OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ザ・ハードの求めた夜明け

2009-11-30 11:59:59 | Rock

夜明けを求めて / The Herd (Phillips / 日本ビクター)

大衆芸能には「見た目の良さ」、つまりルックスが大切なのは言わずもがなでしょう。ただし、それが所謂「アイドル性」に結びついた時には両刃の剣です。

実力があって、ルックスが良ければ何の問題も無いはずが、ルックスが良すぎて、本来持っている実力を真っ当に評価されないという、ある意味の悲劇が……。

本日ご紹介のイギリスのバンド、ザ・ハードは、まさにそうした典型だったかもしれません。メンバーはピーター・フランプトン(vo,g,key)、アンディ・ボウン(key,g)、ゲイリー・テイラー(b)、アンドリュー・スティール(ds) という4人組で、結成されたのは1966年頃だと言われていますが、掲載したジャケ写からも確認出来るように、なかなかルックスがイケメン揃い!

ですからロンドンのライプハウスで駆け出し中の頃から人気を集め、直ぐにレコードデビューに至るのですが、特にピーター・フランプトンのアイドル人気は、当時からダントツでした。

しかしバンドの音楽的な充実度や斬新な感覚は、決して侮れないものがあります。

それは1967年に最初のヒットとなった、この「夜明けを求めて / From The Under World」にも顕著で、ここでは欧州キリスト教会風のオルガンが雰囲気を盛り上げ、ビートルズっぽいホーンの使い方が、如何にもサイケポップのど真ん中♪♪~♪ しかも貴公子然としたピーター・フランプトンが歌う曲メロが味わい深く、それをファズギターが彩るアレンジが、なかなか忘れられません。

そして、このシングル曲同様に残されたアルバム収録の楽曲もまた、様々に趣向を凝らしたトラックが多いのですが、現実的にはピーター・フランプトンのアイドル人気ばかりが先行していくのです。

実際、それは我国でも女の子向けの洋楽情報で、圧倒的な勢いがありました。

それに伴い、もちろんヒット曲も続き、例えば「2人だけの誓い / I Don't Want Our Loving To Die」や「Sunshine Cottage」は今でも魅力を保ち続けるポップな名曲にして、1960年代ロックの名演だと思います。

しかしピーター・フランプトンはアイドル扱いが嫌で、こういうヒットが続いていた時期の1968年にバンドを脱退!?! ハンプル・パイの結成に走り、ザ・ハードも翌年には解散の憂き目に……。

結論から言えば、ハンプル・パイの結成に参加したピーター・フランプントにしても、その持ち前の音楽性が存分に発揮されたとは言い難い面がありましたから、ちょっと勿体無かったと思います。

またザ・ハードのやっていた音楽的な面白さは、我国のGSにも応用され、特にクラシック調の歌謡ロックというか、タイガース等々の後期のシングルヒットに影響が少しはあるのかもしれません。

ということで、ご存じのようにピーター・フランプトンは1970年代中頃になって、ようやく大輪の花を咲かせるわけですが、その出発点が如何にも最高だったという事実は、もう少し認められてもいいと思うのですが……。

やっぱり人生とか運命って、難しいと感じるのでした。

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骨太に駆け抜けたCCR

2009-11-29 10:49:17 | Rock

Proud Mary / Creedence Cleawater Revival (Fantasy / 東芝)

1960年代中頃からのサイケデリック&ニューロックのグループは、大袈裟とも言える長ったらしいバンド名が必須でした。本日の主役たるクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル、通称CCRも、その中のひとつでしたが、人気を得たのは基本に戻っての3分間R&Rというのが温故知新の大魅力!

1960年代末から1970年代前半にかけてのヒットパレードでは本当に常連で、もちろん我国でも絶大な人気がありました。

しかしバンド名からしても、CCRは本来サンフランシスコを根城とするサイケデリックシーンで、そのキャリアをスタートさせ、最初はブルー・ヴェルベッツ、次いでゴリウォッグズと名乗る頃には、数枚のシングル盤を出しています。

メンバーはジョン・フォガティ(vo,g)、トム・フォガティ(g,vo)、スチュ・クック(b,vo)、ダグ・クリフォード(ds,vo) の4人組でしたが、当時のアメリカはベトナム戦争にどっぷりの時期でしたから、メンバーが徴兵されたりして活動は停滞……。これが1960年代中頃の事情でした。

もちろんCCRが大ブレイクした後に纏めて再発された当時の音源を聴くと、ブリティッシュビートの焼き直しや如何にもB級サイケデリックな味わいが強く出ていて、それはそれで面白いんですが、やはり骨太ロックの剛速球で勝負していたCCRの魅力には些か遠いものがあります。

で、そのCCRが正式にバンド名を変えてまで再デビューしたのは1968年末に発売された、その新バンド名をタイトルにしたアルバム「クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル」でした。

そして内容はサイケデリックの味わいを残したジャケットや長尺な演奏を含みつつ、後のスワンプロックに直結するような泥沼系R&Bロック♪♪~♪ また絶妙なカントリーロック風味が隠し味という、まさに温故知新はここからも楽しめるのですが、実は我国でこれが発売されたのは、セカンドアルバムという扱いでした。

そして、そのきっかけとなったのが、本日掲載したシングル盤の大ヒット!

