあるもんじゃない! と感銘するほどです。一抹の哀愁を含んだピアノのイントロも秀逸ならば、トニー・フラッセラのちょっとハスキーなトランペットの音色そのものが、グッと心に滲みてきます。

シンプルなグルーヴを大切にしたノリも素晴らしく、もちろん歌心が絶妙ですから、もう何度聴いても飽きません♪ 悲しみを胸に秘めたようなビル・トリグリアのピアノも味わいふかいところです。

そして同系の演奏としては「Blue Serenade」が、これまた素晴らしくて泣けてきます。嫌味の無い思わせぶりが、たまらんのですよ。

しかしアップテンポにおけるスイングしまくった演奏も捨てがたく、「Muy」や「Raintree County」での中間派っぽいノリは、歌心も満点で和みます。

共演者ではレスター・ヤングの影響下にあるアレン・イーガーが、やはり実力どおりの快演!

というこのアルバムは、1970年代中頃までは所謂「幻の名盤」とされていましたから、我国で再発された時には、ちょっとしたベストセラー盤になったと言われています。

もちろん私もその時に買ったわけですが、邦題が「トランペットの詩人」とは言いえて妙です。全く、そのとおりなんですねぇ~♪

ちなみにトニー・フラッセラは白人ですが、その生い立ちは決して恵まれたものではなく、トランペッターとして名を上げた後は麻薬に溺れ、1969年に40代で亡くなっています。つまり破滅型の人間だったのかもしれませんが、そういう資質が滲み出た演奏こそ、リスナーの琴線にふれるというのがジャズの魔力なんでしょうか……?

もちろん残されたレコーディングは少なく、そのほとんどが、このアルバムには及ばない出来というのが私の正直な感想ですので、機会があれば、「I'll Be Seeing You」だけでも聴いてみて下さいませ。

虜になると、ジャズを聴く楽しみが確実に増えると思います。

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素晴らしき再会

2007-09-29 18:04:51 | Weblog

あ~ぁ、今日はケイタイを階段から落とし、壊してしまったです。

本体そのものはともかくも、中のデータが壊れたのは痛いですねぇ。先週、バックアップを取っていたのは、ムシの知らせだったかもしれませんが……。

ということで、本日は――

Reunion Blues / Oscar Peterson (MPS)

「再会のブル~ス」というアルバムタイトルどおり、オスカー・ピーターソン所縁のメンバーが4人揃った快演盤です。

録音は1971年7月、メンバーはオスカー・ピーターソン(p)、ミルト・ジャクソン(vib)、レイ・ブラウン(b)、ルイス・ヘイズ(ds) というソウルブラザー4人組♪ もちろん各人が気負う事なく、イキイキとしたジャズ魂を発揮しています――

A-1 Satisfaction
 初っ端からスピードがついて豪快なグルーヴが満喫出来る演奏ですが、素材はもちろんストーンズの代表曲ですから、吃驚です。といっても、あの有名なテーマメロディとかリフは、ほんのちょいとしか聞けません。徹底的に派手な4ピートで4人がブッ飛ばしているのです。
 ちなみにジャケット外側には演目の記載がなく、見開きの中を確認して初めて、おぉ~! と感動するわけですが♪ とにかく痛快なハードバップで、スカッとします。

A-2 Dream Of You
 一転してゆったとしたテンポで演じられる和みのバラード演奏♪ レイ・ブラウンのベースが全体をリードしています。
 その中で自由に浮遊するが如きミルト・ジャクソンの歌心は最高! するとオスカー・ピータソンは物凄いテクニックを全開させ、その場の空気を支配していく様が圧巻です。
 ルイス・ヘイズはブラシとステックを併用して抜群のサポートに撤すれば、レイ・ブラウンは絶妙の絡みでメンバーの気持ちを繋いでいるようです。

A-3 Someday My Prince Will Come
 これまたお馴染みのテーマメロディが、一筋縄ではいかないメンバーによって変奏されていく、本当にたまらない演奏です。
 個人的にはオスカー・ピーターソンが弾き過ぎのような気もしていますが、レイ・ブラウンの必死の説得ようなベースの絡み具合が絶妙ですから、それも心地良い疲労感でしょうか。もちろんレイ・ブラウンは秀逸なアドリブソロも聞かせてくれます。
 そしていよいよ登場するミルト・ジャクソンは、やや余所行きの感じも漂いますが、なかなか過激で新しい展開を聞かせてくれるのでした。う~ん、時代が時代でしたから……。

A-4 A Time For Love
 個人的には一番好きな演奏が、これです。
 良く知られた魅惑のテーマメロディを素材に、まずミルト・ジャクソンがバラード演奏の真髄に迫ります。自由度の高い伴奏に撤するリズム隊も、暗黙の了解の極北でしょう。強いビート感も全く失われておらず、何時しかグイノリになっているあたりは名人芸です。
 そしてオスカー・ピーターソンが登場するパートでは、強烈にテンポアップしてメリハリをつけ、再びスローな展開に戻していくという、本当にニクイ演奏になっています。
 
B-1 Reunion Blues
 アルバムタイトル曲は、ミルト・ジャクソンとオスカー・ピーターソンが以前に競演した名盤「ヴェリー・トール(Verve)」でも演奏されていたわけですが、この再演バージョンはジャズロック風味も付いたテーマ解釈からグルーヴィなアドリブに突入していく新展開が、もう最高です。
 もちろんミルト・ジャンソンは十八番のブルースリックを出しまくり♪ するとオスカー・ピーターソンがジョン・ルイス風のツッコミを入れてアドリブを引き継ぐあたりで、ニヤリとさせられます。はははっ、このバンドはMJQの裏版ですからねぇ♪
 演奏はこの後、豪快なオスカー・ピーターソンと緻密なレイ・ブラウンのベースソロへと続きますが、全篇で馬力のドラミングを聞かせるルイス・ヘイズも実に良いですねぇ~♪

B-2 When I Fall In Love
 レイ・ブラウンが主役となったバラード演奏で、メンバー全員の繊細なジャズ魂が楽しめます。特に余韻の残し方が上手いミルト・ジャクソンは、歌心の塊のようなアドリブが秀逸です。
 またオスカー・ピーターソンが、至極当たり前に弾いてくれる凄いフレーズは素晴らしい限り! レイ・ブラウンの露払いまでも自然体に務めてしまうのでした。

B-3 Red Top
 オスカー・ピータソンとレイ・ブラウンの息の合ったコンビネーションからスタートするグルーヴィな演奏です。その2人の中にすぅ~と入っていくミルト・ジャクソンが、いつしか場を仕切ってしまうあたりも痛快ですし、粘っこく盛り上げていくルイス・ヘイズも流石ですねぇ~♪ 4人がバラバラをやっているようで、実はひとつの磁場を作り上げていく様は、ジャズが最高! という瞬間を何度も堪能させてくれます。
 そしてオスカー・ピーターソンのソウルフルな自己主張から全員が絡んだクライマックスまで、見事にノセられてしまうのでした。

