棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

つれづれ草-坊主は幸せだった

2009-04-02 07:06:34 | 物語・絵本・童話
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女房は高名な僧に祈祷してもらっても、一向に妙な気配はおさまらない。
そこで洛中で近頃評判の祈祷坊主に加持厄払いをしてもらうことにした。

祈祷坊主は己惚れの強い者で、屋敷からのお呼びに大喜び。
「オレの神通力をもってすれば、屋敷に取り付いた物の怪など物の数では無い。
この成功によって、おれは尊き方々の屋敷に出入りできるようになるに違いない」
好機到来と有頂天だった。
そこで金襴緞子の袈裟衣をよおい威儀を正したが、その日に限って、牛車を借りることが出来なかった。

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