棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

絵本「ママ」ほんとうにあったはなし

2011-03-25 08:40:02 | 山郷の暮し
久々に図書館の子供室に行く。ぼうだいな絵本が並び、目的の本があるわけではなく、海外絵本コーナーから適当に引き抜いて見るだけだ。
日本人作家の絵本はあまりにも数があるから、選びようが無いのでそおしているだけだ。ボーと観ていると、本の題に「ママ」のつくのが多い。
それはわかるが、ずばり 「ママ」ほんとうにあったおはなし ジャネット・ウインター作 を観る。
塗り絵的な単純明快な絵は、絵本によくある作画で特にどうということはないのだが、なにか気がひかれる。
パラパセラめくると、なんと津波にさらわれたカバのこどもが助かった実話だ。作者のことばを記そう。

2004年12月26日、インドネシア付近のインド洋に大地震がおこり、沿岸に津波がおしよせました。
この津波はアフリカ大陸の東海岸にもおしよせ、ケニアのサバキ川でおよいでいたカバの群れが、波にさらわれ、海にながされてしまいました。
・・・・カバの赤ちゃんが800キロはなれたモンバサのハラー動物保護公園にほごされた。・・・そして・・・
カバの赤ちゃんは130歳になる老カメとなかよくなり、安心してくらすようになった。という実話です。
作家はあとがきに「・・・聞こえてきたのは、オーウエンがママと呼ぶ悲しい声だけでした。私には、カバの赤ちゃんの視点から考えることができませんでした」
未曾有の大震災があっただけに、偶然とはいえ、ナニカの力が及ぼしたと思いたい。
是非読んで見てください。
「ママ」小学館 工藤直子訳

ryusun

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