OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

猛暑に備えのワンダ・サ

2024-06-08 17:01:19 | Pops

Wanda Vagamente / Wanda Sá  (RGE)

   A-1 Adriana
   A-2 E Vem O Sol
   A-3 Encontro
   A-4 Só Me Fez Bem
   A-5 Mar Azul
   A-6 Também, Quem Mandou
   B-1 Tristeza De Nós Dois
   B-2 Vivo Sonhando
   B-3 Sem Mais Adeus
   B-4 Inútil Paisagem
   B-5 Tristeza De Amar
   B-6 Vagamente

ど~やら今年の夏も異常な猛暑らしいということで、その準備というか、覚悟を決めて本日ご紹介させていただくのは、夏=ボサノバという清涼の音楽定番から、セルジオ・メンデスが組んでいた人気グループのブラジル '65 に参加していた女性シンガーのワンダ・サが、それ以前の1964年にレコーディングした傑作LPです。

もちろん内容は言わずもがなのオシャレなボサノバが満載されたクールでハートウォームな仕上がりであり、彼女のボーカルスタイルもノンビブラートのアンニュイな声質と節回しですから、このあたりは、ど~してもアストラッド・ジルベルトとの比較は避けられないとはいえ、そんなこたぁ~~、愚の骨頂!

とにかく彼女が歌ってくれるボサノバの心地良さに虚心坦懐に浸りきる事こそが、男の流儀というか、野暮や不粋は猛暑の大敵でありましょう (^^♪

ちなみにプロデュースはボサノバの立役者として外せないロベルト・メネスカル(g) 以下、エミール・デオダート(key,arr)、L.C.ヴィーニャス(p)、セルジオ・バホーゾ(vib)、マノエル・グスマン(b)、ドン・ウン・ロマン(ds) 等々、世界的にも有名なミュージシャンを含む現地ブラジルの有能なセッションプレイヤーが多数参加している事が裏ジャケの記載で確認出来ますし、楽曲そのものも粒揃いですから、ワンダ・サの程好いハスキーボイスに酔わされてしまうわけですよ、これがっ!

告白すれば、サイケおやじが掲載盤の存在を知ったのは1970年代中頃だったんですが、当時の我が国では希少盤の中の特レア作品であり、それを幸運にも知り合いのコレクター氏から聴かせていただき、カセットコピーまでもプレゼントされてから幾年月……、ようやくバブル期真っ只中の1986年になって入手出来た時には、それこそ清水の舞台から飛び降りる心持だった高値も全く後悔しなかったほどの高揚感がありましたですねぇ~~♪

そして直後というか、ちょい後に我が国でCD復刻されるという、本来朗報として歓迎すべき事態には、いやはやなんともの複雑な気分も味わいましたですよ (^^;

ですから、現在では誰もが気軽に楽しめる傑作ですから、夏場の癒しには必須のアイテムであると同時に、通年の愛聴も然るべき1枚というわけです (^^♪

ということで、最後になりましたが、これほど魅力的なワンダ・サが前述したセルジオ・メンデスのグループから抜けた後、ほとんど表舞台から消え去った感があるのは、ど~やら結婚して家庭に入ってしまわれたからだと云われています。

それでも最近ではチマチマとセッション参加のレコーディングも残しているらしいので、楽しみは尽きません (^^♪

あぁ~~、やっぱり夏はボサノバ!

そしてワンダ・サは本当に素敵なんですよぉ~~~♪

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秋にはジャバダバ

2022-10-21 17:23:31 | Pops

バイエル91番 (Beyer No. 91) / Les Jeunes Étoiles (DENON / 日本コロムビア) 

凡そ、1960年代から親しまれている音楽表現のひとつに、例の「シャバダバ」コーラスがあって、これは洋楽のみならず、我が国の歌謡曲にも大いに用いられた手法なんですが、これを最も世界に広めたのが、1962年頃にフランスで結成されたザ・スイングル・シンガーズでありましょう。

このグループは基本的に男女の混声の8人組で、ソプラノ、アルト、テノール、バスのパートを各2名で編成し、クラシックとモダンジャズの味わいを融合させたアカペラコーラスで様々な楽曲を披露し、大きな成功を収めたもんですから、忽ちフォロワーが各国で登場したとて、何らの不思議も無く、例えば我が国においては、昭和43(1968)年に本日掲載のシングル盤を出したジュヌ・エトワールが近年、なかなかの注目度!?

