OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

これだから、クリムゾン信仰は…

2017-06-21 17:07:07 | Rock Jazz
Live At The Marquee August 10, 1971 / King Crimson (King Crimson Collector Club = CD)
 
★Disc One
 01 Pictures Of A City
 02 Formentera Lady
 03 The Sailors Tale
 04 Cirkus
 05 The Letters
 06 Cadence And Cascade
★Disc Two
 01 Improv
 02 Ladies Of The Road
 03 RF Announcement
 04 21st Century Schizoid Man

所謂アーカイヴ物の発売は嬉しい事にはちがいありませんが、問題はそこにミュージシャン側の意向がどの程度反映されているのか?

という事かもしれません。

実際、輝かしい偉業を達成したミュージシャンが、それによって商売優先主義の犠牲になった例も少なくない事は、皆様ご存じのとおりです。

しかし、逆にミュージシャン側が主導した場合は、例え玉石混交という誹りがあろうとも、アッと驚く超絶の「お宝」がプレゼントされる事があるもんですから、ファンやマニアにとっては、アーカイヴ物に手を出す危険な遊戯が止められないわけでして、そ~ゆ~ところに逸早く先鞭をつけたひとりが、バンド結成以来のオリジナルメンバーである、キング・クリムゾンの御大ロバート・フリップでした。

それは過去の放送用ライブ音源を発掘&集成し、普通の店でも買えるように商品化したに留まらず、個人所有していたサウンドボード音源やアウトテイク等々、さらにはこれまで違法流通していたブートまでも集めてリマスターした音源等々も含め、それらを新規に設立した「キング・クリムゾン・コレクターズ・クラブ」という会員組織を通じて販売し、それも会員資格が当初は欧米在住に限定するという、なかなかの信心を求められる手法は如何にも御大の「らしさ」でした。

ところが、世界的にもクリムゾン信者が多い我が国では、特別に一般のレコード会社からの配給を承認された音源もあり、また前述「キング・クリムゾン・コレクターズ・クラブ」から出たCDを輸入盤という形で販売する店もあった事は周知の事実!

また、ネットの普及により、音源だけの配信=ダウンロード版の販売もスタートしたのは、さらにコアな「お宝」が流通するマニア泣かせの状況であります。

で、本日ご紹介の2枚組CDは、まさにその点において白眉の傑作!

録音は1971年8月10日、ロンドンのマーキークラブにおけるライブレコーディングで、メンバーはロバート・フリップ(g,mellotron) 以下、メル・コリンズ(sax,fl,mellotron)、ボズ・バレル(vo,b)、イアン・ウォーレス(ds,vo) の他に当時のバンドのブレーンのひとりでもあったピート・シンフィールドが音響効果と照明担当としてクレジットされており、時期的には4作目の公式LP「アイランズ / Isllands」や暴虐のライブ盤「アース・バウンド / Earthbound」と同じ線上にある演奏が、良好な音質で存分に堪能出来る優れ物ですよっ!

なにしろ当初は前述した「ネット配信」だけの音源でありながら、こ~してCD化されたという事実だけでも、フリップ翁のお墨付きは絶対の証でしょうし、繰り返しますが、実際に聴けば納得のライブ音源としか言えません。

それはザクザクにギザギザなクリムゾン流儀のヘヴィロック「Pictures Of A City」が、しかしこれはハードロックというよりも、極めてジャズっぽい、そのアドリブパート等はメル・コリンズを筆頭にフリージャズに接近した演奏になっていますし、続く「Formentera Lady」はジェントルなスロー曲の中にロバート・フリップのギターはモロにジャズ!?

しかも中盤からグループとしてのノリが発生すると、そのブリディッシュフォーク系の曲メロを徹頭徹尾ジャズで解釈せんとするメル・コリンズのテナー or アルトサックスが実に心地良く、そのまんまの流れで「The Sailors Tale」に入っていけば、今度は陰鬱なベースのリフも印象的なシンプルな構成の中、フルートが実に心地良いという、いゃ~、これはやっぱりロックジャズだなぁ~~~♪

もちろん深淵な企みが滲むロバート・フリップのギターや終盤でスピーディーな展開を聞かせるバンドアンサンブルも良い感じ♪♪~♪

というか、かなり自由奔放な演奏ではありますが、メンバー間には、きっちりと暗黙の了解があるにちがいありません。

ですから、スローなパートとへヴィロックが交錯する「Cirkus」における中間部のオトボケジャズも憎めませんし、暗い哀愁の美メロ曲「The Letters」でのアドリブパートがどこまでもフリージャズに傾こうとも、今、どこが演じられているのかが分かるのは、なかなか楽しいところでしょう。

当然ながら、サウンド作りというか、諸楽器担当各人の責任の所在もはっきりしていますので、特にノイジーなギターの響きが実にたまりませんし、最後の最後でちらりと聴かせてくれるジャズ的なコードの魅力には、ハッとさせられますよ♪♪~♪

そこで最初の締め括りとなる「Cadence And Cascade」こそは、皆が大好きなクリムゾンAORとでも申しましょうか、ソフト&メローな曲メロやコード進行の妙が、ここではさらにジャズっぽく、当然ながら、メル・コリンズのフルートも気持ち良過ぎますねぇ~~~♪

ちなみに全曲を通してのボズ・バレルのリードボーカルは、ど~してもグレッグ・レイクと比較されてしまう宿命があるんですが、なかなかどうして、その歌唱表現は素晴らしいと思います。

ただし、ベース奏者としてはグループ加入時にロバート・フリップから特訓されたという、決して熟練の名手ではなかった所為もあり、またここでの録音状況も、幾分ベースに関しては不明瞭な印象なので、失礼ながら、正直に言わせていただければ、後任のジョン・ウェットンだったらなぁ……、という思いが捨てきれません。

それを殊更強く感じるのが、27分近い強烈なジャズインスト「Improv」で、テーマは完全な4ビートによるロバート・フリップのギターリフから始まり、そこにロックビートを交えながら展開される演奏の中で、メル・コリンズの激しいアドリブは完全なモロジャズですし、イアン・ウォーレスの「間」を活かしたドラミングが大車輪ドラムソロへと発展していく様も痛快ということは、つまり……、ど~してもここでボズ・バレルのベースにツッコミが不足している感が拭いきれないのです……。

しかし、それでもここでの演奏は緊張感に溢れ、まさにこの時期だけのキング・クリムゾンが、これぞっ!

ですから「Ladies Of The Road」から尚更にリラックスしたムードが発散されるのもムベなるかな、しかし絶対にダラけない厳しさは素晴しく、これまた皆様には説明不要かとは思いますが、全くジョン・レノンっぽいビートルズ風の曲メロやサウンドは揺るぎない魅力として、あぁ~、キング・クリムゾンはやっぱ真・英国バンドなんだなぁ~~、と認識を新たにするところです。

こうしてステージライプは、いよいよの大団円!

おまけに直前には如何にも英国っぽいメンバー紹介がロバート・フリップによって行われ、最後に本人以外のメンバーが如何にものオチをやらかすのは、本当に微笑ましいので、思わず笑ってしまいますが、それがあっての「21st Century Schizoid Man」ですから、その場の観客が羨ましいですよぉぉぉぉぉぉ~、本当にっ!