ということで、全員がリラックスして所期の目的を達成した名演集! このレーベルの持ち味である録音の良さが、尚一層、演奏に輝きを与えているようです。

しかも単なる再会セッションに留まらず、当時のジャズの最先端であるロック色を感じさせる演奏や選曲の妙、さらに深化したグルーヴの凄さが、本当に4ビート万歳主義で楽しめるのです。

しかし、そのあたりは、ある種の気恥ずかしさに繋がっているみたいで、1970年代のジャズ喫茶では鳴ることが少なかったように記憶していますが、けっこう所有欲を刺激されるアルバムではないかと思います。

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ふたつの最高ギター

2007-09-28 16:40:38 | Weblog

あぁ、今日はメチャクチャに不味い昼飯食いました。

その店の味も好みじゃなかったんですが、仕事絡みの食事会で、雰囲気は最悪……。腹の探り合いは、どうも自分には向いていないです。

ということで、本日は――

Two Jims And Zoot / Jimmy Raney (Mainstream)

私にとって「震えがくる」という言葉にぴったりのアルバムが、これです。

それは狙って集められたメンバーの凄さ、演奏の凄みと妙味、さらに演目の不可思議さとベタなシャレのようなアルバムタイトル! 全てが私の琴線に触れています。

録音は1964年3月11&12日、メンバーはジミー・レイニー(g)、ジム・ホール(g)、ズート・シムズ(ts)、スティーヴ・スワロー(b)、オシィ・ジョンソン(ds) という、好きな人にたまらない面々ですから、これだけで「震えがくる」というわけです。

ちなみにジミー・レイニーとジム・ホールは共に白人のクール派ギタリストで、資質も似通っていますが、あくまでも青白い炎のような情熱のジミー・レイニーに対し、ちょっと難解な奥行きと優しさのジム・ホールというのが、私のイメージです。もちろん両者ともに素晴らしい歌心とテクニックの持ち主なのは、言わずもがな!

しかも間に入っているのが頑固一徹なスインガーのズート・シムズですからねぇ♪ 新感覚派のスティーヴ・スワローと色々なスタイルにも自在に対応する実力者のオシィ・ジョンソンというリズム隊も、強烈な存在感があります――

A-1 Hold Me
 と、喜び勇んで針を落としてみると、これがモヤモヤして煮え切らない演奏……。一応ボサノバのようでもあり、新主流派のシャリコマ曲のようでもあり……。
 左チャンネルにはジム・ホールとスティーヴ・スワロー、右チャンネルにはジミー・レイニーとズート・シムズ、オシィ・ジョンソンが振り分けられたステレオミックスも???
 う~ん、先が思いやられるなぁ……、と思っていたら演奏は終わっていたという……。

A-2 A Primera Vez
 ところが一転して痛快至極! 豪快にドライヴした演奏が始ります! しかもここからはズート・シムズが真ん中に定位したステレオミックスになっていますから、全体の音像がスッキリとして気分は最高♪ まずズート・シムズがリードする躍動的なテーマメロディがたまりません。続けて突入するアドリブも快調そのものです。
 そして続くジミー・レイニーが流麗なフレーズを連発すれば、ジム・ホールは柔らかく温か味のあるハーモニーで対抗し、さらに互いのバックでは個性的なコードワーク♪ おまけに2本のギターの絡みにはゾクゾクさせられます。
 またシャープでメリハリの効いたオシィ・ジョンソンのドラミング、ブンブンに唸るスティーヴ・スワローのベースが作り出す強烈なアップテンポの4ビートは、当にモダンジャズの醍醐味でしょう。あぁ、何度聴いても飽きません。

A-3 Presente De Natal
 これも前曲と似た雰囲気の演奏です。
 アドリブパートは先発がジム・ホール、次にズート・シムズを挟んでジミー・レイニーが登場して、場を盛り上げていきますが、個人的にはオシィ・ジョンソンのドラミング中心に聴いてしまいます。またスティーヴ・スワローの烈しいベースソロも、絶妙のスパイスになっています。

A-4 Morning Of The Carnival / カーニバルの朝
 有名なボサノバ曲ですが、ここでは擬似ドドンパのような変態ビートの演奏になっています。
 しかしジミー・レイニーがテーマメロディを絶妙にフェイクし、ジム・ホールのアドリブに入っては、もう歌心が溢れて止まらない展開になります。もちろんジミー・レイニーのアドリブも素敵♪
 たたじ個人的には、ここでも2人のソロよりもバッキングに耳がいってしまうのでした。

A-5 Este Seu Olhar
 アップテンポですが、不思議な安らぎのテーマメロディが素敵です。ズート・シムズの気楽な吹奏が良い感じ♪
 しかしジム・ホールがアドリブを始めると緊張感が高まり、ズート・シムズのグルーヴィなノリがジャズの楽しさを痛感させてくれます。
 またジミー・レイニーのクールなカッコ良さと妥協しないスティーヴ・スワローの存在感も見事! ちょっとマヌケたようなオシィ・ジョンソンのドラミングは奥が深いのでしょうねぇ……。

B-1 Betaminus
 これまた強烈なビートで突っ走るアップテンポのバカノリ演奏です。オシィ・ジョンソンのドラミングが痛快なんですねぇ~♪
 アドリブパートでは、まずジミー・レイニーが本領発揮のクール節を聞かせれば、ズート・シムズは豪快にハードバップしています。
 しかしここでのハイライトは、続くジム・ホールとオシィ・ジョンソンの対決でしょう。本当にスリル満点の絡みからシャープなドラムソロに移行していくあたりは緊張感がいっぱいです。そしてそれがラストテーマの爽快さに繋がっていくのでした。 

B-2 Move It
 ジム・ホールが書いた過激なモダンジャズです。
 というか、これは完全に新主流派のノリでしょう。オシィ・ジョンソのフリーを内包したドラミングも流石だと思いますし、ジム・ホールの自己満足的なギターソロにも、アブナイものを感じます。
 しかしズート・シムズはマイペースですからねぇ、この一瞬の和みが眩しいかぎり♪ またジミー・レイニーは迷い道ながら、ちゃ~んと自分なりの文法を貫いているのでした。
 クライマックスで堪能出来る2本のギターの絡みとコードワークも見事の一言です。

B-3 All Across The City
 これもジム・ホールのオリジナルで、ちょっと幻想的なテーマが、なかなか魅力的です。スローな展開ながら、濃密なグルーヴが感じられるんですねぇ。メンバー全員の協調性と自己主張のバランスも素晴らしいと思います。
 ちょっと意味不明のジミー・レイニーに対し、素晴らしい歌心を聞かせるズート・シムズ、さらに絶妙のコードワークが凄いジム・ホールという持ち味が楽しめます。

