OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

幻想と彩りの再現は現世

2021-10-25 16:58:28 | Steely Dan

AJA VS THE SCAM / Steely Dan (Leftfield Media = CD)

 ★Disc One
   01 Teenie's Blues
   02 Black Cow
   03 Aja
   04 Deacon Blues
   05 Peg
   06 Home at Last
   07 I Got the News
   08 Josie
   09 Donalods Remarks
   10 Kid Charlemagne
   11 The Caves of Altamira
   12 Don't Take Me Alive
   13 Sign in Stranger
 ★Disc Two
   01 The Fez
   02 Green Earrings
   03 Haitian Divorce
   04 Everything You Did
   05 The Royal Scam
   06 Hey Nineteen
   07 Band Introduction
           / Love Is Like an Itching in My Heart 
   08 Black Friday
   09 The Boston Rag
   10 Dirty Water 
   11 My Old School
   12 Last Tango in Paris
   13 Pretzel Logic

久々に血沸き肉踊らされたブツに出会ったと申しましょうか、本当は昨年ゲットしたまんま、未開封で放置していたCDを今頃になって聴いたというのが真相でして、それが本日ご紹介するスティーリー・ダンのライブ盤です。

で、その内容はドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーのコンビが正体というリアルなスティーリー・ダンがサポートメンバーを集めての巡業ステージから、2009年7月22日のライブ音源を収録しているんですが、これがなんとっ!

スティーリー・ダンが1970年代の全盛期に出した畢生の名作アルバム「幻想の摩天楼 / The Royal Scam」と「彩 / Aja」を完全再現すると喧伝した「Rent Party Tour」のステージであり、しかもFM放送からのソースを元ネタにしているので、なかなか分離の良いステレオミックスと素直な音質で歌と演奏が楽しめるんですねぇ~~~ (^^♪

そして演目は上記したとおり、Disc One の2曲目「Black Cow」から「Josie」までの7曲が前述のアルバム「彩 /Aja」から、そして同10曲目「Kid Charlemagne」から、Disc Two の「The Royal Scam」までの9曲が「幻想の摩天楼 / The Royal Scam」から、件のLPの収録曲順どおりに再現演奏されているわけですが、当然ながら、完全コピーではありません。

なにしろ、ここに参集したメンバーは既に述べたとおり、ドナルド・フェイゲン(key,vo) とウォルター・ベッカー(g,vo) 以下、ジョン・ヘリントン(g)、ジム・ビアード(key)、フレディ・ワシントン(b)、キース・カーロック(ds)、キャロライン・レオンハート-エスコファリー(vo)、キャサリンラッセル(vo)、タワサ・アジ(vo)、マービン・スタン(tp)、ジム・ピュー(tb)、ウォルト・ワイスコフ(ts)、ロジャー・ローゼンバーグ(bs) という実力派の面々ではありますが、前述した「幻想の摩天楼」と「彩」のセッションで決定的なキメを演じていたラリー・カールトン(g)、ジェイ・グレイドン(g)、チャック・レイニー(b)、バーナード・パーディ(ds)、スティーブ・ガッド(ds)、トム・スコット(ts,as)、ウェイン・ショーター(ts) 等々の天才的個性派プレイヤー達とは、そもそも「格」が違うわけですから、それで当たり前なんですが、だからこその一期一会と申しましょうか、なかなか纏まり良く、オリジナルのツボを外さない演奏には好感が持てます。

また、逆に言えば、それゆえにドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーが共作していた楽曲の「ひねくれた」キャッチーさが浮彫りになっていて、なかなか面白く聴けるんじゃ~ないでしょうか。

冒頭に述べたとおり、不肖サイケおやじは我知らず夢中にさせられましたですよ (^^♪

ちなみにド頭に入っている「Teenie's Blues」は、いきなり始まる正統派4ビートのモダンジャズ演奏で、あれぇ~~!? 間違えたCDを鳴らしてしまったのかっ!?