ということで、既に述べたとおり、音質的にも例えば「アースバウンド / Earthbound」あたりと比較しても、各段に聴き易いはずですし、個人的には幾分低音域が物足りないという感じではありますが、それは贅沢というものでしょう。

実はこの「マーキークラブ音源」は当日を挟んで3日分がクリムゾン側から公開されているようですが、音質的にはこれがダントツです。

そして、だからこそ、当初から曖昧な存在感であったライブギグにおけるピート・シンフィールドの役割が解明されたというか、演奏の各所に附されたエコーや音響効果は、それじゃ~ないかと推察するところで、特に「Improv」でのドラムソロに被せられたシンセの如きサウンドエフェクトやギターのアドリブソロがステレオでは左右に激しく移動を繰り返すというケレンは、今となっては古い遣り口かもしれませんが、それも当時ならではの仕掛けでありましたですねぇ~~♪

また、バンドそのものの発展性については、デビューアルバム「クリムゾン・キングの宮殿 / In The Court Of The Crimson King」から永遠の代表曲「21st Century Schizoid Man」は言わずもがな、2ndアルバム「ポセイドンのめざめ / In The Wake Of Poseidon」からの「Pictures Of A City」と「Cadence And Cascade」、3rdアルバム「リザード / Lizard」からの「Cirkus」、そして未だ発売前であったと思われる4thアルバム「アイランズ / Islands」から、だとすれば新曲であった「Formentera Lady」「The Sailors Tale」「The Letters」「Ladies Of The Road」という演目を鑑みれば、所謂「静」と「動」のバンスも鮮やかなチョイスは流石だと思いますし、逆に言えば、その半分近くを占める新曲を活かすべく仕組んだプログラムの妙でありましょう。

また、聴き逃せないというか、思わず「うっ」と唸らせられるのが、殊更ロバート・プリップが弾いてしまうフレーズの中には既に次作「太陽と旋律 / Larks' Tongues In Aspic」以降のキメやリツクがきっちり浮かび上がっている事で、そのあたりが混濁しつつも、思いっきりジャズってしまった「Improv」の正体なのかもしれません。

ところが、これは歴史的現実になってしまいましたが、このメンバーからピート・シンフィールドが抜けて敢行された翌年のアメリカ巡業では、例えば「アースバウンド」でも聴けるように、野放図とも思えるロックジャズ~ソウルジャズが展開されていたギグもあったのですから、ここでの整合性を優先させたが如きライブ演奏は、なかなか個人的には好感が持てます。

ただし、「21st Century Schizoid Man」に関しては、ちょっぴり予定調和的とでも申しましょうか、「アースバウンド / Earthbound /」で聴かれたような大暴れと激しいリフの迫力が足りない気がするので、これまた贅沢は敵だっ!

という思いで自戒しております。

そしてクリムゾン中毒はますます進行し、アーカイヴ物への危険な遊戯へも深入りしていくのでした。
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イエスのライブの裸の神業

2016-02-21 15:00:49 | Rock Jazz

Progeny : Highlights From Seventy-Two / Yes (Atrantic / Rhino)

すっかり定着した大物ミュージシャンのアーカイヴ商法は、それに賛否両論があろうとも、やはり自分の好きなバンドや歌手の音源であれば、思わず手を出してしまうのがサイケおやじの本性です。

ただし、「賛否両論」と書いたのは、時としてそれがあまりにも長大な内容、つまり結果的に高額な商品になっている現状を目の当たりにすれば、闇雲な賛同推奨は出来ない事も確かな真実だと思います。

それは最近入手した中でも、例えばグレイトフル・デッドのCD80組から成るライブ名演集とか、ボブ・ディランのレコーディングセッション記録集とか、果たして入手はしたものの、自分の生涯に全てを聴き終えることが可能なのか?

というようなブツがありますからねぇ~~。もう、それは明らかに高齢者への冥途の土産としか思えないわけですよ……。

ところが流石に制作側も良心(?)が働くのか、人気の高いミュージシャンの対象物件には、ちゃ~んとダイジェスト&ハイライト盤が出されていまして、本日ご紹介のイエスの2枚組CDは、1972年秋のアメリカ巡業から7カ所の公演を14枚のCDに収めた箱物「プロジェニー」から、出来の良いテイクを抜粋し、ひとつのコンサートライブを楽しめるように作られた編集アルバムになっています。

☆DISC 1
 01 Opening (Excerpt From Firebird Suite) ~ Siberian Khatru (1972年11月20日録音)
 02 I've Seen All Good People (1972年11月15日録音)
 03 Heart Of The Sunrise / 燃える朝やけ (1972年11月15日録音?)
 04 Clap ~ Mood For A Day (1972年11月12日録音)
 05 And You And I / 同志 (1972年11月11日録音)
☆DISC 2
 01 Close To The Edge / 危機 (1972年11月11日録音)
 02 Excerpts From "The Six Wives Of Henry VIII" / ヘンリー八世の6人の妻 (1972年11月12日録音)
 03 Roundabout (1972年10月31日録音)
 04 Yours Is No Disgrace (1972年11月12日録音)

で、収録の演目は上記のとおりで、説明不要かもしれませんが、この発掘音源は1973年に出されたLP3枚組の超絶ライブアルバム「イエス・ソングス」の主要な根幹という真相があり、とすれば前述の14枚CDに収録された何れの公演も完璧な名演ばかり!

と思いきや、実際にサイケおやじが件の箱物をゲットして、ほぼ連日同じプログラムを繰り返していたイエスの実相、つまりはその時々の好不調の波に接した事で、あぁ……、彼等にしても一発勝負のライブの現場は思いどおりにはならないんだなぁ~~~!?

という、本当に不遜な思いが湧きあがって……。

結論から言うと、完璧だった「イエス・ソングス」の収録各トラックには、それなりにパートの差し替えや編集が施されていたという、当たり前ながらも、本音では信じたくない現実があったのです。

逆に言えば、14枚組の「プロジェニー」には、ネイキッドなイエスが記録されたという事なのでしょう。

実際、そこには声が苦しくなっているボーカル&コーラスパート、リズムコンビネーションが破綻寸前の演奏パート等々に加えて、個人技のミスやPAあるいは録音機材の不調といったトラブルまでもが如実に出てしまっているところさえあるんですから、今となっては神話の崩壊とまでは申しませんが、イエスも人間集団であったという証拠物件(?)でありましょうか。

しかし、このハイライト盤「プロジェニー」は既に述べたとおり、選び抜かれたトラックで編まれた、所謂「アナザー・イエス・ソングス」であり、CD2枚でコ当時のコンサートライブを追体験出来る、とても嬉しいプレゼントにちがいありません。

ちなみにここでのイエスはジョン・アンダーソン(vo,per)、スティーヴ・ハウ(g,vo)、リック・ウェィクマン(key)、クリス・スクワイア(b,vo)、アラン・ホワイト(ds,per) という、所謂黄金期の顔ぶれ♪♪~♪

そして初っ端、開演を待つ観客のざわめきの中、ストラヴィンスキーの組曲「火の鳥」からの抜粋がテープによって流され、そこに登場したメンバーがチューニングやマイクのテスト等々を行うという段取りの部分が非常にリアルで、これから始まるライブショウの幕開けには必須のワクワク感♪♪~♪ それに浸る間もなく始まる「Siberian Khatru」の豪快な演奏だけで、あまりの凄さに我を忘れてしまいますよ♪♪~♪ なにしろ本来がリズム重視のイケイケな曲という側面があるにしろ、非常にシバリの多い構成展開はプレイヤー各々に神業級のテクニックが求められるわけですからねぇ~~。それがここではヘヴィ&シンプルに暴れるアラン・ホワイトのドラミングは言わずもがな、殊更終盤で圧巻のソロを披露するスティーヴ・ハウ、執拗に様式美を守ろうと奮闘するリック・ウェィクマン、投げやりな感じが逆に素晴らしいクリス・スクワイア、そしてジョン・アンダーソンが主導するボーカル&コーラスの痛快さ! こんなアンサンブルをやってしまうイエスは、やっぱり好き♪♪~♪

と、サイケおやじは本気で愛の告白です。

それは続く「I've Seen All Good People」においても同様で、ボーカル&コーラス主体の前半では些かジョン・アンダーソンの声に不調が感じられるものの、後半のハードロックなパートに突入するや、ドカドカ煩いアラン・ホワイトのドラミングに煽られたかのようにノリノリのスティーヴ・ハウは、このハイライト盤に収録のテイク以外の他日の演奏では羽目を外しすぎて、アンサンブルが乱れる元凶になっているほど!?

いゃ~~、熱いなぁ~~~♪

また、如何にもキング・クリムゾンっぼい「Heart Of The Sunrise / 燃える朝やけ」にしても、これだけ複雑な転調と変拍子の嵐という曲展開が決してアドリブだけじゃ~ない、そのきっちりと最初っから組み立てられた様式美に沿っているという「鉄の規律」は、イエスだからこそ実演可能という証明が、このライブバージョンの恐ろしさかもしれません。

ただし、前記した収録演目に注釈として加えた録音年月日がジャケットに記載されたまんまとは言え、しかもこの「プロジェニー」がネイキッドをウリにしていながら、本家本元の14枚組の同日テイクとは、このハイライト盤に収録のテイクは異なっている印象であり、もしかしたら、やっぱり編集が!?