メンバーは泉麗子(メゾソプラノ)、山崎まみ(ソプラノ)、神長まさみ(アルト)、二宮真知子(アルト)、丸尾光(テノール)、曽根義則(ベース)、伊東始 (バリトン) の7人組とされ、このシングル盤での伴奏は吉村英世クインテットが担当した、殊更A面収録の「バイエル91番 / Beyer No. 91」は皆様ご存じ、有名なピアノ練習曲をアップテンポの4ビートジャズで披露する、麗しの「シャバダバ」コーラスが全開♪♪~♪

ちなみに「バイエル」とは、確かドイツ人のピアニストとして作曲活動にも熱心だったフェルディナント・バイエルが、ピアノ練習用に作った短い曲を集めた教則本の通称であり、その楽曲そのものは短いフレーズやスケールだけのパートで構成されているので、耳にも優しいメロディが多いんじゃ~ないでしょうか。

クラシックのピアノ音楽について、特に知識が無くとも、何処かで聴いた様な感じのメロディを「シャバダバ」で演じられては、自ずとリスナーの心は和んでしまいますよねぇ~~♪

実は、このジュヌ・エトワールは同時期にアルバムも制作発売しており、そこには全篇人気ポピュラーや洋楽ヒットを「シャバダバ」&「パヤパヤ」で演じたトラックが収められているんですが、サイケおやじは残念ながら現物は所有しておらず、どうにかカセットコピーで音源を楽しむという境遇……。

ですから、中古ながら、このシングル盤に邂逅した瞬間、ちょっぴり震えを覚えた記憶は、今も鮮明です。

さて、そこで気になるのは、ジュヌ・エトワールが実際のライブギグをやっていたのか?

また、レコーディングは一発録りだったか? それともオーバーダビングを駆使していたのか?

等々の素朴な疑問であり、何故ならば、やはり同じ頃にアメリカで結成され、人気を集めたシンガーズ・アンリミテッドと名乗るコーラスグループは、ジャズをルーツにしつつも、レコーディングでは多重録音による複雑にして繊細なハーモニーを披露したレコードを幾枚も出していたからでして、一説によれば、シンガーズ・アンリミテッドはスタジオセッションをメインに活動していたというのですから、このあたりは本当に気になるところです。

う~ん、真相は如何に?

ということで、秋になると、こ~ゆ~コーラス物が矢鱈に聴きたくなるのは、サイケおやじだけでしょうか?

あんまり些末な事に拘って聴いても、楽しくないのは分かっているつよりですが、そこは自らの変態性でしょうねぇ…… (^^;

失礼いたしました <(_ _)>

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コロナ現況下のクリスマス雑感

2020-12-24 17:58:43 | Pops

サンタが街にやってくる / Carpenters (A&M / キングレコード)

クリスマスにはロクな思い出がないサイケおやじではありますが、それでも巷から流れるクリスマスソングを耳にすると、妙に燥いだ気分にさせられるのは何故でせう?

それはある種の「パブロフの犬」ってものかもしれませんし、あるいは刷り込まれた希望の表れだとしたら、基本的に仏教徒のサイケおやじが異教徒の祝祭に侵されるのは潔しとはしないわけです。

と、まあ例年、クリスマスになると諸々否定的な事を述べてしまう天邪鬼は、ご容赦ください。

そこで本年本日ご紹介させていただくのはカーペンターズのクリスマス用シングル盤でして、A面に収録してあるのは、説明不要の定番「サンタが街にやってくる / Santa Clkaus Is Coming To Town」なんですが、このジャケ写イラストのサンタクロースの表情って、なんだか不気味に見えませんか?