B-4 Coisa Mais Linda
 良く知られたボサノバ曲で、ジミー・レイニーが一人舞台のギターソロから、いきなりアップテンポの4ビートに移る、その瞬間が賛否両論でしょう。ここは正統派ボサノバを聞きたかったのが私の本音です。
 しかし各々のアドリブパートは余裕の展開ながら、決してダレていません。特にジム・ホールのコードワークが冴えた伴奏とか、ジミー・レイニーの流麗なソロ、さらにズート・シムズのグルーヴィなノリは流石だと思います。
 また短いながらも強烈に新しいスティーヴ・スワローのベースも憎めません。

B-5 How About You
 オーラスは有名スタンダード曲が軽快に演奏されます。あぁ、如何にもこのメンツに相応しいノリですねぇ~~♪
 ジミー・レイニーは十八番のフレーズを大サービスしてくれますし、上手いアレンジで絡んでくるジム・ホールとズート・シムズも楽しいところです。
 もちろんジム・ホールも穏やかな歌心が絶妙ですし、ソフトな音色でドライヴするズート・シムズも安心感があります。
 そしてクライマックスは2本のギターの絡みなんですが、短いのが残念無念……。

ということで結論から言えば、なんとなくブラジル系と思われる曲が多く演奏されていながら、単なるボサノバジャズではなく、むしろ4ビート主体の正統派演奏集です。そしてキメのアレンジが痛快なところもあれば、秘められた過激な部分も侮れません。

ギター好きの皆様には、特に聴いていただきたい1枚ですが、個人的にはオシィ・ジョンソンのドラミングが摩訶不思議な痛快さで、強い印象となっています。

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混乱するのもジャズ

2007-09-27 17:50:03 | Weblog

相変わらず揺れ動く日本相撲協会!

あの世界ではリンチと受け取られる稽古は日常茶飯事なんでしょうが、親方が逮捕されたら部屋は消滅なんでしょうかねぇ……。

ちょっとした行き過ぎが、取り返しのつかない事故につながるのは、この世の常と自戒しています。

ということで、本日は――

Monk's Music / Thelonious Monk (Riverside)

ほとんどのガイド本に掲載される名盤ですが、私はかなり長い間、好きになれませんでした。

まずメンバーに統一感がないなぁ~、なんて不遜なことを感じていましたし、曰く「混乱と緊張の名演」という定見も、???だったのです。

しかし、ある日突然、あぁ、スゲェ~! と感じ入りました。それがどういうキッカケかは、今もってわからないんですが……。きっと神様の思し召しなんでしょう。

録音は1957年6月26日、メンバーはレイ・コープランド(tp)、ジジ・グライス(as)、ジョン・コルトレーン(ts)、コールマン・ホーキンス(ts)、セロニアス・モンク(p)、ウィルバー・ウェア(b)、アート・ブレイキー(ds) というゴッタ煮の面々です――

A-1 Abide With Me
 4管で吹奏される厳かなメロディは伝承された賛美歌らしいです。そして愕いた事にリズム隊が入っていません。ということは、セロニアス・モンクも居ないんですねぇ。
 う~ん、それにしても安らぎます♪

A-2 Well, You Needn't
 と余韻を楽しんでいると、いきなり不気味なピアノとベースが鳴り出して、刺激的なテーマメロディが始ります。あぁ、この瞬間のカッコ良さこそ、このアルバムのハイライトかもしれません! 何度聴いてもシビレます♪
 もちろんアドリブパートは、セロニアス・モンクが不協和音の嵐の中から独自の秩序を作り上げていく展開に緊張感がいっぱい! 背後ではアート・ブレイキーが大技・小技で絶妙のサポートです。
 そして「コルトレーン、コルトレ~ン!」と呼び出されてアドリブをスタートさせるジョン・コルトレーンも実にテンションの高い出来なんですが、ここでいつも問題視されるのは、コルトレーンがボケ~ッとしていて出番を間違えた云々という伝説です。
 しかし私には、何度聴いてもセロニアス・モンクが自分のパートを早く終わらせたとしか思えないのですが……。アート・ブレイキーやウィルバー・ウェイが慌てている様も印象的です。
 まあ、それゆえにジョン・コルトレーンが素晴らしい演奏をしてしまったとも言えるのでしょうか。続くレイ・コープランドもクールな快演ですし、ウィルバー・ウェアの裏街道的なベースソロも強烈ならば、アート・ブレイキーのマイペース型のドラムソロも流石だと思います。
 さらに各々のアドリブコーラスの背後では、セロニアス・モンクの意地悪く烈しい伴奏が響きますからねぇ~。これには巨匠のコールマン・ホーキンスも迷い道……。しかしそれが何時しか、グイノリの自己主張に移り変わっていくあたりに、ゾクゾクしてきます。
 またジジ・グライスの煮えきっていないアドリブが、これまた不思議なほどにセロニアス・モンクの伴奏に合っているのでした。

A-3 Ruby, My Dear
 コールマン・ホーキンスが一人舞台のバラード吹奏で、これが実に素晴らしい♪ 素材は全くセロニアス・モンクの世界にどっぷりのメロディなんですが、余裕と貫禄のテナーサックスが堂々の鳴りっぷりです。
 もちろん伴奏するセロニアス・モンクのピアノも素晴らしく、イメージ的には正反対の2人が魂の共演を聴かせた、これぞ名演だと思います。そしてここまでのA面の流れは、モダンジャズ最高の瞬間かもしれないと、ひとり納得しているのでした。

B-1 Off Minor
 これもモンクス・ミュージックを代表する名曲・名演です。混濁寸前のテーマ合奏が終わってからグイノリで飛び出すコールマン・ホーキンスのテナーサックスが、とにかく見事です。
 続くレイ・コープランドのトランペットは、やや利己主義っぽい気も致しますが、アート・ブレイキーの上手いドラミングが救いでしょうか。
 そこにセロニアス・モンクのピアノが入ってくると、またまた修羅場になるのですが……。まあ、こういう味わいが難解だ! とか言われるんでしょうねぇ、私は大好きですが。

B-2 Epistrophy
 と、ひとり納得していたら、これまた意味不明の混乱が強烈なテンションを呼び込んだ名演です。
 曲はビバップ創成のカギとなったセロニアス・モンクの難しいオリジナルですから、勢いのあるテーマ合奏からして最高! アドリブ先発のジョン・コルトレーンも必死の吹奏ながら、もちろん後年のシーツ・オブ・サウンドと呼ばれた音符過多症候群は出せません。しかしそれでもウネウネクネクネと迷い道を演じるところが、独特の魅力になっています。
 演奏は続けてレイ・コープランド、ジジ・グライスと続き、リズム隊のパートも激烈ですが、その後に出たコールマン・ホーキンスが一端吹き始めて、すぐにアドリブを止めてしまうんですねぇ……。しかも2回も同じことをやってしまう大ボケは、思わず笑うしかない雰囲気なんですが、何度も聴くうちに、実は間違えたのはリズム隊じゃないのか!?
 まあ、このあたりは素人の私が詮索するには高度すぎる展開なので、素直に緊張感を楽しんだほうが、得策かと……。

B-3 Crepuscule With Nelue
 ほとんどアドリブパートが無いに等しい、短めの曲ですが、この味わい深いスローな世界こそ、セロニアス・モンクだと思います。


ということで、アルバムのプログラムというか、アナログ盤片面の流れも充分に考え抜かれた名盤だと思います。ちなみにステレオ盤にはオーラスの「Crepuscule With Nelue」が入っていないそうですが、本当でしょうか……?