おそらくは日本で初めて発売されたCCRのレコードが、このシングル盤だったんじゃないでしょうか。とにかく昭和44(1969)年にラジオから突如として流れ出た、この豪快でノリが最高のR&Rを聴いた瞬間、サイケおやじは乏しい小遣いの最優先として、このシングル盤を買わずにはいられない気分の高揚がありました。

それは野卑なほどに豪胆なジョン・フォガティのボーカル、ゴリゴリにして、しかも粘っこいバンド全体のドライヴ感、グイノリに押しの強い曲メロの魅力が混然一体となったR&Rの桃源郷♪♪~♪

直ぐにコピー出来るコードワークを上手く使ったキメや一緒に歌えるリフレインも親しみ易く、それでいてロックの本質をスバリと表現していたと思います。さらに同曲は黒人ミュージシャンにも広くカパーされ、例えばアイク&ティナ・ターナーのバージョンのように、それこそ裏定番的なヒットになったレコードさえ残されているのですから、なかなか奥が深いようです。

ちなみにCCRは完全にジョン・フォガティのワンマンバンドというか、ほとんどの曲を書き、自分で歌って、ギターソロも演じるというところから、他のメンバーは相当に面白くなかったという推察は容易で、実際、解散間際にはジョンの兄貴だったトム・フォガティが脱退し、3人組となって制作発売された1972年のアルバム「マルディ・グラ」では、メンバーが均等に歌って演奏した内容が完全にトホホ……。

結局はジョン・フォガティの才能の凄さを証明してしまったわけですが、しかし全盛期の演奏を聴いていると、他の3人がひたすらに作り出すリズム&ビートがあってこそ、CCRじゃないかなぁ、と思います。つまりジョン・フォガティの歌やギターソロが、完全にリズム隊に乗せられている感じなんですねぇ~♪

それゆえにジョン・フォガティがCCR解散後に出した諸作は、確かに同じ味わいとはいえ、何かが足らずのイマイチ状態なのは、否めないでしょう。

ですから4人組時代の全盛期CCRの音源は公式盤以外にも、未発表の発掘作業が待望され、今日までにいろいろと出ていますが、やりはリアルタイムで出ていたものには叶いません。極言すれば、前述のデビューアルバムから1970年の「ペンデュラム」までの6枚のLPは、収録曲全てが傑作だと思います。

当然ながら我国はもちろん、世界中でレコードはバカ売れ状態でしたし、シングルヒットも、どっさり放ったCCR!

そのスタートダッシュンこそ「Proud Mary」ということで、本日は朝から、これを聴いているのでした。

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サーチャーズのスマートなロックは最高

2009-11-28 12:00:15 | Rock

It's In Her Kiss c/w ビンと針 / The Searchers (Pye / 日本コロムビア)

「リバプールサウンドの貴公子」として人気者だったのが、本日ご紹介のサーチャーズです。実際、このグループのスマートな音楽性と爽やかなルックス&ファッションセンスは、全く相応しいものでした。

そのキャリアは1957年頃からスタートし、最初はエレキインスト、次いで有名歌手のバックバンドを経て、1962年には地元のリバプールで既に大スタアとなっていたビートルズを追う存在になっていたようです。ちなみに同地を仕切っていた興行師のホルスト・フィッシャーのブッキングにより、ドイツのハンブルグへと巡業に出される経緯も、当時のスタア街道ではお約束の修行でした。

そしてついに1963年にパイレーベルから、トニー・ハッチのプロデュースでレコードデビュー! メンバーはジョン・マクナリー(g,vo)、マイク・ペンダー(g,vo)、トニー・ジャクソン(b,vo)、クリス・カーティス(ds,vo) という4人組で、全員が歌えるというのが、大きな強みだったようです。

それはエレキサウンドにファルセットコーラスも交えたボーカルパートのコンビネーションの上手さが、ロックというよりもポップス寄りの味わいとなり、加えて素晴らしい選曲のセンスが、時には有名フォークソングをエレキ化した名演となり、また本来は真っ黒なR&Bが脱色されたソフトロックに変換されるという、まさにポップス好きには琴線に触れまくりのスタイルでした。

