棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

四畳半襖の下張り

2011-06-09 09:28:57 | 山郷の暮し
再販された「四畳半襖のした張り」は、文学志向の友人が手に入れたものだった。
たしか野坂氏編纂による小冊子「面白半分」にあったものだと記憶をしています.
この小説は、明治の発売当時からわいせつ本として発禁され、永井荷風作ではないかといわれていた幻の小説だった。
「面白半分」は40年ほど前に再発行され、それもわいせつ本として裁判沙汰になった。
私はその本を読ンだ記憶があるが筋はわすれた。今からすれば子供じみた騒ぎだったのだが・・。
次いでながら、たしか「金瓶梅」や「チャタレー婦人の恋人」「ボッカチオ」なども発禁という、
今とは質が異なるPTAのオバチャン連が元気がよかった時代だ。

その友人が、以前遊郭であった所に間借りをしたことがあった。
ふすまがあまりにもきたないので張り替えようと剥がしたところ、その下張りは、たどたどしい筆字で書いたお女郎さんの家計簿だった。
大正時代だったと思うったが、なかでも○×さんに「何々を送る ??銭」となにかジーーンときた思いがした。
まさに「四畳半襖のした張り」だと、襖貼りなどそっちのけになったことを思い出した。
残念ながら友人は幾多の引越しで失くしてしまったようだ。
続く

ryusun

つぶやき

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