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棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

66-珍訳源氏-

2009-08-25 08:57:31 | 物語・絵本・童話
紫の上殿(おそらく20歳くらいか)は、光源氏(28歳)が流刑であった2年4ヶ月のあいだ、一人で二条の屋敷を支えてきてくれたのです。
決しておろそかにできる方ではありません。源氏殿はへたに隠し立てをするのではなく、明石でのいきさつを話したのです。
賢く気高い女性だとしても、嫉妬したり、すねたりするのはとうぜんのこと。源氏殿は深い愛情のなせることと、妻をさらにいとおしくおもったのです。

源氏殿の永遠の思い人・藤壺の中宮さまは、女性としては最高の称号である女院をあたえられ、宮中への出入りは自由で、お子である冷泉帝にもおあいできます。在ってはならぬ源氏殿との恋の懊悩も消え、話し合える中になり、37歳でお亡くなる生涯の中で、もっとも心安らかな時期を迎えたのでした。

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65-珍訳源氏-明石の巻

2009-08-24 08:37:33 | 物語・絵本・童話
明石の里
源氏殿の流刑地だった須磨で結ばれた「明石の姫」が妊娠されたとわかったのが6月。皮肉なことに7月末日には流刑が許され、源治殿は京にかえってしまった。姫をはじめ一族は悲しみの日々であったでしょう。3月16日に姫君がお生れになった。

この明石の姫と子供のことは、今後の源氏物語を彩って生きますので、覚えておいてください。

源氏殿は美しく知恵ある乳母(めのと)をさっそく明石に送り込む、喜びようでした。気がかりは、実質てきに正妻の位置にある紫の上とのことです。

64-珍訳源氏-善き世界

2009-08-23 09:18:38 | 物語・絵本・童話
栄枯盛衰とはよくいったもの。
権力・財力などは誰でもが欲するものですが、其れを否定しきった生き方は、なかなかできるものではありません。
私の生きた時代はさらに病魔との闘いでした。医療などといえる代物ではなく、ひたすら神仏に祈るのが唯一の救いでした。
それ故に西方に浄土があり、極楽世界に生まれ変われることが最大の願いでもあったのです。
幸い私は極楽浄土に住むことが出来、皆様方の娑婆世界を拝見しています。
皆様方の世界も大変ですネーー。根っこにアル悩みは私たちの時代と大して変わっていないように感じます。

仏教がおしめしている「我欲」を棄て、慈悲の心を持て。人々がいたわりあう世の中こそ仏国土だとおっしゃっておられます。
光源氏は喜怒哀楽の人間模様を実体験され、仏の慈悲の心こそ善き治世ができると確信し、其れまでになかった平安な時代が幕開けしたのです。
源氏物語はこれから更に人間関係が複雑になります。
今までの登場人物がベースになっておりますから、じっくりと読み直していただければ幸いです。それでは有名な「明石の巻」に入りましょう。

63-珍訳源氏-栄枯盛衰

2009-08-22 08:25:26 | 物語・絵本・童話
流刑中、皇太后さまの嫌がらせにもじっと耐えていた者たちは、この日の来るのを信じてきたのです。
なにより、宮中は明るくなり、活力が生まれ華やかになったのは、源氏殿のもって生まれたお人柄といえましょう。
光源氏殿の補佐による、名帝と賞される冷泉帝の18年の治世のまくあけでした。

62-珍訳源氏-返り咲き

2009-08-21 09:31:59 | 物語・絵本・童話
源氏殿は多忙をきわめ、、この半年あまりは浮名を流すことがなかったのは、私の知る限り初めてのことでした。

翌年の二月に東宮さま(11歳 実は藤壺の宮と源氏の子)は元服をなされ、20日には突然譲位がなされ帝-冷泉帝に即位されたのです。
源氏殿が免じられたのが面白くない皇太后どの、さらに、息子朱雀帝から無視された決定に、どっと気弱になっていったのです。
新しい帝・冷泉帝の後見人である源氏殿は内大臣となり、亡き葵の上とに出来た和子(16歳)は童殿上といって、帝の話し相手として、特別に宮中に上がることができるようになったのです。
吾ら左大臣家も権力の中枢に返り咲き、私も頭中将から宰相をえて権中納言になりました。