例えば本日ご紹介のシングル盤A面の「It's In Her Kiss」は元々、「The Shoop Shoop Songs」として黒人歌手のベティ・エベレットが1964年に大ヒットさせていた人気曲ですが、それをさらにせつないマージービートの神髄でカパーすれば、絶妙のファルセットを裏ワザに使ったボーカルコンビネーションが、もう最高の胸キュンフィーリング♪♪~♪ 力強いビートとエレキギターのペラペラの音色が、これほどジャストミートした名演も珍しいと思います。

本当に絶妙なアレンジによる歌と演奏、サビでの「シュ~、シュ~」というコーラスパート、あぁ、何度聴いても飽きないですねぇ~♪ 山下達郎が時折やるポップス系の歌にも通じるものがあると感じるのは、私だけでしょうか。

実はサーチャーズの背後には、ご推察のようにエヴァリー・ブラザースとかバディ・ホリーあたりの、所謂元祖フォークロックのエッセンスがあるような気がしています。

そして告白すれば、私がサーチャーズにグッとシビレたのは、そうしたスタイルの結晶体ともいうべきザ・バーズが大好きだったからだと自覚しているのです。

その意味でB面収録の「ピンと針 / Needles And Pins」は、1964年にアメリカでも大ヒットしたサーチャーズの代表曲なんですが、おそらくはダブルトラックでダビングされたエレキギターが、ザ・バーズを印象付けるエレキの12弦ギターの響きに近づいているのは、偶然にしても出来過ぎかもしれません。もちろん後年になると、サーチャーズの2人のギタリストはエレキの12弦を使って、この路線を推し進めるのですが、果たしてザ・バーズのロジャー・マッギンは、これを聴いていたんでしょうか? 非常に気になるところです。

またサーチャーズのスマートなコーラスワークは、時にモヤモヤした感性も前面に出したりして、それが「ピンと針」でも顕著なんですが、もちろんザ・バーズとの強い共通点がありますし、全篇に強く打ち出されるフォークロックの味わいは絶品♪♪~♪

当時は十代だったサイケおやじがリアルタイムで「ピンと針」をラジオから聴いた時は、既にザ・バーズを好きになった後でしたから、てっきりサーチャーズが後追いのバンドだと思っていた笑い話も、ご理解願えると思いますが、今となっては額に汗が滲みます。

そして昭和41(1966)年に買ったのが、このシングル盤というわけですが、他にもサーチャーズには素敵なヒット曲、名唱&名演が山のようにあり、特に初期の真っ白なスタイルから少しずつ黒っぽさを滲ませていった1960年代中頃あたりまでが全盛期として最高!

残念ながら時代の趨勢というか、1960年代後半になるとサーチャーズのスマートなセンスが逆に足枷となって活動は失速するのですが、そこは潔く、1970年代からはナツメロショウ中心のライプで人気を維持♪♪~♪ 私は1982年の某日、実際にライプを体験しましたが、これがなかなか往年のフィーリングを大切にしたヒットパレード大会で、最高に楽しかった思い出になっています。

ただし、どうやら最近はバンドそのものが分裂したか、解散したか、そんなこんなでサーチャーズを名乗るグループが複数存在しているのも気になるところですが、復刻CDも充実しているようですし、ぜひ、皆様にもお楽しみいただきたい素敵なバンドがサーチャーズです。

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ストーンズ最後のモノラルか?

2009-11-27 10:34:44 | Rolling Stones

Sticky Fingers DJ Copy Monaural / The Rolling Stones (bootleg CD)

またまたプート屋の餌食になってしまった……、と悔恨の情も強いサイケおやじですから、今回は「話のタネ」として書きます。

1960年代後半のいろんなゴタゴタから抜け出し、ストーンズが自らのレーベルを立ち上げての最初のアルハム「スティッキー・フィンガーズ」は、1971年の大名盤! もちろん公式発売されたアナログ盤LPは時代の要請でステレオミックスだけでしたが、実はラジオ放送局用に極々少数だけ、モノラルミックスのDJコピー盤が作られていました。

それが今回のネタ元なんですが、もちろんオリジナルの現物を私は見たことがありません。僅かに某マニアが出していたファンジンで写真を拝み、また文字によるデータを読んだだけで、その存在を信じているわけですから、最近発売されたプートによる復刻にしても、もしかしたら既存のステレオミックスをモノラルに落としただけのインチキ盤? という疑惑から逃れられません。

しかし実際に店頭に並んだブツを目の前にしては、買わずにいられないのが「ストーンズ命」の哀しい宿命です。

 01 Brown Sugar (A-1)
 02 Sway (A-2)
 03 Wild Horses (A-3)
 04 Can't You Hear Me Knocking (A-4)
 05 You Gotta Move (A-5)
 06 Bitch (B-1)
 07 I Got The Blues (B-2)
 08 Sister Morphine (B-3)
 09 Dead Flowers (B-4)
 10 Moonlight Mile (B-5)