まあ、個人的にはA面集中聴きなんで、問題無いところです。

やっぱり、これは名盤でした!

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ロッキー・ボイドは今、何処

2007-09-26 17:40:11 | Weblog

すっかり仕事に翻弄されて……。

本日はグチをタレそうなので、このアルバムで――

Ease It / Rocy Boyd (Jazztime)

所謂「幻の名盤」とされていた1枚です。

それが確か1976年頃に我国で復刻された時は、かなりの大騒ぎになったと記憶しています。

尤もその時には、例の決定的「幻の名盤」というウォルター・ビショップの「スピーク・ロウ」が一緒に再発された余波だったのかもしれません。

というのも、このアルバムにはウォルター・ビショップが参加しており、しかも前述した「スピーク・ロウ」と同日のセッションだと噂されているからです!

ちなみに2つのアルバムは同じレーベルで作られていますからねぇ~。一度でもウォルター・ビショップの「スピーク・ロウ」を聴いたジャズ者ならば、どうしてもこれを聴かずにはいられないというわけです。

そして肝心のリーダー、ロッキー・ボイドという黒人テナーサックス奏者が、ほとんど無名に近い存在でありながら、共演者が豪華絢爛なのです。

録音は1961年2月、メンバーはロッキー・ボイド(ts) 以下、ケニー・ドーハム(tp)、ウォルター・ビショップ(p)、ロン・カーター(b)、ピート・ラロッカ(ds) という実力者揃いですが、わざわざジャケットには「Introducing The Rocky Boyd Quintet」と記されているほどです――

A-1 Avars
 ロッキー・ボイドが作曲したテンションの高いパードバップ! ジャズ者にとってはブルー・ミッチェル(tp) の人気盤「ブルース・ムーズ(Riverside)」のA面2曲目に入っていた名演として、既にお馴染みでしょう。
 その所為でしょうか、とにかくケニー・ドーハムが全くイブシ銀の素晴らしいアドリブを聞かせてくれます。また躍動的なリズム隊も最高で、ウォルター・ビショップはアドリブパートでもアタックの強いノリとファンキーな歌心、さらにはモード色に染まった伴奏まで、非常に魅力的です。
 肝心のロッキー・ボイドは、やはりモード系のアドリブに撤しているの雰囲気ですが、ちょっとハンク・モブレーを思わせるところが憎めません。
 
A-2 Stella By Starlight
 お馴染みの有名スタンダードを定石どおりのバラード演奏に仕立てていますが、ロッキー・ボイドの素直なテーマメロディの吹奏に好感が持てます。かなり硬派な音色が魅力的なんですねぇ~♪ このあたりはジョン・コルトレーンに通じる雰囲気があります。
 またケニー・ドーハムが絶妙な思わせぶりで、ベテランの貫禄を聞かせてくれます。かなり自由度の高いリズム隊の伴奏も要注意でしょう。ストレートな演奏も、それゆえに魅力が倍増したと思います。

A-3 Why Not
 さて、これが今もって問題視される演奏です。
 なんとロッキー・ボイドのオリジナルとされながら、クレジットはピート・ラロッカ! しかもテーマメロディはジョン・コルトレーンで有名な「Impressions」ですからねぇ! 実はこの曲もディヴ・パイク(vib) の「パイクス・ピーク(Epic)」で録音されていますが、その時のタイトルは「Why Not」ですから、話が拗れます。
 このあたりの事情については、ここに書いていますが、それはそれとして、このクインテットの演奏も捨てがたい魅力に溢れています。ちょっとイナタイ、絶妙なノリがクセになるんですねぇ~♪

B-1 Ease It
 これまたジャズ者には聴いたことがある曲でしょう。ポール・チェンバース(b) の名盤「ゴー(Vee Jay)」に入っていたハードバップのブルースですから、アドリブ先発のケニー・ドーハムが本領発揮! グルーヴィで緊張感に満ちたリズム隊も見事の一言です。
 しかしロッキー・ボイドが新しい事をやろうとしているんでしょうか、ちょっとハズし気味なスタートが??? ただし途中から目が覚めたようにハッスルしていくあたりが、モダンジャズ黄金期の真髄かもしれません。実に楽しくなっていきます。
 そしてウォルター・ビショップのファンキーな味わい、鋭いツッコミが烈しいロン・カーターのウォーキングベース、さらに絶好調のピート・ラロッカが演奏全体をグイグイとリードしている感じです。

B-2 Samba De Orfeu / オルフェのサンバ
 有名なジャズサンバですが、ラテンビートよりはジャズビートを優先させた演奏になっています。
 まずテーマメロディを素朴に吹奏するロッキー・ボイドが、もうイモ寸前の泣き笑いです。しかし助っ人に入るケニー・ドーハムが実に味わい深いですねぇ~♪ 流石だと思います。
 リズム隊も相変わらずイケイケの姿勢を崩していませんし、それゆえにロッキー・ボイドも開き直ったようにハンク・モブレー風味のアドリブを聞かせてくれますから、結果オーライ……。
 演奏時間が短くて良かった、というのが本音です。
 
B-3 West 42nd Street
 オーラスは典型的なハードバップでハッピーエンドを狙ったのでしょうか、刺激的なリズム隊にリードされたかのような楽しい演奏になっています。
 あぁ、ピート・ラロッカが実に良いですねぇ。ウォルター・ビショップも独特のタッチが冴えていますから、こういうリズム隊だけのパートになるとハードバッブから一歩進んだ空気が流れて、油断なりません。

ということで、全篇に躍動的なリズム隊が大活躍した楽しいアルバムです。ロン・カーターも存在感がありますし、ピート・ラロッカが素晴らしいかぎり! もちろん、お目当てのウォルター・ビショップも奮闘しています。

それとケニー・ドーハムの安定した演奏は、スルリもちゃ~んとあるベテランの味わいでしょう。

肝心のロッキー・ボイドは、結論から言えば、これ1枚だけで消えてしまった幻のプレイヤーなんですが、作曲も上手いあたりはハンク・モブレー系の貴重な存在だったのでしょうか……?

