池田修三版画展の最終日、生花(なまばな)によるプロジェクトを見に、
県立美術館まで行った。一人の小さな願いから始まった企画が共感を
呼び、ダリア園や高校生の協力を得て、大きな広がりになったと聞く。
10時の開館前から、広場にはたくさんの人がいて、ほぼ私とカメラを回している人以外は
女性だった。しかも若い子が多い。そういえば前も、こんなことがあったな。
無料の池田修三作品展も、女性ばっかり。もっとも版画の前では、女性も目に入らない。
しかしなぜ写真はダメなんだ?池田修三先生の遺志に反するのでないか。多くの人の
目に触れるように、というありがたいお言葉に。物分かりのいい、初老の紳士の言葉に
甘えて、2~3枚撮っていると、若いのが禁止ですと止めに入った。
こういう、メモの入ったスケッチをじっくり見ていると、あのおじさんは許してくれたのに。
ほんと、ち密な計算のもとに、1回目から8回目までの色が書いてある。
200点あるというからすごい。ガラスに、はまった作品は、照明が反射するし、細かい
ところが見えないので、壁際のはだかの作品を見て歩いた。背景や髪の毛のクルクル
した表現にボカシが入っている。近づいてよっく見ると、縦に細かい線が無数に入って
いた。斜め彫りとは違うようだが、これも先生の地道な作業が良く分かる作品だった。
版画だということが、分かっているけど、信じがたいほど美しい。