収録の上記演目は公式盤どおりですから、内容については割愛させていただきますが、結論としては、そのステレオミックスよりも低音域、特にドラムスとベースが前に出た、なかなか骨太の味わいが強いです。

これはアナログ盤、および公式CDと比較しても分かるところですが、残念ながら最近のリマスターCD盤は持っていないので、それとの違いは述べることが出来ません。

しかし、やっばり名盤としての存在感があるにせよ、モノラルミックスの良さは捨て難いですねぇ~♪

ちなみにモノラルミックスのシングルバージョンが存在している「Brown Sugar」や「Sway」についても、ここではやっぱりアルバムバージョンでしたし、アメリカだけで配布されたプロモーション用シングル盤に収録された「Wild Horses」のモノラルミックスの編集バージョンも、ここには入っていなかったことが判明!?!

つまり公式通常盤との大差は、単にモノラルミックスになっているだけという事なんですが、実は英米でシングルカットされた「Bitch」がモノラルミックスでしたので、聴き比べると、わずかながらこちらが細い音なんですねぇ。これはCDによる弊害かもしれませんが、アナログ盤で聴き比べると、ミックス的には変わっていないので、ご安心下さい。

で、気になる音質なんですが、確かにアナログ盤から落とした証明として無音部やフェードアウトしていくところで「針音」が聞こえます。しかし大部分においては最新技術で、そうした「雑音」は極力消してありますから、問題無く聴けるはずです。

否、むしろ、そうして残した「針音」が本物の証明として、いじましいほどに良い仕事ってことかもしれませんね。プートを楽しむ基本は「気持良く騙される」とはいえ、今回は結果オーライだと思います。

さて、今回のブツの限定2枚組セットにはオマケとして、ストーンズが翌年に発表した渾身の傑作アルバム「メインストリートのならず者 / Exile On Main St.」のイギリス盤テストプレスが復刻追加されています。

 01 Rocks Off (A-1)
 02 Rip This Joint (A-2)
 03 Shake Your Hips (A-3)
 04 Casino Boogie (A-4)
 05 Tumbling Dice (A-5)
 06 Sweet Virginia (B-1)
 07 Torn And Frayed (B-2)
 08 Sweet Black Angel (B-3)
 09 Loving Cup (B-4)
 10 Happy (C-1)
 11 Turd On The Run (C-2)
 12 Ventilator Blues (C-3)
 13 I Just Want To See His Face (C-4)
 14 Let It Loose (C-5)
 15 All Down The Line (D-1)
 16 Stop Breaking Down (D-2)
 17 Shine A Light (D-3)
 18 Soul Survivor (D-4)

結論から言うと、こっちはステレオミックスのアセテート盤からの針落としだそうですから、そうした雑音を消す手直しが顕著な所為でしょうか、公式アナログ盤に比べると、些か音が細い感じです。

また肝心のテイク&ミックス違いも、未だ発見に至っていませんが、しかし特筆すべきは曲間が公式盤とは異なる部分が散見されるところでしょうか。特に曲の最後が次のイントロ部分にクロスしていた「Rip This Joint」から「Shake Your Hips」への流れは分断されています。まあ、このあたりは制作過程で業者が意図的にやったことかもしれませんが……。

ということで、決して普通のファン向けのブツではありません。既に述べたように、あくまでも「話のタネ」でしょう。

ただ、本物を入手するメドが全く無い私のような者には、こういうレプリカでも欲しくなるのが人情、と言ったら失笑かもしれませんね。

こういう居直りというか、わかっちゃいるけど、やめられない道を歩んでいるのが、サイケおやじの本性なのでした。

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ハンキーパンキーな日常は大切

2009-11-26 10:54:20 | Rock

Hanky Panky / Tommy James & The Shondells (Roulette / フィリップス)

政治を分かり易くするなんて言いながら、実は回りくどいパフォーマンス、さもありなんの報道で失笑する我国は、いやはやなんともの毎日……。

しかしそんなことは古来、この世の常識ですから、時には何にも考えていないノーテンキな歌と演奏が流行ってしまうのも、むりからん話です。

本日ご紹介の「Hanky Panky」も、そうしたひとつで、誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。その軽快なR&Rは単純明快な歌詞があってこそ、世界中の人達が一緒に歌えるという、実に楽しいヒット曲♪♪~♪

本国アメリカでは1966年の春~秋にかけて、それこそ最高のヒットを記録していますし、我国でもラジオから流れまくり、ポップス系の歌手やエレキバンド、そしてGSでもカパーするグループが当然の定番曲でした。