このあたりは、さらに聴き込みが必要なところでしょうが、それはそれとして、ファンにとっては一番(?)に気になりましょうスティーヴ・ハウの独演会「Clap / Mood For A Day」が、全く期待を裏切らないんですから、たまりません♪♪~♪ 何故ならば「Clap」は初出となった「サード・アルバム」からしてライブバージョンであった所為か、肝心の「イエス・ソングス」には未収録でしたからねぇ~~~。 ここではさらにワイルドなフィーリングが付加され、続く「Mood For A Day」の分かり易さ共々に和みの時間は大切でしょう。

あぁ~、こ~ゆ~アコギが弾けたらねぇ~~~~♪ 

等々と思いつつ、いよいよ前半の区切りに置かれた「And You And I / 同志」が始まれば、その大仰な威圧感に満ちたイントロと思わせぶりなメロディ展開は、瞬時にサイケおやじをイエスの世界そのものへとワープさせてくれるんですねぇ~~♪ 美意識に彩られたアンサンブルの中において、ライブの現場では意外と地味な印象だったクリス・スクワイアのベースワークが小技にも細かい留意点がある事は目からウロコでもあります。

その意味でスティーヴ・ハウが12弦&スティールギターまでも駆使する八面六臂の大活躍ならば、もうひとりの看板であるリック・ウェィクマンは落ち着いたプレイで好印象♪♪~♪

こうして2枚目のディスクへと聴き進めれば、当時の最新アルバムだった「危機」からのタイトル曲が、見事に四分割されたパートを組み立てるという、まさに組曲形式の極みがロックでもやれるっ! その実証作業が凄いですよっ!

もちろんフルスピードからタメを効かせた粘りのプレイまで全開のスティーヴ・ハウ、どんな場面でもビートの芯を外さないアラン・ホワイト、しぶとさも感じさせるジョン・アンダーソンも大健闘ですし、部分的にアンサンブルが破綻寸前のところも上手くフォローするクリス・スクワイアの存在も侮れません。

ただし、どうにもストレスを発散させたい願望が滲むように聴こえる瞬間もあるリック・ウェィクマンのプレイは、個人的に???

ですから、まさに本人が独壇場となる「Excerpts From "The Six Wives Of Henry VIII" / ヘンリー八世の6人の妻」が、このハイライト盤で試行錯誤と破天荒の危ういバランスで成り立っている感があるのは、賛否両論と言うよりは、ライブステージならではのスリルと思ったほうが気は楽じゃ~ないでしょうか。

そして最後の瞬間から、そのまんま、すうぅぅぅ~と「Roundabout」の印象的なイントロに繋がっていく心地良さは絶品! 当然ながら収録日の異なる両テイクの実相からすれば、まさに上手い編集の結果はオ~ライ♪♪~♪

いゃ~、やっぱりこの「Roundabout」は好きだなぁ~~♪ 複雑なバンドアンサンブルも楽々と演じてしまうイエスでなければ、ライブでやって恥を売ってしまいそうな曲だと思えばこそ、ひたすら荒野を目指すが如きバンドの勢いは最高潮としか思えませんし、「静」と「動」の対比が重要なアクセントとなっているキメのパートからリック・ウェィクマン対スティーヴ・ハウのソロの応酬、さらには眩暈のリフの連なりも含めて、これがウケなきゃ~、プログレの神様は慈悲もない存在でしょうねぇ~~~。

そしていよいよの大団円が、おそらくはアンコールという事になるのでしょうか、イントロからリック・ウェィクマンのリラックスしたロックピアノが楽しさを導き出す「Yours Is No Disgrace」こそが、まさにリアルタイムの人気バンドならではの余裕と貫録と言ってしまえばミもフタもなんとやら!? 何時しか突入している、あのお馴染の血沸き肉躍るリフの高揚感には実にシビレますよ♪♪~♪

ということで、なかなか楽しめるアルバムではありますが、イエスというプログレを代表する人気バンドをもっと深く愛するためには、ミスもトラブルも隠しようが無かった前述の14枚組を聴くのが本当のところでしょう。

しかし、それで全てのファンの「愛が冷めない」という保証は、どこにもありません。

その点、本日ご紹介のハイライト盤は、程好い荒っぽさがロックの本質に迫っている瞬間も多々あり、時として「頭でっかち」と揶揄される事さえあるプログレというジャンルの宿業を見事に大衆音楽の王道へと変換させた裏傑作かもしれません。

ちなみにサイケおやじは、件の14枚組ボックスも、このハイライト盤も、国内盤に比べれば、ずう~っと安い輸入盤でゲットしましたから、特に解説書の和訳等々を必要としなければ、それでも満足度は高いはずと思います。

最後になりましたが、やっぱりスティーヴ・ハウって、物凄いギタリスト!

それを再認識させられた事を付け加えさせていただきます。

あぁ、絶句……。

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イエスの確認作業

2014-07-08 15:01:46 | Rock Jazz

Classic Yes (Atlantic)

1981年末に発売されたイエスのベストアルバムなんですが、これには当時、公式には未発表だったライブ音源を入れたシングル盤がおまけされていましたから、無視する事は絶対不可能!

 A-1 Heart Of The Sunrise (from こわれもの)
 A-2 Wonderous Stories (from 究極)
 A-3 Yours Is No Disgrace (from サード・アルバム)
 B-1 Starship Trooper (from サード・アルバム)
 B-2 Long Distance Runaround (from こわれもの)
 B-3 The Fish (from こわれもの)
 B-4 And You And I (from 危機)

おまけシングル盤
 A-1 Roundabout (Live)
 B-1  I've Seen All Good People (Live)

上記の収録演目からして、これはリアルタイムのイエスがライプで演じて盛り上がる人気曲ばかりなんですが、今日では良く知られているとおり、実はアルバム発売当時のイエスは活動停止という以上の解散状態……。

その経緯を簡単に述べれば、まず1977年に出したアルバム「究極」が、およそイエスらしくない、普通(?)のロックバンドの如き大衆性を提示した事から、それはそれで良質な仕上がりの名盤であり、正直に告白すれば、サイケおやじは、そうした新生イエスを心地良く受け入れていたんですが、続く翌年に発売された「トーマト」は、せっかくのLPとしての役割を放棄したんじゃ~ないかっ!?

と思わざるを得ないほど、ポップな軽さが目立つ楽曲の寄せ集めであり、リアルタイムから業界の流行になっていた所謂ニューウェイヴに媚びた感じが、本当はイエスにしか出来ない緻密な計算に基くサウンド作りがあったにしろ、古い体質のサイケおやじには、ど~しても馴染めない作品でした。

そしてさらに仰天させられたのが、1980年に発表された新作アルバム「ドラマ」での執念とでも申しましょうか、それまでのイエスの立役者であったジョン・アンダーソン(vo)、そして人気者のリック・ウェイクマン(key) が抜け、同時期にバグルスと名乗るニューウェイブのグループを運営していたトレヴァー・ホーン(vo) とジェフ・ダウンズ(key) が替わりに入りながら、提示されたサウンドは往年のプログレがど真ん中だったんですから、一歩進んで二歩下がるみたいな現実には、素直になれなかったんですねぇ~~~。

しかもご丁寧な事にジャケットデザインが「究極」~「トーマト」で新生イエスを正面から印象づけていたヒプノシスから、プログレ全盛期のイメージを象徴するロジャー・ディーンに担当回帰させたのも、潔くないというか……。

ただし、内容は決して悪くはありませんでしたよ。

極言すれば完全に死にかけていたプログレというジャンルにおいて、それに拘り続けていたファンには嬉しいプレゼントだったんじゃ~ないでしょうか?

気になるトレヴァー・ホーンのボーカルも、それほどジョン・アンダーソンの不在を感じさせない曲展開や演奏があれば、結果オーライと言えなくもありません。

実際、この「ドラマ」をプログレの傑作アルバムとする某評論家先生の熱弁も記憶に残っているほどです。

しかし、やっぱりファンの気持は晴れなかったのでしょう。

一応は巡業ライブもやっていたイエス本隊にしても、そのあたりを当然のように察したのでしょうか、前述したとおり、1981年には実質解散状態に……。

そしてこのベスト盤は、残された唯一のオリジナルメンバーであるクリス・スクワイアの選曲監修によるものとして、件のおまけシングル盤と定番ロジャー・ディーンのジャケットデザインという付加価値もあり、侮れない1枚になっています。

で、気になる公式未発表ライブ音源の「Roundabout」と「I've Seen All Good People」は何れも1978年10月の録音、メンバーはジョン・アンダーソン(vo)、スティーヴ・ハウ(g,vo)、リック・ウェイクマン(key)、クリス・スクワイア(b,vo)、アラン・ホワイト(ds,per) で、しかも結成10周年記念ツアーからの演奏は、まさに緻密と洗練とパワーに満ちた、物凄い勢いが堪能出来るんですねぇ~~♪

もちろんシングルの7吋盤といっても、33回転ですから、両面収録2曲共に長時間の歌と演奏は期待を裏切っていません。

「I've Seen All Good People」におけるライプならではのメンバー紹介も楽しい限り♪♪~♪

あぁ~、やっぱりイエスは強烈無比!