ありがちなB級ホラーだと、クリスマスに殺人鬼のサンタクロースが登場したりする物語もありますが、コロナ禍の現在、サンタクロースだってマスク着用が義務付けられているとしたら、尚更に怖いような (^^;

ということで、もうひとつ、ハッと気がつけば今年は飯島愛の13回忌……。

自宅マンションで変死体となって発見されたのが、12月24日でありました……。

あの当時の連日、様々な憶測が飛び交う大騒ぎが続き、ど~にも落ち着かない年末年始だった記憶は、今でも失せていませんが、あらためて時間の流れの速さも痛感させれた次第です。

あぁ……、来年のクリスマスはっ!?

本日は、そんな鬼に笑われる話を夢想してしまうサイケおやじであります。

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ウェディング・ベル・ブルースを聴きながら

2020-12-01 16:46:56 | Pops

Wedding Bell Blues / The 5th Dimension (Soul City / 東芝)

先日のお題だったジョニー・リバース繋がりということで、本日はフィフス・ディメンションです。

フィフス・ディメンションについては、拙ブログにおいて以前にも取り上げておりますが、決してブラックミュージックの王道たる正統派ソウルグループではなく、今となっては黒人版ママス&パパスみたいな路線で大きな成功を収めた事からしても、モータウンのオーディションに落ちて燻っていたフィフス・ディメンションを救い上げたジョニー・リバースの狙いは、そこにあったと思う他はありません。

1966年、それがジョニー・リバースの立ち上げた新レーベルのソウル・シティから次々に製作発売されたレコード諸作に刻まれ、聴き続けられている現在におけるフィフス・ディメンション全盛期の実相だったと思います。

そうです、確かにマリリン・マックー、フローレンス・ラルー、ビリー・デイビス・ジュニア、ロン・タウソン、ラモンテ・マクレモアという男女混成メンバーのグループでは、モータウンのフォー・トップスやテンプテーションズの路線よりは、ママス&パパスが当時の流行最先端ですから、ひとつの新しい挑戦として黒人だってフラワーミュージックは可能!?

てなもんだった様な気がするんですが、いかがなものでしょう。

もちろん、前述のモータウン系列のレーベルだって明らかに白人層にもウケるレコードを作り、ライブギグにしても、例えばラスベガスとかコパクラブとか、富裕層が出入りしている場所が選ばれていた現実はあったんですが、もっと広く白人の若者層にも楽しめる楽曲を作り出すためには、フィフス・ディメンションの登場は時代の要請でもあったんじゃ~ないでしょうか。

実際、1967年にはママス&パパスが出しながらヒットしなかった「青空を探せ / Go Where You Wanna Go」のカバーバージョンを出してみれば、これがアメリカでは大当たり!

その勢いで作られた「ビートでジャンプ / Up, Up and Away」「Stoned Soul Picnic」、そして「輝く星座 / Aquarius ~ Let the Sunshine In」等々をメガヒットさせたのは、今や輝かしい歴史です。

さて、そこで本日掲載したのは、そんな数多いフィフス・ディメンションの名唱ヒット曲の中でも殊更サイケおやじが大好きな「Wedding Bell Blues」で、これは言わずもがな、これまたサイケおやじが大好きなローラ・ニーロが自作自演のデビュー曲をカバーし、見事に世界的大ヒットさせた大傑作をA面に入れたシングル盤なんですが、ど~です、このキッチュでド派手な衣装こそが、1969年当時のグループの立ち位置を表わすものかもしれませんねぇ~~♪

ちなみに歌詞の中身は、なかなか結婚に踏み切れない男に対する女からの切なる恨み節?

みたいな不条理で一方通行の愛情表現が歌われていると、サイケおやじは感じているんですが、驚いてしまうのは、これを書いた時のローラ・ニーロがなんとっ!

11歳の頃だったと云われている事です。

だって、歌詞の中身を深読みすれば、不倫の愛とも受け取れますからねぇ~~ (^^;

しかし、それはそれとして、楽曲は完全にサイケおやじ好みのリズムとメロディラインがニクイばかりですし、フィフス・ディメンションのボーカル&コーラスの気持ち良さは絶品♪♪~♪

これがヒットしなけりゃ~、この世は闇と思うばかりです。

ということで、拙文を綴っている現在、いやはやなんともと思えば不敬ではありましょうが、止ん事無き内親王殿下が決して国民から祝福されない結婚に踏み切るか、否か!?