掲載ジャケットの写真で、ひとりだけ黄色いニットを着ているトミー・ジェイムスは、子供時代からローカルなアイドル歌手だったそうで、実はこの「Hanky Panky」にしても、既に1963年頃に録音されていたものです。それをメジャー会社のルーレットが買い取り、全国発売したことで大ヒット! そして巡業ライプ用に付けられたのが、ションデルズというわけですが、そのメンバーは同じルーレットに所属していたラコントゥアーズというバンドだったと言われています。

しかしご存じのように、その構成や顔ぶれは決してレギュラーではなく、一応はエディ・グレイ(g)、ロニー・ロスマン(org)、マイク・ベール(b)、ピート・ルシア(ds) 等々だったというのですが、おそらくレコーディングではスタジオミュージシャンを多用していたと思われます。

そして以降も「Mony, Mony」や「Crystal Blue Persuasion」、そして「Crimson And Clover」等々の大ヒットを放っていますが、活躍した時期がモンキーズの登場と重なっていたこともあり、単なるアイドルバンドとされていたのは、ちょっと残念です。

それゆえに同じ業界のミュージシャンが、トミー・ジェイムスのヒット曲やシブイ演目をカパーするのが、特に1970年代中頃以降の流行だったことを鑑みれば、その影響力やR&Rの本質に根ざした音楽性は評価されていると思います。

我国では他にも「ふたりのビート / Gettin' Together」という、邦題も素敵なシングル曲が局地的にヒットして、個人的には大好きなんですが、残念ながらアナログの7インチが入手出来ていません。

ちなみに1970年代に入ると人気も失速し、トミー・ジェイムスはションデルズと別れて芸能界を生き抜いていくのですが、その全盛期に残されたヒット曲の数々はシンプルな楽しさと躍動的なビートの本質的な魅力によって、今も世界のあちこちで流れています。

そういう基本的な楽しさこそが、この世では一番大切かもしれませんね。

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元祖AORのジョニー・ブリストル

2009-11-25 12:03:18 | Soul

Bristol's Cream / Johnny Bristol (Atlantic)

不景気の真っ只中とはいえ、街にはクリスマスツリーやイルミネーションが輝くこの時期になると、日頃は無骨なサイケおやじも、ちょいとお洒落な音楽が聴きたくなります。

そこで本日は、元祖AORの1枚という名盤を取り出してみました。

主役のジョニー・ブリストルはデトロイト時代のモータウンでスタッフライター兼プロデューサーとして活躍した裏方のひとりですが、私がこの人を意識したのは、ボズ・スキャッグスが大ブレイクする直前の1974年に出していた隠れ名盤「スロウダンサー」を聴いてからです。

そのメロウで情熱的なサウンド作りの妙と楽曲構成の上手さは、もちろんボズ・スキャッグスの実力でもありますが、やはりそれ以前の幾分イモっぽかった部分を見事に男の哀愁とセクシーさに変換させてしまったプロデュースの巧みさは、ジョニー・ブリストルの神髄だと思います。

と言うよりも、それまでにジョニー・ブリストルが培ってきた感性が、黒人音楽に憧れたボズ・スキャッグスという白人の実力派を得て、見事に開花したのかもしれません。ご存じのようにモータウンサウンドは黒人R&Bでありながら、実は白人ポップスの味わいを強く取り入れていましたから、それが黒人だけのハートウォームでメロウなフィーリングと結びつけば、それは極上のAORの誕生でした。

そしてついに出たのが、1977年に発売されたジョニー・ブリストル自らのプロデュースによる傑作リーダーアルバム「Bristol's Cream」というわけです。

ちなみにジョニー・ブリストルは当然ながら、モータウンに入る前にも、また辞めた後にも自己名義のレコーディングやシングル&アルバムを幾つか残していたのですが、後追いで聴いたそこには、残念ながら、それほど満足出来るものがありません。

ところが前述の「スロウダンサー」を筆頭に、諸々の歌手をプロデュースした作品が、1974年頃から急激に完成度が高くなっているのです。例えば黒人コーラスグループのタヴァレスが渾身のデビューアルバム「チェック・イット・アウト(Capitol)」は、不滅の金字塔だと思います。

そして肝心のこのアルバムは、もう胸が熱くなって、涙が滲む名曲名唱ばっかりがテンコ盛り♪♪~♪

 A-1 Do It To My Mind
 A-2 I Love Talkin' 'Bout Baby
 A-3 I Sho Like Groovin' With Ya
 A-4 You Turned Me On To Love
 B-1 She Came Into My Life
 B-2 Love To Have A Chance To Taste The Wine
 B-3 Baby's So Much Fun To Dream About
 B-4 Have Yourself A Good Time Thinkin' 'Bout The Good Time

まずA面ド頭「Do It To My Mind」が所謂チャカポコリズムと胸キュンのストリングアレンジ、そしてグッと弾けるキメのフレーズが最高のアレンジで歌われる、まさにアーバンソウルの決定版! 持ち味のハートウォームな歌い回しが冴えるジョニー・ブリストルだけの「節」が、本当に気持良いです♪♪~♪

