「地球も環境も人もターニングポイント(転機)!」がテーマだ。
小島功、福田繁雄ら第一線で活躍する漫画家や、イラストレーター32人が書き下ろした漫画が一堂に会した。
すべて1コマ漫画で、87点・・・。
これも、大変ユニークな展覧会だ。
地球環境の悪化や薄れゆく人情、多くの人が「時代の転機が必要」と感じている。
現代の世相をシンプルにずばりと表現し、新聞紙面などでピリリとしたスパイスを効かせる、あの1コマ漫画が、コミックを凌ぐパワーで、「未来への折り返し」につなげるメッセージを発信する。
会場は、横浜情報文化センター内の日本新聞博物館(ニュースパーク)だ。
「一枚マンガの折り返し展」は、どれも勿論傑作ぞろいだが、なかには結構難解(?)なマンガもある。
(→リンク先の「ギャラリー」では、作品のうち32点の1コマ漫画を、ひとつひとつ拡大して見ることができます!)
1コマ漫画だけに、直感での判断が難しく、漫画の前で立ちすくんでしばらく考え込んでしまう人もいる。
しかし、なかなかどうして、風刺や機知に富んだ面白い作品が並んでいる。
9月13日(土)まで開催されている。
ところで、この日本新聞博物館は、2000年10月にオープンしたニュースパークだ。
わが国の日刊新聞発祥の地が、横浜だったそうだ。
新聞は、誰にとっても、いつも身近にあるメディアだ。
世の中の出来事を、歴史のひとこまひとこまとして伝えてきた新聞が、社会でどんな役割を果たして来たか。
約20万点の所蔵資料から選ばれた、実物資料、映像、シュミレーション装置などをふんだんに用いた展示を見たり、聞いたり、触れたりすることができる。
時間があれば、常設展なども、結構ばっちりと楽しめる。
普段、私たちの知っているようで、知らない新しい発見もある。
新聞製作工房というのがあって、ここでは自分だけの新聞をつくる体験ができる。
また、各紙の創刊当時から、日露戦争勃発、関東大震災、太平洋戦争当時などの貴重な新聞紙面を見ることもできて、大人も子供も社会科の見学といった気分だ。
館内の学芸員も、親切な説明をしてくれるので有難い。
意外性があって、夢いっぱいという感じの、新聞博物館だ。
江戸末期から現代まで、新聞が歩んできた道のりをたどる展示も楽しい。
新聞は、時代を写す鏡とはよく言ったものだ。
言論の自由に対する、統制や弾圧があった暗黒の時代から、様々な事件にまきこまれながらの波乱に満ちた新聞の歴史を見るとき、日々何気なく接している新聞が、妙に愛おしく思えてきたりするから不思議である。
特別企画展のないときであっても、のぞいてみるといいかも知れない。
パソコンを使って、記事を入力し、自分の写真が載った新聞づくりを体験できるのは好評のようだ。
新聞は、全国各紙百紙が揃っていて、ライブラリーも充実している。
新聞のことなら、ここで解らないことはまずないだろう。
この博物館のある建物は、旧横浜商工奨励館(横浜市認定歴史的建造物)を保全・活用したものだ。
それから、この建物の8階から上には、放送番組専門の公開施設・放送ライブラリーがある。
こちらの方も、立ち寄りついでに楽しむこともできる。
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結構、身近なところに、こうした施設ってあるものなんですね。