ウォルター・ビシップ目当てで買って正解とは言え、いつまでも気になるロッキー・ボイドは、いつの日か未発表レコーディングが出て欲しいひとりです。

ちなみにCD化された時は別テイクが入っていたらしいので、そのうち買ってみようと思ってはいるのですが……。

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なんて素敵なアルバムタイトルだっ!

2007-09-25 18:18:43 | Weblog

今日は某神社の長い石段を昇って、息切れしましたです……。

やっぱり歳を感じますね。膝や腰が痛くないだけ、マシかもしれません。

それにしても、こんな山の上に、よくもまあ大きな神社を作ったもんだと思いますね。まだ土木機械なんて無い頃ですから、土台の石を上げるだけでも、膨大な人力が必要だったわけで、全く頭が下がります。

ということで、本日は――

Blue Spirits / Freddie Hubbard (Blue Note)

力作や名盤が多いフレディ・ハバードの諸作中、特にアルバムタイトルとジャケ写の存在感が際立つ作品です。フレディ・ハバードの自然体に意志の強そうな面構えが、強烈な大アップですらかねぇ~。これは自分の実力と演奏内容に相等の自信がなければ、叶わないことだと思います。

しかも今回のセッションは若干異なる2つのグループによって行われ、さらに双方共に4管編成という厚みのある演奏ですし、演目は全てフレディ・ハバードのオリジナル曲ということで、聴き応えも充分です。

まず仮に「グループA」と呼ばせてもらうセッションの録音は1965年2月19日、メンバーはフレディ・ハバード(tp)、ジェームス・スポールディング(as,fl)、ジョー・ヘンダーソン(ts)、Kiane Zawadi と表記されているバーナード・マッキニー(euph)、ハロルド・メイバーン(p)、ラリー・リドレイ(b)、クリフォード・ジャーヴィス(ds)、ビッグ・ブラック(per) という、これは当時のフレディ・ハバードにとって、極めてレギュラーに近いバンド編成だったと言われています。

そして「グループB」は、フレディ・ハバード(tp)、ジェームス・スポールディング(as,fl)、バーナード・マッキニー(euph) はそのままに、ハンク・モブレー(ts)、マッコイ・タイナー(p)、ボブ・クランショウ(b)、ピート・ラロッカ(ds) という、凄い面々が加わった豪華セッションで、録音は1週間後の2月26日です――

A-1 Soul Surge (1965年2月19日録音 / グループA)
 ゴスペル味が強いブルースで、コンガがチャカポコ、ベースはビンビン、そしてピアノはガンガンガンという、グルーヴィな演奏です。
 フレディ・ハバードのアドリブも分かり易く、続くジェームス・スポールディングのアルトサックスも「泣き」を狙ったようですが、知らず知らずのうちにアグレッシブなフレーズを吹いてしまうあたりが、憎めません。
 それはジョー・ヘンダーソンも同様で、最初から屈折気味……。まあ、このあたりが当時の所謂新主流派の面目なんでしょうか。
 しかしハロルド・メイバーンは素直にソウルフル♪ 俺にはこれが一番! という強烈な自己主張かもしれません。
 全体としては、やや、もっさりした演奏なんですが、ほとんど最後まで鳴り続けるホーン陣による分厚いハーモニーが、時に混濁していくあたりがミソだと思います。

A-2 Blue Spirits (1965年2月26日録音 / グループB)
 アルバムタイトル曲は、4管による大袈裟なハーモニーがあって、その中から浮かび上がってくるジェームス・スポールディングのフルートが爽やかにメインのメロディを奏でるという構成です。
 しかしリズム隊に、やや粘っこいグルーヴが足りず……。
 ですからフレディ・ハバードも奮闘していますが、イマイチ煮え切らない雰囲気が勿体無いところです。ただし続くジェームス・スポールディングのフルートは良い味出しまくりですし、ハンク・モブレーは独特のタメとモタレが、こういう勿体ぶった曲調にはドンピシャリなので、不思議に和んでしまいます。
 それとマッコイ・タイナーが例の「マッコイ節」全開の熱演で、その場が完全にアフリカ色に染まっていくあたりは、お約束のハイライトかもしれません。

B-1 Outer Forces (1965年2月26日録音 / グループB)
 B面トップは、一転して強烈なハードバップ演奏なんですが、それでさえ、フリーに近い響きのイントロが付いています。
 しかしアドリブパートは全員が爽快な熱演! 先発のフレディ・ハバードは本領発揮の突進ですし、ジェームス・スポールディングは直線的なプレイでアルトサックスを泣かせます。
 そしてハンク・モブレーはマンネリ寸前ながら、必死さが伝わってくる快演を聞かせてくれます。まあ、このあたりは「煮詰まり」と言われるかもしれませんが……。
 またシャープなリズム隊が素晴らしく、スピード感あふれるノリは、このメンツならでは♪

B-2 Cunga Black (1965年2月19日録音 / グループA)
 このアルバムのハイライト!
 曲はコンガがチャカポコと鳴りまくったジャズロック♪ とにかく痛快で胸おどる演奏です。ちょっとミステリアスな雰囲気のテーマメロディが、本当に良いです♪
 しかもフレディ・ハバードが会心のアドリブなんですねぇ~。このノリ、このフレーズの連なり、そして熱い心情吐露!
 そしてジェームス・スポールディングのフルートがツボを押えた好演ならば、ジョー・ヘンダーソンは短いソロスペースが欲求不満の爆発みたいです。
 おまけにハロルド・メイバーンのファンキービアノが出た後は、ラリー・リドレイがグルーヴィなベースがソロを始めてしまうんですからねぇ~~~♪ あぁ、演奏の短さが残念至極です。
 ちなみに私はカーステレオの用のソースには、必ずこの演奏を入れているほどで、好き、と告白しておきます。

B-3 Jodo (1965年2月26日録音 / グループB)
 さてオーラスは燃え上がる熱血モード大会!
 フレディ・ハバードが猛烈にブッ飛ばせば、ピート・ラロッカが際限無しの煽りですし、背後から襲いかかってくる分厚いホーン陣のリフがたまりません。
 続くジェームス・スポールディングも強烈なツッコミを聞かせてくれますし、ハンク・モブレーが相等に無理している雰囲気ながら、やっぱり素晴らしいです♪
 それと、これまでちょっとおとなしい感じだった「グループB」のリズム隊が大爆発しています。特にピート・ラロッカは目が覚めたかのような暴走ぶり! さらに猛烈なマッコイ・タイナーには、心底スカッとさせられます。