あぁ、この1曲だけから無数のパクリが生まれたのが、はっきりと納得されますよ。

そして続く「I Love Talkin' 'Bout Baby」は、ほとんどボズ・スキャッグス状態というか、甘い語り口が強いビートのメロウなサウンドで彩られているんですから、たまりません♪♪~♪ もちろん仄かに滲んでくる曲メロの良さも秀逸です。

同じ雰囲気の素晴らしさは、メロウパラードの「You Turned Me On To Love」や西海岸風AORの秘密を垣間見せる「She Came Into My Life」でも存分に楽しめますが、それは演奏パートを担当する凄腕ミュージシャン、例えばジェームス・ギャドソン(ds) やデイヴィッド・T・ウォーカー(g) 等々、聴けば一発のメンツが大集合!

ですから、強いビートの踊れる曲「I Sho Like Groovin' With Ya」にしても、お洒落なフィーリングは決して損なわれることなく、しかもポール・ライザーの流麗なストリングスアレンジも最高ですから、あぁ、いつまでも浸っていたい世界が展開されるのです。

とにかく全曲、アルバムの全てが素晴らしすぎる名盤といって過言ではありません。もちろんソウルフルな味わいは最高潮♪♪~♪

AORが好きな皆様には言うまでもありませんが、これを見事なお手本にした我国のニューミュージックや歌謡曲は数限りなく存在しています。山下達郎も、絶対に好きなはずですよ。

しかしジョニー・ブリストルは、リアルタイムでは決して真っ当な評価は得られなかったと感じています。このアルバムにしても、AORが上昇期に発売されながら、それほど注目のプロモーションがあったわけではなく、実際、売れていたという話も……。

また翌年にも同路線の、「ストレンジャーズ」という素晴らしいアルバムを出しながら、活動がフェードアウトしていったのは、何故でしょう……。

その意味で今日、局地的とはいえ、ジョニー・ブリストルが根強く聴かれている実態を、ぜひとも皆様に知っていただきたく思います。

今のこの時期、必需品ともいえるハートウォームなアーバンソウル、そしてAORの切り札的なアルバムとして、恋人と聴くのも良し、またひとり、男の哀愁をかみしめながら聴くのも素敵な名盤です。

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痛快ロックなヒピ、ヒピ、シェイ~ク♪

2009-11-24 10:05:14 | Rock

Hippy Hippy Shake / The Swinging Blue Jenes (HMV / 東芝)

初期ビートルズの最高傑作は「Twist & Shout」だと断言する人に共感する部分も多いサイケおやじは、その意味で本日ご紹介の「Hippy Hippy Shake」も、それに並び立つブリティッシュビートの決定版だと思っています。

演じているのはスインギング・ブルージーンズは、レイ・エニス(g,vo)、ラルフ・エリス(g,vo)、レス・ブレイド(b)、ノーマン・クルーク(ds) という4人組で、出身はリバプール! ということは駆け出し時代に、あのキャヴァーンクラブでビートルズとの共演もあったと言われています。

そして当然の流れとして、ビートルズと同じく、ハンブルグにも巡業ブッキングされ、1963年にEMIと契約していますから、まさにリバプールサウンドの神髄を演じていて当然かと思います。

実際、それはボーカルがなんとなくジョン・レノン風ですし、ギターアンサンブルやビートのキメがビートルズと同系の味わいなんですねぇ~♪ それがスインギング・ブルージーンズにとっては3枚目のシングル曲になる「Hippy Hippy Shake」で顕著! 発売は1963年末でしたが、忽ちの大ヒットになっていますし、我国でも翌年以降、GSブームが本格化した時期までも、カパーするバンドや歌手が大勢いましたですね。

しかも凄いのが、時代の勢いというか、楽曲そのものは1959年にアメリカでチャン・ロメロというメキシコ系のR&B歌手が出していたものですが、リアルタイムでは、ほとんどヒットしなかったのとは逆に、スインギング・ブルージーンズの歌と演奏は突出してハードにドライヴしています。特に激しく上下するギターの間奏は驚異的ですよ。

ちなみにビートルズもBBC音源で同曲を演じていますが、やりはスインギング・ブルージーンズのバージョンには及びません。

ところがスインギング・ブルージーンズには大きな弱点があり、それは優れたオリジナル曲を作れなかったということでしょう。今日、残された音源を後追いで聴いてみても、なんとか演じたオリジナル曲が正直、ビートルズやホリーズをマヌケに焼き直したようなトホホな仕上がり……。