なぁ~んて思ってしまったんですが、これはこれで、彼等の立派な演奏であり、元ネタはジャズ界の有力アレンジャーにしてサックス奏者でもあったオリバー・ネルソンがオリジナルとクレジットされています。

そして、その意味からも終盤の「Hey Nineteen」から始まるヒットメドレー(?)は実に面白く、スティーリー・ダンのファンにとっては耳に馴染んだ演目ではありますが、会場がボストンだった事からの内輪受けっぽい替歌やジョーク入りのMCも聞かれますし、やっている本人達も楽しそうな雰囲気はニクイばかり (^^;

ですから、このパートではメンバー紹介で演じられる「Love Is Like an Itching in My Heart」がモータウン、確かシュープリームスのヒット曲だったり、1960年代のガレージロックのトップランナーとして、今も人気が高いスタンデルズのカバー「Dirty Water」あたりのノリの良さが、大団円に向かって熱く盛り上がっていくんですねぇ~~ (^^♪

ちなみにギターに関しては真ん中あたりに定位しているのがジョン・ヘリントン、ちょいと右寄りで澄んだ音色のフレーズを弾いているのがウォルター・ベッカーと思われますが、いかがなものでしょう。

おぉ~~、それにしても「My Old School」の楽しさも格別だぁ~~♪♪~♪

やっぱり、スティーリー・ダンって、なんだかんだ言っても、やっぱりロックバンドなんだなぁ~~♪

―― っていう思いを強くさせられましたです (^^♪

そして、尚更に憎たらしいのがガトー・バルビエリのインストヒットにしてエロいメロディが耳に心地良い「Last Tango in Paris」の場末感溢れるカバー演奏で、これがステージギグのラストテーマっていう扱いだったんでしょうねぇ~~、この巡業ツアーでは (^^♪

とすれば、オーラスの「Pretzel Logic」はアンコールだったんでしょうか、聊か予定調和っぽい気にもさせられますが、このクールな熱気はスティーリー・ダンならではのスタイルでしょうし、実はここでは驚きのプレゼントとして、スペンサー・デイビス・グループトラフィック等々で活躍したスティーヴ・ウィンウッドの参加がクレジットされているんですが、すると左チャンネルの暑苦しいギター、もしくはネチッコイ雰囲気のオルガン、そしてソウルフルなボーカルが、そ~なんでしょうかねぇ~~?

残念ながらというか、このトラックは演奏が終わると直ぐにフェードアウトしてしまうので、最終確認は出来ておりませんが、それはそれとして、ハナからケツまで、なかなか楽しめる演奏がビッシリと詰まっている優良盤と思います。

ということで、久々にスティーリン・ダン中毒が再発の予感です。

特に近年は、往年のブートでは定番だった、1970年代前半のライブバンド時代の音源や再始動して以降の様々なソースが堂々と出回っているという嬉しい状況ですし、ご紹介した2枚組CDにしても、ハーフオフィシャル扱いみたいですから、たまりません (^^♪

告白すれば、数年前から、スティーリー・ダン関連のネタは相当数ゲットしておりましたが、例によって、持っているだけで安心してしまうというバチアタリ…… (^^;

これを契機に心を入れ替え、1970年代からの公式・非公式音源を再鑑賞し、精進を重ねる所存でございます <(_ _)>

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未来へのノスタルジア

2019-10-22 20:49:13 | Steely Dan
アイ・ジー・ワイ(素敵な世界) c/w 雨に歩けば / Donald Fagen
                          (Warnar Bros. / ワーナーパイオニア)

本日は「即位礼正殿の儀」が厳かに執り行われ、いよいよ我が国は新しい時代へと進み始めました。

しかし、もちろん現在、国内は大きな災害に襲われ、未だ復旧も儘ならない実情を鑑みれば、前途には国民が一致協力する覚悟が求められるでしょうし、その時こそ日本人が日本人である事を自覚する意味において、本日の儀式は絶対的な心の拠り所と思うばかりです。

うむ、未来が明るいとばかりは決して言えないはずながら、それでも明るい未来を信じる事こそが、生かされている我々の使命かもしれません。

そこで本日掲載したのは、そんなこんなを面映ゆい気持ちでドナルド・フェイゲンが歌い込んだ1982年の洋楽ヒット「アイ・ジー・ワイ(素敵な世界) / I.G.Y. (International Geophysical Year)」を収録したシングル盤です。

とにかくシンセサイザーを巧みにつかったレゲエのビートが心地好く、それでいて独特のグルーヴに満ち溢れているあたりは、当時活動を休止していたスティーリー・ダンからダイレクトに持ち込まれた魅力でありましょう。

