■浮世絵の街 / 内田あかり (CBSソニー)
今年のゴールデンウィークは言わずもがな、新型コロナの疫病蔓延に伴い、すっかり閉塞モードですから、本日は月末という事で職場へ向かう途次、街は寂れた風情に満たされて……。
逆に言えば、これまでの繁栄が浮世離れしていたという感さえあります。
そこで思い出したのが、昭和48(1973)年に内田あかりが出した本日掲載のシングル盤A面曲「浮世絵の街」でした。
唄っている内田あかりは、これが決して最初のヒット曲ではなく、これ以前に本名の「大形久仁子」として、昭和40(1965)年頃から女優と歌手の掛け持ちで芸能活動を展開していたのですが、当時は幾分存在感が薄れていた頃で、だからこそ「内田あかり」と芸名もあらたに心機一転、作詞:石坂まさを&作編曲:川口真が提供した「浮世絵の街」で再起を図った狙いが大当たり!
アッという間に売れっ子に返り咲いたのは、殊更今頃の季節になると、サイケおやじには強く思い出されるのてす。
それは驚かれる皆様もいらっしゃるかもしれませんが、彼女は翌年になると日活ロマンポルノ「ロスト・ラブ あぶら地獄(小沼勝監督)」に主演し、その公開が、つまり昭和49(1974)年5月でありました。
しかも、その物語は落ち目になった歌手が再起を目指し、愛し合った男と別れ、ついにスタアとしてカムバック! という展開がそのものズバリッ、大形久仁子~内田あかりの現実と重なってしまうのですから、たまりません。
もちろん、というか、劇中には彼女の露骨な濡れ場はありませんが、それでも溢れ出るフェロモンと着エロ的な美味しい場面が、如何にもヌメヌメとした小沼勝監督ならではの演出で用意されているんですねぇ~~♪
さらに彼女は、この「浮世絵の街」と主題歌「あぶら地獄」を唄っているのは、お約束であります。
そして思惑どおりのヒット作になった事は言わずもがなと思います。
ということで、実はサイケおやじにとって、内田あかりが唄う「浮世絵の街」と映画「あぶら地獄」が強い印象になっているのは、これまで度々書いておりますが、この頃、ある幸運から2ヶ月半ほど渡米させてもらえる事になり、その準備云々に忙殺はされていた時期に鑑賞していた記憶とリンクしているからです。
あの頃の自分は当然ながら若かったんですけど、記憶の中の印象も、そのまんまの「青さ」を伴っている事を実感している次第。
機会がございましたら、皆様もお楽しみくださいませ。