徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

映画「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」―壮大な謎と冒険―

2010-06-01 06:00:00 | 映画

マイク・ニューウェル監督のアメリカ映画だ。
砂漠を舞台に繰り広げられる、エキゾティックなスペクタクルである。
まあ、難しい理窟は抜きにして、面白く観られる娯楽大作だ。

・・・広大な砂漠で、ペルシャの街で、荘厳な城で、聖なる山で、スリリングなアクションとともに、陰謀とロマンが、神秘と謎をいっぱいに詰めた物語を展開する。

神秘に満ちた、古代ペルシャ・・・。
史上空前の繁栄を極める帝国、そのスラムに少年ダスタンはいた。
ある日、トラブルに巻き込まれた友人を救うため、ダスタンは大勢の兵士に立ち向かった。
そんな、少年の勇気ある大胆な行動を見ていたのは、誰あろうペルシャ王であった。
彼は、少年ダスタンを王宮に連れ帰り、養子として家族に迎え入れた。

―― それから15年、成長して、“ペルシャのライオン”と呼ばれるほどの勇者となった第三王子ダスタン(ジェイク・ギレンホール)は、兄や叔父のニザム(ベン・キングスレーとともに、聖なる都アラムートを征服する。
だが、戦利品として得た一本の謎の短剣が、彼の運命を再び変えることとなった。

戦勝の宴で、ダスタンは父王にアラムートの法衣を贈る。
そして、王が、アラムートの姫タミーナ(ジェマ・アータートン)を彼の妻とするよう命じたその時、王は衣に塗られていた毒で絶命する。
愛する父の死に呆然とするダスタンを、王宮から逃がしたのはタミーナだった。

ダスタンの持つ短剣は<時間の砂>を収めていて、この砂を使うことで、過ぎた時を戻し、過去を変え、世界を支配する究極の力を得るとされる。
ペルシャ帝国軍と、闇の暗殺者集団ハッサンシンがダスタンを追跡する中、殺人者の汚名をそそぎ、真実を暴くため、ダスタンはターミナを道連れに、時間を巻き戻せるという伝説の<時間の砂.>を求める旅に出る。
真犯人を見つけ出し、<時間の砂>の謎を解き明かすために・・・。

展開の速い場面では、一瞬何が起こったのかわからないようなところもある。
はて、何がどうなったのかと、考えてみている間などない。
時が停止し、時間が逆送を始めるのだ。

王子ダスタンのキャラクターと、それを演じる演技派ジェイク・ギレンホールのアクションシーンの素晴らしさも魅力的だし、ニザム役のベン・キングスレーという個性派俳優はよくお目にかかるが、ここでも抜きん出た存在感を見せている。
初めて敵として出会ったダスタンを、タミーナが追っ手から逃すというのもいささか唐突な設定に見えたが、これにも、ダスタンが手にした短剣の謎にその伏線があったのだ。

ドラマそのものはファンタジックで、特殊撮影をふんだんに使って楽しませてくれる。
CGではなく、実際にモロッコの広大な砂漠に出演陣が集結して撮影したあたり、なかなか大変だったようだ。
テンポもあって、ダイナミックかつスリリングな映像は、さすが「パイレーツ・オブ・カビリアン」のプロデューサーによるというのもうなずける。
この作品は、伝説の短剣と神々の砂時計が時を操る、壮大な謎と冒険のファンタジードラマで、2時間の興奮は、まず観客をあきさせることはない。