それは皆様ご存知のとおり、スティーリー・ダンというグループこそがウォルター・ベッカーとドナルド・フェイゲンの盟友コンビで成り立っていた所謂「実態の無いバンド」であり、過言ではなく、完成度が高すぎるアルバムを出し続けていながら活動を休止してしまったのは、相方のウォルター・ベッカーが悪いクスリに溺れていた事も一因され、またドナルド・フェイゲンの少年時代からのオタク感性が深まった所為とも云われていますが、それはそれとして、とにかくドナルド・フェイゲンがスティーリー・ダンの「らしさ」を継承しつつ世に出してくれたレコードは、これまでのファンのみならず、新しいリスナーにも受け入れられたオシャレでちょっぴり難解な味わいは、高尚な優越感に浸る幸せを導いてくれるものだったような気がします。

で、肝心の曲タイトル「 I.G.Y.」とは、1957年からの2年間ほど実在したプロジェクト「International Geophysical Year」の略称で、これは「国際地球観測年」という科学的観測に基づきながら、明るい未来を予測しようじゃ~ないか!

なあ~んていう、今となっては至極お気楽な提唱事業だったようですが、歌詞の中には「海底鉄道」とか「合理化された天候制御」みたいな夢物語が綴られ、それを様々な問題が増大していた1980年代に歌ってしまう天邪鬼が、如何にもスティーリー・ダン ~ ドナルド・フェイゲンの真骨頂と思います。

当然ながら、ノスタルジックを皮肉に思わせる無機質でグルーヴィな二律背反の節回しは、ドナルド・フェイゲンの得意技ですからねぇ~~。

う~ん、だとすれば今、こ~やっていられる、現在の幸せを大切にしなければなりませんねぇ~~。

実はサイケおやじは本日の雨の中、所用で赤坂付近へ出かけたのですが、当然ながら周辺は厳戒態勢でしたし、緊張感と厳かな雰囲気に包まれていた中を歩いていたら、思わずこのシングル盤B面収録の「雨に歩けば / Walk Between Raindrops」が心の中に浮かんでまいりました。

もちろん皆様ご推察のとおり、本日の拙文は、それゆえに帰宅後、掲載盤を聴きながらの戯言です。

しかし幾分調子の良いオルガンのイントロから始まるジャズグルーヴに満ちた歌と演奏は、最高に心地好いんですよねぇ~~♪

よしっ、明日からも、やっていけそうだっ!
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そのストイックな感性にシビれる

2014-02-13 15:22:12 | Steely Dan

滅びゆく英雄 / Steely Dan (abc / 日本コロムビア)

さて、昨日の続きになりますが、今回の五輪スノボハープパイプでは、男子のショーン・ホワイトが絶対王者、神様として優勝三連覇は決定的と報じられていただけに、決勝での滑りの不様さは衝撃的でありました。

なにしろ大会前から、その颯爽とした勇士は広く世界に流布する映像等々で紹介され、しかもそのとおりの活躍を予選までは見せていたのですからっ!

結局、アスリートやスポーツ選手は自分の年齢、つまり肉体の衰えや精神力との戦いも重要で、ショーン・ホワイトもそれから逃れられなかったという事なのでしょうか……。

だとすれば、二人の日本少年が驚異的な活躍を世界に知らしめたのも、納得して然るべきですし、世界レベルのスポーツ選手であれば、そのストイックな面を隠すことのない必然性こそが超一流の証と思います。

さて、そこで本日掲載のシングル盤は、1970年代に登場した数多のミュージシャンの中でも、殊更ストイックなスティーリー・ダンの1枚なんですが、特にこれを選んだのは、不遜にも前述したショーン・ホワイトに収録A面曲の邦題「滅び行く英雄」を重ねてしまったがゆえの事です。

ちなみにスティーリー・ダンは1972年の公式デビュー当時は堂々のバンド形態であったはずが、1975年頃はライプ活動も止め、何時しか中心メンバーのドナルド・フェイゲン(vo,key) とウォルター・ベッカー(g,b) にプロデューサーのゲイリー・カッツが参画するスタジオプロジェクトになっていたのが、このシングル盤収録の2曲を含む新作レコーディングの実際現場でありましたが、そこにスティーリー・ダンが自らの意図を具象化させるべく雇い入れたセッションミュージシャンの存在が侮れません。

しかし彼等が如何に活躍しようとも、それはスティーリー・ダン、特にドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーという下積み時代からの盟友同士が互いにストイックな創作意欲を貫きとおさなければ、そこに存在する意味が無いと思われるほどです。