そんなこんなの話題がコロナ禍よりも大きな問題になりかねない状況は、悲しいばかり……。

果たして内親王殿下の胸中が「Wedding Bell Blues」なのか、あるいは「矢切の渡し」なのかは是非も無い話とはいえ、もしも後者だったとしたら、小室某は、絶対に嫌だろうなぁ~~!?

そこまでは推察出来るんじゃ~ないですかねぇ……。

願わくば……、皇室から国民の心が離れてしまう様な結果には至らないで欲しいものです。

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八神純子も美脚です ♪♪~♪

2020-03-26 20:10:25 | Pops

恋のマジックトリック / 八神純子 (ディスコメイト)

掲載したのは昭和56(1981)年夏に発売された八神純子のシングル盤なんですが、ど~です、彼女のムチムチした太腿と引き締まった脛のコントラスが素晴らしく美味しそうでしょう~~♪

これもまたジャケ買い趣味の「美脚」ジャンルと勝手に決めつけているのはサイケおやじの嗜好の為せる業(?)かもしれませんが、こ~ゆ~ショーパン姿っても、男好きのするファッションと思いますが、いかがなものでしょう。

しかし、それはそれとして、肝心の収録A面曲「恋のマジックトリック」は如何にも当時の八神純子を特徴づける名作で、それはなんとっ!

自作自演が当然と思われていた彼女が、堂々と洋楽カバーの日本語バージョンに挑んだのが、その真相であり、元ネタはアメリカで活躍するAOR系のシンガーソングライターとして我が国でも人気が高かったイギリス人のルパート・ホルムズが同時期に発売したシングル曲「素敵なパートナー / Loved By The One You Love」のB面曲としてカップリングされていた「Magic Trick」です。

もちろん、それはルパート・ホルムズの作詞作曲による自演オリジナルなんですが、アメリカでは当時、シングルオンリーの扱いであり、そして日本盤シングルのジャケ写には「八神純子にプレゼント」云々というキャプションがある以上、日本語の歌詞は彼女の作詞とされていますが、現実的はに訳詞に近いものと思います。

そして両バージョンのサウンドの作りやアレンジのツボは、なかなか類似点が多いというよりも、八神純子のバージョンは、大村雅朗によるコピーアレンジという感じでしょうか、この名匠らしからぬ無駄な音使いが気にならないとは申せません。

ただし、それでも八神純子バージョンに魅力が失せていないのは、その歌いっぷりの素晴らしさで、持ち前の歌唱力を再認識させられてしまいますねぇ~~♪

ちなみに、この直前の彼女は例の「パープルタウン」の盗作騒動とか、活動の拠点を米国西海岸へ移しつつあった頃ですから、ど~せなら堂々のカバーバージョンを出せる環境(?)は整っていたんじゃ~ないでしょうか。

問題は、それが我が国で受け入れられたとは必ずしも言い難く、所謂洋楽路線はセールスの不振に繋がったという……。

そして彼女は本格的に渡米したというか、イギリス人プロデューサーと結婚し、当地に移住してしまったのは、皆様ご存知のとおりです。

ということで、聊か話はそれまくってしまいましたが、とにかく「美脚」ジャンルもジャケ買い趣味の王道!

それが本日の結論というわけです。

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羨ましいねぇ~、ユゥ~キガァ~フルゥ~♪

2018-01-03 19:51:55 | Pops
雪が降る / Adamo (Odeon / 東芝)

今朝は久々に来日した某国の友人に会って来ましたが、相変わらずの素っ頓狂ぶりには辟易するほど嬉しくなったという、些かの自己矛盾を感じてしまったですよ。

もちろん件の旧友は真っ当な外国の人間なんですが、中途半端に日本語が堪能なもんですから、何かっていえば所謂おやじギャグでその場をシラケさせたり、日本語の流行歌を独り善がりで披露したり、まあ、それはそれで親密さを演出する当人なりの方策なんでしょうが、やっぱり最初は戸惑ってしまうのが普通の結末でありながら、実は不思議と憎めないという、それこそが人徳?