ということで、ちょっと大仰に構えたA面に対し、痛快なB面というプログラムの妙も楽しい作品です。個人的にはB面ばかりを聴いているのが実状なんですが、むしろフレディ・ハバードの本音はA面かもしれません。

まあ、これはゲスの勘ぐりでしょうね……。いずれにせよ、フレディ・ハバードは己の信ずる道を堂々と歩んでいたはずで、それは強い意志を感じさせるジャケ写のポートレートが全てなのでした。

そして、アルバムタイトルが素敵! もし自分でバンドを組むんなら、これをバンド名にしたいほどです。

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朝靄のビリー・テイラー

2007-09-24 17:50:04 | Weblog

今日も爽やか日本晴れ♪ しかし今日も仕事でした……。

まあ、最近ば物欲に苦しめられているので、勤労意欲もあるんですが……。

ふっと気がつくと、こんな事、何時までやっているか……。

と自問自答する自分に愕然としたりします。

ということで、本日は――

One For Fun / Billy Taylor (Atlantic)

ビリー・テイラーは黒人でありながら広く大衆的な人気と社会的な名誉を得ている実力派ピアニストです。しかしそれは本場アメリカでの話であって、我国では一部の熱狂的なファンに支持されているにすぎません。

まあ、1980年代頃までは、そんな感じでした。

それがバブル期になってアナログのオリジナル盤が高値を呼び、ちょっと珍しいというか、それまで無視されていたような作品が掘り起こされてきた時、一躍人気盤となったのが、このアルバムです。

確かその頃、我国で復刻されたアナログ盤が、あっという間に売り切れたという伝説まで残されたと記憶しています。

本来、ビリー・テイラーというピアニストは指は良く動くし、黒人らしいグルーヴィな表現も、また洒脱な歌心に溢れた展開も、全く自在に演じることが出来るテクニシャンですから、人気が出ないほうがおかしい存在でした。

その活動は1950年代前半からプレスティッジやリバーサイドといった名門インディーズからABCパラマウントあたりのメジャーカンパニーまで、幾多のレコーディングを残しています。しかし何故か我国では無視されていたような……。実際、1970年代のジャズ喫茶でも積極的に鳴らしていた店は、それほどなかったと思います。

ところが、このアルバムだけは突発的な人気盤! なんとなくそれは、ある日突然の出来事だったような気がしますねぇ。まあ、それまでもマニアの間では聴きつがれてきた作品だったと思いますが……。

録音は1959年6月24日、メンバーはビリー・テイラー(p)、アール・メイ(b)、ケニー・デニス(ds) というシブ過ぎる面々です――

A-1 Summertime
A-2 One For Fun
A-3 That's For Sure
A-4 A Little Southside Soul
A-5 Blue Moon
B-1 Makin' Whoopee
B-2 Poinciana
B-3 At Long Last Love
B-4 When Lights Are Low

――という演目は、有名スタンダードを中心にビリー・テイラーの自作曲を織り交ぜたバランスの良い流れで、聴き通して非常に気持ちが良いところ♪ もちろん曲毎の演奏も充実しています。

特にアルバムタイトル曲の「One For Fun」はビリー・テイラーにしても会心のオリジナルなんでしょうか、哀愁が滲むテーマメロディにはファンキー感覚も加味された魅力があり、またアドリブも歌心いっぱいのフレーズが最後まで流れるように連なっていくという、もう最高の展開です。小粋な雰囲気からダイナミックな盛り上げまで、決して力むことのない演奏が楽しめるのです。

また同系オリジナルの「That's For Sure」や躍動的な解釈が楽しい「Poinciana」も和みます♪

そして極みつきがA面ド頭の「Summertime」でしょう。ビリー・テイラーの名人芸によって、お馴染みのメロディが絶妙に解釈されていくテーマ部分だけで、グッと惹き込まれますし、「間」を活かしきったアドリブパートは、緊張感と和みの両立という神業です。それも極めて自然体なんですねぇ~♪

さらにゴスペルをミステリアスに変奏したような「A Little Southside Soul」もビリー・テイラーのオリジナルながら、ニュースタンダードの候補としても許される名曲名演だと思います。

ということで、全篇がリラックスして聴ける小粋な傑作盤♪ 朝靄の中みたいなハイキー調のジャケ写も、アルバムの夢見るような出来栄えを表していると思います。

サイドメンもベースのアール・メイはジョン・コルトレーン(ts) やデューク・エリントン(p) との共演が有名な隠れ名手ぶりを存分に聞かせてくれますし、イモ寸前のアクが印象的なケニー・デニスは、私の密かなお気に入り♪

ですから、ピアノトリオがブームになれば、一躍人気アイテムになるのもムベなるかな! ただしオリジナル盤は質の良いブツを探すのが苦労するほどで、私有盤も決して良好とはいえません。そこで再発日本盤やCDを聴くことが多い、と告白しておきます。

つまり飽きないアルバムというわけですが、これが人気盤になったのは、誰かの仕掛けがあったのでしょうか? ちなみに私は某中古店で聞かせてもらい、気に入ったのですが……。

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サンキュー、ハーブ・エリス

2007-09-23 17:33:41 | Weblog

今日も仕事に責められて……。

それでも差し入れの「おはぎ」とか、爽やかに日本晴れが心の慰めになりました。

まあ、夜には仕事絡みの生臭い宴会があるのですが……。

ということで、本日は――

Thank You, Charlie Christian / Herb Ellis (Verve)

1950年代にオスカー・ピーターソン・トリオのレギュラーだったハーブ・エリスは、白人ながらブルースフィーリングに秀でた凄腕ギタリスト! 加えてカントリー系のリックも得意にしていましたから、ある意味ではモダンジャズというよりも、ロックンロールにおけるギタースタイルの源流なのかもしれません。

さて、このアルバムは、ジャズ系ギタリストであれば必ずや開祖と崇めるチャーリー・クリスチャンに捧げた作品とされていますが、はっきりそうなのは、タイトル曲だけです。

しかし、もちろんチャーリー・クリスチャンへの敬意は、全篇に溢れた快演集♪

録音は1960年6月1&2日、メンバーはハーブ・エリス(g)、フランク・ストラッツェリ(p)、ハリー・ババシン(cello)、チャック・バーグホファー(b)、ケニー・ヒューム(ds) というシブイ実力派揃いで、実は当時のレギュラーバンドだったようです――

A-1 Pickley Wickly
A-2 I Told You I Loved You, Now Get Out
A-3 Cook One
A-4 Karin
A-5 Cherry Kijafa
B-1 Thank You, Charlie Christian
B-2 Alexander's Ragtime Band
B-3 Lemon Twist
B-4 Everything's Pat
B-5 Workin' With The Truth