例えば、この「滅びゆく英雄 / Kid Charlemagne」ではラリー・カールトンの流麗なギターが大活躍し、それによって「ラリー・カールトンという一般には無名のギタリスト」が一躍注目を集め、そして自身のリーダー作では、この「滅びゆく英雄 / Kid Charlemagne」におけるコンセプトを再利用したとしか思えない「Room 335」という人気曲まで演じてしまうのですから、それを成り行き任せとばかりは決めつけられません。

それはジャケに用いられたツーショットの怖そうなイメージからも想像に易いわけですが、実質二人のスティーリー・ダンは、それゆえに協力者の選択にも頑固であったはずですし、妥協の無い姿勢は音楽という娯楽の世界にあっても、寄せ付けない凄味が大勢のリスナーを魅了してしまえば、結果オーライ♪♪~♪

むしろ、それがあってこそ完成出来た傑作の数々は、流行に起因した派手な売り上げが終わってしまっても、永久に聴き継がれていくに違いありません。

ということで、サイケおやじは決してショーン・ホワイトをバカにしたり、憐れんでいるのではありません。

その偉大な王者が君臨していたからこそ、今回の日本少年の大活躍があったと確信しています。

これからは追われる立場、特に若い平野歩夢には孤高なぁ~ん言葉は似合わない感じですが、おそらくはストイックであろう競技への取り組みは、世界中を熱狂させるでしょうねぇ~~♪

楽しみを増やしてくれて、ありがとう♪♪~♪

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スティーリー・ダンに勘違い

2010-02-20 16:29:31 | Steely Dan

Do It Again / Steely Dan (abc / 東芝)

今では孤高のスティーリー・ダンの、これはブレイクのきっかけとなったシングル盤ですが、これが制作された当時はレギュラーメンバーが固定された実在のグループでした。

と書いたのも、皆様がご存じのとおり、スティーリー・ダンは後の全盛期にはドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーの旧友コンビが実質的に運営するプロジェクトに凝縮され、プロデュースを担当するゲイリー・カッツの協力を得ながら、ゲストやスタジオミュージシャンをその都度参加させる作品作りに没頭し、必然的にライヴ活動も止めてしまったからです。

もちろんそうなったのは、本来がソングライターとして裏方を希望していたドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーが、自分達の書いた曲を売り込みにいった先で理解されず、窮余の一策としてバンド活動に活路を見出した云々というのが、今日の歴史になっています。しかし最初にスティーリー・ダンを結成したのは決して主役の2人ではなく、モダンジャズをやっていたギタリストのデニー・ダイアスだったという真相もあるようです、

で、ようやくレコードデビューが決まった1972年当時のメンバーはドナルド・フェイゲン(Key,vo)、ウォルター・ベッカー(g,b)、デニー・ダイアス(g)、ジェフ・スカンク・バクスター(g)、ジム・ホッダー(ds,per)、デイヴィッド・パーマー(vo,per) の6人組でした。

ただし今となっては、実際のライプの現場には女性コーラス隊や助っ人ミュージシャンが参加していたという事実も明らかになっているのと同じく、スティーリー・ダンという実態があったバンドのメンバーも各々が、他のグループや歌手をバックアップする仕事をやっており、これは最初っから、ある種のプロジェクトだったことが明白かと思います。

ですから、既にデビュー期から作られた楽曲には、従来のロックやポップスには感じられなかった、どこかミョウチキリンな味わいが色濃く滲み、その1972年当時、業界の流行は南部指向だったのとは逆に都会的なジャズっぽさ、そして変態コードワークと摩訶不思議な歌詞で作られた意味深なメロディ……。

そんなスティーリー・ダンならではの音楽が、デビューから今日まで普遍だったのは凄いところです。

しかし、そんな理屈を最初っから分かっていたサイケおやじでは当然なく、実は昭和48(1973)年に我国で発売された本日ご紹介のシングル曲をラジオで聴いた時も、てっきりサンタナみたいなランテロックのバンドがスティーリー・ダンだと思い込んでいたのです。

実際、イントロからチャカポコ、シーチャッカ♪♪~♪ 快適に刻まれるラテンビートの心地良さは絶品ですし、浮遊感がありながらフックの効いた曲メロの耳馴染みの不思議さは、ちょっと中毒症状を呼び覚ますほどでした。そして買ってきたレコードジャケットにも、はっきり「サンタナ・タッチ」と書かれていたのですからっ!?!