で、今朝もサイケおやじの車の中で、いきなり歌い出したのが――

 ユゥ~キガァ~フルゥ アナタハァ コナイィ~

という、我々日本人にとっては至極有名なシャンソンの流行歌にして、サルヴァトール・アダモが自作自演した「雪が降る / Tombe La Neige」の日本語バージョンでありました。

そして瞬時にサイケおやじは、コノヤロ~~!

なぁ~んて思ってしまったですよ、なんたって奴は優雅に休日を取得し、わざわざ日本までスキーを楽しみに来たという、とてもとても恵まれた境遇であり、しかも家族同伴、それも一昨年再婚した若~い奥様を同伴しているとあっちゃ~、こっちの気分は空回り……。

というヤッカミはさておき、肝心のアダモが歌った「雪が降る / Tombe La Neige」のオリジナルバージョンは1963年のリリースとされ、忽ち世界各国でヒットした勢いを受けてカバーバージョンも夥しく制作されてきた中にあって、この日本語バージョンは安井かずみの綴った歌詞を附され、1969年に発売されたのが掲載盤というわけですが、私有盤を確認してみたら、なんとっ!

これだけ日本人に刷り込まれた名曲名唱がB面収録になっていたんですねぇ~~~!?!

そ~いえば、思い出しても日本語バージョンの「雪が降る / Tombe La Neige」が本当に流行っていたと記憶しているのは、1971年頃だったという感じなんですから、相当なロングセラーという真実は不滅でしょう。

なにしろ我々は雪が降ったら自然に、ユゥ~キガァ~フルゥ~~、なぁ~んて唸ってしまいますからねぇ~~~♪

ということで、正月休みも今日でお終い、明日からは再び終わりなき日常というか、汲々として仕事をやらなきゃ~ならない事を思えば、せめて今だけでも、気楽にねぇ~~。

そんな気分だけでも、大切にしたいものです。
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平熱と微熱のソフトロック

2017-09-24 20:16:32 | Pops
96.8 c/w 嘘はつかない / Keith (Mercury / 日本ビクター)

秋になると、もうひとつ好きな気持ちが高まってしまうのが、洋楽ソフトロック♪♪~♪

例えば本日ご紹介のシングル盤に収録の両面2曲には、殊更ジャストミート感を強く覚えるサイケおやじであります。

歌っているのは掲載のジャケ写に登場している、キースと名乗る白人ボーカリストなんですが、その声質はハスキーな粘っこさが特徴的で、しかし提供されている楽曲はメロディ&アレンジが共々にソフトポップス路線という、確信犯的なミスマッチが見事に当たったというところでしょうか。

実際、1967年にヒットした「98.6」は思わせぶりなピアノとホーンアンサンブルに導かれ、徐々にテンポアップしてからの歌メロが始まれば、それはこの上もない王道の夢みるポップス天国♪♪~♪

弾んだリズム隊のシャッフルビートも良い感じですし、程好いコーラスや強い印象を残すピアノの響き等々、とにかくウキウキさせられる仕掛の妙は狙って成功したものでしょう。

なんたってプロデュースが、その道の大御所たるジェリー・ロスですからねぇ~~、得意技と云えるソフト&メローにして、ハード&ポップという極北寸前の音作りは、ツボに入れば忽ちシビレさせられるという典型が、このキースが歌う「98.6」です。

ちなみに曲タイトル「98.6」とは、人間の平熱体温の華氏表示だとかっ!?

まあ、それはそれとして、実はもっと素敵に感じるのがB面に収録された「嘘はつかない / Ain't Gonna Lie」で、アメリカでは既に前年にヒットしていたという、これが本当はキースの出世作ですから、良くて当たり前田のクラッカー!

