棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

賢治文学-2

2008-09-02 13:12:24 | エッセイ・随筆
虔十公園林--宮沢賢治

賢治文学はどれもこれも大好きなんですが、なかでも虔十公園林の風景が いつも散歩をしているコースに似ているのです。
人によっては、ぜんぜん違うよ!と思うかもしれません。
そんなことはどうでもよくて、私が物語に出てくる子供たちになったような 気分にさせてくれる林があるのです。
主人公の「チョット足りない、いつもしまらない笑いをし、皆からバカにされている虔十」が木陰にへらへら笑って、子供になった私を見ているような、そんな気がしてならないのです。
法華経の心に通じていくとか、詩人の贖罪意識や苦悩を反映しているとか、そおいう小難しいことは文学解剖者にまかせて、なんだか、泣きたくなって来る様な感動をおぼえるのです。

そうそう・・。雁の皇子・土神ときつね・光る素足
シュールリアリズムの絵画を思わせる、ガドルフの百合
あげたらきりがありませんね。

光の夜-ネッシー5

2008-09-02 06:52:12 | 大人の童話
月の光がひときわ輝き 水底までが銀色に照り返す夜のことでした。
それまでに聞いたことがない 優しくて心地のいい音が 光りの泡つぶのように響いてきました。

ネッシーは 音にあわせて踊っている 魚さんたちにききました。
「ネーー こんなにやさしい音はどこから来るの」
「人間だよ。舟や黒岩の上で鳴らしているのさ」
黒岩は湖に突き出た岬のことで 魚さんたちの遊び場所だったのです。 

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本