つまり完全な勘違いが出会いのヒットに結びついたというか、しかし職業作家を目指していたドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーにとっては、まさに思うツボだったんじゃないでしょうか。

リアルタイムでは聞けなかった、この曲を含むデビューLP「キャント・バイ・ザ・スリル」は全然、ラテンロックのアルバムではなく、むしろ後に全開となるスタジオワーク専任のスティーリー・ダン節が原石のまま収められている感じです。

そしてそれは決して未完成ではなく、むしろ現実的なバンドサウンドで作られたという点からしても、実に自然体の魅力に溢れているんですねぇ~♪ その意味で躍動感と奇妙なクールさを併せ持った、この「Do It Again」がヒットしたのも必然だったでしょう。

ちなみに前述したとおり、初期スティーリー・ダンのメンバーは、例えばジェフ・スカンク・バクスターが1974年頃にドゥービー・ブラザーズへ正式加入し、ついでにスティーリー・ダンを手伝っていたマイケル・マクドナルド(key,vo) も連れていったとか、あるいはジム・ホッダーがサミー・ヘイガーのバンドに引き抜かれたり、さらにデイヴィッド・パーマーは幾つかの新バンドを作る……等々、確実に1970年代を生き抜いているのですが、何故か凄腕ギタリストのデニー・ダイアスだけが消息不明なのは気になります。

ということで、全くの勘違いからスティーリー・ダンに出会ったサイケおやじは、紆余曲折の末にそのジャズっぽさの虜となりましたが、実はライプ活動なんか全盛期にはやっていなかったという現実にも驚きましたですねぇ。

まあ、最近ではライプの現場に復帰しているドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーがスティーリー・ダンを名乗ることに異存はありませんが、残念ながらそこには初期のリアルなバンドサウンドは感じられません……。

もちろん、それで良しとするファンが大多数なのは承知の上で、私は勘違いで知ったスティーリー・ダンが大好き! と、愛の告白をしておきます。

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AJAは日本人の自慢

2007-09-05 19:35:50 | Steely Dan

今日は猛烈な残暑と仕事の厳しさでヘトヘトでした。強烈に冷たい水シャワーで生き返ったような有様です。そこで――

AJA / Steely Dan (ABC)

これは、いまさら言うまでも無い、20世紀地球音楽の金字塔!

スティーリー・ダンという若干ひねくれた音楽集団が頂点を極めたアルバムなんですが、そのジャケットも印象的でした。最初は何が写っているのか???なんですが、良く見ると女性の顔と熨斗紙みたいな衣装?

この被写体の女性こそが、当時、トップモデルの山口小夜子であり、撮影はファッション写真家の藤井秀樹氏だったことから、特に日本人には、なんか自慢のタネが出来たような、優越感を与えてくれたと思っているのは、私だけでしょうか?

失礼ながら、最近のテレビや映画には、およそ美人とは言い難いような個性的な女性タレントや女優さんが大勢出演していますが、吉永小百合や山本富士子、あるいは若尾文子のように、誰が見ても美しいと和んでしまうような美人は、今は昔の物語……。

ちょっと変わった東洋的な神秘さを漂わせた日本人モデルが諸外国で注目されるきっかけとなったのが、山口小夜子だったような気がしています。

その彼女も先日、急病から孤独死と報道され、世間を驚愕させました……。

さて、このアルバムについては、私のような者が戯言を書きつられる必要もないでしょう。ロックとフュージョンの幸せな結婚でありり、捻りすぎて一回転、ふりだしに戻ったような歌詞の不条理性、さらにシンプルにして複雑怪奇な音作りとサウンドの凝縮度が素晴らしい音楽遺産になっています。

そこには当時最高のスタジオミュージシャンやジャズメンが終結しているのでした。

もちろん忽ち、大ベストセラー! 我国では独自のベスト盤が出たり、シングルカットされた「麗しのペグ」も大ヒットしていましたですね。下に掲載したのは、そのジャケットですが、ここでも山口小夜子が印象的なのでした。

  

クールな佇まいと神秘的な存在感、それこそがスティーリー・ダンの印象に直結するものだとしたら、このアルバムジャケットは永遠のマストアイテムかもしれません。

今日は暑さに負けて、デジカメ撮影もズレてますが、直す気力もありません。ご容赦下さいませ。ちなみに中身の演奏は極上♪ 全く知らないで聴いても、後悔しないはずです。

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