なぁ~んていう、OLD WAVE 過ぎる常套句を出してしまうのも、このシングル盤に収録の両曲は双子の優れモノというわけです。

ちなみに曲を書いたのは、どちらもジョージ・フィショッフ&トニー・パワーズのコンビであり、このチームは当時のジェリー・ロスが製作したレコードには相当数クレジットされているので要注意かもしれません。

また、コーラスを担当しているのは、「ライオンは寝ている / The Lion Sleeps Tonight」で知られるトーケンズという真相も奥深いところでしょうか。つまりジェリー・ロスはアメリカ東海岸系のポップス職人であり、キース本人もフィラデルフィアの出身という事ですし、しかも主にアレンジを担当していたジョー・レンゼッティが映画等々の劇伴で活躍するという、そんなこんなを鑑みて考察すれば、1970年代に大きなブームを巻き起こしたフィリーソウルとの関連性も興味深いと熱くなるのがサイケおやじの偽りの無い心境です。

長くなるので本日はここまでと致しますが、ジェリー・ロスに関しては、何れじっくりと書きたいと思います。

それと今日では定説になっている、この2曲から影響を受けて山下達郎が自作自演したのが「パレード」という人気曲だとする告白(?)も、確かに頷けるものはありますが、サイケおやじとしては、スパイアル・ステアケースの1969年のヒット曲「More Today Than Yesterday」が元ネタだと思っているんですけどねぇ~、いかがなものでしょう。

ということで、本日は墓参りに行った帰り道、なんとなく立ち寄ったファミレスで某外国人のパスポートを拾い、警察へ届け出たまでは良かったんですが、それがなんだか不穏な空気で……。

何か触法行為に繋がっているとしたら、メンド~はゴメンですぜっ!
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オリーブの首飾りはビンボ~には不釣り合い?

2017-09-22 20:04:14 | Pops
オリーブの首飾り / ポール・モーリア・グランド・オーケストラ (フィリップス)

音楽の素晴らしさのひとつとして、思わずその場の雰囲気を変えてしまう魔法があるとしたら、本日のお題「オリーブの首飾り / El Bimbo」は、なかなか強烈な名曲かと思います。

もちろん、このメロディやベースとなってるアレンジは、その曲名は知らずとも、必ずや日本人には刷り込まれているはずですし、その現象は我が国のみならず、世界中の共通認識(?)じゃ~ないでしょうか♪♪~♪

そして当然ながらカバーバージョンも夥しい中あって、殊更日本において、最初に耳に馴染んでいるのは1975年に発売され、ロングセラーのヒットになっているポール・モーリア・グランド・オーケストラによる本日掲載のシングル盤に収録のバージョンかと思います。

何故ならばテレビCMや番組内BGM、さらには今となって特に親しまれているのがマジックショウやフロアダンスショウでの頻繁な使用でしょうし、歌謡曲の世界でもボーカル入りのバージョンが様々なミュージシャンや歌手によってレコーディングされているという人気ぶりは侮れません。

とにかく一度聴いたら、その快適なリズムとウキウキさせられるメロディラインの融合は素晴らしいかぎりで、しかも覚え易いもんですから、何かのハズミに脳内で再生される旋律の魅力は絶大♪♪~♪

ほとんどパブロフの犬みたいな効果さえあるとすれば、ハリウッドで1975年に作られ、大ヒットした傑作コメディ映画「ポリス・アカデミー」の劇中で、例のゲイバー「ブルー・オイスター」の場面も決して消え去る事の無い衝撃的和みの瞬間でしょうねぇ~~~♪

そして、もうひとつのネタというか、実はこの人気曲にはオリジナルバージョンが確固としておりまして、それが我が国ではポール・モーリアのヒットに当て込んで件の本家本元も発売され、なんとっ!

原曲タイトル「El Bimbo」をモジった邦題「嘆きのビンボー」ってのまでが出てしまったのですから、たまりませんねぇ~~!?!
 

演じているのはビンボー・ジェットと名乗るフランスのグループなんですが、曲中には「びんぼぅ!」なぁ~んていう掛け声も楽しく入るんですから、お馴染のメロディラインもますます冴えて広がっていくんですねぇ~~♪

ちなみに「Bimbo」というのはスペイン語、あるいはイタリア語(?)で尻軽女という意味らしいとかっ!?!