そういう思いを再認識させられましたですよ、実際♪♪~♪

ちなみに、あらためて言うまでもなく、同時期のライプ音源は、このベスト盤が世に出る以前の1980年、問題作(?)「ドラマ」に続いて発売された「イエスショウズ」と題する2枚組LPにも幾つか収められているんですが、あえて拙ブログで順番を逆にご紹介させていただいたのは、1970年代末頃のイエスとロック業界におけるプログレの存在意義を皆様に再確認していただきたかったからで、その「イエスショウズ」の素晴らしさ、楽しさについては追々にという事で、ご理解下さいませ。

最後になりましたが、プログレが現在、どのような状況に置かれているかは知る由が無く、それはサイケおやじが現在進行形の音楽に興味が持てず、OLD WAVE にどっぷりと浸かっているからでして、それを微温湯と揶揄されたとしても、満足度が違うわけです。

その意味で、1983年に劇的な復活を遂げたイエスがプログレというよりは、さらにモダンなロックバンドに変身していた事に対しても、失望と羨望がアンバランスに溶け合った気分でした。

ただし、それでもイエスはイエス!

アッと驚かされる真実の提示は、以降も続いていくのでした。

コメント (5)

これを聴けば、メタル・クリムゾンに覚醒しますよ♪

2014-02-14 15:10:20 | Rock Jazz

The Nightwatch / King Crimson (DGM=2CD)

 ★CD-1
   01 Easy Money
   02 Lament / 人々の嘆き
   03 Book Of Saturday / 土曜日の本
   04 Fracture / 突破口
   05 The Night Watch / 夜を支配する人
   06 Improv:Starless And Bible Black / 即興:暗黒の世界
 ★CD-2
   01 Improv:Trio
   02 Exiles / 放浪者
   03 Improv:The Fright Watch = The Mincer
   04 The Talking Drum
   05 Larks' Tongues In Aspic, Part Two / 太陽と戦慄パート2
   06 21st Century Schizoid Man / 21世紀の精神異常者

1997年に発売されたキング・クリムゾンの公式ライプ盤で、その中身は1973年11月23日のオランダはアムステルダム巡業からの演奏を2枚のCDに纏めた、所謂発掘音源集です。

という事は、結論から言えば、あの驚愕の問題LP「太陽と戦慄 / Lark's Tongues In Aspic」以降のキング・クリムゾンが何を目論んで、実践していたかが良~~く分かるという、なかなか有用なブツなんですよっ!

実際、サイケおやじは、この音源に接して以降、通称「メタル期」のキング・クリムゾンから絶対に抜け出せない中毒症状を患っているほどなんですが、しかしリアルタイムで聴いたのは、もちろんこのCDではありません。

それは良く知られているように、この日のライプは多分バンド側の意向で正式にレコーディングされ、その一部が英国BBC等々で放送された事から、夥しいブートのネタ元になっていたほどの人気音源なのです。

ただし、当時のブートはアナログ盤ですから、質の悪い塩ビの使用やプレス加工の稚拙によって、せっかくの優良音源がそんな諸々の悪条件では充分に活かせていたとは言い難く、今日の高音質ブートに慣れているお若い皆様がもしもそれを聴く機会があるとすれば、完全に???の気分に陥るんじゃ~ないでしょうか。

ところが、同時期にはもうひとつ、ようやく音楽用に適正なオーディオカセットが普及したところから、そういう音源がカセットテープという媒体で流通するようになっていました。

で、サイケおやじがこのライプ音源を初めて聴いたのは、ちょうど1975年のゴールデンウィーク、某輸入盤屋のバーゲンで、プログレ系のLPを3枚買うと、件のBBC音源が入ったカセットを特典で貰えるというエサに釣られてしまったんですねぇ~~~。

しかしプレゼントされたカセットには、そのケースにタイトル「1974年のライプ」と「曲目」が書かれたメモが無造作に入れられているのみで、もちろんジャケットなんかはありませんし、データそのものだって、今となれば間違いであったわけですが、中身はとにかく強力無比!

当時の凄すぎるキング・クリムゾンが約50分強、生々しく聴かれたんですよっ!

演じられていたのは「Easy Money」「Lament」「Book Of Saturday」「Exiles」「The Mincer」「The Talking Drum」「Larks' Tongues In Aspic (Part Ⅱ)」「21st Century Schizoid Man」という、つまりは「太陽と戦慄 / Lark's Tongues In Aspic」とそれに続く「暗黒の世界 / Starless And Bible Black」の2枚のアルバムに収録された曲をメインに十八番のアンコールヒットをやっているんですが、告白すればサイケおやじはこの時点で件のアルバム「暗黒の世界 / Starless And Bible Black」を全く聴いていませんでした。

それは当初、「太陽と戦慄 / Lark's Tongues In Aspic」があまりにも自分の感性とズレていた所為で、リアルタイムのキング・クリムゾンに見放されたいた結果であり、また経済的な問題もありましたからねぇ……。

その「暗黒の世界 / Starless And Bible Black」も、同じ1974年に出た「レッド」ですら、サイケおやじはスルーしていたというテイタラクだったんですよ、恥ずかしながら。

ですから、ここで聴いた「Lament」と「The Mincer」は全くの初体験曲であり、同時に演奏全篇から放出される躍動的なエネルギーに圧倒され、さらに驚いたのは「太陽と戦慄 / Lark's Tongues In Aspic」を制作した時のレギュラーメンバーとして、その作品の印象を決定的にする不気味な暴れを演じていたジェイミー・ミューア(per) が、ここでは参加していなかった事です。

つまりロバート・フリップ(g,key) 以下、ジョン・ウェットン(vo,b)、ビル・ブルフォード(ds)、デイヴィッド・クロス(vln,key) の4人だけで、こんなに激ヤバな演奏が可能なのかっ!?

そういう驚愕と感動がサイケおやじの内面で渦巻き、しかし冷静になってみると、アルバム「太陽と戦慄 / Lark's Tongues In Aspic」で演奏の隙間=空間を埋め尽くすピート&リズムを提供していたジェイミー・ミューアが抜けてしまったがゆえに、それを代替する義務を負わされたとしか思えないビル・ブルフォードのドラミングが驚異的な感性を爆発させ、そう思い込んでしまえば、ジョン・ウェットンの傲慢なペースワークも大いに魅力♪♪~♪

ですからデイヴィッド・クロスのバイオリンが美しくもエキセントリックな方向性を模索し、ロバート・フリップのギターが尚更に繊細と豪胆のバランスを崩しつつ、それが破綻寸前のスリルを提供しているのも納得して大興奮というわけです。

そしてもちろん、サイケおやじが不覚にも聴いていなかった前述「暗黒の世界 / Starless And Bible Black」と「レッド」の2枚のLPを買いに走ったことは言うまでもありませんし、そこで堪能出来た濃密な感動と興奮も、また然り♪♪~♪

それについては追々に拙プログで書いていく所存ですが、さて、そこで本日掲載した2枚組CDは既に述べたとおり、サイケおやじを目覚めさせたカセット収録音源の完全版とされるもので、当然ながらリマスターによって、音質も 向上し、各楽器の定位や迫力も増しているという、まさに80分強の桃源郷ですよっ!

ちなみに、これまた今では良く知られた事実なんですが、このライプ音源から「Fracture」「The Night Watch」「Improv:Starless And Bible Black」「Improv:Trio」「Improv:The Fright Watch = The Mincer」が加工されて「暗黒の世界 / Starless And Bible Black」のアルバムに用いられた真相を鑑みれば、後追いでそれらを聴いてしまった体験もあながち悪くはありません。

まあ、それは自分に言い聞かせる言い訳かもしれませんが、この頃のキング・クリムゾンはハードロック、英国フォークみたいなメロディ曲、そして暗黙の了解に基くアドリブの応酬や伝来の様式美を混然一体化させていた、それはそれは恐ろしいバンドでありました。

このあたりは、また別に発掘集成されたライプ音源箱「ザ・グレート・ディシーヴァー」や「レッド40周年記念箱」等々のCDセットを聴けば、尚更に感服すること必至の真実であり、その意味でサイケおやじは、ここで目覚めた直後のリアルタイムで入って来たキング・クリムゾンの新譜にして公式では2枚目のライプ盤「USA」の悪意さえ感じられる遣り口に、またまた熱くさせられたのですが……。

ということで、とにかく、こんなに怖い時期のキング・クリムゾンが分かっていいのかしら?