ですから1966年頃には落ち目の三度傘でメンバーチェンジもあり、さらにホリーズに吸収合併される形でバンドは消滅したようです。

しかし、この「Hippy Hippy Shake」で楽しめるは元祖ハードロックのひとつとも言える強烈なドライヴ感と熱気は、永遠に不滅です。R&BやR&Rのカパーバンドとしては、まさに世界の最高峰だったように思いますねぇ~♪ それは所謂リバプールサウンドの魅力を解き明かす秘密かもしれません。

タイムマシンがあったら、ぜひとも全盛期のライプを体験したいバンドのひとつです。

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ノリが最高だった初期のフリー

2009-11-23 10:22:38 | Rock

All Right Now / Free (Island / 日本フォノグラム)

この世は「ノリ」が大切だなぁ~、と教えてくれたのが、ブリティッシュロックの人気バンドだったフリーです。

実際、フリーの演じる楽曲は特に初期において、メロディよりもハードなリズムとタイトなビートによる強烈なノリが魅力になっていました。それゆえに売れるまでの即効性というのは希薄だったかもしれませんが、一度虜になると抜け出せない良さがあるんですねぇ~♪

個人的には昭和45(1970)年あたりからのラジオの深夜放送で、フリーの楽曲が流れまくっていながら、告白すれば最初はピンッとこないバンドでした。しかし本日ご紹介のシングル曲「All Right Now」だけには、グッと惹きつけられましたですねぇ~♪

とにかくタイトなドラムスが主導するビート感が素晴らしく、ミディアムテンポでガッツの入ったギターカッティングがキメのリフになり、真っ黒でソウルフルなボーカルが熱唱するスタイルは、曲メロなんて「オ~ル、ラ~イ、ナァウゥ」と歌うリフレインしか無いに等しいんですが、その全体のノリが実に粘っこくてグルーヴィなんですねぇ~♪

中盤からカッコ良くドライヴしくるエレキベースも良い感じですし、間奏のギターソロが、私の大好きなピーター・グリーンとマイク・ブルームフィールドのイイトコ取りですから、たまりません♪♪~♪

当時のメンバーはポール・ロジャース(vo,g)、ポール・コゾフ(g)、アンディ・フレイザー(b)、サイモン・カーク(ds) という二十歳前後の若者集団でしたから、確かに怖いもの知らずの勢いもあったでしょう。また若気の至りが良い方向に作用したという以上に、実はちょっとばかり枯れた雰囲気が、フリーというバンドの魅力の秘密かもしれないと、今は思っています。

私が本格的に聴いたフリーのレコードは先輩から借りたLP「トンズ・オプ・ソンズ」でしたが、それだって昭和46(1971)年の伝説となった来日公演の素晴らしさが大評判となっていたからです。そして件のアルバムで完全KOされて買ったのが、本日ご紹介のシングル盤というわけですが、後に同じ曲が収録されたアルバム「ファイアー・アンド・ウォータ」を聴いて吃驚! こっちは編集され、ミックスも変えられたシングルバージョンでした。

骨太なアルバムバージョンに対し、シングルバージョンは幾分スッキリしていますので、好き嫌いは十人十色でしょう。個人的にはシングルバージョンの方が同じ演奏であるにもかかわらず、ノリが良いと感じるんですよねぇ~♪ このあたりの上手さというか、プロデュースの魔法はバンドメンバーの創意として侮れません。

ということで、欧米はもちろん、我国でも「All Right Now」は例外的に流行ったメロディの無いハードロックの大ヒット曲です。やっぱり一緒に歌えるパートのある曲は強いということかもしれませんが、ノリの良さが最高の魅力だと強く思います。

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ディープ・パープルのトホホの時代

2009-11-22 11:05:54 | Rock

Emmaretta / Deep Purple (Tetragrammaton / 日本グラモフォン)

なんともトホホなジャケ写とマヌケ寸前のデザインは!?!? これがハードロックの王者として君臨するディープ・パープルのイメージとしてOKが出されていたんですから、我国で発売された昭和44(1969)年当時の存在感が知れようというものです。

しかし当時からの、いや、全盛期からのファンにとっても、この仕打ちは完全に噴飯物!

というか、怒りすら覚える人も少なくないでしょう。

肝心の楽曲「Emmaretta」はディープ・パープルの3枚目のアルバム「Ⅲ」制作時のセッションから、先駆けて発売された期待の新曲! の、はずが全くヒットせず……。ですから前述のアルバムにも収録されなかったというテイタラクでした。

しかし個人的にはファンキーな味わいが強く打ち出された演奏は大好きですし、後のニューソウルっぽいカッティングやワウワウを多用したリッチー・ブラックモアのギターは、完全に時代の最先端を行くプレイだと思っています。

このあたりは当時のディープ・パープルがアメリカ優先の活動をやっていた成果なんでしょうが、実はこの頃のバンド内部はガタガタ……。なんとボーカリストのロッド・エヴァンスはハリウッドスタアへの転身を目論んでいたそうですし、ベーシストのニック・シンパーはリッチー・ブリックモアとソリが合わず、またジョン・ロードはクラシックとロックの融合に熱心だったというのは、今や歴史でしょう。

ですから、そんなこんなが我国のレコード会社にも波及していたのでしょうか……?

