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花の盛り、好機とばかり名所に、女好き仲間とくりだす。
境内は花の艶やかさもさることながら、見物客の晴れやかな衣装に満ち、目を奪われるほどの、みごとな紅梅・萌黄色と色とりどり。
中でも、上等な被衣(かつぎ)を深く被って顔は見えないが、金襴緞子の贅沢な衣や、なんとも様子のいい美しい女を認める。
「どうだ、あの女を口説き落とす競争をしまいか」
いずれも、女にかけてはと、うぬぼれた面々。
女にまとわりつき、たらたらとお世辞をいうが、女はますます身を小さくする愛らしさ。
いくら言い寄っても、かたく顔を隠し、付け入る暇もない。
花の盛り、好機とばかり名所に、女好き仲間とくりだす。
境内は花の艶やかさもさることながら、見物客の晴れやかな衣装に満ち、目を奪われるほどの、みごとな紅梅・萌黄色と色とりどり。
中でも、上等な被衣(かつぎ)を深く被って顔は見えないが、金襴緞子の贅沢な衣や、なんとも様子のいい美しい女を認める。
「どうだ、あの女を口説き落とす競争をしまいか」
いずれも、女にかけてはと、うぬぼれた面々。
女にまとわりつき、たらたらとお世辞をいうが、女はますます身を小さくする愛らしさ。
いくら言い寄っても、かたく顔を隠し、付け入る暇もない。