なぁ~んて思わざるを得ないのが、掲載した2枚組CDセットです。

極言すれば、アドリブパート主体の演奏では、ジョン・マクラフリンマハヴィシュヌ・オーケストラウェザー・リポートっぽい瞬間も現出するほどのジャズフュージョンっぽさがあり、同時に決して揺るぎないブリティッシュロック王道の様式美が見事に披露されていると思うばかり♪♪~♪

個人的には特に最終盤、「The Mincer」から「Larks' Tongues In Aspic, Part Two」へと熱く滾って盛り上がる三連発に死ぬほどの快感を覚えますっ!

繰り返しますが、「クリムゾンは気になるけど、ど~も、メタル期は???」という皆様には、ぜひとも鑑賞をオススメしたいのが、これですよ。

そして今も活動を続けるキング・クリムゾンだって、この時期の延長線上にあるという、なにか知ってはならない秘密を感じとるのも、また素敵じゃ~ないですかぁ~~。

なるたけ大音量で楽しみましょうね♪

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そのストイックな感性にシビれる

2014-02-13 15:22:12 | Rock Jazz

滅びゆく英雄 / Steely Dan (abc / 日本コロムビア)

さて、昨日の続きになりますが、今回の五輪スノボハープパイプでは、男子のショーン・ホワイトが絶対王者、神様として優勝三連覇は決定的と報じられていただけに、決勝での滑りの不様さは衝撃的でありました。

なにしろ大会前から、その颯爽とした勇士は広く世界に流布する映像等々で紹介され、しかもそのとおりの活躍を予選までは見せていたのですからっ!

結局、アスリートやスポーツ選手は自分の年齢、つまり肉体の衰えや精神力との戦いも重要で、ショーン・ホワイトもそれから逃れられなかったという事なのでしょうか……。

だとすれば、二人の日本少年が驚異的な活躍を世界に知らしめたのも、納得して然るべきですし、世界レベルのスポーツ選手であれば、そのストイックな面を隠すことのない必然性こそが超一流の証と思います。

さて、そこで本日掲載のシングル盤は、1970年代に登場した数多のミュージシャンの中でも、殊更ストイックなスティーリー・ダンの1枚なんですが、特にこれを選んだのは、不遜にも前述したショーン・ホワイトに収録A面曲の邦題「滅び行く英雄」を重ねてしまったがゆえの事です。

ちなみにスティーリー・ダンは1972年の公式デビュー当時は堂々のバンド形態であったはずが、1975年頃はライプ活動も止め、何時しか中心メンバーのドナルド・フェイゲン(vo,key) とウォルター・ベッカー(g,b) にプロデューサーのゲイリー・カッツが参画するスタジオプロジェクトになっていたのが、このシングル盤収録の2曲を含む新作レコーディングの実際現場でありましたが、そこにスティーリー・ダンが自らの意図を具象化させるべく雇い入れたセッションミュージシャンの存在が侮れません。

しかし彼等が如何に活躍しようとも、それはスティーリー・ダン、特にドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーという下積み時代からの盟友同士が互いにストイックな創作意欲を貫きとおさなければ、そこに存在する意味が無いと思われるほどです。

例えば、この「滅びゆく英雄 / Kid Charlemagne」ではラリー・カールトンの流麗なギターが大活躍し、それによって「ラリー・カールトンという一般には無名のギタリスト」が一躍注目を集め、そして自身のリーダー作では、この「滅びゆく英雄 / Kid Charlemagne」におけるコンセプトを再利用したとしか思えない「Room 335」という人気曲まで演じてしまうのですから、それを成り行き任せとばかりは決めつけられません。

それはジャケに用いられたツーショットの怖そうなイメージからも想像に易いわけですが、実質二人のスティーリー・ダンは、それゆえに協力者の選択にも頑固であったはずですし、妥協の無い姿勢は音楽という娯楽の世界にあっても、寄せ付けない凄味が大勢のリスナーを魅了してしまえば、結果オーライ♪♪~♪

むしろ、それがあってこそ完成出来た傑作の数々は、流行に起因した派手な売り上げが終わってしまっても、永久に聴き継がれていくに違いありません。

ということで、サイケおやじは決してショーン・ホワイトをバカにしたり、憐れんでいるのではありません。

その偉大な王者が君臨していたからこそ、今回の日本少年の大活躍があったと確信しています。

これからは追われる立場、特に若い平野歩夢には孤高なぁ~ん言葉は似合わない感じですが、おそらくはストイックであろう競技への取り組みは、世界中を熱狂させるでしょうねぇ~~♪

楽しみを増やしてくれて、ありがとう♪♪~♪

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小品から大作のELP

2014-02-10 15:26:30 | Rock Jazz

Lucky Man / Emrson, Lake & Palmer (Cotillino / ワーナーパイオニア)

プログレやってるミュージシャンは必然的に大作主義なんでしょう、レコードはアルバムメインで作るのを普通にしていたのが1960年代後半からの流れでありましたが、しかし一流の人気バンドであればこそ、例えばムーディー・ブルースやプロコルハルムの様にシングルヒットを出す事も義務付けられていました。

というよりも、そうしたシングルヒットがプロモーションには絶対に必要だったわけで、新作アルバムの発表や巡業の集客を狙っての策略が音楽ビジネスの常識という事なのでしょう。

で、本日掲載したのはエマーソン・レイク&パーマー=ELPの初めてのシングルヒット盤で、ご存じのとおり、彼等のデビューアルバムからカットされたものです。

ところが驚いた事には、後にメンバーが語ったところでは、この「Lucky Man」がシングルカットされ、しかもヒットしていた実態を知ったのは、ELPが巡業でアメリカに到着した1971年のその日だったそうで、ヒットするのは嬉しい反面、これは決して自分達の音楽を象徴していはいないっ!

曲を書いたグレッグ・レイク以下、メンバー全員が、そう思ったというのですから、穏やかではありません。

う~ん、そうでしょうねぇ~。

だって、ELPと言えば、1970年の公式デビュー時からキーボードロックの王者として、激烈なライプパフォーマンスと構成力豊かな音楽表現をウリにしていたのですから、確かに優れた楽曲の「Lucky Man」にしても、小品であるがゆえに、その一部にしか接することが出来ないフォーク調の音楽世界は、ELP絶対主義には馴染まないはずです。

しかし、既に世界中から期待される次のアルバム制作に些か迷いがあったというELPは、それによって大作指向に邁進する決意を固めたそうで、もちろん完成したのは、あの傑作「タルカス」だったのですから、何が幸いするかは分かりません。

ということで、文字通り、結果オーライのラッキーな名曲として、サイケおやじは後追いの感慨に耽ってしまったというわけです。

ただし、ELPはそれなりにヒット狙いの楽曲を作り、シングル盤を以降も出し続けていったのですから、決して頑固な面々の集まりではなく、そこにグループ自らの意思があるか、否か!?

そういう拘りが一流の証明と思うばかりです。

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太陽と戦慄の大義名分

2014-01-21 16:22:23 | Rock Jazz

太陽と戦慄 / King Crimson (Island)

 A-1 Lark's Tongues In Aspic, Part One / 太陽と戦慄パート1
 A-2 Book Of Saturday / 土曜日の本
 A-3 Exiles / 放浪者
 B-1 Easy Money
 B-2 The Talking Drun
 B-3 Lark's Tongues In Aspic, Part Two / 太陽と戦慄パート2

キング・クリムゾンが1973年に出したアルバム「太陽と戦慄 / Lark's Tongues In Aspic」は、同バンドのデビュー作「宮殿」と並び称される絶後の名盤とされていますが、例によってサイケおやじはリアルタイムで接しながら、全くそれが分かりませんでした。

結論から言うと、収録トラックには分かり易い歌と意図不明な演奏が混在した印象で、しかも複雑怪奇な部分とシンプルで退屈なところが当時のサイケおやじには、ついていける世界ではなかったのです。

しかし、この「太陽と戦慄 / Lark's Tongues In Aspic」に期待するところは大いにありました。

なにしろ大好きなビル・ブルフォード(ds) が在籍していたスタアグループのイエスを抜けてまで参加した作品でしたからっ!