お話はずっと先のことになりますが、源氏殿の実子-冷泉帝・童殿上と私の娘との間にひと悶着がおきてしまったのです。



61-珍訳願時-返り咲き

2009-08-19 07:49:33 | 物語・絵本・童話
返り咲き  澪標 みおつくし 
2年4ヶ月ぶりに京に帰ってきた源氏殿。
我々左大臣家の者たちはこぞってお迎えいたしました。
幸い朱雀帝の眼病も回復にむかわれ、怒る皇后を無視してまで、源氏の流刑を免じた判断がただしかったと、自信をおつけになっていったのです。しかし、心配の種は、愛する朧月夜の姫のことで、源氏殿が帰ってきたことによって、せっかく通じ合った心が離れてしまうのではないかということでした。
朧月夜の姫も今は分別のある大人に成長しました。
源氏殿からは帝のような深い愛は得られないことを悟っておりました。

60-明石の巻

2009-08-18 07:57:20 | 物語・絵本・童話
地獄の扉もあっけぱなしのお盆。極楽は大忙しで私もあちらこちらお訪ねをいたしておりました。てな訳でごぶさたをしておりました。
別れの夜の宴での源氏殿の奏でる琴の見事さに、皆は魂が抜ける思い出聞入った。とりわけ、明石の姫も琴の名手であったため、普段の遠慮深さも忘れ、競演をしてしまった。驚いたのは源氏殿で、話には姫が琴を弾くと聞いていたが、実際に聞くのはその夜が初めてだった。
都にもこれだけの名手は少なく、ご自分の琴を形見と渡しました。
   なおざりに頼め置くめる一言をつきせぬ音にやかけてしのばむ
と、明石の姫が少しいやみをふんくだ詩を歌いますと。
   あうまでのかたみに契るなかのおの調べはことかわらざらなむ
と、この琴の音が狂ってしまう前に必ず再会しょうと、約束をしたのでした。

59-珍訳源氏-帰京の喜びと悲しみ

2009-08-14 09:03:04 | 物語・絵本・童話
明石の入道の屋敷は喜びと別れの悲しみでした。
源氏殿にとってなにより気がかりなことは、明石の姫が妊娠したことでした。
都に戻れば、愛している女たちが待っている。昔のように愛の駆け引きに、愉快な時をすごせるのは確かなことだか・・・
どこか心残りがするのは、最近になってようやく、明石の姫と心が通じ合っい、都では感じなかった、落ち着いた幸せな日々だったのです。
運命の皮肉に戸惑いはしましたが、前世の縁の深さを信じ、神仏に平安を祈ったのでした。
話はそれますが、皆様の時代からすれば「子どこはどーーするんだ」ということになるでしょうが、この時代、夫婦といっても同じ屋根の下に寝起きしたわけではアリマセン。それ故にトーチャンは無責任とでも・・

58-珍訳源氏--源氏の帰京

2009-08-13 08:50:37 | 物語・絵本・童話
 流罪の放免帰郷  
流刑になってから3年目になり、源氏殿は27歳になられました。
都では様々な不幸がありました。昨年の3月13日の大嵐以来、帝の目が急に悪くなってしまったのです。
帝は父桐壺の院に戒められた夢の話を、母皇后に話すと「なにをばかな!」と一括しましたが、まもなく伯父・太政大臣(皇后の父・右大臣家)が亡くなるとめっきり気弱になってしまった。
朱雀帝の目はさらに悪化し、父桐壺の院の遺言を守らなかった天罰だと悟った帝は、皇后にも相談せずに、源氏殿に7月20日のちに都に帰るように使者をだしたのです。

57-珍訳源氏-明石の姫

2009-08-12 10:45:19 | 物語・絵本・童話
父親のもくろみが、家族に受け入れられないことは珍しくありません。
ましてや、我の強さから中央政府を負われ、ようやく明石の地に勢力を安定させた一族にとってなおさらのこと。
娘は流刑の源氏殿を簡単に受け入れる気はありません。それは当然のことで、やがては許されて京に戻るであろうお方の、一夜の慰め者になるくらいなら、初めから会わない方が懸命だと、拒否しつづけていました。
別々な屋敷に住んでいたとしても、父親の入道殿がそれとなく引き合わせているうちに、気位の高い娘も都人の立ち振る舞いに魅せられてしまいました。
秋風が吹く8月半ば、娘は源氏殿と結ばれました。
飛び切りの美人ではないのですが、どことなく昔愛した六条の御息所(伊勢に斎宮のお供として源氏から離れていった)とにているところがあり、しだいに愛おしさが増していった源氏殿でした。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本