しかし、それはそれとして、「オリーブの首飾り」≒「嘆きのビンボー」は、常に楽しい雰囲気を撒き散らす魅惑の名曲でしょう。

うむ、最近はこ~ゆ~のがありませんねぇ~~。

だから、サイケおやじは OLD WAVE というわけです。
 
あっ!
 
そ~いえば、大瀧詠一にも「びんぼう」っていう名曲名演がありましたですねえ~~。
 
まあ、当時は「貧困」もブッ飛ばす勢いが世の中にあったんでしょう、懐かしいぃ~~~♪
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お気楽な哀愁の口笛

2017-09-13 19:37:11 | Pops
口笛天国 / 口笛ジャック (Deram / キングレコード)

曲名は知らずとも、何時しか刷り込まれているメロディが多い中にあって、本日掲載のシングル盤A面曲「口笛天国 / I Was Kaiser Bill's Batman」は文化放送の人気深夜番組「走れ!歌謡曲」のテーマソングとして、殊更多くの日本人には聞き覚えがあろうかと思います。

それは附された邦題どおり、口笛をメインにした、妙に人懐こいインスト曲なんですが、演じている「口笛ジャック / Whistling Jack Smith」は実在の人物ではなく、当時の業界の定番企画であった実態の無いタレントを標榜した製作レコードのひとつだった事が今日では明らかになっています。

それはイギリスのデラムレコードのプロデューサーだったノエル・ウォーカーがロジャー・クック&ロジャー・グリーナウェイという優れたヒットメーカーコンビと共に作り上げたもので、口笛を担当したのはトランペットが本職のスタジオセッションプレイヤーだったジョン・オニールと云われています。

そして首尾良く、イギリスでは1967年に大ヒットしていますが、原題が「I Was Kaiser Bill's Batman」、訳せばここでの「バットマン」はアメリカンコミックのヒーローじゃ~なくて、付き人ですから、「私はヴィルヘルム皇帝陛下の侍従だった」という事からでしょうか、ドイツでもウケていたらしく、また冒頭に述べたとおり、軽快でそこはかとない哀愁が滲み出るメロディ故に、我が国ではラジオの深夜放送のテーマ曲としてジャストミートしたのでしょう。

で、その「走れ!歌謡曲」なんですが、確か昭和43(1968)年晩秋頃から放送が始まり、内容はそのまんま歌謡曲メインの番組でしたから、平日深夜~早朝の3~5時に殊更仕事に勤しむ日本人にとっては親しみ深くなるのもムベなるかな、サイケおやじ場合は母が営んでいた洋裁店がその頃、つまり昭和40年代が忙しさの極みだった事から、母は連日その時間帯から早起きして仕事をやり始め、しかし不肖の息子だったサイケおやじは、ようやく深夜放送を聴き終え、勉強に身も入らぬままに朝の7時まで寝るという生活だったもんですから、タイミング的には件の「走れ!歌謡曲」のテーマ曲「口笛天国」が自然に刷り込まれてしまうのも、自然の摂理でしょうか。

今となっては母の頑張りには頭が下がりますし、穿って気になるのは、その頃は若かった両親の夫婦生活は、ど~なっていたのか? なぁ~んていう余計なお世話まで不遜にも考えてしまうわけですが、それはそれとして、この「口笛天国」こそは高度成長期の日本を象徴する名曲名演のひとつかもしれまれんねぇ~~~♪

また、その親しみ故のことでしょう、なんとっ!

カーナビーツが漣健二の訳詩を用いて日本語バージョンをレコーディングしておりまして、それはデビューシングル「好きさ好きさ好きさ」のB面に収録されているんですが、当時も今も、あまりにもホノボノフィーリングが前面に出過ぎた感があって、サイケおやじとしては、あまりカーナビーツらしくないなぁ~~、と思うばかり……。

でも、そ~したアイドル的要素(?)も、GSスタアには求められていた証と思えば、ねっ♪♪~♪

ということで、話は変わりますが、週末には台風が襲来しそうな気配なんで、またまた予定が狂いそうです。

でも、それも時の運?
 