きっと物凄く構築された完全無欠の様式美が堪能出来るにちがいないっ!

つまりは前述「宮殿」における絶対的なキーマンであったマイケル・ジャイルズの敲き出していたシャープなリズム&ピートが蘇り、極言すればマイケル・ジャイルズが辞めてしまった事で迷走(?)したとしか思えなかったキング・クリムゾンが再生したはずという思い込みがあったわけで、その意味においては「太陽と戦慄 / Lark's Tongues In Aspic」が「宮殿」と並び立つ云々は正しいという解釈になるんでしょうが……。

実際に「太陽と戦慄」を初めて聴いた時の肩すかし、混乱と拍子抜けはサイケおやじの偏狭な感性を裏付けるものでした。

ちなみにアルバムに参加していたキング・クリムゾンのメンバーは御大ロバート・フリップ(g,key) 以下、ジョン・ウェットン(vo,b)、ビル・ブルフォード(ds)、ジェイミー・ミューア(per)、デイヴィッド・クロス(vln,key) の5人組で、御大以外の新顔達の履歴にはプログレ、正統派ロック、クラシック、フリージャズ等々の広範に培われた音楽性がある事は、現在の常識ではありますが、リアルタイムでは一番有名だったのがビル・ブルフォードでしょう。

そしていよいよレコードに針を落してみれば、とにかくA面ド頭の「Lark's Tongues In Aspic, Part One / 太陽と戦慄パート1」からして、いきなりアフリカあたりの虫の音というか、なかなか自然描写の効いた音作りは、そのSE気味の構成がしっかりしていようとも、なかなか悪い予感に満たされている感じでしたねぇ……。

すると案の定、演奏は急激に切り込んでくるヘヴィ&ハードロックなリフの展開となり、そのまんま多分7拍子(?)と思われる変則ピートの中でギターによる複座雑怪奇なスケールが律儀に披露され、さらにベースまでもが細かい動きを推進すれば、ドラムス&パーカッションはオンピートの様でありながら、実は意地悪な「はがらかし」としか感じられないイヤミが続くのですから、これを聴くのは最初、なかなかの苦痛でありました。

しかしバイオリンの存在が妙に和むというか、そういうアンバランスなコントラストを狙ったのは、頭脳的と言えば聞こえは良いかもしれませんが、またそれもイヤミと受け取ったのがサイケおやじの初体験の感想です。

おまけに途中には一瞬、日本の筝曲みたいなパートまで挿入されているんですから、始末が悪いですよ……。

ところが続く「Book Of Saturday / 土曜日の本」がギターのハーモニクスプレイを上手く使った、如何にも英国的な穏やかな抒情歌というイメージで、前曲からの混濁した気分が慰められ、続く「Exiles / 放浪者」が哀愁のバイオリンとダレ無いビート感が上手く融合した、これまた人気曲の必要十分条件を満たした傑作トラック♪♪~♪

実際、この安堵感を堪能するためには、初っ端「Lark's Tongues In Aspic, Part One / 太陽と戦慄パート1」の苦行に耐えてこそっ!

そう思わざるを得ないほどで、その意味では「宮殿」における「I Talk To The Wind / 風に語りて」~「Epitaph」の流れを踏襲したと思しき策略に飲まれてしまった感があります。

こうしてレコードをひっくり返す儀式から「Easy Money」は、なんとっ!

クリムゾン流儀のハードロックとして、これが一番に分かり易い曲でしょう。

しかし聴くほど驚かされるのは、パーカッションの唯我独尊であり、ど~やって出しているか分からない音が決してSEでは無いところです。

もちろんベースの蠢きやドラムスのシャープなビートは「お約束」なんですが、それゆえに「暴れ」が物足り無いと思うのも、またサイケおやじの本音であります。

その要因は御大のギターの冷徹さ???

ですから、続くインストの2連発、「The Talking Drun」と「Lark's Tongues In Aspic, Part Two / 太陽と戦慄パート2」が単なるリフの繰り返しに聞こえたとしても、責められるべきは自己の感性!?

それを斟酌してくれたかのように「The Talking Drun」の終末に置かれたバイオリン(?)の絶叫からスト~~ンッと入っていく瞬間の「Lark's Tongues In Aspic, Part Two / 太陽と戦慄パート2」は忽せに出来ない現実です。

実は些か確信犯的な書き方になりますが、このアルバム制作前後に行われていたキング・クリムゾンのライプ音源を聴くと、恐ろしいまでの躍動感と深淵な暴虐に気がつかさせるんですよっ!

あぁ~、スタジオ録音されたLP「太陽と戦慄 / Lark's Tongues In Aspic」は所謂「たたき台」であり、またライプでやらかした無分別(?)に整合性を与える大儀名分なのかもしれません。

例えばマイルス・デイビスの「ビッチェズ・ブリュー」がそうであったように、それほど整った音楽性が凝縮されているんですよっ、このアルバムには。

繰り返しますが、当時のキング・クリムゾンのライプ音源を聴いてからの方が、スタジオ録音盤「太陽と戦慄 / Lark's Tongues In Aspic」は楽しめると思っているのです。

ということで、一部では「メタル期」と称されるクリムゾン・キングの諸作は、以降も激烈な問題作をレコーディングしながら、同時にライプ巡業も精力的にやっていました。

言い換えれぱ、だからこそ作ることの出来たアルバム群の充実については追々に書きたいと思いますが、殊更「太陽と戦慄 / Lark's Tongues In Aspic」については現在、13CD+DVD+BD からなる「40周年記念ボックス」が出されていますから、ライプ音源にスタジオアウトテイク、ミックス違いにライプ映像までも含めて凝縮され、解き明かされた秘密の世界は、まさに戦慄!

恥ずかしながらサイケおやじは、件の箱物でようやく「太陽と戦慄 / Lark's Tongues In Aspic」の真の凄さに覚醒したというわけです。

そして最後になりましたが、ロバート・フリップのギターって、ジャズからはジム・ホールの影響が強く感じられ、併せてパワーコードの凄味は特別という変態性が、サイケおやじには憧れと畏怖!?

レスポール派の本懐であります。

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恐るべき庶民へのファンファーレ

2012-09-27 15:24:05 | Rock Jazz

庶民のファンファーレ c/w 恐怖の頭脳改革
        / Emerson Lake & Palmer (Atlantic / ワーナーパイオニア)

あまりにも凄い傑作を出し続けた挙句、ほとんど煮詰まっていたエマーソン・レイク&パーマー=ELPが1977年に出したシングル盤ですが、もしかしたら今日、このA面曲「庶民のファンファーレ / Fanfare For The Common Man」が、ELPでは一番に知られたヒット曲かもしれません。

もちろん、これはELPのオリジナルではなく、アメリカの作曲家として名高いアーロン・コープランドが1942年書いた有名なメロデイとして、タイトルどおりの荘厳華麗、そして威勢が良く、覚え易いところから、最初は軍歌であったと言われていますが、今となっては様々な催し物の幕開けに使われているので、一度は皆様も、その旋律は耳にした事があろうと思います。

そこでロックの世界でも、ELP以前にプログレ系バンドのスティクスが1972年頃に出したデビューアルバム(?)で演じていますし、ストーンズが1975年の巡業ライプで開演の合図に流していた事も知られているはずです。

しかし、それをあえてELPがやってしまうというあたりに、当時の彼等の苦境を感じてしまうのは、サイケおやじだけではないでしょう。

実はご存じのとおり、この「庶民のファンファーレ / Fanfare For The Common Man」は、LP3枚組の大作ライプ盤「レディース&ジェントルメン」から、ようやく3年ぶりに世に出た久々の新作アルバム「四部作 / Works」の収録曲ながら、それがこれまたLP2枚組であるにもかかわらず、アナログ盤A~C面の各々がキース・エマーソン(key,vo)、グレッグ・レイク(b,g,vo)、そしてカール・パーマー(ds,per) のソロプロジェクト企画であり、3人揃ってELP本隊としては、D面に僅か(?)2曲だけというテイタラク……。

その内のひとつが「庶民のファンファーレ / Fanfare For The Common Man」であった事は言うまでもありませんが、問題はもうひとつの「海賊」も含めて、何か間延びした仕上がりになっていた結果は否定出来ません。

そこで苦し紛れ(?)のシングルカットに際しては、当然ながら9分以上あったトラックを3分弱に短く編集した事も、決して暴挙ではなかったはずで、それは実際、世界中で大ヒットしてしまったのですからっ!?!?

