■こわれる / 小川範子 (トーラス)
まさか、年度の最終日が、こんな世相で終わるとは予想もしていませんでした。
それは決してサイケおやじだけの気分では無いはずで最悪、社会が壊れる寸前かもしれず、漠然とした不安以上の現実が迫っているのでしょうか……。
何も……、そこまで自らを追い込む必要もありませんが、為政者達や学者、あるいは反対勢力と思われかねない連中の最近の言動からして、それを伝えているマスコミも含めて、広く国民に圧し掛かってきている「不安」は、蔓延している疫病よりも恐ろしいものかもしれません。
う~ん、このままでは……、後は言わずもがなということで取り出してしまったのが本日の掲載盤で、もちろん収録A面の「こわれる」が、そのターゲットです。
歌っている小川範子は、どうやら子役からアイドル、そして本格的な女優へと芸能界で活躍していたらしく、このシングル盤を出した昭和63(1988)年夏頃は、まさにバリバリのアイドルだった様ですが、サイケおやじは後に述べる事情により、そのあたりの状況を知りません。
しかし、作詞:川村真澄&作曲:中崎英也が提供した「こわれる」という楽曲そのものは基本、8ビートのモダンな歌謡ロックで、当然ながらサウンドの作りはリアルタイムで流行のスタイルですから、ギターも派手だし、リズムアレンジもビート感が強過ぎるほどに利いているのは米光亮の編曲の所為ばかりじゃ~なくて、それがアイドル歌謡の当たり前だったからでしょう。
もちろん、サイケおやじの好みとは申しませんが、小川範子の幾分不安定な歌唱力が良い方向に作用しているとすれば、妙に惹かれるものがあります。
そして、もうひとつ、このレコードがサイケおやじの心に残っているのは、仕事で某国へ島流し状態になっていた当時、実家から送られてくる差し入れみたいな荷物の中に幾枚も入っていたリアルタイムの流行歌のレコードの1枚だったからです。
う~ん、今の日本じゃ~、こ~ゆ~歌が人気なのかっ!?
なぁ~んていう感傷とも懐かしさとも言い難い心地好さを覚えていたものです。
その中にあって、この「こわれる」を歌っている小川範子は、ジャケ写ポートレートの面立ちにパワーが漲っていて、歌の中にも影響力が感じられたんですねぇ~~♪
本日、久々に針を落としてみて、そのあたりの気持ちが蘇ってきましたですよ。
それがまた、心地好いというわけです。
ということで、冒頭述べた様に、国民の間に蔓延している「不安」を払拭する事が政治家の大切な勤めですから、偏った施策や発言は禁物だと思うんですが、それが例えばキャバレーやバーに行くのは自粛せよっ!
それじゃ~~、パチンコ屋とかゲームセンターにおける濃厚接触を野放しにしているのは、なんだっ!
と思わず熱くなってしまうんですが、とりあえず「肉」や「魚」の配給チケットは再考に近いそうで結局、国民の「不安」を鎮めるには信頼に値する何かを与える他は無いとすれば、貨幣経済に立脚した社会に暮らす我々には「お金」が特に有効でしょう。
確かに「宗教」も有効かもしれませんが、しかし「宗教」は人間の不可知の領域を担当(?)するものですから、それは最後の手段でしょう。
つまり、この世が「こわれる」時にこそ求められるじゃ~ないでしょうか?
そんなになる前に、救いは必ずあるっ!
サイケおやじは信じております。