――という演目の中では、A面ド頭の「Pickley Wickly」が圧倒的に琴線に触れてきます。マイナー調で力強い哀愁のテーマメロディが、本当にたまりません♪ ハーブ・エリスのギターは、アドリブはもちろんのこと、セロやピアノとのコンビネーションでも最高です。

あぁ、全く我国のオマスズこと鈴木勲が演じてくれそうな曲調といえば、ご理解願えるでしょうか。実に良い雰囲気なんですねぇ~♪ 作曲はもちろんハーブ・エリスです。

実は告白すると、このアルバムはタイトル曲が名演とされていますから、ジャズ喫茶ではB面が定番とあって、この曲はアルバムを入手するまで聴いたことがありませんでした。それゆえ、虜になったらもう……♪

ちなみに私有盤はステレオ仕様なので、真ん中にハーブ・エリスのギター、右にハリー・ババシンのセロ、左にフランク・ストラッツェリのピアノが配されたミックスですから、ギターとセロのユニゾンや対位法的絡みが興味深々に楽しめます。

これはアルバム全体を通して、鑑賞する喜びに通じるところでしょう。

そして気になるタイトル曲はリラックスした即興のブルースで、当然、ここでのバンドが一丸となった出来栄えは見事! ハリー・ババシンの凄いセロのアドリブとか、軽妙なスイング感が満点のフランク・ストラッツェリのピアノは聴き応えがありますし、ベースのチャック・バーグホファーも本領発揮の大熱演です。そしてハーブ・エリスのギターからは、もちろんチャーリー・クリスチャン直系のフレーズとノリが飛び出してきますが、それはなにもこの演奏ばかりではなく、アルバム全篇に共通する事です。

和みのスイングが楽しい「I Told You I Loved You, Now Get Out」や「Alexander's Ragtime Band」、カウントベイシー調でブッ飛ばす「Cook One」、リラックスした歌心が滲み出た「Karin」、バンドアンサンブルが見事な「Cherry Kijafa」等々、素晴らしい演奏ばかりなのです。

またオーラスに、これまた哀愁いっぱいの名演「Workin' With The Truth」が配されているのもニクイところです。ちなみにこの曲はハーブ・エリスのギターが多重録音された作り物!

ということで、捨て曲なしで和み盤♪ 特に「Pickley Wickly」は、聴かずに死ねるかの名曲・名演だと思います。

それとハーブ・エリスが様式美っぽいブルースのフレーズを多用していないのも、好感が持てます。むしろ正統派のジャズスケールとかカントリー系のリック、あるいはR&R風のニュアンスを含んだアドリブに凄腕の証明があるのかもしれません。

短めな演奏ばかりですが、バンドの纏まりも素晴らしく、全員がリラックスした好演ばかりなので、疲れないで聞き通せる名盤だと思います。

ハーブ・エリスに感謝!

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地味なグリフィンも好き♪

2007-09-22 17:16:32 | Weblog

やれやれ、今日も仕事してます! ちょっと煮詰まり気味ながら、自分は仕事中毒じゃないか? いや、そんなわけ、ないだろ~、と自問自答……。

ということで、本日は――

Do Nothing 'Til You Hear From Me / Johnny Griffin (Riverside)

名盤・人気盤が多いジョニー・グリフィンの名作群にあっては、ちょいと地味な作品ですが、聴くほどに深い味わいがあって、私は大好きな1枚です。

録音は1963年6月、メンバーはジョニー・グリフィン(ts)、バディ・モンゴメリー(p,vib)、モンク・モンゴメリー(b)、アート・テイラー(ds) という、リバーサイド丸出しのワンホーンセッションです――

A-1 Do Nothing 'Til You Hear From Me
 アルバムタイトル曲はデューク・エリントンが書いたジェントルでダークなジャズオリジナルですから、ジョニー・グリフィンも悠然たるタフテナーの真髄を聞かせてくれます。
 堂々のサブトーンと押出しの強いフレージングの妙が、手堅いリズム隊と一体となった最高のグルーヴを生み出していくあたりは、当にハードバップの魅力だと思います。ミディアムテンポでの見事なノリが実に良い雰囲気で、情熱的ですが、決して下卑ていないんですねぇ~♪
 リズム隊ではモンクとバディの2人のモンゴメリーが、ご存知のようにウェス・モンゴメリー(g) の兄弟でありながら、当然、ウェスのようには目立ちません。しかしバディ・モンゴメリーのピアノは弾みが薄いウイントン・ケリーのようで、私は気に入っているのでした。

A-2 The Midnight Sun Will Never Set
 クインシー・ジョーンズが書いた雰囲気満点のジャズオリジナル♪ 邦題「真夜中の太陽は沈まず」が言いえて妙の名曲ですから、まずはバディ・モンゴメリーがヴァイブラフォンでジンワリとテーマを奏でるあたりで、涙ウルウル状態です。
 ジョニー・グリフィンもスローテンポでジックリと、そして繊細にテナーサックスを鳴らしていますから、そのアドリブも思わせぶりがいっぱい♪ これまた素晴らしい雰囲気の演奏です。

A-3 That's All
 A面ラストもスローなバラード演奏! いゃ~ぁ、ジョニー・グリフィンと言えば高速ハードドライヴィンな吹きまくりというイメージが、完全に覆る構成にKOされます。
 もちろん目論みが見事に当っての素晴らしい演奏で、サブトーンがたっぷりの吹奏ながら、決してキャバレーモードになっていないところはジョニー・グリフィンの深遠なジャズ魂の発露としか思えません。
 バディ・モンゴメリーもシミジミ調の歌心が染み入る名演ですし、最後のアドリブパートからラストテーマに持っていくジョニー・グリフィンの繊細な表現力は最高です!

B-1 Slow Burn
 B面初っ端はグルーヴィなブルース大会! ラテンリズムも使った熱いテーマからバディ・モンゴメリーのヴァイブラフォンがクールなアドリブを展開していくあたりは、ちょっとマイルス・デイビスの「Bags Groove」と共通する魅力があります。
 淡々とした中に強い自己主張を入れていくドラムスとベースが最高♪
 ですからジョニー・グリフィンも派手にブローするよりは、じっくり構えて情熱のフレーズを積み重ねるという新機軸で勝負に出ていますが、アート・テイラーのドラミングが容赦無い雰囲気ですから、結局は熱くなってしまうところが憎めません♪
 あぁ、こういうヒステリックなフレーズと音色の熱さこそ、ジョニー・グリフィンの魅力のひとつだと思います。何度聴いても飽きない演奏とは、こういうのを言うのかもしれません。
 
B-2 Wonder Why
 そしてこれまたテナーサックスのサブトーンがたんまりと聞けるバラード演奏♪ ジョニー・グリフィンの「男の世界」&「男の涙」という美しくもアブナイ魅力が堪能出来ます。
 リズム隊の繊細は伴奏もジャズ的な旨味がありますねぇ。モンゴリー兄弟恐るべし、です。

B-3 Heads Up
 オーラスはジョニー・グリフィンの熱血オリジナル曲で、アップテンポながら抑制の効いたブローが展開されていきます。う~ん、この曲調は「枯葉」の味わいがあって、ニクイですよぉ~♪
 それとアート・テイラーがハードバップのお手本のようなドラミングで、スカッとします。これはリバーサイド特有の録音でしょうか、ブルーノートやブレイティッジ、つまりヴァン・ゲルダーの録音では味わえない良さだと思います。ちなみに、ここでのエンジニアは、Wally Heider となっています。
 またバディ・モンゴメリーが良い味だしまくりなのでした。

ということで、全曲が味わい深い演奏ばかり!