ちなみにELPとアーロン・コープランドの関連については、1972年に出した名盤アルバム「トリロジー」において件の巨匠作曲の「Hoedown」を堂々と演奏し、以降もステージライプの必須演目にしていた時期がありますから、目論見通りに大当たりした「庶民のファンファーレ / Fanfare For The Common Man」が以降のチェンジレパートリーになった事も当然でした。

しかし、サイケおやじが、このシングル盤をゲットしたのは編集バージョンのA面ばかりが目的ではなく、本音はB面に収められていた「恐怖の頭脳改革 / Brain Salad Surgery」でありました。

なにしろ当時の我国では、これが未発表曲だったんですねぇ~~♪

まあ、結論から言えば、本国イギリスでは音楽雑誌の付録ソノシートに入れられて、1973年には出回っていたんですが、その頃の我国の洋楽事情では、そんな僥倖は夢の中の話ですし、なによりも曲タイトルが「恐怖の頭脳改革 / Brain Salad Surgery」、つまり未だ超絶の傑作アルバムとそれが同名であれば、ど~しても聴いてみたくなるのがファンの切なる気持でしょう。

何故ならば、説明不要とは思いますが、1973年に発表された件のLP「恐怖の頭脳改革 / Brain Salad Surgery」には、肝心のアルバムタイトル曲が入っていませんでしたから、これは当時から完全に???

どうやら真相は、曲も演奏も作られながら、全体の流れと密度の中では浮いていたのでオミットされたという説が流布され、確かにブートで聴けた問題のソノシート音源は、全くそのとおりの物足りなさ……。

それでも、こうしてオフィシャル化されたとなれば、プロモーション扱いのオマケ音源よりは数段に優れたものになっているにちがいない!? と思い込むのも、ファン心理です。

ところが、やっぱり、過大な期待は裏切られると言っては失礼かもしれませんが、少なくともサイケおやじを満足させてくれるような仕上がりではなく……。率直に言えば、これはど~したって、没テイクになったのも納得出来るのです。

しかし同時に、こういうものでさえ聴かなければならないほどの切迫感、それほどの存在感が当時のELPにはあったのです。

もちろん、これで見切りをつけられた事も、また、ひとつの現実でした。

そして以降、ELPは完全な迷い道に踏み込み、同年末には「作品第二番 / Works 2」なぁ~んていう、メンバーのソロプロジェクトによるシングル盤オンリーの楽曲や余りテイク等々を寄せ集めたアルバムを出し、当然ながら、ここで問題にした「恐怖の頭脳改革 / Brain Salad Surgery」も入っていたんですから、もはやど~しようもありません……。

ただし救いは、それが比較的安価な1枚物のLPであった事、あるいはシングル盤であった事でしょうか。

さて、実はここまで長々と書いてきた拙文には、もうひとつの意図がありまして、それは最近続々と発売されるベテラン大物ミュージシャンによるベスト盤商売に対する、あれこれです。

それは例えば山下達郎が先日出したCD3枚組のベスト盤にしても、一応はデビュー時から今日までを包括した、発売元レーベルを超越する選曲で、リマスターも施され、しかも初回盤にはデモ音源等々を入れたボーナス盤が付くというのですから、長年のファンならば買わずにはいられないでしょう。

もちろん目当ては、そのボーナスディスクですよ!

しかし、これはサイケおやじだけの気持じゃ~ないと確信するところなんですが、たった(?)それだけで、CD3枚分の耳タコ楽曲にお金を持っていかれる事態は、なにか不条理なんですよねぇ……。

ところが同時に、その「たったそれだけ」ってのが、大いに無視出来ないのですから、それはファンの宿業なんでしょう。

不肖サイケおやじも、全くそのひとりとして観念させられたんですが、似たような事態は今後予定されているストーンズ、あるいはユーミンのベスト盤にも言える事で、こんな状況が今後、2~3年毎に繰り返されるとしたら、それこそ地獄へ道連れですよ。

ちったぁ~、逆の立場も考えて欲しいもんですっ!

そりゃ~、確かに、創作活動に携わる芸能人が長年の間に新作を出し難い状況になるのは、誰しも避ける事が出来ない道でしょう。また、ファンが新作を待ち望む心境だって、憧れの対象が大きいほどに、その反動も比例します。

そんな事は本人達が一番分かっているはずですから、現実的にファンが絶対に口出しを許されない部分だとは思います。

それでも、高額な商品を売る目的で、僅かばかりの美味しそうなエサと言っては語弊もありますが、ど~せなら、それを未発表曲集として纏めて発売してくれたほうがファンは喜んでお金を払うと思うんですけどねぇ……。

ということで、リアルタイムでは疑問符が多かったELPの「ワークス」関連音源も、今となっては、却って潔いと感じています。

う~ん、「庶民のファンファーレ / Fanfare For The Common Man」の爽快さは、そんな未来も見越していたんでしょうか!?

恐るべしっ!

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ELPのあの日にかえりたい

2012-07-12 15:30:38 | Rock Jazz

Trilogy / Emersom Lake & Palmer (Island)

現在では当然の如く開催されている外タレのコンサートも、昭和50年頃までは非日常的な大イベントであって、それはもちろん人気ミュージシャンの来日そのもが極めて稀という現実の表れでした。

しかし一方、昭和45(1970)年頃からは国内でのコンサート企画そのものが大規模になっていた流れもあり、外タレ公演が野球場や野外といった大観衆の前で行われる事も、尚更に非日常感を盛り上げていたように思います。

例えが昭和47(1972)年7月に敢行された後楽園球場におけるエマーソン・レイク&パーマー=ELPの初来日公演は、当時高校生だったサイケおやじが最初に実体験した巨大イベントライプであり、しかも前座が、これまた同時期の人気バンドだったフリーなんですから、たまりません!

過言ではなく、その熱い興奮は、全く今も冷めやらぬまま、強烈な印象になっています。

もちろん、その中には会場の雰囲気に酔わされたという部分が少なからずあって、実はこの時のライプは入れてもらっていた同好会のバンド組メンバー全員で出かけたという思い出も相互作用しています。

それはチケットの手配や、そもそもこのライプに行こうっ!

と発議したのが、その頃にキーボードを担当していた上級生の女子であり、キース・エマーソンに夢中になっていた彼女とすれば、当然の行動だったのですが……。

ちょいとサイケおやじの視点から独断と偏見の状況を記しておけば、彼女は本当に日頃は無口であって、一応は2年間、同じバンド組に所属していながら、彼女が自ら喋った現場にサイケおやじが遭遇したのは、この時を含めても5回まではなかったと思うほどですよ。

なにしろ最初に練習に参加させてもらった時、いろんな段取りの打ち合わせでも全く寡黙で、この人は、いったい……???

と強く思ったんですが、リーダーだった上級生から、「ちゃんと、わかっているから」とアドバイスされ、半信半疑の納得を強いられたぐらいです。

ところが、このELPのコンサートライブに関しては実に積極的で、こうして現場会場に集い、いよいよオープニングになった時には既に半狂乱というか、日頃の地味~なムードは何処へやら!? 失礼ながら、こんなに乱れる正体って、女の性……!?

なぁ~んて、興味本位と怖さとヘンテコリンなスケベ心で、肝心な演奏がスタートする前から舞い上がってしまったですよ。

しかし、この時、初めて接したELPのライプは本当に凄くて、洋楽雑誌のレポートで読んだとおりにキーボードと格闘し、ミニムーグを弾きながら走り回るキース・エマーソン、大車輪ドラミングのカール・パーマー、そして緩急自在の力んだ歌声と強靭なベースワークや繊細なギターを披露したグレッグ・レイクが、まさに三位一体の熱演ばかり!