しかし、ここまで来ると、もはや「キッチュ」の一言では片付けられませんし、笑って許しての世界でもありません。

幸いなことにディープ・パープルは翌年になって起死回生のシングル大ヒット「Black Night」を出し、以降は王者への道を邁進するのですから、この「Emmaretta」の日本盤シングルのジャケットは尚更に……。

ご存じのように海外のシングル盤には、日本盤の様な所謂「ピクチャースリーブ」は無いのが普通ですから、こんなブツが出ていた過去はグループにとっても泣き笑いかもしれませんね。

これも洋楽の楽しみのひとつだと思います。

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ハンプル・パイのイケイケ自然体

2009-11-21 11:02:47 | Rock

あいつ c/w Wrist Job / Humble Pie (Immediate / 東芝)

1970年前後には所謂スーパーグループのブームがありました。

これはメンバー各々が、それぞれに実績のあるバンドに所属し、それなりのヒットを出していたキャリアの集合体で、一番有名で成功したのはクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング=CSN&Yでしょうが、本日の主役たるハンプル・パイも大いに期待されていたのです。

特にイギリスや欧州各国では凄かったらしく、我国でも音楽マスコミが率先して盛り上がっていた雰囲気がありました。

なにしろスモール・フェイシズのスティーヴ・マリオットとザ・ハードのピーター・フランプトンが結託して誕生したバンドでしたから、共にアイドル人気優先の部分は否めませんが、もちろん実力に裏打ちされたバンドという事実を忘れてはならないでしょう。

正式な結成は1968年末と言われていますが、メンバーはスティーヴ・マリオット(vo,g,key)、ピーター・フランプトン(vo,g,key)、グレッグ・リドレー(b,vo)、ジェリー・シャーリー(ds) というのが、デビュー時の顔ぶれでした。

そして充分なリハーサルとレコーディング期間を経て、翌年夏に発売したのが、本日掲載したシングル盤で、これは同じ頃に出た最初のアルバムには未収録!

まずA面の「あいつ / Narural Born Bugie」は、何故かミスマッチな邦題が気になるものの、歌と演奏はグッと重心の低いブルースロックのブギウギR&R♪♪~♪ ビートルズの「Get Back」とT.レックスの「Get It On」を足して2で割り、スワンプロックの味わいを強めたところは、当時最先端のロックでした。ヘヴィに蠢くベース、どっしり構えたドラムス、ロッキンソウルなエレピとブギーなリズムギターも良い感じ♪♪~♪

何よりも自然体で泥沼フィーリングを醸し出すボーカルが良いですよ。これはスティーヴ・マリオットが作者の強みを活かしたところでしょうねぇ~♪

またB面の「Wrist Job」が、これまた熱気充満のゴスペルロックの決定版! いきなり炸裂するオルガンのサイケデリックソウルな響きにグッとタメを効かせたボーカルの味わいが、もう最高ですし、ドラムスとベースのコンビネーションは手数が多く、テンションが上がりっぱなしという素晴らしさです。さらに泣きまくりのオルガンが実に良いですねぇ~~♪ 哀切のコーラスと熱血ボーカルのコントラストにも、胸が熱くなりますよ。

正直、個人的にはA面よりも好きなんです。

そして思惑通り、このシングルはヒットするのですが、好事魔多し!

なんと人気上昇中にピーター・フランプントが事故により手を負傷し、ライプ活動が休止に追い込まれ、さらに追い撃ちとして、所属レコード会社が倒産……。

こうしてその間、ハンプル・パイは曲作りやレコーディングだけの活動となり、どうにかA&Mレコードと新たな契約も成立するのですが、やはりプランク中にバンド内部でゴタゴタが頻発し、人気最高のピーター・フランプトンが脱退する火種に……。

当然ながら、このシングル盤で盛り上がった音楽性も軌道修正されていきます。それはA&M移籍後の1970年新作が、どこからし散漫というか、些かの迷いが???

ということで、このシングル盤はサイケおやじにとって、大切にしたい1枚です。特にB面が最高なんですよねぇ~♪

ちなみに、そうしたスタイルはピーター・フランプトンが正式脱退した後に再び盛り返していきましたから、なんとか溜飲は下がったのですが、ただそれすらも、このデビューシングルの新鮮な勢いには及ばないと感じています。もちろん私のお好みの世界ではありますが、なんというか、ちょいと意識過剰の遣り口が、ここでの自然体の雰囲気とは違うんですよ……。

う~ん、まさにタイトルどおり、これは「Narural Born」なのでした。

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