黄昏どきを愉しむ

傘寿を過ぎた田舎爺さん 「脳」の体操に挑戦中!
まだまだ若くありたいと「老い」を楽しんでま~す

「平山郁夫展」で感動をいっぱい

2013-01-22 | 日記・エッセイ・コラム

生憎の小雨だったが、女房殿が今日は休日

思い切って出かけることに。

北九州市立美術館分館で開催されている「平山郁夫展」に。

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館内は雨にもかかわらず大勢の愛好家が訪れていました。

作品は本画から、大下図、素描など90点も。

作者の初期昭和20年代、30年~平成15年頃までのもの。

今回は、素描作品が多く、かえって、生の味わいを感じ取ることができたは収穫。

平山さんの、取材した地図はヨーロッパ、東欧、イスタンブールからシルクロード

への道、現在紛争の真っただ中のアフガニスタンをはじめとする国々や、人類の

文化遺産を訪ねた。その軌跡は、文明と歴史への挑戦でもあった。

1枚、1枚の画は、心を穏やかにし、心和むものを湛えている。

「平和」「救い」・・・彼の心のフィルターが、対象を透かして見る過程で、優しさを

形づくっていくのであろう。

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今回の入場券の絵にも使用されているこの絵

「マルコポーロ東方見聞行」  

黄金の国ジパングをヨーロッパに紹介したマルコポーロ、彼によって中世

ヨーロッパ人の世界観は大きく変わり、その後の歴史も大きく動くことになった。

平山画伯も、同じ道を・・・・。

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「破壊されたバーミヤン大仏」

2001年3月11日は、世界の歴史の中で特筆すべき日。

バーミヤン大仏のように、何か月も前から予告し、あらゆる説得を排し、世界注視

の中で、堂々と破壊した例はほかにない。

(偶像崇拝を否定するイスラム原理主義者により。)

いかなる宗教的な理由があろうとも、先人や同じその他の生きた人々の心の結晶

として1500年もの長きにわたって受け継がれてきた大仏は、すでに一国一宗派の

枠を超えた人類の文化遺産であった。

我々が渡された歴史遺産は、安全に次の世代へ渡さなければならない。

一度破壊されたものは、二度と戻らないのである。

                   ・・・・・「平山郁夫の旅」 バーミヤン編より。

今回の展覧会に行く前に、何冊かの本を読み「平山郁夫」の画業について

下調べの上で絵の前に立った・・・・・。

取材した場所が、どんな処か? どういう歴史背景があるのか。

彼が追い求める、「仏」の道・・・絵に籠める魂のようなものを。

そのことで、確実に「絵」を観賞するにたる効果があった。

本物は撮影できませんので、本から拝借しました。

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NO49「アンコールワットの月」

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NO48「絲綢(ししゆう)の路 バミール高原を行く」

この絵は大作でした。(171.2×363.6)

会場の正面、いっぱいに圧倒的迫力で・・・・観る人を釘づけに。

 中国とタジキスタンの国境に近い、タクラマカン砂漠の西端からケイズ河の

渓谷沿いにクンルン山脈に足を踏み入れた標高四千メートルに近い地点である。

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NO.44「大毘波沙国桃源境」(だいびばしゃこくとうげんきょう)

パキスタン最北部の秘境、フンザ渓谷に足を踏み入れている。本図は、そのとき

滞在した渓谷のホテルから、眼前に拡がるアンナプルナ山系の壮大な景観を

スケッチしたもの。 これも大きかった・・・(171×363)

その他、素描には、生まれ故郷の瀬戸田風景、瀬戸内海の海、父母の顔

そして、広島での強烈な原爆の瞬間。

シルクロード各地のスケッチ・・・、丹念に、精魂込めた1枚、1枚。

素描なんてもんじゃない・・・もう、立派な本画。

全部を見終え会場を出た瞬間。 

「心が安まる」・・・。

本物に触れる」ことが、如何に心を豊かにするかを体感した一日に。

 


続 黄昏どきを愉しむ

 傘寿を超すと「人生の壁」を超えた。  でも、脳も体もまだいけそう~  もう少し、世間の仲間から抜け出すのを待とう。  指先の運動と、脳の体操のために「ブログ」が友となってエネルギの補給としたい。