このメロディ、口笛吹いて、気楽に行こうかぁ~~~♪
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漢といえばトム・ジョーンズ

2017-08-25 17:57:54 | Pops
よくあることサ / Tome Jones (Decca / キングレコード)

最近……、公私ともにゴタゴタが重なって、ちょいと凹んでいたんですが、そんな時こそスカッとする歌でも聴きたいなぁ~~、という気分にジャストミートするのが、曲タイトルもそのものズバリっ!

イギリスの実力派シンガーとして今も人気が衰えないトム・ジョーンズが1965年に放った大ヒット「よくあることサ / It's Not Unusual」です。

もちろん、ここで「今も人気が云々」と書いたのは、トム・ジョーンズのソウルフルな声質と節回し、パワフルな声量を自在にコントロールする歌心、さらには如何にも「漢」というイメージゆえの評価が定まっているという意味でして、現実的には1970年代後半からは大きなヒットも放てず、些か逼塞していたのですが、この名曲名唱「よくあることサ / It's Not Unusual」だけはエバーグリーン!?

欧米のテレビやラジオでは様々な場面で頻繁にオンエアされていたようですし、我が国の歌謡曲には確信犯的パクリネタとして流用されてきた事は、トム・ジョーンズのオリジナルヒットバージョンの素晴らしさに所以するものと思います。

それはゴードン・ミルズとレス・リードという、英国では有名なソングライターコンビによって書かれ、サウンドの作りはモロにモータウン系の黒人ポップス路線というキャッチーさがニクイばかりなんですが、実はトム・ジョーンズがこれを吹き込んだのは、デモ音源であったとかっ!?

この経緯には些か伝説めいた逸話が重なっているようですが、サイケおやじが知り得たところでは、当時は無名だったトム・ジョーンズがゴードン・ミルズの下で作られていたデモテープで歌うのは、それこそ「よくあることサ」だったようでして、とにかくそれを某有名シンガーに持ち込んだところ、トム・ジョーンズのボーカルがあまりにもジャストミートしていた事に気後れし、結局はトム・ジョーンズが新規レコーディングしての発売になったと言われています。

また、これが突発的な大ヒットになってしまった所為で、レコーディングセッションのメンバーに関しては、これまた伝説が多く、中でも無名時代のエルトン・ジョン(p,vo)、セッションプレイヤー時代のジミー・ペイジ(g)、後にイエスに参加するアラン・ホワイト(ds) 等々の名前が取り沙汰れていたのは懐かしい与太話でしょう。

現在では、そのほとんどが否定されているそうですが、それはそれとして、やっぱりトム・ジョーンズの歌いっぷりの良さは最高ですよねぇ~~~!

当然ながら、世界中で幾多のカバーバージョンが吹き込まれており、サイケおやじもその一部だけは聴いたことがありますが、何人もトム・ジョーンズより素晴らしくは歌えていないと確信する次第です。

ちなみにサイケおやじがトム・ジョーンズの凄さを一番に感じるのは、独特の「前ノリ唱方」というか、既に述べたとおり、トム・ジョーンズは一時期、表舞台から遠ざかってからのカムバック以降、つまり相当にベテランの域に達していた1990年代においても、それが衰えていなかったという事実です。

つまりボーカリストは齢を重ねるにつれ、前ノリで歌うことが苦しくなるが常だと思うんですが、トム・ジョーンズには、そ~した衰え(?)が感じられなかったんですねぇ~~!?

流石に近年は……、という推察は易いわけですが、全盛期からの「ザーメン濃そう」な雰囲気なればこその「漢歌」には敬意を表するばかりです。

ということで、トム・ジョーンズというとロックやソウルのイノセントでディープなファンからは軽視される存在なんでしょうが、例えラスベガスのステージで歌っていたって、エグ味のあるソウルフルな歌唱には些かの変化もないはずで、それはエルビス・プレスリーだって同じ事でしょう。

もうちょっとは日本でも真っ当に評価していただきたいと願っております。
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