今朝は久しぶりに雨・・・気持ちがいいですね。
しっとりと濡れた地面から「土」の匂いが昇ってくる・・・。
田舎に住んでいる、と言う実感でもある。
雨が止んだ途端、蝉が鳴き出す・・・いや、もしかしたら「泣き出す」のかもしれない。
彼ら?(蝉)に残された時間は余りなさそうですから。
雨が少しあがったので花瓶に活ける花を・・・と思って外へ出てみた。
垣根の隅に1本の柘榴の樹にひっそりとまだ青く小粒の柘榴が目に入った。
これいいねぇ~・・・絵にも描けるね。
先ず、花瓶じゃつまらない・・「藍」の器に載せてみたらどうだろうか?
どうです、いいじゃないですか この姿。
活けるのではなく、器とのコラボレーションで双方を眺め、楽しみ、両者の姿を際立たせる
「藍」と「緑」の色彩の妙・・・ 効果 柘榴の可愛らしい姿・・ 抜群ですね。
柘榴がもう少し熟れて、実が弾ける姿だと
もっと素敵。
この古伊万里の皿は想い出の1品
40年も前に、当時札幌で勤務していた時
生涯の先輩として出会ったNさんからの
贈物です。
彼の奥さんが古平という昔の「鰊場」のお嬢さん・・・出会いの縁の、曰く因縁は省いて。
いつのころ(江戸時代)か、九州の港から、北前船に運ばれ北海道の地に荷を下ろし、
数々の赤銅色に焼けた漁師に、魚場での料理を載せて味わってもらった、雑器だった皿。
(手描きの絵は、素晴らしく陶工の腕が冴えています。当時は何気ない器だったのでしょう が、今ではこうした品物を手にすることは高嶺の花の時代になってしまいました。)
1枚の皿にも、ひとつの歴史が・・そして、今、私の逸品として、この料理は、この皿で。
という深い思いで、丁寧に、愛でるように今も、使い続けているものです。
深い「藍」の色は、どんなものでも美しく見せてくれます。
この「藍」に「会い」、使うことによって「愛」を感じる そんな1枚の皿。
雨が降ったおかげで昔のいい思い出が蘇り、静かな朝を楽しんでいるところです。