ちなみにジョイントとはいえ、実質的には前座であったフリーは、ポール・コゾフとアンディ・フレイザーが抜けていた事もあり、個人的には悪くなかったと思いたいのですが、最初から何か空虚な雰囲気は否定出来ませんでしたから、いよいよELPが登場し、当時の最新曲だった「Hoedown」がド頭から鳴り響いた瞬間、大袈裟ではなく、全身の血液が沸騰逆流する感じでしたねぇ~~♪

さて、そこでようやく本日の1枚は、まさにそのリアルタイムで発表されたELPの力作アルバムです。

 A-1 The Endless Enigma Part One / 永遠の謎 パート1
 A-2 Fugue
 A-3 The Endless Enigma Part Two / 永遠の謎 パート2
 A-4 From The Beginning
 A-5 The Sheriff
 A-6 Hoedown
 B-1 Triogy
 B-2 Living Sin
 B-3 Abadown's Bolero / 奈落のボレロ

まず特筆すべきは、ELPのような人気バンドが、この結成以来4枚目のLPで、初めてジャケットにメンバーの肖像が使われた事です。

まあ、正直、ルックスをウリにするようなグループではありませんが、当時のプログレはレコード全体である意味での抽象的なイメージ戦略が当たり前であって、それはキングクリムゾンやイエスの場合を鑑みても明らかでしょう。

ですから、あえて表ジャケットにメンバーが登場する事は、文字通り、なかなか自信に溢れていた表れだったのかもしれません。

そして実際、内容密度と完成度の高さは素晴らしく、A面冒頭から3トラック横断で演じられる「永遠の謎」は、フリージャズや欧州教会音楽、さらにはロックジャズの醍醐味に溢れた見事な構成と確かな演奏力が堪能出来ますよ。

またアコースティックな美メロ曲「From The Beginning」は当時、シングルカットもされていたほどのキャッチーさが、これまた如何にもELP!

つまり怖いほどの深淵な企みと親しみ易さのバランス感覚が絶妙であり、それは「The Sheriff」や「Hoedown」にも受け継がれながら、B面の重厚な世界で再び刹那の花を咲かせるのですから、一部には無用の大作主義と揶揄されつつも、聴いていて難しい……? なぁ~んいう心配は御無用です。

それはアルバムタイトル曲「Triogy」が、そのまんま三部作であり、また偏執的な「奈落のボレロ」にしても、ストレートな熱気中心の作風はプログレ=頭でっかち!? という一般認識を覆すものじゃないでしょうか。

ですから、ライプの現場の狂熱の中では、このアルバムから「Hoedown」「The Sheriff」「奈落のボレロ」が長らく定番演目になっていますし、「From The Beginning」にしてもグレッグ・レイクのソロ曲という側面は強いものの、これが後のアルバム「四部作」シリーズに繋がるわけですから、侮れませんねぇ~♪

結局、今となっては次なるアルバム「恐怖の頭脳改革」があまりにも強烈無比な大傑作である事を我々は知っているだけに、この作品が単なる過渡期の1枚と評価される意味も理解は出来ますが、リアルタイムじゃ~、これこそ無敵のELP!

告白すれば真剣にシビれきっていたサイケおやじにしても、お金が無くて当時は買えず、それでもシングルカットされていた「From The Beginning」だけは入手するという苦し紛れをやっていたんですが、しかし友人から借りてアルバムを鑑賞するという正義(?)は遂行しています。

ということで、どうにも毎年7月になると、ELPの後楽園球場ライプが青春の思い出として蘇ってまいります。

ちなみに件の上級生女子はライプの現場で演じた狂態はどこへやら、以降も相変わらず寡黙にエーストーンのキーボードを弾いていましたが、もしかしたら何かのきっかけで暴れのアクションをやってしまうんじゃ~ないか?

なぁ~んて、失礼な妄想を抱き続けたのは、サイケおやじの本質的なスケベ心の発露です。もちろん恋愛感情なんてものは微塵もありませんが、女という生き物はセックスの時には野獣になる事も!? 等々のエロ本記事に感化されていたサイケおやじとしては……、という苦しい言い訳は弄しておきます。

しかし、例えなんであろうとも、「タルカス」や「展覧会の絵」等々を力いっぱい演じてくれたあの日のELPは絶対神話になっています。

そして叶うならば、あの日の帰りたい!

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蘇るあの日のELP

2012-01-16 15:45:05 | Rock Jazz

Emerson Lake & Palmer Live At The Mar Y Sol Festival '72 (Shout)

キーボードロックの雄であり、1970年代ではプログレなんていう枠を超越する人気バンドであったエマーソン・レイク&パーマー=ELPは、当然ながら世界中を巡業し、公式&非公式にかなりのライプ音源を残していますが、本日ご紹介のCDは1972年4月に出演したプエルト・リコ・ポップ・フェスティバルから、これは待望の纏まった復刻です。

 01 Hoedown
 02 Tarkus
 03 Take A Pebble
 04 Lucky Man
 05 Piano Improvisation
 06 Pictures At An Exhibition / 展覧会の絵
 07 Rondo

と言うのも、当時のELPはまさに上昇期であり、1970年のデビューアルバム発表から翌年には「タルカス」、そして「展覧会の絵」という超絶ヒットの大名盤LPを連発し、さらにリアルタイムの新作「トリロジー」は完成直前! しかもその間に行われていた濃密なライプステージの評判も上々でしたから、既に熱演は期待を裏切らないはずです。

ところが当時、実際に公式音源化されたのは「Take A Pebble ~ Lucky Man」という、グレッグ・レイクがメインのアコースティックなパートだけが、この音楽祭をダイジェストした2枚組ライプオムニバスLP「マール・イ・ソル(Atlantic)」に収められての発売……。

ちなみに件のフェスティバルは3日間の開催で、出演したのはオールマンズ、フェィセズ、マハビシュヌ・オーケストラ、カクタス等々の人気ロックバンドの他にもデイヴ・ブルーベックやハービー・マンといったジャズ系ミュージシャンが多数参加した、今となっては夢のコンサート企画でしたから、前述したライプアルバムだけでは収まらなかった音源がブートで流出していたのは言わずもがなでしょう。

このELPのステージにしても、そうやって聴けた部分もありましたし、実は数年前になりますが、「イン・ザ・ビギニング」という既発音源メインのCD&DVDで構成されたボックスセットのウリとして、ファンには絶対の開陳となったのですが……。

正直に言えば、ステレオライン録音のそれは如何にも臨場感に乏しく、とてもバカ高い件の箱物の価格とは折り合えません。

ですから、ここにCD1枚物として、ほとんど同じ内容が、しかもリマスターされて登場すれば、これは速攻でゲットするのがファンの宿命でしょう。

さらに言えば、ここに収録の演目は、今や伝説となったELP初来日公演のプログラムと極力近いのも高得点!

期待度満点のバンド紹介から、強引に飛び出す「Hoedown」が鳴り出せば、あの後楽園球場の狂熱が思わず蘇ってしまう皆様も絶対に多いはずで、そのアドレナリンの噴出逆流度は天井知らずでしょう♪♪~♪

もちろん「Tarkus」と「展覧会の絵」あたりの人気組曲は当然如く熱血と狂乱の長尺演奏ですし、「Take A Pebble」と「Lucky Man」のアコースティックセットでは、前述したライプオムニバスアルバムではカットされてしまったキース・エマーソンが十八番の「Piano Improvisation」が存分に楽しめますよ♪♪~♪

ちなみにリマスターされた音質はステレオライン録音で、基本的には左にキース・エマーソン、右にグレッグ・レイク、そして真ん中にカール・パーマーの三者定位になっていますが、今回はかなり厚みが感じられるミックスに変えられているようですから、大音量にするほどに違和感は失せていく感じがしています。

また演奏そのものも既に述べてように、これが上り調子の勢いというやつなんでしょうか、現実的には会場の湿度と熱気によって暴走気味だったと言われるキース・エマーソンの各種シンセやムーグ等々の響きが結果オーライの興奮度を生み出していますし、要所で炸裂するカール・パーマーの大車輪ドラミングや力強くて、さらに味わい深いグレッグ・レイクの歌いっぷりは言うまでもありません。

ですからオーラスの「Rondo」はご存じ、キース・エマーソンがナイス時代から引き継いだ人気演目とあって、もう勢いは止まりません!

ということで、ファンにとっては録音の古さ加減も含めて、まさに至福の時間が過ごせますし、繰り返しますが、あの初来日公演を体験された皆様であれば、懐かしさがこみあげてくるに違いありません。

もちろんサイケおやじも、そのひとりとして、あの日の興奮に胸キュン感を覚えつつ、この復刻CDを楽しんでいるのでした。

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