もちろんジョニー・グリフィンは素晴らしい熱演ですが、アート・テイラーはリバーサイドでこそ真価が分かるという持論も証明されたと思います。この人は夥しい録音を残しながら、フィリー・ジョーやアート・ブレイキーに比べて、イマイチ評価されていませんが、ここでのドラミングを味わえば、何故、あれほど多くのセッションに呼ばれていたかが理解出来そうです。

それとモンゴメリー兄弟の底力も侮れないところでした。

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クインシー・ジョーンズの共存共栄

2007-09-21 18:48:40 | Weblog

やれやれ、世間は明日から連休だというのに、私は仕事にどっぷり……。まあ、それも物欲に支配された己の運命と思えば、納得するしかありませんね。

ということで、本日は景気良くビックバンドを――

The Great Wide World Of Quincy Jones (EmArcy)

クインシー・ジョーンズは大衆音楽のプロデューサーとして、揺ぎない評価を得ていますが、駆け出し時代はジャズ系のトランペッターでした。しかもなかなかの学究派だったらしく、バークレイ音楽院で作編曲の勉強もしていたそうです。

そして二十歳頃からライオネル・ハンプトン(vib) のオーケストラに加わって欧州巡業に出たのが1953年で、もちろんこのツアーにはクリフォード・ブラウン(tp) やジジ・グライス(as) が一緒でしたから、親分に隠れて敢行されたパリセッションでも暗躍していたと言われています。

さらに帰国後は、ディジー・ガレスピー(tp) やカウント・ベイシーのオーケストラにアレンジを提供したり、再びパリに渡って音楽の勉強をしたり、さらにスウェーデンのジャズ界でも仕事をするという大躍進をみせるのです。

そうした経歴が真っ当に評価されたのが1950年代後半で、ついに自分のレギュラーオーケストラを持ったのが1959年! 若干26歳の時でした。

それは「フリー&イージー」というジャズミュージカルの欧州巡業で音楽を担当するチャンスを活かしたもので、集められた超一流のメンバーによるビックバンドは、かなり注目されていたようです。

このアルバムは、そのオーケストラが欧州巡業に旅立つ直前に吹き込まれた作品で、一説にはプロモーションが目的だったと言われています。

録音は1959年11月4、5&9日、メンバーはリズム隊がレス・スパン(g,fl)、バディ・ポウン(p)、バディ・カトレット(b)、ドン・ラモンド(ds) という個性的で堅実な名手揃い! そしてホーン&ブラス陣にはアート・ファーマー(tp)、リー・モーガン(tp)、ジミー・クリーヴランド(tb)、アービー・グリーン(tb)、フィル・ウッズ(as)、ポーター・ギルバード(as)、バド・ジョンソン(ts)、ジェローム・リチャードソン(ts,fl)、サヒブ・シハブ(bs,fl) 等々が参加しています――

A-1 Lester Leaps In (arr;Ernie Wilkis)
A-2 Ghana (arr;Ernie Wilkis)
A-3 Caravan (arr;Bill Potts)
A-4 Everybody's Blues (arr;Ernie Wilkis)
A-5 Cherokee (arr;Ernie Wilkis)
B-1 Air Mail Special (arr;Al Cohn)
B-2 They Say It's Wonderfull (arr;Al Cohn)
B-3 Chant Of The Weed (arr;Ralph Burns)
B-4 I Never Has Seen Snow (arr;Bill Potts)
B-5 Eesom (arr;Bill Potts)

――という上記演目は比較的良く知られたスタンダード曲やジャズオリジナルばかりですが、愕いたことにクインシー・ジョーンズがアレンジを担当した曲がひとつもありません!

う~ん、、これはいったい、どうした事だっ!

もちろん演奏は快演ばかりですし、アドリブ命のジャズ魂を活かしたスモールコンボ的なアレンジの妙は、クインシー・ジョーンズ独特の味わいがたっぶりと出ています。

ということは、後年顕著になるプロデューサー的な資質が、ここでもう既に発揮されているということなんでしょうか……? ちなみにジャケットには、特にプロデューサーの表記が見当たりませんから、タイトルどおり、これはクインシー・ジョーンズが自らの世界を表現する手段として、有能なメンバーを集め、その才能と共存共栄を図った成果なんでしょうか……?

肝心の演奏は全てが濃密な仕上がりです。

まずド頭の「Lester Leaps In」ではレス・スパンがギターとフルートで大活躍する♪ スモール・コンポ風のスタートからオーケストラ演奏に変化していくアレンジも冴えていますし、対してバンドが一丸となって猛烈にスイングしまくる「Air Mail Special」も、モダンジャズ時代のビックバンドは、こう在るべし!

またハードボイルドな名曲・名演となった「Ghana」や「Eesom」、ギル・エバンスっぽい「They Say It's Wonderfull」、凝っていながらグルーヴィな「Chant Of The Weed」あたりは、学生バンドもお手本にしそうな雰囲気の良さで、たまりません。なによりも荒っぽいリズム隊の存在感が、狙ったものなのでしょうが、個人的には大好きです。

気になるアドリブソロについては、ジャケットに詳しく表記されていますが、ジェローム・リチャードソンが良い味出しまくり♪

ということで、これは後々まで続くクインシー・ジョーンズの手法が、その初期段階から味わい深く楽しめるアルバムです。肝心のオーケストラそのものは、メインのミュージカルが欧州巡業で不評だったことから経営難に陥り、メンバー交代も頻繁にあったものの、1961年秋まで運営されました。

はっきり言えば、まあ失敗という部分もあるのですが、やはりクインシー・ジョーンズはビックバンドで聞かせてくれるアレンジが最高です。これは映画音楽や後のフュージョンでも本領が発揮される匠の技♪

またプロデューサーとしての手腕は言わずもがな、ビックバンドを解散した後は、ポップスの分野でもレスリー・ゴーア(vo) を筆頭に幾多の良い仕事を重ねていくのでした。

クインシー・ジョーンズは、最高だねっ♪ 

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