棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

つれづれくさ-1-結婚詐欺

2009-03-19 07:56:47 | 大人の童話
今は昔、正直で働き者の男がいたが、それなりの年になっても女房がいなかった。
小さいながらも屋敷もあり、蓄えもあったが、女房に恵まれない訳の一つに「老いた母親」がいた。
男はかいがいしく介護をしていたが、仕事も多忙を極め、母親の面度を見てくれる女房をさがしていた。

市中の「よろず相談所」に、女房の斡旋を依頼した。
「へいへい、よろしゅうございます。多少は手間賃もかかりますが、必ずお世話をさせていただきます。ついては、手付金として・・」
と、少なからずの金を払った。
男は「相談所」に時おり出向いては、「器量など問わぬ。母親をよろしく見てくれれば何も言うことがない」


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